2024年5月17日:NASHに対する食事介入による改善を目指した論文3報

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NASH(非アルコール性脂肪肝炎)は、脂肪肝になった人の一部が発症する疾患で、一般的な生活習慣病に加えて肝硬変や肝がんのリスクも増加する可能性が指摘されています。

今回は、NASHに対して食事介入による改善の可能性を調べた論文を紹介します。

※本ブログは、直近1年程度に出版された論文の中から、著者が独断と偏見で選択した論文を紹介しています。ほかにも似た論文はたくさん出ていますが、ご容赦ください。

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目次

NASHに対する食事介入による改善を目指した論文3報

イヌリンを腸内細菌が代謝してNASH改善? Nature Microbiology

水溶性食物繊維イヌリンが腸内細菌叢を変化させ、機能性脂肪酸(ペンタデカン酸)を増加させることでNASHが改善されることを示した、動物試験の論文。

タイトルは、

Parabacteroides distasonis uses dietary inulin to suppress NASH via its metabolite pentadecanoic acid

https://www.nature.com/articles/s41564-023-01418-7

 

イヌリンを資化できる細菌Parabacteroides distasonisがいることが重要であること、ペンタデカン酸は炭素数が奇数の脂肪酸で、奇数の脂肪酸は体内では腸内細菌による合成がメインであることも示唆されています。

トリペプチドがNASH治療に使える? Cell Metabolism

トリペプチド(Gly-Gly-Leu)が、NASHの治療に有効であることをマウスとサルで明らかにした論文。

タイトルは

DT-109 ameliorates nonalcoholic steatohepatitis in nonhuman primates

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1550413123000918

 

このグループは以前、NASHではグリシン代謝に異常が起きることを発見し、このトリペプチドを治療薬の候補としたそうです。

先行文献を見ると、NASHではグリシン生合成遺伝子の発現が低下すること、トリペプチドではなくグリシンを投与した場合でも一定のNASH改善効果は得られることが述べられています。

https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.aaz2841

間欠絶食を正しく行うと、NASHが改善する? Cell Metabolism

NASHの予防・改善を目的とした、間欠絶食の有効性とそのメカニズムを調べた動物試験の論文。

タイトルは

A 5:2 intermittent fasting regimen ameliorates NASH and fibrosis and blunts HCC development via hepatic PPARα and PCK1

https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(24)00135-9

 

絶食のやり方が重要で、ここでは「週に連続しない2日間、食品やカロリーの高い液体の摂取を控える」という方法が適切だとしています。

「絶食を挟むことによるカロリー制限が理由なんじゃ?」と思う方も多いと思いますが、そうではないということもはっきりと示されています。

終わりに

NASHについては、2024年にアメリカで「Rezdiffra」(一般名・resmetirom)という医薬品が承認されましたが、現在も様々な治療法の開発が進められています。

治療薬としてのアプローチに加えて、栄養成分を活かしたアプローチや、工夫した食事介入による改善などもあらゆるチームが検討しているようです。

今回紹介した内容はほんの一部だと思うので、その点もご承知おき願いたいです。

 

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この記事を書いた人

食品メーカー研究職。
修士卒→食品メーカー(この間、社会人博士取得)→2023年に研究職で転職。
専門は質量分析・オミクスを使った研究/発言は個人的見解です
Twitter:https://twitter.com/NzXyZQDOCMpLgz5

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