就活生向け:ESや研究概要資料は、読み手の立場を想定して理解しやすいものに仕上げよう

就活情報

理科系の総合職採用や研究職採用では、通常のエントリーシートと自身の研究概要をまとめた資料の両方を提出させるケースが多いようです。このあたりの資料は、採用にかかわる人たちが目を通すことになりますが、エントリーシートや研究概要が誰に読まれているか想定したことはあるでしょうか。

文章や資料は、読み手の立場を想定し、その人たちが理解できる内容を提供することが鉄則です。また、「内容が理解・納得できるものである」ことも大切で、そのためには論理的な説明が展開されていることが不可欠です。この点は就職活動で使われる資料も同じです。

今回は、エントリーシートや研究概要説明において意識したほうが良い点について、私見を書いていきます。

読み手を想定し、相手が理解できるような論理的説明を心がける。

その資料を読むのは誰ですか?

研究レポート、学術論文などを読む人のほとんどは、「その分野について十分に情報を持っている人」です。すなわちこれらの資料は、執筆した自分とほぼ同等もしくはそれ以上の知識を持っている人を対象に作成されています。相手と自分の情報量やその質が近いため、執筆者が自分の情報をほぼすべて提示しても読み手はそれを受け入れることができます。

では、エントリーシートや研究概要の読み手は誰でしょうか。もちろん「応募先の企業の人」ですが、少し不正確です。企業や選考フローを調べ、資料を読む人の「立場」まで想定しましょう

私は就活中、この判断を大きく間違えたことがあります(結果内定はもらった会社ですが)。その会社はエントリーシート内に「あなたの研究内容」を書く小さい欄があり、正確に理解してもらおうと詳細な記述をしました。しかし後日聞くと、その会社では研究分野の人は基本採用活動に参加しないため、研究内容も人事や役員の人が読むための簡単ものにして欲しかったといわれました。

応募先の選考フローがある程度わかれば、どの立場の人が採用にかかわっていて、エントリーシートや研究概要を読むかが想像できると思います。各企業の選考フローの情報は、先輩などから十分に集めておきましょう

あなたの説明したいことは、相手の持っている情報で理解できるものですか。

どの立場の人が読むか分かれば、その人が理解できるような資料を準備するのが鉄則です。内容が理解しやすく、なおかつ論理的で納得感のある資料を提示することが、選考通過に大きくつながります。

およその方向性について、以下に書いて聞きます。

〇エントリーシート

エントリーシートや研究概要資料は、その人の特性を判断するために使用されます。そのため、資料の中身は、多くの人が持っている情報で理解できる内容で構築しましょう。

学生時代に力を入れたこと、自己PRなどは、いろいろな立場の人が目を通します。そのため、誰が読んでも理解できそうな内容を選択したほうが無難です。誰でも理解できそうなテーマを設定し、それについて自分らしさを述べていくのがいいでしょう。

テーマと述べたい内容が決まったら、それを筋道立てて書いていきます。できあがったら、それを他人に見てもらいましょう。読みにくいところや改善点について評価がもらえるはずです。

〇研究概要説明

研究概要説明は、大半の場合研究に関わっている社員が読みます。ただし会社によって違うので、その点は選考フローなどを確認しながら想定しましょう。研究員の場合、普段から論理的な文章に接している機会が多く、筋道だった資料に触れると「非常に読みやすい」という印象を持ってくれます。

資料作りにおいて以下のことを意識しましょう。

①その分野の専門家ではなくても、研究背景・目的・目指しているものが分かる。

②読み手が理解・納得できる、論理立った説明が展開されている。

①研究というのは往々にして専門性が高く、内容を正確に理解してもらうためには相手にもそれなりの情報が必要です。正確な説明を展開しても、読み手や面接官の知識では理解が追い付かず「分かりにくい」という評価を受ける可能性があります。これは非常にもったいないです。読み手の持っている情報を想定して、自分の研究のストーリーを組み立てましょう。

②研究概要は、「この人は自分の研究を整理して論理的に遂行できる人か」という観点で見られています。そのため、読み手が納得できるような論理展開ができていることが大切です。これについても、作った文章を他人に読んでもらうといいでしょう。

自身の研究内容と会社の分野が必ずしも合っていないこともありますが、その心配は一旦忘れましょう。むしろ、資料を十分に作りこみ、「この人は専門外のことも論理的に分かりやすく説明できる」と評価されることを目指しましょう。

*企業によっては専門分野やスキルを評価の基準にしていることがありますが、その場合本人のスキルと会社のニーズ次第で採用される可能性が大きく変わります。こればかりはご縁と思うしかありません。

注意:事前想定と異なった場面に出くわすことも

選考前に企業についていろいろ調べると思いますが、情報が正確でなかったりその年から大きく変わっていたりすることも多いです。こればかりは運であり巡り合わせとしか言えません。

しかし、それは他の就活生にとっても同じです。自分のできることに集中し、選考に臨みましょう。

まとめ

・企業の選考フローを調べ、エントリーシートや研究概要を誰が読むのか事前に想定しておこう。

・相手の持っている情報で理解できるような内容や説明方法を選び、資料を準備しよう。

・運悪く想定と違った状況になることもあるが、自分のできることに集中して選考に臨もう。

相手のことを十分に調べて準備すること、論理的な説明を展開することは、研究や仕事を進めるうえでも大切な能力です。就活を通してビジネスマンとしての基本スキルを磨いていきましょう。

 

研究職への就職を目指す学生へのアドバイスはこちら

関連記事:研究職志望者の就活:現役食品会社研究職からのアドバイス

コメント

タイトルとURLをコピーしました