研究職が転職エージェントに登録してみてわかったこと。

以前の記事にも書きましたが、

研究職は普段から勉強をしていないといい仕事ができません。

とはいいつつもその勉強のきっかけは、

「仕事で必要になったから」

という受動的な理由であることも多いです。

 

この理由でも勉強しないよりはいいのですが、

会社で求められたことだけをやっている自分に気づき、ときどき以下のような心配が頭をよぎります。

 

「この会社で必要なことだけを身に着けているのではないか?」

「自分のスキル・能力・経験は、この会社でしか役に立たないのか、環境が変わっても活かせるのか」

 

会社員は通常、自分の能力についての評価やフィードバックをくれるのは

自分の上司や同僚しかいません。

しかもその間柄には利害関係が絡んでおり、客観的な評価がもらえているのか何とも言えません。

 

そこで、社外の人にコメントしてもらう方法がないかと考えました。

リベラルアーツ大学の記事などを参考にし、

その方法として転職エージェントに登録することにしました。

詳細は後日書きますが、

転職希望がない状態でもエージェントに登録することはでき、

自分のキャリアやスキルの評価をもらったり候補となる求人を見せてもらうことができます。

 

転職活動に関する極意などは、もっと専門的なサイトがたくさんあるのでそちらに譲ります。

今回は、私が転職エージェントに登録したほうがいいと思っている理由と、

登録状況について簡単に報告します。

前提:転職エージェントには登録しておき、自分の市場価値を知っておくほうがいい。

上記の通り、現時点で転職希望がない方でも、転職エージェントなどには登録しておくほうが良いと考えます。

理由は、以下の通りです。

・登録をきっかけに履歴書や職務経歴書を作ることになり、キャリアやスキルの棚卸ができる。

・自分の市場価値の客観的評価をエージェントから聞くことができる。

・自分の価値を高めるために必要な改善点を知ることができる。

 

理由や私見は改めて記事にしますが、上記の理由で転職エージェントを活用しても問題ないそうです。

登録状況

自分の市場価値を知りたいという目的のため、

あまり多くのエージェントには登録していません。

現在は2つの転職エージェントと2つの転職サイトに登録し、それぞれ面談を行ったのち定期的に求人を紹介してもらっています。

登録先は、JACリクルートメントリクルートエージェントビズリーチ、です。

また、研究者の就活・転職に特化したアカリクキャリアというサービスも登録しました。

その中でも主に、JACリクルートメントとアカリクキャリアを使用しています。

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

登録者情報は(概略のみになりますが)以下の通りです。

 

・30代半ば、食品企業の研究職。

・大学の研究員を兼務している。

・博士号を持っている。

・その他(経験してきた業務、保有スキル、英語能力、など)

状況:求人紹介を幅広く依頼すれば、案件はそれなりにいただける。

状況としては、以下のような結果を得ています。

 

・食品を扱っている企業からの求人はそれなりにもらえる。研究職としての求人も含まれていた。

・自分の業務経験を考慮してか、トクホ、機能性表示食品、健康食品およびそれらを対象とした臨床試験にかかわる求人が多く届いた。おそらく、研究員というよりそれを専門とする人を必要とする求人であった。

・食品会社以外(化学メーカー、製薬メーカーなど)もあった。いずれの企業も、食品事業に従事する社員としての求人であった。

・企業によっては管理職候補の求人が届く。(30代にしては意外と多かった)

・待遇面はバラバラのため、コメントが難しい。ただし、企業間の差が大きいことはよくわかった。

 

具体的な説明はできませんが、

30代半ばの私であっても求人が全くないわけではないということが分かりました。

あるエージェントからは、

「求人情報は絶えず変化しているので、見るタイミングによっては紹介できる案件が今回の倍以上のときも、全くない時もある。だから、転職の可能性が少しでもあるなら、早い時期から相談に来てもらえると、数少ないチャンスをつかめる確率が上がるよ。

というコメントをもらいました。

 

また、私のキャリアを踏まえて今後伸ばしておいた方がよい部分を指摘してくれました。

この改善点は、転職に限らず社内出世の際にも役立つような内容で、

これを聞けただけでも収穫でした。

まとめ

・前提として、企業の研究員も転職エージェントに登録するメリットは多い。

・2つのサイトに登録したところ、いくつかの求人は紹介された。

・求人情報は絶えず変化しているので、少しでも気になる人は登録しておいて損はない。

転職活動はタイミング(+巡り合わせ)の要素が大きいようです。

現在私は希望はありませんが、

運をつかむための行動は常にとっていたいなと感じています。

 

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)




研究職への新入社員配属:希望を叶えるためにできること。

研究やりたいのに、違う職場に配属されそう…

研究職に配属されたいけど、希望は通るのだろうか?

この記事を読んでいる皆様、いかがでしょうか?

 

以前の記事で、企業に就職して研究関連業務につきたい方は、

各企業ごとの採用枠やその先の配属先を確認してみようとお伝えしました。

 

就職活動をする学生の立場からすると、

この情報をもとに応募する企業を選ぶことはできますが、

採用された後に本当に研究関連業務に就けるかまでは正直分かりません。

 

私としても、「総合職」よりも「研究職」として採用された方が

可能性が高いことはお伝え出来ますが、

その先の配属希望が通っているかは、

自分の会社についてや他社の友人から聞いた情報しかありません。

ただ、共通することも多く、

その点についてはコメントできるかと考えています。

 

今回は、研究職につきたい方に向けて、

「新入社員配属にかかわる要素と、希望を通すために自分にできること」

について書いていきます。

研究職の新入社員配属:自分にできることを頑張ってみよう

新人の配属先に影響する要素

私がこれまで見てきたことや友人のコメントを聞く限り、

以下の要素は確実に影響します。

そしてこれらのほとんどは、「新人本人にはコントロールできない要素」です。

 

・本人の希望

・本人の出身、性格、スキルなど(ただし、会社から見た評価)

・ その年の採用人数 、他の新入社員の特性

・会社の業績や事業方針

・新入社員配属に関する会社の慣例

・事業所ごとの新人需要

本人の希望

新人配属を決める前に面談が設定され、

配属先希望を尋ねられることがあります(私もありました)。

配属先決定に影響するのかは正直分かりませんが、

新入社員はこの場で希望を出すことくらいしかできません。

強い希望があるなら発言しても問題ないと思います。

本人の出身、性格、スキルなど(ただし、会社から見た評価)

例えば、以下のようなものです。

「出身地域に近い事業所に配属する」

「明るい人柄だからお客様に近い部署で仕事をしてもらう」

「持っている研究スキルが会社ですぐに必要だから、研究所に配属する」

縁故採用の新人は、

採用の段階である程度方向性を決めていることもあるようです。

 

性格やスキルもあくまで「会社から見た評価」のため、

自分の認識とずれていることもよくあります。

その年の採用人数 、他の新入社員の特性

採用人数が少ない年は新人配属が毎年行われている部署が優先されますし、

人数が多い年は普段新人がいかない部署にも配属される可能性が出てきます。

 

また、配属先は自分だけでなく他の新入社員も含めた

全体最適で決められる傾向があります。

自分が研究所を希望していても、

研究所の配属枠が一人しかなく、

会社が欲しているスキルを持つ別の新入社員がいる場合、

その人が優先して配属されるといった可能性も出てきます。

会社の業績や事業方針

例えば、

・前の年に事業Aが急成長してマンパワーが必要だ。

・とにかくたくさん人を割り当てたい

といった時に

事業Aにかかわる部署に多く配属されることもあります。

新入社員配属に関する会社の慣例

例えば、

新人はまず現場に出てもらい、

一部優秀な人を本社業務や海外事業関連に異動させる

などのように、

これまでの会社の慣例として配属先やその比率がパターン化していることもあります。

部署・事業所ごとの新人需要

会社の中にもいろいろな部署があり、

仕事内容も規模もまちまちです。

新人に任せにくい仕事をする部署には配属は少ないですし、

直近1年で急に忙しくなった部署から人員補充の希望が出ているときに

そこに優先して配属されるといったこともあります。

 

上記の中では、本人の希望以外は会社都合の内容です。

新入社員の配属は、会社側の都合がとても大きくかかわり、

社員本人がコントロールできない要素が多いということが分かると思います。

 

次に、

企業で研究をしたい場合に応募する職種(研究職、総合職(理系))ごとに

簡単にコメントします。

研究職採用:ある程度パターンはあるが、それでも年度ごとに違う。

研究職で採用された方は、

採用の時点で配属先候補が研究関連部署に限定されており、

究と全く関係ない部署に配属される可能性は低いでしょう。

 

しかし、研究関連部署の中でも上記の要素は常に変化しており、

その年ごとに配属先候補が変わったり他の社員が優秀だったりと、

自分でコントロールできないことが多いでしょう。

総合職採用の場合:上記の要素が複雑に絡み、年度ごとに大きく変わる。

総合職採用で研究関連部署に配属を希望するとき、

まずは

「研究関連部署に配属されること」という点で

他の社員と競争することになります。

加えて総合職の場合、

研究関連部署の配属枠は相対的に少ない傾向があります。

 

