研究ができない人は仕事もできない?その心配はない理由

現在、研究がうまくいかないなと悩んでいる方。

不安な気持ちがを感じたことや、

研究がうまくいっていないのに、仕事もうまくできるのだろうか?

と考えたことはないでしょうか。

 

特に、現役研究職の方、これから研究職へ就く方は、

今研究がうまくいっていないことが

今後に対する不安を増幅させているかもしれません。 

 

しかし、私は、

今研究がうまくいっていなくても、あまり心配しなくていい

と思っています。

 

理由としては、

研究がうまくいくかどうかは、

すべて本人に起因しているわけではないからです

研究活動を通して自分で研究を組み立てる経験があれば、

ほとんどの方は研究職として活躍できる場はある

私は考えています。

 

今回は、

研究ができない人は仕事もできない?その心配はない理由

について書いていきます。

 

就職後の研究活動に不安を感じている方の参考になれば幸いです。

研究ができない人は仕事もできない?その心配はない理由

研究内容、研究環境が変われば、あなたの能力が発揮されるかもしれない。

ひとつ目は、

あなたの能力は、研究内容・研究環境が変われば発揮されるかもしれない。

という理由です。

 

もしあなたが現在、研究がうまく進まないことに悩んでいるとして、

その理由が、

研究テーマとの相性」や

研究室メンバーと相性が悪いなどの環境要因」の場合、

別の研究環境に移れば一気に解決する可能性があります。

 

教授、上司、同期やラボメンバーなど、

自分がコントロールできない要素が、

あなたの能力発揮を妨げ、研究進捗を妨げている可能性があるからです。

 

言い換えれば、

環境を変えたりテーマを変えてしまえば、

楽しく充実した研究生活を送れる可能性は十分にあります。

そして、転職や就職がその大きなきっかけになるかもしれません。

 

研究や仕事が進まない理由は、必ずしもあなただけにあるわけではありません。

次の職場でに与えられた研究内容や研究環境が

あなたに合っていれば、

研究に楽しんで没頭でき、どんどん成果を出せるようになるかもしれません。

 

同じ研究職でも、いろいろな仕事・役割がある。

二つ目は、

企業の研究職にはいろいろな仕事があり、あなたの能力が活かされる仕事がある可能性が高い

という理由です。

 

以前の記事にも書きましたが、

企業の研究職は、担う仕事や役割は人によって大きく違い、

一人一人求められる能力が全く異なります。

関連記事:企業の研究職に向いている人

 

大学院と同じように基礎研究を担う人もいれば、

工場での製造方法を検討する人もいたり、

技術サポートを担当する人もいたりします。

 

みんな同じ研究職採用ですが、与えられている仕事は全く異なり、

求められる能力・適正はかなり異なってきます。

 

例えば、生物系の研究でタンパク質の実験をする際には、

手先の器用さや再現性の高い作業が求められます。

自分の不器用さに幻滅して挫折した人も多いと思います。

 

一方で、例えば工場での製造方法を検討する際には

まず実験室レベルの小さなスケールで実験しますが、

この時点で何十リットルといった単位で作業をするため、

手先の器用さはそこまで求められませんし、

むしろ力仕事が得意な人の方が向いているかもしれません。

 

上記は一例ですが、

研究職といっても、仕事によって必要な能力やスキルは異なります。

大学院や最初の会社での研究に苦戦した人でも、

それとは違う仕事に巡り合うことができれば、

活躍できる可能性は十分にあると思います。

 

あなたに合った仕事環境・内容が見つかる可能性は十分にある。

今現在研究がうまくいかなくて悩んでいる人も、

別の環境で別のテーマに取り組めばうまく進められる可能性は十分にあります。

 

そして、働く環境の変化によって、

今までよりも自分に合った仕事が見つけられる可能性は十分にあります。

 

今、研究がうまく進んでいないとしても、

次の職場では大活躍できる可能性は十分にあります。

そのため、

「今研究ができないと仕事ができないのでは?」という心配は、

あまり必要ないと私は思います。

 

まとめ

・今現在研究が進まなくて悩んでいる人も、仕事ができないと思う必要はない。

・研究環境や研究内容が変われば、あなたも活躍できる可能性は十分にある。

・同じ研究職という役職でも、担う仕事や役割は人によって大きく違う。

・あなたに合った仕事に出会える可能性は十分にある。

 

転職や就職などによる環境変化を通して、

あなたに合った研究テーマや仕事に出会うことができれば、

活躍できる可能性は十分にあります。

 

そのため、今研究がうまくいかないからと言って

仕事もできないんじゃないかと心配する必要はないと私は思います。

研究活動を通して自分で研究を組み立てる経験があれば、

ほとんどの方は研究職として活躍できると私は考えています。

 

研究職も転職できる

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



研究職はつぶしがきかない?長く生き延びるためにできることは?

