研究職と専門性:専門性と実績が研究者としての自分の価値を高めてくれる。

研究職の仕事

「いろんな会社の質量分析計の違いを理解し、使い分けでなくメンテナンスもできてしまう人」

「水溶性食物繊維の種類ごとに物性から加工特性まですべて頭に入っている人」

など、一つの分野に突き抜けた方は皆さんの周りにはいらっしゃいませんか。

 

結局のところ「専門分野・専門性」は研究者のキャラクターを構成する大きな要素です。

大学のラボを探すときにも、「ここの先生は何が専門か」については必ず確認すると思います。

ところが、企業の研究所で研究をしていると、人によってはこの「専門性」を構築できない立場になってしまうことがあります。

これはある程度仕方ないのですが、私としては「若干損かなー」と思ってしまいますね。

今回は、企業の研究員で専門性を作りにくいケース、企業研究者にとって専門性が大切な理由、そのために普段私が意識していることについて書いていきたいと思います。

結論:忙しい中にも専門性を高める時間を確保し、研究者としての価値を高めよう。

①専門性を作りにくいケース:業務が忙しい、テーマの改廃、異動がある。

企業の研究者の仕事は、研究や実験だけではありません。

研究所の運営や、開発部門・営業部門・製造部門のサポート、知財戦略の打ち合わせ、管理職になれば研究戦略策定、予算管理、人事評価なども入ってきます。

 

研究が本業にもかかわらず、それ以外の仕事にほとんど時間をとられている社員も結構多いです。

会社員の勤務時間は限られているので、このタイプの社員にはもう研究する時間は残っていません。

 

加えて、会社では研究テーマの改廃や社員の異動が頻繁に行われます。

せっかく取り組んでいたテーマが中止となると、そこにかかわっていた人員は別の仕事を割り振られるので、また一から勉強しなおしです。

異動となってしまえば、もうその仕事には関われません。

 

確かに、新しいテーマについて勉強することで自分の知識を広げたりすることは大切ですし、テーマの改廃や異動については一社員にとっては不可抗力です。

しかし、そういった環境の中でも自分の専門性を磨くことは、最終的に自分の価値を高めることにつながると私は考えています。

 

②イチ研究者として市場価値を高められているか。

普通の会社員(特に研究者以外の人たち)は、社名と実名が結びついた形で対外的に公開されるケースは少なく、ましてやその人が何をしているかは本人に聞いてみないとわかりません。

しかし、研究者は違います。

なぜなら、特許、学会発表、学術論文などを通して、実名と仕事と成果が対外的に公開されることがあるからです。

 

少し誇張して言うと、研究者の専門性や客観的な市場価値が外部から分かってしまうということです。

 

しかし私は、この状況を「自分の専門性と仕事の成果を対外的にアピールしやすい環境」として、ポジティブなものと捉えています。

近年、大企業が黒字にもかかわらずリストラを敢行するなど、年功序列・終身雇用が崩壊しつつあり、また転職市場もどんどん活発になってきています。

このような環境では、自分の成果が公開されていることは有利に働くと私は考えます。

実名で公開した特許や論文を他社の担当者がみて、「この分野のスペシャリストを採用したい」などとヘッドハンティングのきっかけになるかもしれません。

 

また、転職活動をする際に「職務経歴書」というもの作成します。

その中にこれまでの自分の経験や成果を記入するところがあり、論文や特許などの成果はここに堂々と描くことができます。

これをきっかけに自分の専門分野や仕事の背景を面接などでアピールすることも可能でしょう。

専門性を極めて結果を出し、自分の市場価値を高めることは、社内の出世や転職などのあらゆる場面で自分を守ることにつながるはずです。

③業務時間中に、自分の専門性を高める時間を確保する。

研究以外にもさまざまな関連業務をこなしています。

しかし、研究関連業務(実験、論文や特許に目を通す、最新技術のセミナーを聞く、など)の時間は死守しています。

 

私が愛読している「7つの習慣」という本の中に、「最優先事項を優先する」という習慣があります。

成果を出す能力を高めるための活動により多くの時間を割く」ことの重要性を説いており、

この時間を確保することで後々大きな成果が得られたり、

トラブルなどの緊急な仕事が減るという内容です。

 

一朝一夕では難しいかもしれませんが、自分が極めたい分野について毎日一定時間取り組めるよう、無理矢理にでも時間を確保する習慣をつけていくとよいかもしれません。

まとめ

自分の専門性を高めることを「最優先事項」に設定し、そのための時間を毎日確保することが、より大きな成果を得ることにつながり、研究者としての市場価値を高めてくれるはずです。

 

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