上記の理由および先述の要素が複雑に絡んでおり、

総合職採用の人が希望通り研究関連部署に配属されるかは、

コントロールできない要素がかなり大きくなってきます。

配属先で結果を出して、異動希望を通してもらうしかない。

新入社員時点での希望通りの配属は、

正直運頼みに近いところがあります。

 

ただし、希望通りにいかなかったとしても、

その後に異動希望を出し続けることはでき、

数年後などに希望部署に異動できる可能性は残っています。

 

配属直後に希望が通ることは少ないので、

まずは一旦状況を受け入れ、自分がコントロールできることに集中しましょう。

 

具体的には、以下のことができると希望が通る可能性が高まってきます。

実際私の後輩もこれらのことを粘り強く行い、

希望をかなえて研究所に異動してきました。

 

・配属先で結果を出す。

・面談の際に異動希望を出し続ける。

・異動希望先の偉い人と(裏で)コネクションを作っておく。

 

もし仮に異動希望が全然通りそうにない雰囲気を感じたら、

転職活動などで希望する職種に就ける可能性を探ってもいいと思います。

特に若い方は、

直接の実務経験がなくても採用してくれる会社もあると聞きます。

自分の進みたい道をしっかり考えて行動できれば、道は開けるでしょう。

まとめ

・新人配属には様々な要素が絡んでいる。

・これらの要素は年度ごとに大きく変わる。

・研究職と比較し、総合職採用で研究関連部署に配属されるのは難しい。

・配属後の行動次第で、自分の希望に近い仕事に就ける可能性も十分にある。

 

結果を出して研究所への異動希望を通した社員は、

私が所属する会社では先日の後輩以外事例があまりないそうです。

実際その後輩は、水を得た魚のように生き生きと仕事をしてます。

 

新人配属の時点ではコントロールできない要素が大きいですが、

自分の行動次第で道を開ける可能性は十分にあるはずです。

 

関連記事:研究職志望者の就活:現役食品会社研究職からのアドバイス

関連記事:食品会社の研究職に向いている人

関連記事:学部卒でも研究職になれる?内定を取るためにできること




研究職と開発職:両者の違いを紹介②

先日の記事で、研究職と開発職では仕事内容以上に仕事における目線の違いを書きました。

・研究職:比較的先の未来を見て仕事をしている

・開発職:比較的直近の対応に目線が向いている。

今回はこの内容の補足です。

 

前回の記事で、

「研究と開発を両方やっている人もいる」

と書きました。

 

このタイプの人は、研究的な目線(長期目線)と開発の目線(短期目線)の両方をもっています。

直近の売り上げも意識しつつ会社の未来につながる仕事もできる。

このフレーズを聞くだけでもこの人は優秀そうに聞こえます。

 

研究職の長期目線や開発職の短期目線も、

偏りすぎるとそれは問題です。

会社全体の利益を考え、長期短期どちらの視点も持って仕事を進めるほうがよいはずです。

 

今回は、

研究職および開発職が、長期及び短期の両方の目線を持つために意識したほうが良いこと

について、私見を書いていきます。

研究職も開発職も、長期短期どちらの目線も持てるとよい。

研究職:営業や製造の状況など、直近の販売や売り上げに関する情報を知っておく。

研究所は本社や営業部門と立地が離れていることも多く、

会社の業績や営業関連の情報が鮮度よく入ってこない環境になりがちです。

現在の会社の売り上げ状況やそれに関連する課題について知る機会が減り、

この状況が続くとこれらのことに関心が向かなくなってしまう懸念があります。

 

会社員は、今の会社がどのような状況であるかを把握しておくことも大事な業務の一つです。

特に、研究以外の部署の状況や問題を知ると、

問題解決に対して研究者も意外と貢献できることがあると知ることができます。

 

私の周辺であった事例ですが、

営業担当の中に製品の品質管理に詳しい人がおらず、

ユーザーからの品質管理手法に関する問い合わせに中途半端な回答をしていることがありました。

この時研究者や技術者が入ったことで正確に回答でき、

問題の解決とユーザーからの信頼を得たというケースがありました。

 

情報を仕入れておき、

場合によっては適切なサポートを加えることで、

直近の問題解決に研究者として貢献できる場合があります。

これにより、他部署やユーザーからの信頼につながることもあります。

 

そういった意味でも、営業や製造といった他部署の現状を知って短期目線の視点を育てておくことも大切と思います。

開発職:潜在課題の解決や今後の事業展開について考える時間を確保する。

基本的に営業やユーザーからの問い合わせ対応には短い期限がつきものです

(営業の人曰く、これでもかなり緩めの条件だとか…)。

目の前の対応で忙しくなることが簡単に想像できます。

 

しかし、開発職という立場で実際に商品などを開発した流れを通して、

既存品の課題や問題点について気づいていることも多いと思います。

今クレームなどの対象になっていないものでも、

この課題を解決することでお客様の見えない不満を解消できる可能性も十分にあります。

 

また、今後の戦略を踏まえて開発計画を立てることも開発部門の仕事の一つです。

そういった意味で、目の前の仕事と同じくらい今後の計画をする時間を確保してもいいはずです。

 

期日が迫った仕事は確かにすぐに解決すべきです。

しかし、潜在的な問題課題を優先して解決することで、1年後の売り上げが変わってくる可能性も十分にあります。

重要度で仕事を区別し、

場合によっては緊急ではないが重要な仕事(7つの習慣より、引用)を先に行うなど、

長期的な影響を意識して仕事に取り組む姿勢を持っているといいかもしれません。

自分の仕事に集中しつつ、違う目線も持っていると強い。

実際所属する会社でも、役員や部長クラスの人音頭をとって、

研究職に直近のユーザー対応案件を調べさせる

開発職に潜在課題を見つめなおす時間を設けさせる

といった光景を見てきました。

 

研究職と開発職は部署こそ違うことが多いですが、

長期目線および短期目線の両方を求めていることように感じられます。

前回の記事の通り、研究職は長期目線の仕事が中心、開発職は目の前の仕事が中心になりがちです。

しかし、ここであえて違う視点を持つようにトレーニングすることで、

周囲の社員とは一味違った目線で仕事ができるようになります。

仕事の幅も広がり、自分自身の価値も上がっていくはずです。

まとめ

研究職:営業や開発などお客様や売り上げに近い情報も把握し、短期的に会社の力になるという視点も育てておく。

開発職:潜在課題、今後戦略のなどについて考える時間を設定し、長期的な視野を持った取り組みも増やしていく。

上記を意識することで、自分自身の価値も高まるはずです。

自分は研究職のため、会社の直近の状況をあまり把握せず仕事をしてきたような気がします。

 

自分の本業は大切ですが、

営業やユーザーからの問題を解決するなど、

短期的にでも会社の力になるという姿勢も持ち続けようと思っています。

理系就活をする際は、理系向け情報が集まるサイトを使おう!

この記事を読んでいる中に理系就活を準備している人がいましたら、

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ぜひ皆様には納得できる就職活動を過ごしてほしいですし、

記事を書くことで少しでもその応援ができればと思います。

 

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研究職と開発職:両者の違いを紹介①

特に食品会社の場合、

理系の新卒学生を「総合職(理系枠)」のような形で一括で採用し、その後様々な部署へ配属させることが多いですリンク:研究職と総合職

 

配属先としては、

基礎研究や応用研究を担う研究職、

商品開発にかかわる開発職、

生産管理系の部署、

製造現場(工場など)、

技術サポート部署、品質保証部署などがあります。

リンク:研究職の配属先

 

インターネットなどで就活生が調べているワードとして、

「研究職 開発職 違い」

というものを見つけました。

確かに、この2つの職種はパッと見た感じ違いが分かりません

しかし、仕事内容も違いますし、それ以上に仕事における目線が全く違います。

 

総合職で採用される場合、どちらに配属されるか分かりませんので、その違いを事前に知っておいてもいいかもしれません。

今回は、研究職と開発職の仕事の目線の違いについて書いていきます。

研究職と開発職では、仕事の目線が違う。

研究職:比較的先を見据えて仕事を進める傾向がある。

大学での研究を振り返ってみると、

ラボ全体の方向性や得意とする分野があり、

その中の一部がテーマとして学生に割り当てられていたと思います。

 

学生のテーマは1~2年程度で解決するかもしれません。

そして、所属する学生たちがそれぞれテーマをクリアすることでラボ全体の知見や成果が増えていき、

数年後などにラボが充実してくという流れをたどったと思います。

企業の研究も似たようなとこがあり、

研究職は「1年、数年あるいは10年先の新事業やあるべき姿を目指した仕事」が中心となることが多く、

比較的先に目標を据えて仕事をしています。

 