研究職はつぶしが効かない」というコメントをネットなどで見かけます。

 

おそらく、営業職などと比べて研究職を設置している会社が多くないこと、

研究は専門性が高くその能力が他の会社などで活かせない可能性があること

などが理由かと推測されます。

 

確かに、自分の周囲を見ていると

つぶしが効きにくいタイプの人」は一定数いるように感じます。

 

一方で、

この人は研究職として長く生きられそうだな、他社でも活躍しそうだな

という人も確かにいます。

 

この2つのタイプの違いを自分なりに考え、

「活躍できる幅が広い研究者」を目指すことの大切さを感じるようになりました。

 

今回は、

研究職はつぶしがきかない?長く生き延びるためにできることは?

について書いていきます。

 

研究職につきたいがその汎用性を心配している人は、ぜひ読んでみてください。

研究職はつぶしがきかない?長く生き延びるためにできることは?

危機感がない人ほど、つぶしが効かない立場になりやすい。

研究職はつぶしがきかないのか?という質問へは、

危機感を持たずに過ごし続けると、つぶしが効かない立場になりやすい。

とお答えします。

 

営業職や開発職などと違い、

研究職は、基本的に専門性の高い業務にあたることが多いです。

 

会社や部署の方針に合わせてテーマ・分野ごとに人員が割り当てられ、

特定の専門分野を極めて仕事をこなすように期待されます。

 

企業の研究職は、会社や部署から割り当てられた業務を遂行することを通して、

関連する分野の専門性を高めていきます。

 

研究所にはそのような仕事をする社員が多く所属しており、

特定の領域について専門性の高い人材が育ちやすい土壌になっています。

 

専門性に汎用性がないと、活躍の分野が限られてしまうかも。

上記の通り、

企業の研究職は会社で与えられた業務をこなしていれば、

自然とその分野の専門性を高めることができます。

 

しかし、

その専門性は他部署や社外でも通じる汎用性の高いものとは限りません。

 

会社は、イチ社員に対して

「与えたテーマについて専門性を高め、しっかりこなしてほしい。」と思っていますが、

10年先のことを考えてその仕事を与えているわけではありません。

 

与えられた仕事を極めることが今後その社員のキャリアの保証につながるかは、

仕事の内容に大きく依存することになり、「運」に近い側面があります。

 

ある日突然その分野の受注がなくなり、仕事がなくなってしまったら…

10年近く同じ研究をしてきた人が、

ある日突然別の研究で即戦力として活躍できるか…

「自信がないな…」と思う人は、

つぶしが効かない立場になりかけているかもしれません。

 

長く生き延びるための方法案

では、幅広く長く活躍できる研究者になるためには、どうすればいいのか。

日々私も考えながら仕事に取り組んでいます。

 

まだまだ十分な努力はできていませんが、

私が日々心掛けていることについて紹介します。

自分の専門性について、他社・他分野でも活かせるレベルまで極める。

専門性といいつつも、

自社の中など小さい世界でしか使えないものは、価値が大きく下がります。

科学技術は日々進歩しており、

それについていくことも専門を極めるには不可欠です。

 

特許、論文、その他最新情報に常に触れ続け、

場合によっては自分の専門に関連する技術の取得を怠らないことが求められます。

 

この努力は、

専門性を極めるだけでなく、

他部署や社外でも使えるものにアップグレードすることにもつながります。

 

極める分野が決まっている人は、

それに関連する最新情報に常にアンテナを張り、

日々ブラッシュアップしておくことが求められます。

 

得意とする分野を増やし、社内・社外での自分の価値を高める。

もう一つは、得意分野を増やしていくというものです。

100人に1人がもつスキルが2つあれば、100×100 = 10000人に1人の価値になる

という先人の言葉にあたります。

 

会社の業務を通して得られる専門性に加えて、

親和性がありそうな分野を自ら勉強・開拓することで、

10000人中の1人になることを目指します。

 

