大学院では、研究室ごとに一日の過ごし方やルールが全く異なっていました。
コアタイムがない、
土曜日も出勤必須、
毎日指導教官にデータを持っていき都度予定を修正しないといけない、
進捗報告は月に1回だけ、
などなど…
自分のラボはルールが少なかったのので、
毎日バタバタとした時間を過ごしているラボのことは正直他人事のように見ていましたが、
「自分が就職する会社が同じように忙しかったら、耐性がない自分はついていけないんじゃないか…」
と考えたこともよくありました。
研究職での就職を考えている方は、自分の働く会社がどういった感じなのか気になりますよね。
そこで、食品関連企業の研究所での時間の流れ方についてお伝えします。
ほかのブログなどに一日のスケジュールを載せている方もいますが、
結構みんなバラバラだなという印象を受けています。
そこで今回は、自分が所属する研究所について、
自分の部署、他部署も踏まえて共通する内容をお伝えします。
大まかなイメージを持ってもらえると嬉しいです。
大学と企業では時間の流れ方が全然違います
①時間の流れ方は、「締め切りの時間軸」と「お客様やユーザーとのかかわり」に左右される。
この2つの影響が非常に大きいです。
・締め切りが近い業務の割合
・お客様やユーザーとのかかわりの多さ
大学や大学院時代、皆様は(1)と(2)のどちらに近かったでしょうか?
(1)毎日先生と進捗報告やデータのディスカッションをしないといけない。共同研究先からサンプルを納品するように言われるが、いつも期限が短い。共同研究先との進捗報告会議は実施数日前に決まるため、資料作りはいつもバタバタする。
上記で言えば、「締め切り」にあたるものが進捗報告、「お客様やユーザー」にあたるものが共同研究先と考えてください。締め切りが短期間でやってくるほど、そしてお客様からの要望が頻繁にくるほど、日常のバタバタ感は増していきますね。
(2)テーマの進捗報告は週1回もしくは月に1回。共同研究先からサンプル依頼も前もって連絡をくれるので予定を立てやすい。共同研究先への報告も月末の1回しかないので、資料作りは月末にまとめて行えばいい。
当然忙しいのは(1)の方で、
毎日予定の微調整が必要でゆっくり考える時間はなかなか取れません。
(2)の方が長期スパンで予定を立てて進められるので、
他人都合で計画が狂うことが少なく、落ち着いて過ごすことができそうです。
企業の研究所では、
仕事そのものの締め切りまでの長さやお客様とかかわる頻度が、
社内での時間の過ごし方に大きく影響しています。
②研究中心の部署は、時間がゆったりと流れる
研究は一朝一夕で完結しません。
プロジェクトごとに数か月~数年という長い目標を立て、
その期間で一定の進捗を目指して試行錯誤を繰り返します。
研究部門の偉い人たちはそのことをよくわかっているので、
特別な状況ではない限り試行錯誤に必要な期間を設けてくれます。
成果を出すまでの期限(締め切り)をある程度長めにとってくれるというわけです。
また、研究は新しいモノやサービスの土台を作る業務であり、まだ具体的なお客様がいません。
お客様からの要望に対応する場面が少ないので、
自分でコントロールできる時間が多くなります。
研究中心の部署の中でも、実際に実験作業を担っている部署では、時間がゆったりと流れる傾向があります。
③お客様に近い仕事をする部署は、時間の流れが速い
お客様や営業担当の問い合わせや要望に対応する部署、新製品の刷新サイクルが早い部署などは、
どうしても時間の流れが速くなります。
お客様や営業担当と直接かかわる部署は、このような早いペースに頻繁に巻き込まれます。
・コンペ用の試験品、お客様から処方をこんな感じで変えてほしいって言われたんだけどできる?明日の10時までに。
・この健康食品、有用成分含量を規格ぎりぎりにして単価を下げてほしいんだけど、明日の製造に処方間に合う?
このようなお仕事に日々対応されている方には頭が上がりません。
企業も利益を上げなくてはいけないので、
お客様やユーザー様の要望には可能な範囲で対応していくことも求められます。
要望には大小いろいろなものがありますが、
お客様は困った末に問い合わせをしているので往々にして期限が短いです。
まとめ
締め切りが短い業務、お客様やユーザーに近い業務を行う部署や社員は、
日々迫りくる締め切りやお客様からの突然の要望に対して、
時に鮮やかに、時に苦しみながら対応しています。
一方でこのような業務を得意とする研究員も多くいます。
科学的な知識や考え方を駆使して対応しているのを見ると、尊敬の念を感じます。
新規テーマにじっくり取り組んでシーズを作り出す仕事と、
お客様などの要望に応えて利益の拡大に貢献する仕事。
皆様はどちらの方が得意でしょうか?
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