新しく開発した技術の場合、

その技術を使った商品が世に出るのは数年先になる可能性もあります。

新しい天然物の食品利用を目指している人は、

問題なく利用できるという証拠のデータ取りに数年かかるかもしれません。

 

研究職の仕事の多くは、

新規性があり評価に時間がかかるため、目立った結果が出るまでにかなりの時間がかかります。

全員が同じとは言いませんが、

研究職は主に、会社の未来を見据えた仕事に取り組んでいます。

開発職:直近の要望に応えること主眼がある。

研究職が先を見据えた仕事が多い一方、

開発職は直近の売り上げにかかわる仕事が中心です。

新商品開発やユーザーからの要望への対応など、

比較的お客様が近く期日の短い仕事が多いです。

 

食品企業の職種の中でも、

開発職は花形の印象があると思います。

自分の開発したものがスーパーやネットで販売されているのを見るのは、

成果としてイメージしやすいですし何よりうれしいです。

実際に自分の手で試作したのものが世に出ることもしばしばあり、やりがいも感じられるでしょう。

 

しかしその裏で、開発職の人はものすごいスピード感で仕事をしています。

技術が必要となる試作はその一部で、

それを実際に食品工場で作れるようにテストをしたり、

品質確認をしたり、

パッケージや容器を選択しデザインを検討したりなど、

一つの商品において無数の仕事が襲ってきます。もちろん、

これらの仕事を一人ですべてやるケースは少なく、

チームを組んで仕事を割り振っていることも多いです。

 

開発職では、

定期的なユーザー向け商品提案やシーズン物の新商品開発など、

一定の間隔で提案をする必要があります。

 

このような目の前のモノづくりに集中した仕事がしたい方は、

開発職に就けると力が発揮できるかもしれません。

このように、

開発職は直近の売り上げやモノづくり・販売にかかわる仕事をしており、

仕事の目線が比較的近くにあります。

研究職と開発職を区別しない会社も多い

研究職と開発職の違いを書いてきましたが、

逆に共通する点として「技術的なアプローチを使って仕事に携わること」が挙げられます。

理系学生をこれらの職種に配属させる理由は、

技術をうまく組み立てて物事を発明・解決していく能力が必要だとからだと思います。

 

企業によっては、

研究と開発で役割を明確に区別せず、

配属した社員に両方を担当させているケースもあります。

 

この場合、直近の問題解決という目線と数年・10年先の新しい事業づくりという、

2つの仕事を並行して行うことができます。

 

一人でモノづくりや技術開発のすべてに関わりたいエネルギッシュな方は、

このようなポジションにつくと大活躍できるかもしれません。

まとめ

・研究職:1年、数年、10年先の課題解決や新事業立ち上げなど、長期目線の目標が多い。

・開発職:新製品開発、ユーザーからの要望に対する対応など、短期的な問題解決に軸がある。

・研究職も開発職も、技術をもとに課題を解決するとことは共通している。両者を兼ねる人もいる。

仕事の目線が違うことから、両社が話すと会話がかみ合わないこともたまにあります。

ここでお互いの立場を理解してよいコミュニケーションが取れると、仕事の質はぐんと上がるでしょう。

 

総合職で採用されると、研究職にも開発職にも(その他の業務にも)配属される可能性があります。

配属先が分からないという不安はあるものの、

配属先の仕事を通して自分の隠れた適性が見えてくるかもしれません。

 

理系就活をする際は、理系向け情報が集まるサイトを使おう!

この記事を読んでいる中に理系就活を準備している人がいましたら、

とてもうれしいです。

ぜひ皆様には納得できる就職活動を過ごしてほしいですし、

記事を書くことで少しでもその応援ができればと思います。

 

理系向けの就活情報をうまく使い、自分らしく就職活動を進めてみてください。

一つアドバイスとして、

理系就活では、理系向けの情報を常に仕入れておくことはとても大切です

理系学生の就職活動には、

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食品業界の年収は?業界レベルでは低いが、福利厚生に注目せよ!

食品業界って年収低いらしいけどホント?

こんなうわさを聞いたことはないでしょうか。

私は現在食品会社で働いていますが、

就職前も就職後もこの話はよく耳にしています。

 

企業に就職するにあたって、年収という要素は非常に大事です。

お金を得るために働くという側面は当然強く、

年収が高い企業に就職したいというのはほぼ全員が思っていると思います。

年収の低い会社・業界にはいきたくないと思うのが普通でしょう!

 

業界や各企業の年収データについては、

就職四季報やインターネット上に年収データが公開されています。

この年収データはある程度参考にはなりますが、

企業間でデータを横並びで比較するのは正直難しいです。

 

なぜなら、これらのデータは企業間で前提が揃っていないことが多く、

データを横並びで見ることが正しい比較にはならないからです。

 

また、日本企業(特に大企業)では福利厚生が充実していることが多く、

福利厚生により手取り年収が大きく変わってくることも多いです。

特に、住宅に関する福利厚生は、手取り年収にとてつもない影響を与えます。

今回は、

食品業界の年収:業界レベルでは低いが、福利厚生で大きく差がつくことも

というテーマで書いていきます。

 

可能であれば就職四季報を手元に置き、

以下の情報を参考にしながら四季報の中身を確認してみるとよいでしょう。

食品業界の年収は?業界レベルでは低いが、福利厚生に注目せよ!

食品業界全体として、年収はあまり高くない傾向

まずは、業種別のデータを見てみましょう。

これについては、インターネット上で様々なデータが示されています。

たとえばclabelの調査結果を見てみると、

「飲食業界」のカテゴリー内に「食品製造」の平均年収が記載されています。

併記されている他の業界と比べると、

食品業界はそこまで年収が高いわけではないように見えます。

誰でも1000万円を越えられるわけではなさそうです。

しかし食品業界の中でも、企業間で差が間違いなくあります。

転職サイトの中の人さんのブログに2020年時点の企業ごとのデータが記載されていますが、

示されているデータを見るだけでもこのくらいの差があります。

 

基本的に日本国内食品企業の多くは、

新卒の給料が低くそこから勤続年数に合わせて増えていく

年功序列のスタイルをとっています。

 

そのため、新卒で入ったときはこちらの額よりもかなり低い額が支給されます。

このランキングが高い企業ほど新卒でも年収が高そうと推定されますが、

あくまで参考としてとらえておくのが良いでしょう。

研究職の年収も、おおむね同じように考えてよいと思います。

ただし、企業ごとに研究職が他の採用者と給与体系が同じとは限りません。

次に説明する注意点も踏まえて、データは参考としてとらえるようにしましょう。

年収データに影響している見えない要素

次にデータを見るにあたっての注意として、

この年収データの裏には外から見えない様々な要素が隠れてしまっていることを述べておきます。

私の中では以下の点に特に注目します。

・年齢層および平均年齢

・職種(総合職だけなのか一般職や管理職を含むのか)およびその比率

・福利厚生:外から見えない隠れた収入(借り上げ社宅と住宅手当を例に)

 

年齢層および平均年齢

特に就職四季報のデータを読む際には注意しましょう。

一般的に、食品企業の年収は年功序列体系です。

そのため、社員全体の年齢層が高いほど平均年収は高く算出されます

 

職種(総合職だけなのか一般職や管理職を含むのか)およびその比率

どの企業でも一般的に、転勤を伴う総合職の方が一般職と比べて年収は高く設定されています。

そのため、総合職の人数が多いほど年収は高く算出され

一般職が多く働いている企業は若干数値が下がる可能性があります。

 

また、総合職は一定の年次になると管理職へ登用されますが、

登用される年齢や選抜方法が会社によって異なります。

 

管理職へ登用される年齢も、年収算出に影響します。

若い年齢から管理職への登用がある会社では、

年収が上がりつつある総合職社員が管理職に移ってしまい、

残っている総合職の年齢層が低く年収も低く算出されます。

 

逆に、管理職になれる年齢が遅い会社では高給高齢の総合職が存在し、

年収が高めに算出される可能性があります。

 

研究職については、総合職採用の会社では同じ給与体系となります。私の会社もこのパターンです。

ただし、会社によっては異動の多い総合職と研究職では、

手当のつけ方が違うなど扱いを分けているケースも聞きます。

この辺りは会社に入ってみないとわからないので、具体的な言及は難しいです。

 

資料によっては、算出の対象を総合職のみに絞っているケースがありますので、

いずれにしても年収データが対象としている職種には気を付けましょう。

 

福利厚生:外から見えない隠れた収入(借り上げ社宅と住宅手当を例に)

年収データはインターネット上にたくさんでていますが、福利厚生データはあまり出てきません。

これは、外部に開示することが難しかったり、

同じように表記されていても運用の仕方が会社によって違うことも多いからです。

 

分かりやすい例として、住宅手当借り上げ社宅を例に説明します。

住宅手当:社員が家賃を払うための費用を給与に上乗せして社員に渡す=手当は課税対象となる。

借り上げ社宅:会社の経費として家賃が支払われる=給与天引きとなれば、所得が減り節税となる。

 