これにより、自分の得意分野が広がりつぶしが効きやすくなるだけでなく、

2つの領域が重なる領域では自分の能力を存分に発揮でき

自分にしかできない仕事を行い質の高い結果に結び付けることができます。

 

例えば、私の同僚では以下のような取り組みをしている人がいます。

①食品のおいしさにかかわる栄養成分の分析が主な業務だったが、

預かるサンプルを実際に食べて、

その評価と分析結果の整合性を常にまとめていた。

このまとめレポートがある日おいしさ評価部署の目に留まり、

試食と分析を両方できる社員として重宝されている。

 

②CRO出身で、入社後も食品関連の臨床試験を担当していたが、

自分でバイオインフォマティクスを履修したことで、

「臨床試験とバイオインフォマティクスの両方ができ、かつ食品会社の目線を持った研究員」

という立場を確立した。

 

私もこのことは常に意識し、

自分にしかできない仕事ができるような人材を目指しています。

 

研究職は入社後も勉強が必要です。詳しくは以下で解説しています。

関連記事:研究職の専門性は、自分の価値を高めてくれる

まとめ

・研究職は、会社の業務をこなしているだけでは、つぶしが効きにくくなる可能性がある。

・研究職の業務は専門性が高いことが多い。専門性に汎用性がないと、活躍の分野が限られる可能性がある。

・専門性の質を極める、応用範囲を広げる、他の分野を新たに学んで守備範囲拡大と重複領域で自分にしかできない仕事を見つけるなど、自分の価値を高める努力をすることで、長く生き延びられる研究者になれる。

 

研究職は小さい世界にとどまっていると活躍の場が限られる可能性があります。

専門性を極めるにしろ、他領域とのシナジーを目指すにせよ、その世界を見て自分を高め続けることが求められるのが、研究職というものなのでしょう。

 

自分のキャリアが、ほかの環境でも通用するつぶしが効くキャリアなのか、

理系・研究職のキャリア支援を得意とする専門家に聞いてみるのも一つの手だと思います。

 

研究者の就活・転職に特化したアカリクキャリアというサービスがあります。

会員登録は無料ですので、一度登録して話を聞くのもありかと思います。

博士・修士の転職支援、アカリクキャリア(会員登録無料です)

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

 

研究職の働き方、心がけに関する記事はこちら

関連記事:研究職の専門性は、自分の価値を高めてくれる

関連記事:企業研究職の特徴:実名で専門性や業績をアピールできる

 




食品会社研究開発職の出身は?大学は?学部は?理系ばかり?

食品会社研究開発職への就職・転職を希望されている皆様、

どの出身学部の社員が多いか、気になりませんか?

 

食品会社は人気が高いこともあり、

いろいろな学部の方が多数応募してきます。

 

理系の採用についても人気が高く、

特に食品業界は人気が高く、

内定を取るのはかなり狭き門といわれています。

 

その狭き門をくぐった食品会社内定者は、

どの学部の出身者が多いのでしょうか。

 

今回は、食品会社研究職の出身学部について、

友人や私が所属する会社の情報をもとに書いていきます。

 

ただし、

様々な会社のデータなどに基づいた情報ではないので、その点ご了承ください。

 

また、

研究職として働くうえで出身学部よりも大切なことについて、

最後に述べていきます。

この記事の情報が、

皆様の就職活動のお役に立てればうれしいです。

 

大学院や理系学生の就職活動には、

大学院生&理系学生に特化した就活サイト

アカリクが役立ちます。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

以下のリンクから、一度覗いてみて下さい。

アカリクイベントは、こちら

食品会社研究開発職の出身は?大学は?学部は?理系ばかり?

生命科学系の学部出身者が最も多い。

理学部の生物系、農学部、薬学部、水産学部、工学部のバイオ系など

生命科学系の出身者の割合が最も多いです。

おそらく理由としては、

学部・大学院で身に着ける知識やスキルが、食品会社の研究と相性がいいから

だと思われます。

 

会社によって細かい点は異なりますが、

食品会社では、

栄養、生化学、健康機能性、

食用植物の栽培や食用動物の飼育、

などの研究が展開されていることが多いです。

 

このような研究では、

生物、食品、育種などの知識が活かされることが多く、

これらの分野について大学で慣れている人の方が、

会社の研究にスッとなじめる可能性が高いです。

 

会社側から見たときでも

これらの学部出身の社員は関連する基礎知識やスキルがあると予想でき、

ある程度即戦力として期待できることから、

研究職へ配属するという傾向があるようです。

 

