2024年7月10日:ケトン食ってなかなか複雑で難しい!と感じさせる論文4報

(スポンサーリンク)

※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

この記事では、直近半年程度の間で出版された「ケトン食」の有効性やメカニズム研究の論文を紹介します。

ケトン食の健康への有効性は少しずつ認識されつつありますが、論文をいろいろ見ていくとまだまだ議論が難しく複雑なことが多い印象です。

※本ブログは、直近半年以内程度で出版された論文の中から、著者が独断と偏見で選択した論文を紹介しています。

(スポンサーリンク)

目次

2024年7月10日:ケトン食ってなかなか複雑で難しい!と感じさせる論文4報

ケトン食がアルツハイマー疾患に与える影響を調べた動物試験 Gut Microbe誌

まず1つ目は、地中海食を改変したケトン食がアルツハイマー疾患に与える影響とそのメカニズムをADモデルマウスで調べた研究。

タイトルは

A modified Mediterranean-style diet enhances brain function via specific gut-microbiome-brain mechanisms

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19490976.2024.2323752

  

ADマウスに地中海食を与えた結果、代謝状態や行動試験の結果は改善し、食事や腸内細菌に由来する代謝物が脳の炎症を抑えることを明らかにしています。

ただしこの論文では、西洋食と比較している点は気をつけた方がよさそうです。

ケトン食により肥満が抑制されるメカニズム Nature Metabolism誌

2つ目の論文は、ケトン食により肥満抑制につながることを示した動物試験の論文。

タイトルは

Ketogenic diet-induced bile acids protect against obesity through reduced calorie absorption

https://www.nature.com/articles/s42255-024-01072-1

 

論文では、ケトン食介入による肥満抑制作用は腸内細菌叢の変化に起因していると仮説を立てて調べています。

まずは動物試験にて、ケトン介入により胆汁酸加水分解酵素を持つ腸内細菌が減り、血中胆汁酸代謝物が変化してエネルギーの取り込みを抑制していることを見つけています。

またヒトでも同じ傾向がみられるかを調べ、ケトン食介入をした肥満・太り気味の人でも、胆汁酸加水分解酵素と胆汁酸組成が同じような変化を示したことを報告しています。

ケトン食は適切にやらないと細胞老化を促すかも? Science Advances誌

3本目の論文は、ケトン食を長期間続けるとさまざまな組織の細胞老化が進むことを確認した動物試験の論文。

タイトルは、

Ketogenic diet induces p53-dependent cellular senescence in multiple organs

https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.ado1463

 

主に動物試験で細胞老化を評価しており、血清でTNFa、IL-6、IL-1bなどのサイトカインも上昇していることや、細胞老化のメカニズムのカギがAMPK-p35の経路にあることを確認しています。

また、動物試験で得られた傾向がヒトでも見られるのか、ケトン食介入を受けたヒトの血清を調べて確認しています。結果として、ケトン食介入群において、IL-1bやTNFaの上昇が動物試験と同様に上昇していることを見つけています。

 

ケトン食のヒト健康への有効性を評価したメタアナリシス BMC Medicine誌

ケトン食の健康有効性RCTの結果をまとめたメタアナリシスの論文。

タイトルは

Effects of ketogenic diet on health outcomes: an umbrella review of meta-analyses of randomized clinical trials

https://bmcmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12916-023-02874-y

 

システマティックレビューの結果、68件のRCT論文を採用し、体格・血中脂質マーカー・血糖関連マーカーなどに対する有効性を確認しています。

その結果、肥満者の体重減少、中性脂肪、ヘモグロビンa1cの低下が示唆された一方で、LDLコレステロールが上昇する可能性も示唆されたそうです。

終わりに

今回は、ケトン食のメカニズム研究や有効性を評価した論文を4報紹介しました。

今後もケトン食に関する研究はたくさん出てくると思うので、引き続きエビデンスの情報収集をしていきたいと思います。

 

トップへ戻る

論文紹介へ戻る

(スポンサーリンク)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

食品メーカー研究職。
修士卒→食品メーカー(この間、社会人博士取得)→2023年に研究職で転職。
専門は質量分析・オミクスを使った研究/発言は個人的見解です
Twitter:https://twitter.com/NzXyZQDOCMpLgz5

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次