住宅手当は、

「社員が支払う家賃の一部にあたり金額を、給与に上乗せする」

という形がよくとられます。

単純に給与に手当乗るのでないよりはあった方がありがたいですが、

その分所得が増え課税対象となってしまいます。

 

一方借り上げ社宅は、住宅の借主は会社であり、家賃の支払いは会社が行います。

たいていは給与から天引きされていることが多く、

その分課税対象となる額が下がり、

結果として所得税が下がるというメリットがあります。

 

また、借り上げ社宅の家賃は会社が一部を負担してくれるケースがあります。

会社が負担してくれる割合は会社によって全然違います。

例えば、家賃10万円の物件を1年借りるとして、会社負担分がA社は1割B社は5割だったとすると。

A社の社員負担分:10万円×0.9×12か月 = 108万円

B社の社員負担分:10万円×0.5×12か月 = 60万円

となり、社員の負担が大きく変わってきます。

これだけ変わると生活は相当楽になります。

この額を年収で上げるには転職で大成功するしかないかもしれません。

 

借り上げ社宅、会社が家賃を一部負担する制度が組み合わさると、

社員の手取りは大きく変わってきます。

四季報やネット上の情報ではわからない「外から見えない隠れた収入」です。

 

おそらく年収を気にしている方々は、

本当は、「年収」ではなく「手取り年収」が知りたいのだと思います。

転職サイトの口コミなどを参考に、

ネット上の数値データを基に想像してみると面白いかもしれません。

まとめ

・食品業界としては年収はあまり高くない傾向

・年収データは条件が企業間でバラバラのため、横並びの比較は難しい。

・福利厚生などの「隠れた収入」もあるが、これも企業によって全く違う。

 

他社の年収は私も知りたいですが、どれだけ頑張っても質の高い情報は集まってきません。

求人票に書いてある条件を眺めながら、およその検討を付けてみるのも楽しいかもしれません。

 

著者は転職により、年収を100万円以上あげました。

著者は昨年転職を実現しましたが、

現在の会社へ移り、年収が100万円以上アップしました。

 

私は、転職エージェントを使って転職しました。

応募する会社の想定年収はエージェントから事前に聞いていましたし、

もちろん、転職に関するあらゆるアドバイスを

1年近くもらい続けていました。

 

他の会社の状況が気になった人は、

一度転職エージェントへ相談することをお勧めします。

私が使用した転職エージェントは主に以下の2つです、

転職を考えている方は、

以下のリンクをクリックしてブックマークへ登録し、

できるだけ早く転職エージェントとの面談を設定してみましょう。

話を聞くだけでも、新しい発見があるはずです!

 

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

 

食品会社研究職の出身学部

就活で食品会社を検討している皆様、

現役食品会社研究職の著者の視点で、

出身学部の傾向を以下の記事にまとめました。

https://researcherinacompany.com/recruit-11/



研究職に向いている人の特徴:「〇〇をずっと続けられる人」

研究職に向いている人は、どんな特徴ですか?

時々目にするご質問ですが、改めて言われてみると、

どんな人が研究職に向いているか、なかなか答えられないのではないでしょうか? 

 

企業の研究職に就くと、

これまで自分が経験してこなかったことをたくさん担当します。

仕事を通してさまざまな経験をして、

会社員・企業研究者として成長していきます。

一方、

企業研究者は会社員であると同時に、

科学の発展に貢献する研究者でもあります。

新しい技術を開発すれば、

世界のモノづくりを変えてしまう可能性もあります。

 

世界ではいたるところで最先端の研究が行われ、

日々新発見や技術開発が行われています。

 

今回は、

研究職に向いている人の特徴:就職後も勉強し続けられる人は向いています!

について書いていきます。

研究職に向いている人の特徴:就職後も勉強し続けられる人は向いています!

企業にいると、勉強する努力を怠りがち。

仕事が忙しくても忙しくなくても、

自分のための時間を確保して有意義に使うのは難しいです。

仕事が忙しいと、

勉強をしている時間を確保するのは難しく感じられます。

特に企業では次から次へと案件が舞い込んでくるため、

それを処理しているうちに一日終わってしまったとこともザラです。

周りの人もそのような状況だと、

会社や部署の雰囲気的に緊急を要さない仕事を優先できないでしょう。

仕事が忙しくなくても、

自分の勉強にうまく時間を回すのは心理的に難しいところがあります。

 

私は、今はそこまで忙しくない部署に所属しています。

しかし、特に会社では、人もいっぱいいると話がはずみます。

雑談がすべて悪というつもりはありませんが、

自分も含めて勉強する時間はいっぱいあるのに

うまく使えていないことも多いように感じられます。

余裕ある時間をすべて有意義なものに注力できないのが人というものです。

 

忙しいと時間がなく、忙しくなくてもうまく時間が使えない。

会社にはどちらのタイプの人もたくさんいます。

新しいことを常に学んで、科学の発展についていかないと、いい仕事ができない。

しかし、

今後の自分のために絶対に必要なのが、「自己投資」「勉強」です。

特に研究者は、

「常に最先端の知見を得ておく」

「新しい技術を身に着ける」ために、

一定の時間を確保したほうがよい

と私は考えています。

 

なぜなら、たとえ企業であっても、

研究者の仕事は世界に先駆けて何かを成し遂げることであり、

最先端の技術や知見がないと世界中の競争相手と戦えないからです。

 

競争相手より先に開発して特許をとる、

また競争相手の技術を別の技術に転用して自社のノウハウとする。

その競争相手は日本に限らず世界のどこかにいるかもしれない。

このことは頭に入れておく必要があります。

常に科学の発展についていけないと、研究者として一流の仕事はできない。

そのように私は考えています。

 

自己投資や勉強に自分の時間をうまく使えている人は、優秀な人が多いです。

このような人は、

研究職として世の中から取り残されることなく生きていけるのでしょう。

知識やスキルは常に増やしていこう。

例えば、今の小学生はプログラミングが必修科目として学んでいます。

10年後を想像してみてください。

会社に入ってくる彼らの多くは、

プログラミングの基本概念が頭に入っているでしょう。

彼らからしたら

「プログラミングに触れたことがないって…」と少し白い眼を向けるかもしれません。

一昔前は一部の専門家のスキルであったプログラミングも、

現在は幅広い分野の方が利用しています。

今はまだ知らなくても何とかなっていても、

5年後10年後は社会人の必須スキルになっているかもしれません。

 

今のうちから基本を少し勉強しておくだけでも、

数年後の自分を助けてくれるはずです。

 

例としてプログラミングを出しましたが、

技術開発や新発見も常に世界中で行われています。

本業にかかわりそうな技術や知見を常に勉強し、

数年後自分の知識や技術がさび付かないようにしましょう。

お金をかけずに今からできることとして、以下2つを挙げておきます。

 

・自分の周りを見渡し、先端技術やノウハウに触れている人から教えてもらう。

・時間をみつけてセミナーに参加する。知識を得るだけでも十分(と私は思います)。

 

ちなみに私は、ずっと敬遠していたRとPythonを勉強し始めました。

仕事上のきっかけもありますが、

それ以上に「何らかの形でプログラミングの分野に触れておきたかった」

という意識によるものが大きかったです

基本だけでも知っておき、自分の今後の支えになればいいなと考えています。

まとめ

・企業研究職も、最先端の技術などを勉強する時間を確保しないと、一流の仕事ができなくなる。

・知識やスキルは常にアップデートし、科学の発展についていこう。

私もこれからずっと勉強です。新しいことも楽しんで吸収していきたいです。

 

研究職を志望する学生にお勧めするサイト

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、

大学院生&理系学生に特化した就活サイト

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【経験あり】決めない上司への対策案:どうしようもない時は転職も考えよう

うちの上司は何も決められない

上司が決めないから仕事が進まない

あるある過ぎて首がもげそうです。 

 

仕事をしていると、「自分だけでは決められない物事」に頻繁に出くわします。

このような状況においても冷静に判断を下し、適切な行動をとることができる人こそ、

仕事ができる人だと思っています。

実際、会社でもそのような人は仕事が早く、部下上司から信頼されやすい傾向があると思います。

 

しかし、会社員全員が決めることに慣れているわけではありません。

上司ガチャが外れて決断力がない上司に当たると、

自分の進めたい仕事に支障が出てくることがあります。

決められない事情は様々あると思いますが、

部下である自分としては決断力ある上司に恵まれたいといつも考えてしまいます。

 

今回は、会社において物事が決定されるスキームを踏まえ、

決断力がない上司が発生してしまう理由の考察(個人的見解)

決断力のある上司に恵まれるメリット

について書いていきます。

 

決断力がない上司が増える理由と、恵まれたときのメリット

責任がとれる範囲は立場で変わる。

私たちの日常生活も決めることの連続です。

朝食を食べるか、出社するか在宅勤務にするか、

細胞の継代を今日にするか明日にするかなど、

普段からいろんなことを決めています。

物事の大きさや質はさておき、「決めること」は一人でもできます。

 

ただし、一人でも決められる内容は「自分で責任がとれる範囲」であることが大半です。

 

他人の都合がかかわること、会社のお金を動かすことなどは、

権限がない社員には決めることができません。

権限が与えられていない事柄については、

決定権のある人に(場合によっては自分の意見を添えて)判断をゆだね、

決められたことを実施するという流れになります。

責任を取れる範囲は、一人一人の立場で全然違います。

責任をとりたくない人が多いと、物事を決めるのに時間がかかりやすい

ところが、出世していろいろな権限を付与された管理職の中にも、

物事を決められない人がいます。

 

「出世により責任ある決めごとをしなくてはいけなくなったが、

判断を誤って責任を取りたくないから一人で決めたくない

という潜在意識が働いているようです。

こういう人、いっぱいいませんか?