化学、機械、情報系学部の出身者も多い。

生命科学系の学部出身者が多い一方で、

有機化学専攻の化学系出身者や、

機械系や情報系の工学部出身者

食品会社に入社してきます。

 

食品会社の研究は、食品そのものに関するものだけなく、

食品製造の技術研究包材関連の研究開発

流通システムの開発分析技術の開発

などもあります。

 

この分野の研究開発においては、

生命科学系の学生よりも

化学系や情報系に強い学生の方が適任です。

 

しかしこれらの分野の学生は、

化学メーカーやIT企業などを志望することが多く、

食品会社に目を向けてくれない傾向があるようです。

 

化学・機械・情報系の学生は食品会社から需要があるケースも多いので、

応募してみるのもアリだと思います。

出身大学・学部よりも、入社後の勉強・スキルアップの方が大事。

食品会社の研究職は、生命科学系の学部を中心に、

その他の理系学部の出身者も所属しています。

 

採用する学生が持っている身に着けた知識やスキルが会社の仕事とマッチすれば、

即戦力として活躍してもらうことも可能でしょう。

 

しかし現実として、

学生時代の経験をそのまま活かせるような仕事に就ける人はごくわずかです。

 

ほとんどの人は、会社都合で配属先が決められ

その配属先で必要な知識やスキルを教わりながら、

自分の能力を高めて活躍の場を見つけていきます。

(関連記事:研究職への新入社員配属について

 

確かに採用学生の出身学部は入社時に偏りがあるかもしれませんが、

それよりも

入社後に自分をレベルアップさせて活躍できる分野を広げることの方が、

研究職で働くうえで大切になってきます。

(関連記事:研究職が勉強することの重要性について

 

食品会社の研究職を希望する学生は、

自分の出身学部のことは一旦気にせず入社したい企業には積極的に応募し、

入社できた後も勉強とスキルアップを続けることで、活躍の場を広げていくことを意識してみてください。

 

まとめ

・食品会社の研究開発職は、生命科学系の学部出身者の割合が高い。

・化学、機械、情報分野の学生の需要もあり、活躍できる仕事がある。

・研究職は、入社後も日々勉強してレベルアップをすることが大切。

 

繰り返しになりますが、

研究職は入社後も日々勉強が必要です。

毎日勉強し続けることができる自信のある方は、

企業の研究職に向いているでしょう。ぜひ応募してみてください!

 

大学院生&理系学生の強みを生かした就活サイト

研究職に進みたい理系学生は、

理系学生に特化した情報を提供しているサイトやサービスを

うまく活用しましょう。

 

大学院生&理系学生に特化した就活サイトとして、

アカリク というサービスが便利です。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

登録は無料ですので、一度活用してみてください。

 

アカリクは、こちら

アカリクイベントは、こちら

研究補助業務としての派遣登録はどこから?

研究領域に強い派遣社員に登録したい方は、以下のワールドインテックRAさんなどのサイトをぜひご覧ください。

 「理系出身者歓迎!研究職ならワールドインテックRA」

食品業界の年収に関して

現役食品会社研究職の著者の視点で、

食品業界の年収について状況をまとめ考察しました。

https://researcherinacompany.com/income/



大学の学部卒でも研究職になれる?食品メーカー研究員の目線で回答します

学部卒で企業の研究職を目指したい方

いらっしゃいますか。

 

現在、理系学部の学生は多くが修士課程に進学した後に就職活動をしており、

多くの修士卒生が企業の研究職に応募しています。

しかし、学部卒で研究職に就くことについては、

あまり情報がないのではないでしょうか。

 

今回は、

学部卒の学生は研究職に就けるのか

について書いていきます。

 

学部卒で研究職の内定を得ることはできるのか

また、内定を得るためにどういったことに力を入れればいいのか

学部卒で研究職を希望している方の参考になれば幸いです。

 

理系学生の就職活動には、

理系学生に特化した就活サイト

アカリクが役立ちます。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

以下のリンクから、一度覗いてみて下さい。

アカリクはこちら↓

アカリクイベントは、こちら

学部卒の学生が研究職になれる?

