企業研究職が、大学の研究員に登録するメリットデメリット

研究職の仕事

私は企業の研究職をしつつ、ある大学との共同研究プロジェクトの研究員も兼務しており、

大学にも研究員として登録しています(大学側から報酬にあたるものはいただいていません)。

 

企業だけでなくアカデミアにも籍があることで、

企業にいるだけでは得られないメリットを数多く享受できています。

他方で少し苦労していることもありますが、

総合的にはメリットが非常に大きく、

この形で研究・業務ができていることに充実感を感じています。

 

今回は、企業の研究者が大学・研究機関などのアカデミアに登録できた場合に得られるメリットデメリットを書いていきます。

大学や研究機関に登録することで、多くのメリットが得られる。

メリット、デメリットの順で書いていきます。

メリット:人脈づくり、研究推進面でプラスに働くことが多い。

人脈づくりにつながる。

一番大きいメリットだと思います。

研究者もそれぞれ得意分野があり、各々の得意分野をうまく融合できると仕事の質も高いものになります。

社内だけでは関われる人数も限られ専門分野も近いことが多いですが、

社外に出ることでそこを起点に多様なバックグラウンドの人たちとお付き合いができ、

仕事の質の向上や自分の見識の拡大につなげられます。

会社にはない技術・知見・ノウハウを習得できる。

自社にはない技術・知見・ノウハウなどを習得する一番いい方法は、

その分野のトップクラスのラボに行って教えてもらうことだと思います。

研究員登録をしてラボに頻繁に足を運ぶことで、いろいろなことを習得できるチャンスが増えるはずです。

企業では買えないような大型・マニアックな実験機器を使わせてもらえる可能性がある。

企業では使う人が少ない大型でマニアックな実験機器が、

アカデミアでは設置されていることがあります。

研究員登録することでこれらの機器を使用する権利を得られる可能性があり、

実験・研究の幅が広がります。

論文へのアクセス権をもらえる可能性がある。

個人的には、これも非常に助かっています。

近年オープンアクセスの文化が広がっているとはいえ、依然として購読しないと読めない雑誌は多数存在します。

 

アカデミアの研究員に登録することで、

その大学・機関の教授や学生と同様に雑誌へのアクセス権が付与され、

読める論文の数を増やせる可能性があります。

旧帝大クラスになると読める論文はかなり多くなりそうです。

投稿論文に共著者としていれてもらえる可能性がある。

たいていの場合、その機関のラボと共同研究を実施する前提で研究員登録が行われます。

ラボの業績につながる仕事ができれば、

論文の共著者に名前を入れてもらうなど、

自分の業績を増やすことができるかもしれません。

機関で実験用物品を準備してもらえると、結果として価格が抑えられる場合がある。

科学実験関連の物品や機器の中には、

非営利団体と営利団体で価格が異なる場合があります。

非営利団体(大学・研究機関など)向けの方が価格が安い場合があり

物品を機関側で購入して実験もその機関で行うことで、

結果として実験にかかる費用を抑えられる場合があります。

ただし企業や機関のルール、両者間の契約次第で進め方が変わってきますので、その点に注意が必要です。

(修士卒の社員の場合)先生からの評価次第では博士進学の推薦をもらえる。

研究員として優秀だと評価してもらえれば、お声がかかるかもしれません。

(いい意味で)会社から離れて仕事ができる。

これもとても大きいメリットです。

一時的にでも会社の管理の外で仕事ができるだけで、気持ちとしてだいぶ楽になります。

落ち着いて仕事をするだけでこんなにも生産性が上がるのかとびっくりしたこともありました。

デメリット:多忙さ、社内からのプレッシャーを感じることも。

大学・研究機関への研究員登録だけで、費用が発生することもある。

登録するだけで費用が発生する場合、

特に社内向けにその理由を合理的に説明する必要があります。

費用が発生する分求められる成果の質も上がるので、自分の中での覚悟も必要になってきます。

相手先の先生から本業とは関係ない仕事を頼まれるなど、単純に仕事が増える可能性がある。

私はあまり経験がありませんが、

外部所属の研究員に対しても自分のラボの学生やポスドクのように接してくる先生方もいるらしく、

会社と全く関係ない仕事を振られるといった話も聞いたことがあります(本当は、たぶんダメ)。

頼まれると断るのが難しい場面もあり、単純に仕事が増えてしまいます。

所属する会社の理解がないと、社員から冷たい目線で見られることがある。

社内だけでなく社外にも拠点を持てる社員はほとんどいません。

私自身も、一部の社員から「変わり者」「優遇されている」といった視線を浴びることもありました。

今はほとんど気になりませんが、このような視線をつらく感じる人もいるかもしれません。

(特に多額の費用が掛かっている場合)結果を出せというプレッシャーが強くなる。

社外にも拠点を持てる時点で、

会社からある程度の期待とプレッシャーをかけられることになります。

それは、かかっている費用やかけている時間に応じて大きくなります。

相応の結果を出せれば問題ないですが、

研究は求めていたものが得られないケースも多く、

運に左右される側面もあります。

この状況に耐えられる人でないと、しんどいかもしれません。

まとめ

・アカデミアに研究員登録できると、研究者として多くのメリットが得られる。

・人脈づくりや研究推進面で、得られるメリットは非常に大きい。

・ 仕事が増えたり、社内プレッシャーと戦ったりする必要がでてくるかもしれない。

私は、ある大学との共同研究開始をきっかけに研究員登録をしました。

もし企業に所属する研究員の方でこのようなチャンスが巡ってきたら、

その機会を逃さないことをお勧めします。

 

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カテゴリー:研究職と博士号

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