 

この人たちは、

いろんな人を集めて一緒に決める」という行動をとります。

いわゆる「会議」を設定します。

 

日本企業は無駄な会議が多い」というフレーズをよく耳にします。

そもそも、会議は「物事を決めるため」設定されています。

権限を持つ偉い人たちが集まっていろんなことを決定するのが会議です。

 

会議は、その場にいた参加者に責任を分散させられるという側面を持っています。

一人で責任を負いたくない人にしてみれば、

責任を分散させられる都合の良い機会となります。

 

しかし、会議で物事を決める場合

決めるまで時間がかかる」というデメリットがあります。

スケジュールがタイトな偉い人たちを集める必要があり、

会議の日程がなかなか決まらないこともざらです。

 

決定を待たないと仕事を次のステップへ移行できず、

結果として仕事が遅延することにつながります。

 

もちろん、会社の仕組みとして会議で決めるべき議題も多く存在しています。

しかし、会議を通さずに決められることが多ければ、

決定にかける時間が短くなり、仕事のスピードがあがるはずです。

 

部下は上司を選べない

権限を持つ上司や上長が、一人がその場で決定を下してくれるか」は、

仕事のスピード感に大きくかかわります。

決断力のある人に恵まれると、待つ時間が短くなり、

結果実務にすぐに取り掛かることができ、仕事が早く進むからです。

 

「上司ガチャ」という言葉があるように、部下は上司を選べません。

もし、物事を決められない上司にあたってしまうこともあります。

私も以前そのような状況にありました。

 

上司が物事を決めるストレスを軽くしてあげよう。

なかなか決めてくれない上司に対して私が良くやっているのは、

上司が物事を決めるストレスを軽くしてあげる

ような行動を増やすことです。

具体的には、以下のことを意識して仕事をしています。

 

・その上司が信頼を寄せている人に提案内容を説明し、その人から上司に判断をゆだねてもらう。

・上司の上司をメールのccに入れるなど、少し監視の目を増やしてみる。

・(あまりお勧めしませんが場合によっては)自分で決めたことを事後報告する。

 

その上司の性格なども絡んでくるため良い方法は人によって違うと思いますが、

社内社外の状況を注視しつつ仕事を進めるうえで最善の選択をとれるよう、自分も訓練していきます。

まとめ

・責任を取りたくないという潜在意識が上司にあると、物事の決定が遅くなる傾向がある。

・決断力のある人に恵まれると、仕事のスピード感が高まる。

社内政治という言葉もあるように、うまく上司や上長をコントロールできると、

滞りがちな仕事が少しずつ動き出すかもしれません。

私もいろいろ試しながらがんばっていきます。

 

もしどうしても合わないなら、転職活動を考えてみて。

上司に対していろいろ働きかけたけど、上司はなかなか変わらない。

もう、この上司の下では働けない。

そう感じている方も少なくないと思います。

 

ただ残念ながら、社内であなたが上司を変えることは難しいです。

その代わりにできることは、あなた自身が異動・移動することかもしれません。

 

最近、転職市場が活発になっており、良い求人もたくさん出回っているようです。

実際、私自身も2023年に転職を実現し、年収もアップしました。

私は主にJACリクルートメントを使用しました。

 

今回の記事を読んで少しでも転職活動に興味がわいた方は、

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就活生向け:研究所見学はできるだけたくさん参加しよう!

リクナビやマイナビなどの就職活動サイトがオープンし、プレエントリーなどが始まっています。

食品企業への就職を検討している方も、この時期からいろいろな会社について調べ、応募に向けた準備を始めていくと思います。

理科系の学生の中には、研究職として働きたいという方もいるかと思います。

 

私自身の就職活動は、大学院修士1年のこの時期に開始し、6月に最後の企業の合否を受け取って終了しました。

この間、私自身は研究を優先したいという希望があり、

就職活動は分野や企業数を絞って進めました。

 

就職活動に関して、一つ後悔していることがあります。

それは、「もっと多くの企業に応募すればよかった」という点です。

その理由は、

「研究者として会社に勤めるとそう簡単に他社の中を覗けない。しかし、就活生はそれができる」

というものです。

 

今回は、

「特に理科系の研究職を希望している方は、就活ではできるだけたくさん応募して会社の中を見てみよう」

という私の意見とその理由について書いていきます。

会社の研究所を覗けるのは、新卒採用でしかできない貴重な機会チャンス!

研究者として働くと、他社の様子(特に他社の研究所)について知る機会が減る。

企業の研究所には、その会社のこれまでの知見や将来に向けたシーズが数多く眠っています。

そのため、基本的に外部の人は中に入れません。

自社独自の技術やノウハウが、見学に来た人によって流出してしまうリスクがあるからです。

言い換えると、「他社の情報は喉から手がてるほど欲しいもの」ということです。

 

特に同業他社の場合、研究所を少し見ただけで膨大な情報を感じ取ることができます。

専門が近い分着眼点が増えるためです。

以上のように、研究所はその会社の機密情報や独自のノウハウがたくさん隠れており、普通は外部の人には見せません。

就職活動では、選考過程で本社や研究所を見せてくれる会社もある。

しかし一部の企業は選考中の学生を対象に、研究所の一部を公開しています。

研究所見学は選考途中に設定されることが多いため、選考を通過している企業が多いほど見学の機会を多く得ることができます。

いろんな会社を見学する機会が得られるのは、就活中くらいしかありません。

 

実際私も就職活動中、5社の研究所を見学しました。

しかし就職以降、他社の研究所を見学したのは2か所しかありません(しかも数年親密に付き合った企業のみ)。

就職してしまうと、他社の研究所を見学する機会はほとんどなくなってしまいます。

 

確かに、何も知らない学生が研究所の中を見たところで、具体的に得られるものはあまり多くないかもしれません。

企業側も、選考中の学生にアピールするために開催しており、機密情報や重要なスペースなどは公開しません。

 

しかし、一度見た研究所のことは案外覚えているものです

建物の大きさや新しさ、会議室の作り、事務所と作業所の位置関係(結構離れていることも多い)、各部屋の名前(研究分野の個性が出ます)、入っている設備、研究員の作業服、などなど…。

 

当時は、「作業服があんまり格好良くない」「PCR装置が大学のラボより新しい」「エバポレーターの数がすごい」「フリーアドレスってなんかよくわかんない」とか、その程度の感想しか持ちませんでした。

しかし今の会社に勤めてから、就活当時のことを思い出して自分の会社と比べてしまうことがあります。

比べることができると、今のラボの良さや改善点に気づくことができます。

普段から意識しているわけではありませんが、

ふとした瞬間に「A社に置いてあるあの装置を使えば、A社の技術を自社にも導入できる」とか「B社みたいに培養室を用途で分けた方が、作業改善になる」など、

当時の経験がたまに今の業務にヒントをもたらすことがあります。就活時の見学って意外と今でも活用できます。

 

研究所は少し見ただけでもいろいろなノウハウを知ることができます、学生にしかないこの機会を十分に生かしてほしいなと思います。

まとめ

・企業の研究所は機密情報やノウハウが隠れており、通常他社には公開しない。そのため、他社の研究所について知る機会は非常に少ない。

就活生に研究所見学を実施している企業がある。いろんな会社の中を見学できる貴重な機会ので、ぜひ生かしてほしい。

就活当時は、この研究所見学がこんなに貴重な機会だとは思っていませんでした。就活中はいろいろ忙しくなると思いますが、いろんな会社を覗ける実質唯一の機会です。うまく活用してください!

 

理系就活をする際は、理系向け情報が集まるサイトを使おう!

この記事を読んでいる中に理系就活を準備している人がいましたら、

とてもうれしいです。

ぜひ皆様には納得できる就職活動を過ごしてほしいですし、

記事を書くことで少しでもその応援ができればと思います。

 

理系向けの就活情報をうまく使い、自分らしく就職活動を進めてみてください。

一つアドバイスとして、

理系就活では、理系向けの情報を常に仕入れておくことはとても大切です

理系学生の就職活動には、

大学院生&理系学生に特化した就活サイト

アカリクが役立ちます。

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研究職は総合職とは何が違う?:理系就活の「採用枠」に気をつけよ。

研究職を希望しているけど、募集要項に【総合職】と書いている会社でも応募していいの?