修士卒・博士卒と比べると、研究職に就ける可能性は低い。

現実として、修士卒・博士卒の人と比べると、

学部卒の人が研究職に就ける可能性はどうしても低くなってしまいます。

正直、かなり狭き門だと思います。

実際、先日ツイッターアンケートを取ったところ、

最終学歴が学士(学部卒)で研究職をしている方は

あまり多くないことも分かりました。

https://twitter.com/NzXyZQDOCMpLgz5/status/1654811265292992512

 

大きな理由は以下の2つです。

・学部卒では、研究経験が短すぎる。

・採用する会社も、学部卒は研究歴が短いことを理解している。

 

理系学部に進学しても、研究室に所属して研究活動を開始できるのは、

通常は学部4年、早くても学部3年です。

 

学部卒で就職する場合、研究できるのは長くても1~2年程度です。

この短期間では、研究の表面的なことを学ぶことしかできず、

研究の進め方や考え方を身に着けるのは、なかなか難しいでしょう。

 

修士・博士と比べると研究に携わった期間が短く、

研究を任せるには経験が足りないと思われてしまうのが現実です。

 

採用する企業側もこのことを十分に理解しており、

修士・博士卒の方を優先して研究分野へ配属します。

 

学部卒では、研究の経験が乏しく、

また会社からもそのように理解されている以上、

学部卒の方が研究分野へ配属される可能性は

どうしても低くなってしまいます。

 

学部卒で研究職に就きたい人がすべきこと。

可能性を高める方法として、以下の3つがあると考えています。

 

・学部卒で研究職に配属させている会社を探し、そこの内定を目指す。

・研究室配属の前から、研究を経験して実績を得ておく。

・総合職などで入社後に、実績を出しつつ異動希望を出し続ける。

 

学部卒で研究職に配属させている会社を探し、そこの内定を目指す。

先述の通り、研究職は修士卒・博士卒の方が主に配属されます。

一方で、理系学部卒の新入社員を研究職に配属させる会社も存在しています。

 

就職四季報などを見ればわかる通り、

大手でなければそのような会社はたくさんあります。

 

そのような方針の会社に入社できれば、

学部卒であっても可能性が出てくるでしょう。

 

新入社員配属は会社の方針が大きく関わってきます。

どうしても学部卒で研究職に就きたい方は、

そのような配属を行っている会社を徹底的に調べ、

その会社への内定に全力を注ぐようにしましょう。

 

研究職の新入社員配属について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:研究職への新入社員配属

研究室配属の前から、研究を経験して実績を得ておく。

どうしても学部卒で研究職に就職したいのであれば、

修士卒などと比べて足りない「研究経験」を補う必要があります。

研究経験を早い段階からできるように、自分から積極的に動くことが大切です。

 

意外と知られていませんが、

学部1,2年生の段階で研究室に入り

研究を経験できるプログラムを設定している大学もあります。

 

また、このようなプログラムがない場合でも、

個人で研究室の門をたたき、研究に励んでいる学生も世の中には存在しています。

 

これらの制度を活用できる人であれば、

経験を補い自分の可能性を高めることもできるでしょう。

 

総合職などで入社後に、実績を出しつつ異動希望を出し続ける。

入社後に研究職を狙っていくというパターンもないわけではありません。

ただし、その人に相当な情熱がないと難しいだけでなく、

会社の方針とうまく合致しないと希望がかなわないかなり厳しいでしょう。

 

一方で、私の先輩は、学部卒で営業職を経て研究職異動をかなえました。

最後に、その事例について簡単に紹介します。

 

私の先輩の事例:学部卒で就職→研究職へ異動→社会人博士取得

少し変わった事例ですが、私の先輩の事例を紹介します。

 

その先輩は、理系学部卒業後そのままある食品会社へ就職、営業職として約8年勤務しました。

 

しかしその先輩は、「いつか研究をしたい」という思いをずっと持っており、

その間一貫して研究職への異動希望を出し続けていました。

ただ希望を出すだけでなく本業にも全力で取り組み、

本人曰く「営業成績はかなり上の方」だったそうです。

 

努力の甲斐あって、8年後にようやく研究所への異動が実現します。

強い希望を出すだけでなく、営業で成果を出して文句を言わせなかった。

これが希望をかなえた秘訣だったと、本人は回想していました。

 

その先輩のアグレッシブさは、研究所へ異動するだけにとどまりません。

異動直後に与えられた仕事ですぐに実績を上げただけでなく、

「研究所を起点に事業を立ち上げる」という計画をぶち上げます。

 

そして、

事業をけん引する上で私には博士号が必要だ

ビジネスに強いA教授の下で修業をさせてくれ

と志願します。

 

この熱意のおかげか会社からの進学許可がおり、

会社で働きつつ修士・博士を取得してしまいました。

 

このような事例はあまり多くありませんが、

理系の学部卒で就職してから数年かけて研究職へ異動し、博士まで取ってしまった人を

少なくとも私はこの目で見てきました。

 

学部卒で入社しても、本人の熱意と会社の意向がうまく合致すれば、

研究職として活躍できる可能性が開けてくるかもしれません。

 

この先輩について、後日改めて紹介記事を書ければと考えています。

研究職を志望する学生にお勧めするサイト

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、

理系学生の就活に特化しているアカリクも参考にしてみてください。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

私も、就活情報を得る一つの窓口として、使っていました。

アカリクはこちら↓

アカリクイベントは、こちら

まとめ

学部卒の人が研究職に就くことについては、

以下のような現実があります。

 

・学部卒では研究経験が少なく、修士卒などと比べると研究職への配属は難しい

・研究歴を補う、採用実績がある会社を狙うなど、可能性を高める努力が必要。

 

かなり厳しいですが、全く可能性がないわけではありません。

また、上記の現実は本人の努力である程度補うことができます。

 

どうしても学部卒で研究職に就きたいのであれば、

これら最低限の努力をして可能性を少しでも高めたうえで、

就職活動に臨むことが必須になるでしょう。

 

就職活動に関する関連記事はこちら

関連記事:研究職志望者の就活:現役食品会社研究職からのアドバイス

関連記事:研究職への新入社員配属




研究職のテレワーク:在宅勤務時の一日のスケジュール例を紹介

研究職がテレワーク?そんなことできるの?

不思議に思われる方はいませんか?

結論としては、

研究職も、結構テレワークは利用しています。

 

新型コロナウィルス以降、様々な会社でリモートワークの制度が導入されています。

しかし、研究職の方の多くは実験業務がメインであり、試薬や装置などがある研究所に行かないと仕事にならないような印象があります。

果たしてリモートワークは研究職の方でも実施することはあるのでしょうか。

今回は、

企業研究職の私がリモートワークをする際の仕事内容と、

そのスケジュールの一例を紹介します。

 

研究職もリモートワークはできる

研究職がリモートワークを選択する状況

新型コロナ以降急速に広まった在宅勤務やリモートワーク。

私が所属する会社も新型コロナを機にこの制度を導入し、

状況によってはリモートワークを選択できるようになりました。

そして研究職もその対象になり、一定の条件を満たす場合は積極的に活用するようにとお達しが出ました。その条件は、主に以下の内容です。

コロナの感染が拡大している。

単純に、コロナの感染防止の観点から、可能な限り出社はしないようにというお達しが出ることがあります。

この時は出社の必要がない限りは基本的に在宅勤務になります。

いわゆる「実験」を急いで行う必要がない。

実験を行う必要がある場合は出社の必要がありますが、逆に実験をする必要がない日は出社をする必要がない場合もあります。

このような場合にも、リモートワークを選択することがあります。

会社のパソコンを使えば、自宅から会社のネットワークにアクセスできる通信環境である。

自分の所属する会社は、会社のパソコンを自宅のWifiにつなぎ、この回線から会社のネットワークにアクセスる仕組みが整っています。

自宅でWifiが通っており、会社のネットワークを使った事務作業ができる環境であれば、リモートワークでも十分に働くことができます。

研究職がリモートワークで実施する仕事内容

以上のように、コロナの関係もあり実質在宅勤務という形で、リモートワークを実施するケースが増え、私も積極的に利用するようになってきました。

そこで、食品会社研究職の私は、どのような業務をリモートワークで行っているか、以下のまとめていきます。

調べもの系(特許、論文、など)

特許調査、論文検索などは自宅からでも問題なくできますので、リモートワーク時に行うことが多いです。

執筆活動(特許、論文、雑誌寄稿文など)

執筆活動も自宅でできます。むしろ、邪魔されることが少なく集中して進められる印象です。

書類の作成、校正作業

会社の書類づくりなどもリモートワークで行うことがあります。

データ解析系の作業

RやPythonなどを使った統計解析など、データをいじって考える仕事もリモートワークに向いています。集中してできるので個人的には好きです。

WEB会議

WEB会議もリモートワークで行うことが多いです。家族の理解が必要ですが、それは参加者同士お互い様なので、お互いにあまり気にせず実施できている気がします。

難点は、同僚が隣にいないのでコソコソ話ができない点でしょうか。

研究職のリモートワークスケジュール例

では、在宅勤務で上記の仕事を行った際の一日のスケジュールをお伝えします。

この日は、論文のリバイス対応を中心に、WEB会議にも一つ参加しています。

 