研究職と総合職って、何が違うの?

この記事を開いた就活生の皆様、気になりますよね? 

 

理系大学院を卒業される学生の中に、「研究職」を希望されている学生は多いと思います。

研究部門は会社の将来の事業を作る大事な部署であり、所属する研究員は自分の研究が10年20年後に花開くことを目指して日々の業務に励んでいます。

そういったことにやりがいを見出せる方は、ぜひ研究部門に進んでみてください。

 

しかし、研究職を目指して就職活動をする場合、最初に気を付けなくてはいけないのが

研究する部署に採用・配属される可能性があるか」を知っておくことです。

特に食品の企業の中には、研究職としての採用枠を設けていない企業が多いです。

 

現在私は上場企業の研究所で働いています。

しかし、採用時の採用枠は「総合職の理系採用」であり、「研究職」ではありませんでした。

いくつかの部署を巡った後に研究所に配属され、それ以降ずっと研究所で働いています。

採用されたときは必ずしも研究を希望していたわけではなく、様々な巡り合わせを経て今の仕事に辿り着きました。

 

今回は、

企業で研究員として働きたいなら、まず「採用枠」を確認しましょう

という内容についてを書いていきます。

大学院や理系学生の就職活動には、大学院生&理系学生に特化した就活サイトアカリクが役立ちます。

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研究職採用枠があるか確認!ただし、総合職から研究所へ異動するケースもある。

採用枠を確認しましょう。「研究職」なら研究に近い仕事に携われるはず。

就職活動の際に就職四季報や企業のサイトを見ると思いますが、その際「採用枠」もしっかり確認してみましょう。

「研究職」もしくはそれに近い名前の採用枠があれば、研究関連に従事する人を採用枠として確保していることを示しています。

各社の内情までは分かりませんが、採用後は基本的に研究関連部門を中心に配属や異動がなされるようです。

研究職採用のメリット・デメリット

研究職採用のメリットとしては、

研究所が集約されている場合は転居を伴う異動の可能性が低く、ライフプランが立てやすくなるというメリットもあります。

 

しかしデメリットとして、異動の範囲も研究関連に限定される場合、研究関連の仕事が自分に向いてなかったり楽しくなかったときに、社内でのつぶしが効かなくなる可能性があるようです。

 

一方、特に食品企業では「研究職」として枠を設けている企業は非常に少ないです。

たいていの場合、「(理系の)総合職」として一括で採用し、その後一部の社員を研究部門へ配属させています。

 

総合職は「将来の幹部候補であり、それまでは転勤が前提」で採用されています。

配属先も製造、商品開発、品質保証、技術営業、設備管理、情報システムなど多岐にわたり、配属や異動は基本的に会社が決めます。

さまざまな業務に携われるチャンスがあり、自分に合った仕事を見つけられる可能性があります。

自分の意外な長所を見つけられるかもしれません。

 

総合職採用後に、研究関連部門に異動できる?

さて、総合職採用後に研究関連部門を希望して配属されることはできるのでしょうか。

私の答えとしては、

可能性はあるが、運や巡り合わせの要素が大きいとなります。

 

運や巡り合わせというのは、本人がコントロールできない要素が大きく影響するという意味です。

会社の人事異動には、担当者の異動や退職、部署やプロジェクトの新設や廃止などなど、

さまざまな出来事がその都度絡んでいます。

研究員が一度に数人退職したときや、研究プロジェクトが立ち上がるタイミングであれば配属のチャンスは高いかもしれませんが、そうでないときはなかなか難しいかもしれません。

 

希望の職種にたどり着くには運の要素が大きいですが、その運をつかめるのは普段から準備をしている人です。

配属された部署でしっかり結果を出し、そのうえで配置転換希望を出す、(場合によっては、研究部門の人とつながって顔を覚えてもらう)。

準備をしつつタイミングを逃さないようにしましょう。

研究職と総合職それぞれのメリットデメリット

企業で研究の仕事がしたいという観点での、採用枠ごとメリットデメリットをまとめます。

研究職のメリット、デメリット

・研究に近い分野に携われる可能性が高い。

・特に研究所が集約されている企業であれば、転勤の可能性が総合職と比べて圧倒的に低い。

・実際に仕事をしてみて「なんか違うな…」と思った時に、社内でのつぶしが効きにくい。

・研究以外の分野への配置転換を希望しても、なかなか通らない可能性がある。

 

総合職のメリット、デメリット

・採用後の配属は会社が決める。転勤を伴う異動が課されることも多い。

・様々な職種に配置される可能性があり、自分に適した意外な仕事を見つけられる可能性がある。

・研究所へ配属されるかは、「運と巡り合わせ」の要素が強く、なかなか難しいこともある。

 

上記の特徴を踏まえつつ、まずは企業ごとの採用枠や職種を確認してみましょう。

詳細は各企業で異なりますので、同社に就職したOBなどから情報を集めてみてください。

まとめ

・会社ごとに採用の仕方が違うので、採用枠をしっかり確認しよう!

・研究職につきたい場合は、「研究職」と書かれている採用枠の方が、研究関連の仕事に就ける可能性が高い。

・「研究職」「総合職」それぞれに特徴があります。自分が進みたい道やなりたい姿をイメージしたうえで選考にエントリーしましょう。

今後も定期的に就活関連の記事を作成していきます。

 

理系就活をする際は、理系向け情報が集まるサイトを使おう!

この記事を読んでいる中に理系就活を準備している人がいましたら、とてもうれしいです。

ぜひ皆様には納得できる就職活動を過ごしてほしいですし、記事を書くことで少しでもその応援ができればと思います。

 

理系向けの就活情報をうまく使い、自分らしく就職活動を進めてみてください。

また、理系就活では、理系向けの情報を常に仕入れておくことはとても大切です

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研究テーマを増やし、成功確率を高めよう!企業で研究テーマを増やすメリット

企業では基本的に、研究テーマは上から降ってきます。与えられたテーマについて、おおよそいつまでにどのようなことを明らかにするか(物を作る、処方を決める、製造方法を確定させる、など)指示がでます。研究員はこの使命を果たすために日々業務を行っています。

自分の周りには、たくさんの研究テーマを走らせている人もいれば、一つのテーマに絞って取り組んでいる人もいます。いろんな研究を走らせていてすごいなーとも思うし、一つのことを突き詰めることも素晴らしいなとも思っています。一方で、テーマが一つの人はモチベーション維持に苦しんでいる人が多い印象があります。また、テーマが一つの人は成功をつかみ取れる可能性も限定され、結果が出ないことに苦しむリスクも高いのではと感じるようになりました。

今回は、企業において研究テーマが少ないことによるリスクと、そのリスクを避けるための私の工夫をお話しします。

結論:テーマが複数あった方が、モチベーションが維持でき結果に恵まれる可能性が高い

テーマの割り当ては運次第。テーマが一つだとメンタルが苦しい時も

研究は基本失敗の連続です。作業ミス、手法が間違っている、仮説そのものが間違っているなどなど…次につながるポジティブな結果を得られるのは、10回に1回くらいかもしれません。

研究テーマが一つだと、自分の精神状態がそのテーマの成功に大きく依存します。特に研究のように失敗が連続する分野では、余程確たる信念がないと簡単にモチベーションが下がってしまいます。

研究テーマにも難易度や研究員との相性があります。しかし、会社から与えられる際にはそこまで考慮されていないことも多く、どのような研究をさせられるかは運による要素が大きいです。難しすぎる内容であったり自分の得意分野と離れていたりすると、人によってはやる気を維持できず、「やる気もなさそうで成果も出せない人」というレッテルを貼られてしまう可能性もあります。

特に運悪く苦手な分野の研究を割り当てられた人は、メインの仕事を進めつつも、自分の普段のモチベーションを保ち成果を出すための工夫をしないと、精神的につらい状況になってしまいます。

そのような状況を解決する方法として、自分でいくつかのサブテーマを設定して並行して走らせることを意識しています。

複数テーマの方が、モチベーションを保ちやすく結果的に成功にも近づく。

私は研究活動について、「まずは成果を得ることを優先した方がよい」と考えています。「打率よりもヒットの数が重要であり、ヒットを増やせば少しずつ長打の数も増え、成功の数も質も変わってくる」という考え方です。

そのため私は会社で、与えられたメインテーマ以外にも勝手にサブテーマを3個くらい設定し、メインテーマの陰でコソコソ裏調査や闇実験をやっています。サブである以上予算を使いすぎたり目立ちすぎたりしないように気を付けていますが、個人的興味で設定したテーマのため普段のモチベーション維持には効果絶大です。加えて、別のテーマがあるという安心感のおかげで、一つのテーマで失敗しても受ける精神的ダメージを小さくすることもできます。

仮にメインテーマがうまくいかなくて終了しても、サブテーマをメイン化して自分の仕事にできる可能性もあります。サブテーマについていかに会社にとって重要であるかを説明し、すでに出ている結果を一部示すことができれば、次のメインテーマとして走らせることができます。もともと個人的な興味から始まったテーマであれば、普段からモチベーション高く仕事ができるようになり、より質の高い成果につながりやすくなります。結果を出すことが、自分の価値を高める唯一の方法です。

まとめ

どのような研究テーマを割り当てられるかは正直運次第。複数テーマを並行させた方が、モチベーションの維持もしやすく、結果的に成功を得られる可能性がある。

私はそう思って、会社から与えられたメインテーマだけでなく、得意な研究領域の専門性を高められるサブテーマを設定して仕事をしています。




【博士は付加価値】企業研究職が博士号を持つメリットは?