・8時半前:パソコン立ち上げ、上長に勤務開始の連絡を入れる。

・8時半~10時:自社商品の営業資料に載っている、研究関連の文章と図表を校正。

・10時~12時:論文のリバイス対応

・12時~13時:昼食(10分近くコンビニへ外出)

・13時~14時:論文対応続き

・14時~15時半:共同研究先とWEB会議

・15時半~17時:報告書作成、急ぎ依頼された特許調査に対応。

・17時過ぎ:フレックス制度を使い退社、業務終了を上長へ報告。

 

私の場合は、事務作業とWEB会議をリモートワークで行うようにしています。

これにより、会社へ出社したときには多くの時間を実験作業に充てることができ、仕事の効率がとても上がっています。

最近は、コロナ拡大による会社からの指令もあり、週に2回程度はリモートワークを実施するようにしています。

週2回をほぼすべて事務作業に充てられることで、最近会社ではほとんど実験しかしていません。

今後ずっとこの働き方が続くか分かりませんが、使えるうちに駆使してどんどん成果に結び付けていきたいと思っています。

まとめ

・コロナの状況や自宅の通信環境次第では、研究職もリモートワークはできる。

・事務、執筆、調査、WEB会議などを主に実施している。

・週2回ほどのリモートワークにより、出社時はほぼ実験ができるなど、業務効率が良くなった気がする。

 

研究職のリモートワークについては、多くの方で有効活用できると思っています。

実験など出社して行う仕事を同じ日に集中させ、

一方でWEB会議や事務作業をリモートワークの日にまとめることができれば、

非常に効率の良い働き方ができるのではと思っています。

また、リモートワークの場合通勤時間なく、この時間をプライベートな用事に充てることが可能です。

さらに、ここにフレックス制度を組み合わせて退社時間を早めることで、通院、買い物、子供の迎えなど、家事作業を手伝うことも可能でしょう。

リモートワークの有効活用は、仕事だけでなくプライベートの充実にも貢献するはずです

 

研究職という職業であっても、業務の調整をうまくすることができれば、リモートワークを駆使したより効率の良い働き方が実現できるだろうと考えています。

 

企業研究職の働き方に関する関連記事はこちら

関連記事:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

関連記事:企業研究職の働き方:時間管理とモチベーション




企業研究職の働き方:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

大学などで研究をしている学生の皆様や、研究以外の業務をなさっている社会人の方からすると

企業研究職の皆様が普段どのように働いているか、あまりイメージがつかないと思います。

一方、私個人の意見としてですが、

研究職が普段どのような働き方をしているか多くの方に知ってもらい、

就職する前のイメージづくりや、研究職に仕事を依頼するときの参考にほしいな思っています。

そこで今回の記事では、食品会社研究職の一日の過ごし方について、私の事例をいくつか紹介します。

食品会社で研究をしたい就活生や、研究職の働き方を知りたい他業種の皆様は、

この記事を読むことで、企業で研究職として働くイメージを持つことができると思います。

研究職の一日の過ごし方:実験中心の日と事務作業中心の日を紹介

現在の主な業務内容

現在私は、主に以下の業務を担当しています。

①基礎研究:培養細胞を使った機能性成分の有効性評価、機能性成分を産生する微生物の探索

②製造方法検討:ある天然物から機能性成分を収率良く抽出する方法を検討する。

③製品の品質管理:毎週製造される製品に、機能性成分が適切に含まれているか分析する。

④特許関連:出願用資料の作成や拒絶査定への対応を行う。

⑤後輩の進捗管理、技術スタッフのスケジュール管理。

これ以外にも、研究所や部署の運営にかかわる事務作業(書類管理、予算管理など)や会議参加などがあります。

 

実験作業が多い①~③については、技術スタッフさんに適宜仕事をお願いしながら進めています。

技術スタッフの方などにうまく仕事を頼むことも、研究職の非常に大切な仕事です。

関連記事:技術スタッフ:企業の研究職にとって、いなくては困る存在。

 

実験中心の日

まずは、ほぼ一日中実験にかかりきりになる日のスケジュールをお見せします。

この日は、「③製品の品質管理」を行う日で、サンプル受領からHPLC分析までを、技術スタッフの方と一緒に行いました。

 

8時半:出社、メールチェック。

9時:技術スタッフと打ち合わせをして、作業準備とHPLC立ち上げを開始。

9時半:分析用サンプルの宅急便が到着。受け取り後、すぐにサンプル前処理1バッチ目開始。

(この間、待ち時間を利用してメールの返信と電話への対応)

11時半:1バッチ目の前処理が終了し、HPLCへセット、分析開始。

12時~13時:昼休み(この間もメールを確認し、返信しておく。)

13時:前処理2バッチ目開始

(この間、待ち時間を利用してメールの返信と電話への対応)

15時:1バッチ目の前処理が終了し、HPLCへセット、分析開始。

15時半:メールチェック、予算関係書類、研究レポート作成。技術スタッフは後片付け。

17時半:HPLCの分析が終了、洗浄プロトコルをオーバーナイトでセット。

18時:解析結果を確認し、測定結果の報告書を作成。上長へメールで送付しておく。

18時半:退社。

 

実験が多い日は、以下の点に気を付けています。

・実験作業そのものは、遅くても勤務時間内で終わるように計画する。

・技術スタッフに任せられるものは、どんどん任せる。

・隙間時間で簡単なメールはさばいておく。

・作業に集中すると判断を誤ることが多いため、事務関係の重要な仕事は後日に回すことが多い。

 

企業では勤務時間の管理が厳しく、実験に使える時間は限られています。

限られた時間を有効に使って成果を残す能力が、企業の研究職には求められます。

このような環境下でうまく働くうえで、注意すべき点がいくつかあります。

詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

関連記事1:企業研究職の働き方:勤務時間管理とモチベーション。

関連記事2:企業研究職の働き方:お金と時間単価。

事務作業中心の日

続いて、事務作業や会議が中心の日の予定を書いていきます。

この予定は月初に多いです。

 

8時半:出社、メールチェック

9時:部署全体の週礼、実験室や事務室の掃除。

9時半:技術スタッフとの打ち合わせ、今日の会議にかかわる資料の準備。

10時~12時:チームミーティング、各自の進捗報告とそれに対するディスカッションを行う。

12時~13時:昼休み(この間もメールを確認し、返信しておく。)

13時:勤務記録表の入力と提出、領収書や請求書の処理、メール対応。

14時~15時:共同研究先Aとウェブ会議。毎月の進捗管理。

15時~16時:会議の報告書作成、次回に向けた資料作り。

16時~17時:共同研究先Bの月例ウェブセミナー参加。(アカデミアとの議論)

17時~:技術スタッフと情報共有、翌日に行う実験の準備、メール対応。

18時半:退社

 

私の場合、できる限り会議や打ち合わせを同じ日に集めるようにしています。

これにより、会議がない日に十分な時間を確保でき、実験や集中力がいる作業をする時間に充てられるからです。

私たちの本業は研究活動であり、その本業にできるだけ多くの時間をかけたいと思っています。

確かに事務作業や会議も仕事を進めるうえでは大切です。

しかし、事務仕事に重心がかかりすぎないように気を付け、自分の本業に集中できるような環境づくりを意識することも大切だと思っています。

事前に予定を組んでおくだけでも、仕事はだいぶ進めやすくなる。

以上、研究職の一日の過ごし方について、私の事例を紹介しました。

2つ事例を紹介しましたが、出張がある日やフレックスタイムを利用する日など、ほかにも様々なパターンがあります。このような事例も、後日改めてご紹介できればと思います。

 

研究職として働くで意識しているのは、

「事前にしっかり予定を組んで仕事を進めること」です。

仕事の中には、事前に準備をしておかないと対応できないものも多くあります。

技術スタッフ・先輩後輩・上司などあらゆる人のスケジュールを把握・管理し、

自分の仕事が滞りなく進むように計画を立ててそれに近い流れで仕事が進められると、

自然と良い結果につながってくるのではないかと感じています。

 

企業研究職の働き方に関する関連記事はこちら

関連記事1:研究職のリモートワーク:在宅勤務時のスケジュール例を紹介

関連記事2:企業研究職の働き方:勤務時間管理とモチベーション。

関連記事3:企業研究職の働き方:お金と時間単価。