博士を持っていても、企業では何のメリットもないよ!

いやいや、研究職は博士しか採用しない会社も多いよ!

どちらの意見も聞いたことはありませんか?

 

理系学部学生の大半は、学部4年生もしくは修士2年生の段階で新卒として企業へ就職するのが一般的となっています。

特に、修士卒の学生は企業の理科系の採用枠で就職できる可能性が高いようです。

 

修士の学生は博士課程へ進学し研究活動を続けることもできますが、

その割合はあまり多くないようです。

博士卒の学生を採用している企業の数は修士の学生と比べると非常に少なく(もしくは修士と博士で待遇が同じでメリットが少ないため)、

博士に行きたくてもいけない学生もいるようです。

この状況だけみると、企業は博士を必要としていないように見えてしまいます。

 

一方で、一部の企業では、社員(研究員)を大学の博士課程へ進学させるケースがあります。

少なくともこのような企業では博士号を推奨しているように見えますが、

一方で新卒採用では博士卒をあまりとらないことも多いです。

社員が博士号を持っていることは企業にとってプラスなのか、なかなかわかりづらいように感じられます。

 

今回は、

博士号を持っていることが会社員にとって優位性のあるものなのか

そして、「自分自身のためにも博士号は持っておいた方がいい」という私の考えについてお話しします。

 

博士は付加価値、研究者としては持っていた方がいい。

博士号が社内で活かされるかは、正直なところ会社次第

博士号が社内で活かされるかは、

正直なところ、「会社次第です」という答えになります。

会社・研究所・部署ごとに、博士への進学や博士取得者に対する印象や期待が全然違うからです。

 

例えば、社内の研究者育成プランの一つに「博士取得」が含まれている会社もあります。

このような会社では、この仕組みに乗っかって博士課程へ進んだ方もいるはずです。

 

しかしこのケース、「会社と大学で共同研究を結び、会社の研究テーマで博士号を取らせる」という条件付きであることが大半です。

会社側は、「博士号をとらせること」だけを目的にしているのではなく、

「共同研究で会社のためになる結果を得てもらい、ついでに博士号も取ってもらう」というスタンスでいることが多いです。

ただ一方で、このような会社では研究員が出世する(はっきりとは言われていない)条件の一つに博士修了が入っている可能性があります。なかなか難しいですね。

 

一方、社内に博士取得者がいない、新卒採用も学士卒や修士卒までの会社では、

博士というものにあまり価値を置いていない可能性があります。

研究所の偉い人たちも博士号を持っていませんので、社員にそういった資質を求めないんでしょう…。

裏を返すと、自分が博士号をとれば周りから一つ抜きんでることにもなります。

異動してきた研究所のトップが「これからは博士持ちの研究員を増やしたい」と宣言したら、その時点で社内でアドバンテージを得られるかもしれません。

研究者として生きていくなら、博士号を持っていて損はない。

アカデミアの研究者にとって博士号は研究員としての合格証みたいなもので、

これをとることで各ポストへの応募ができます。

企業ではそういったケースは必ずしも多くはありませんが、

博士号は自分の研究者としての資質を分かりやすく示してくれるものであり、特に外部と仕事をする際に役立つことがあります。

 

たとえ企業の研究員だとしても、共同研究などでアカデミアの研究者と一緒に仕事する機会はあるはずです。

その時に、博士を持っていることによって(特に海外の研究者とは)序盤のコミュニケーションが非常に進めやすくなります。仕事をスムーズに進めるための最初の潤滑油になってくれます。

 

そして何より、博士号は「自分は研究員としての合格証を持っている」という自分自身の付加価値化につながります。

博士をとるためのプロセス(自分で研究を立案・実施し、論文を書き査読をクリアして受理させ、博士論文の審査を通過する)を通過したという、

研究者としての一定の能力を示すことになるからです。

特に30代などの若い方であれば、民間企業以外の研究機関も転職対象になるなど、自分の可能性を広げることにつながるはずです。

 

もちろんその人の専門性や成し遂げた仕事の方に注目すべきですが、博士号は名刺にも書けますし分かりやすい形で自分の価値をアピールしてくれるはずです。

まとめ

博士号が会社で活かされるかは会社の雰囲気によりますが、

自分の付加価値化という面でとっておいて損はないと思います。

 

博士号そのものは「足の裏の米粒、とっても食えない」と言う人もいますが、博士号が自分の価値を高めてくれる側面は確実にあります。

企業の研究者でもタイミングを見て博士進学を申請してみてはいかがでしょうか。



 

民間企業と博士号に関する記事はこちら

カテゴリー:研究職と博士号




企業で論文を書く目的:論文を書くことがゴールではない!

企業ではあまり論文が書けないと聞いたけど、実際どうなのか?

このような話を聞いたことはありませんか?

 

大学、アカデミアでの大事な仕事の一つに、「論文を投稿すること」があります。

ライバルよりも先に論文を発表する、

トップジャーナルでの受理を目指す、

研究費申請のために論文をたくさん出す…

 

研究員それぞれの立場でモチベーションの源泉は違いますが、

論文を出すことは一つのゴールであり、何よりも優先される一番大事な仕事です。

しかし、企業では「論文を出すことがゴール」とは認識されていません。

会社にとって必要な論文を書く」という感じで、

論文を書くことが大事なのではなく、

会社にとって必要かどうかが判断軸になっているケースが多いです。

 

今回は、

論文が会社にとって必要な場面はどういったものか

を書いていきます。

 

また、私は

「研究員は機会を見つけて論文を書いた方がよい」

と思っていますので、

その理由についても書いていきます。

企業では、論文を書くことは必ずしもゴールではない

会社にとって論文が必要な場面

会社の中では、主に以下のような場面で論文を書くことになります。

自社商品の価値向上に直結する研究成果が出たとき。

例えば、

「自社の食品を使って臨床試験を行った結果、睡眠の質が上がることが分かった」

「大規模観察研究のデータを解析したら、魚を多く食べている人たちでは血管系疾患が少ないことが分かった(魚介類の会社が研究主体)」

というようなものです。

これらの知見を論文化することは、

科学的な裏付けを付与して自社商品の価値を高めることにつながります。

また、販売用の資料に使うことで営業資料の説得力を高め、販売に貢献することもできます。

 

会社のビジネス上、科学的な知見(有効性、作用メカニズムなど)を明らかにする必要があるとき

例えば、製薬会社の基礎研究や各段階の臨床試験がこのケースに当てはまると思います。

作用メカニズムが分かっていないと有効性や副作用リスクなどは分かりませんし、

臨床試験を通して有効性があることや安全性の問題がないことなどを明らかにする必要があります。

 

特に製薬会社の場合は、これらのデータが査読付き雑誌に掲載されることが実用化に向けて不可欠です。

ちなみに食品分野でも、

トクホや機能性表示食品を届け出る際に似たようなアプローチが行われます。

(トクホは消費者庁の認可を得る必要があり、事業者責任である機能性表示食品と比べて科学的知見をより多く求められます、この辺りは後々記事にします。)

 

上記のような場面では、論文を執筆することがあります。

 

私も自社商品の臨床試験の結果を論文にし、営業資料に内容を追記した経験があります。

新しい発見を報告するというよりも、

自社製品を売るための手段として論文を書いたという印象が強いです。

 

研究員は機会を見つけて論文を書いた方がよいと思う理由。

論文を書くプロセスは、研究者を成長させる。

論文は書いて投稿して終わりではありません。通常は以下のプロセスを経ます。

投稿→近い分野の研究者数名の査読→修正や追加実験が依頼される→修正版を投稿

(→必要に応じて査読と修正を繰り返す)→受理

一般的には、投稿するまでよりも投稿から受理までの方が大変です。

査読では、有意義な指摘だけでなく、予想外の着眼点でのツッコミがはいったり、無理難題を押し付けられたりします。

 

いろんな感情が渦巻くこの状況ですが、

自分以外の意見をもとに新しい分野を勉強したり、新しく実験系をつくるなど、

研究者として一番成長する場面だと私は思います。

このプロセスを経験することは、研究者として成長する上でもぜひ多くの人に経験してほしいです。

 

論文は自分の市場価値向上につながる。

アカデミアに近い考え方ですが、

論文は実名で公開される研究成果であり、

自分の専門性や研究レベルをアピールする非常に有効な手段となります。

 

企業に所属する研究者は、会社員であると同時に実名で活動する研究者でもあります

学術論文は特許などと並び、研究者個人の実力を外部の人に広く知ってもらう良いツールです。

終身雇用が崩れつつあるこの状況では、自分の存在や実力をアピールしておいて損はありません。

 

私は、臨床試験の結果以外にも、会社で行った基礎研究の成果で論文を書いたことがあります。

ただし今思えば、会社で行った研究の論文は、

「会社にとって絶対に必要なものではなかった」

と感じています。

 

しかし、自分の書いた論文は実名と紐づいて外部に公開されています。

自分が出した成果を見た人が声をかけてくれる可能性もあるなど、今後の自分のキャリアにつながってくるはずです。

 

まとめ

企業では、会社にとって必要になったときに論文を書きます。

ただ、それ以外にも論文にできそうなネタがあれば、「論文にしたい」と一度提案してみましょう。

論文を投稿し公開させるプロセスは研究者個人を成長させますし、

論文は自分のキャリアを守ってくれるはずです。

 

企業と論文に関する、関連記事はこちら

研究職が企業で論文を書く:投稿までに乗り越えなくてはいけない壁とは?




研究職では、〇〇と〇〇が自分の価値を高めてくれます!

「いろんな会社の質量分析計の違いを理解し、使い分けでなくメンテナンスもできてしまう人」

「水溶性食物繊維の種類ごとに物性から加工特性まですべて頭に入っている人」

など、一つの分野に突き抜けた方は皆さんの周りにはいらっしゃいませんか。

 

結局のところ「専門分野・専門性」は研究者のキャラクターを構成する大きな要素です。

大学のラボを探すときにも、「ここの先生は何が専門か」については必ず確認すると思います。

ところが、企業の研究所で研究をしていると、人によってはこの「専門性」を構築できない立場になってしまうことがあります。

これはある程度仕方ないのですが、私としては「若干損かなー」と思ってしまいますね。

今回は、企業の研究員で専門性を作りにくいケース、企業研究者にとって専門性が大切な理由、そのために普段私が意識していることについて書いていきたいと思います。

結論:忙しい中にも専門性を高める時間を確保し、研究者としての価値を高めよう。

①専門性を作りにくいケース:業務が忙しい、テーマの改廃、異動がある。

企業の研究者の仕事は、研究や実験だけではありません。

研究所の運営や、開発部門・営業部門・製造部門のサポート、知財戦略の打ち合わせ、管理職になれば研究戦略策定、予算管理、人事評価なども入ってきます。

 

研究が本業にもかかわらず、それ以外の仕事にほとんど時間をとられている社員も結構多いです。

会社員の勤務時間は限られているので、このタイプの社員にはもう研究する時間は残っていません。

 

加えて、会社では研究テーマの改廃や社員の異動が頻繁に行われます。

せっかく取り組んでいたテーマが中止となると、そこにかかわっていた人員は別の仕事を割り振られるので、また一から勉強しなおしです。

異動となってしまえば、もうその仕事には関われません。

 

確かに、新しいテーマについて勉強することで自分の知識を広げたりすることは大切ですし、テーマの改廃や異動については一社員にとっては不可抗力です。

しかし、そういった環境の中でも自分の専門性を磨くことは、最終的に自分の価値を高めることにつながると私は考えています。

 

②イチ研究者として市場価値を高められているか。

普通の会社員(特に研究者以外の人たち)は、社名と実名が結びついた形で対外的に公開されるケースは少なく、ましてやその人が何をしているかは本人に聞いてみないとわかりません。

しかし、研究者は違います。

なぜなら、特許、学会発表、学術論文などを通して、実名と仕事と成果が対外的に公開されることがあるからです。

 

少し誇張して言うと、研究者の専門性や客観的な市場価値が外部から分かってしまうということです。

 

しかし私は、この状況を「自分の専門性と仕事の成果を対外的にアピールしやすい環境」として、ポジティブなものと捉えています。

近年、大企業が黒字にもかかわらずリストラを敢行するなど、年功序列・終身雇用が崩壊しつつあり、また転職市場もどんどん活発になってきています。

このような環境では、自分の成果が公開されていることは有利に働くと私は考えます。

実名で公開した特許や論文を他社の担当者がみて、「この分野のスペシャリストを採用したい」などとヘッドハンティングのきっかけになるかもしれません。

 

また、転職活動をする際に「職務経歴書」というもの作成します。

その中にこれまでの自分の経験や成果を記入するところがあり、論文や特許などの成果はここに堂々と描くことができます。

これをきっかけに自分の専門分野や仕事の背景を面接などでアピールすることも可能でしょう。

専門性を極めて結果を出し、自分の市場価値を高めることは、社内の出世や転職などのあらゆる場面で自分を守ることにつながるはずです。

③業務時間中に、自分の専門性を高める時間を確保する。

研究以外にもさまざまな関連業務をこなしています。

しかし、研究関連業務(実験、論文や特許に目を通す、最新技術のセミナーを聞く、など)の時間は死守しています。

 

私が愛読している「7つの習慣」という本の中に、「最優先事項を優先する」という習慣があります。

成果を出す能力を高めるための活動により多くの時間を割く」ことの重要性を説いており、

この時間を確保することで後々大きな成果が得られたり、

トラブルなどの緊急な仕事が減るという内容です。

 

一朝一夕では難しいかもしれませんが、自分が極めたい分野について毎日一定時間取り組めるよう、無理矢理にでも時間を確保する習慣をつけていくとよいかもしれません。

まとめ

自分の専門性を高めることを「最優先事項」に設定し、そのための時間を毎日確保することが、より大きな成果を得ることにつながり、研究者としての市場価値を高めてくれるはずです。





食品会社では研究職は少数派。少数派ゆえに困ることは?

食品会社の中において、研究員はもちろん研究するために存在しています。

ところが、会社によって「研究」の意味するところが若干違うようです。特に食品会社では、後ほど紹介するように結構広い意味で使われているようです。

今回は、特に食品会社における「研究員」の意味するところや、その位置づけについて書いていきます。

食品会社では研究職は少数派。少数派ゆえに困ることは?

食品会社における、「研究員」の役割

食品会社の中で「研究員」というと、以下の業務を行う社員を指すことが多いです。

  • 製品開発(商品の試作品を実際に作る、商品設計を考える、など)をする社員

  • いわゆる研究(製法改良の研究、健康機能成分のスクリーニング、など)を行っている社員

会社によっては、「いわゆる研究」をする部署を設置していない場合もあり、「研究員=製品開発職」という位置づけになっている場合もあるらしいです。

特に理系の学生が食品会社で働くことを想像したとき、これらの分野をイメージすることが多いでしょう。実際、理系の方はこういった分野に配属されることが多いようです。

私は「いわゆる研究」の部署に所属しており、大学でも行うような細胞試験やスクリーニング試験などを行うこともあります。

会社全体からみると、研究員は少数派の位置づけ

一方で、食品会社には製品開発部門や研究部門以外にも様々な部署があります

思いつく限り並べてみると…

  • 商品を作るための原材料を調達する部署
  • 製品の製造計画、販売や配送の計画を作成・管理する部署
  • 工場における製造や製品の品質を管理する部署
  • 工場設備の管理や設備更新を担当する部署
  • 作った製品の流通を管理する部署
  • 営業をする部署
  • 会社の広報活動をする部署
  • 経理や財務管理を担当する部署

こうやってみると、会社全体でみれば、研究以外の部署で働いている人数が圧倒的に多く、食品会社において研究員は少数派に属します。

少数派ゆえの取り組み

少数派である以上研究員の社内での存在感は小さく、小さな成果を出したところでなかなか気づいてもらえません。もし新しい製品ができて販売につなげたいとしても、まずは生産部門や販売部門に存在に気付いてもらうことが大切です。私の同僚は、研究よりも社内営業が忙しい時期があると言っていました。

過去にうまくいかなかった経験があったからか、私の部署の上司は最近、販売部門や生産部門に頻繁に顔を出しているようです。研究所で進めている研究の進捗を共有するほか、逆に他部門の要望を聞いて研究テーマに反映させたこともありました。

会社は利潤の拡大が使命です。会社の上司たちは、研究員自身の発想で研究を進めることに加えて、利益を生み出す部署の要望に沿った仕事も請け負って社内での存在感を高めていくことが大切であると、考えているのかもしれません。

まとめ

食品会社において研究所や研究員は少数派である。そのことを理解したうえで、自分の本業であるの研究と会社のための仕事を並行して進める。最近はこんなことを意識しながら仕事をしています。