研究職の転勤・異動:研究が上手くいっても上手くいかなくても異動?理由を推察

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日本企業で働いていると、

必ず「人事異動のシーズン」があります。

誰が出ていき誰が来るのか、どこへ行ったのか、

自分の上司は変わるのか、その上司はどんな人か、

人事ネタは社員間でも一番盛り上がるネタといっても過言ではありません。

 

もちろん、研究員も対象になる可能性があります。

一般的に

研究職は他の職種と比べて専門性が高く異動が少ない傾向がありますが、

それでも一定数の異動は発生します。詳しくは、以下の記事

https://researcherinacompany.com/research-10/

 

当然、研究部門に不可欠な人材、上長から気に入られている所員は、

いきなり他部署へ異動させられるケースは少ないです。一方で、

「研究が順調なのに、なぜこのタイミングで異動?」

という状況も目にします。

 

今回はこの疑問について、

研究がうまくいっている人orいっていない人

という視点から考えてみます。

そこで今回は、

研究が上手くいっても上手くいかなくても異動?理由を考察

というタイトルで記事を書いていきます。

 

注意:今回の内容は、著者の経験まとめたものであり、他の組織において必ずしも当てはまるものではありません。あくまで一意見としてお読みください。

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目次

研究が上手くいっても上手くいかなくても転勤・異動?理由を考察

研究員は複数のテーマを持ち、テーマごとに局面、重要度が違う

研究員はいくつかのテーマを並行して進めていることが多いです。

そして当然、テーマごとにその局面・重要度・位置づけなどは様々です。

 

例えば、以下のような状態です。

テーマ①:製品の目玉となる食品素材すら見つかっていない段階。

テーマ②:食品Aの健康機能性のデータは取れそうだが、製法が決まらない。

テーマ③:食品素材の入手方法は決まったが、機能性の臨床試験が上手くいかない。

テーマ④:会社のブランドコンセプトに合致するような研究データがない。

 

テーマ①はまだ探索段階のため、先を急ぐようなものではありませんが、

テーマ④は、実現しなくてはいけない重要なテーマのように感じます。

 

こんな感じで、一人の研究員が

異なる素材(食品)の、異なる局面の、様々な重要度の研究活動

を進めていることが多いです。

研究が成功して事業開発につながると、事業部へ異動することも

研究テーマが上手く進むと、それを軸にした事業開発が本格的に始まります。

その際、

このテーマに関する研究は終わりにして、事業化に本腰を入れたい

と上層部が判断し、

従事していた研究員が事業化部門に異動となるケースもよくあります。

 

これがいわゆる「研究が上手くいって、事業部へ異動となる」パターンです。

知人のいる大企業では、

このタイプの異動をグループ単位で行っているという話をしていました。

 

研究員の中には、

自分は研究者だから、事業化は得意な人に任せて、裏からサポートしたい

ほかに進めている研究もいい感じだから、そちらに集中したい

と思う方も多いでしょう。

 

しかし、後述するように研究が事業化に結び付く確率はあまり高くありません。

このような機会がもらえた場合には、

一度事業化にかかわる仕事へのチャレンジを勧めたいです。

自分に合わなければ、研究所に戻ってきてまた研究すればよいですし。

 

うまくいかず、数年で終了してしまう研究テーマも多い

ご存じの通り、一般的に研究は失敗の繰り返しであり、

立てた仮説が外れた際に、その研究自体を終了させてしまうことが多いです。

 

特に企業は、営利につながる研究テーマを選択するため、

利益率が下がるようなテーマに微修正して続けるよりも、

テーマそのものをそのまま終了してしまうことが多い印象です。

 

テーマにそれぞれ難易度があるにもかかわらず、

その点をあまり考慮してもらえないまま、

いろんな研究テーマが立ち上がっては消えてを繰り返しています。

 

テーマが上手くいかなかったのは、本人だけのせいではないのですが、

「AさんのテーマBは、うまくいかずに終わった」という点だけが独り歩きし、

あたかもAさんの失敗であったかのように伝わってしまうこともあります。

 

テーマ立ち上げ→中止、が重なってしまった研究員は、

ひどい場合には「成果が全く出せない人」という扱いになり、

研究以外への異動の対象になる可能性が高まってきてしまいます。

 

重要なテーマが終わった研究員は、異動対象になりやすい傾向

重要なテーマが終了したタイミングで、異動の内示を受けた研究員を、

私はこれまでたくさん見てきました。

 

このような形で異動する研究員が多い理由としては、

「その社員の仕事は、重要なテーマ終了で一区切りついた」と上層部に認識された。

区切りがよく、引継ぎ事項が少なく、異動に伴う支障が少ない。

といったものがあげられます。

 

もしこれらの理由が本当だとすると、

異動って結局のところ会社都合なんだな・・

という非常に切ない気持ちになりますね。

 

逆に言うと、様々な研究テーマを運営し、

少しでもいい感じにつながっている研究員は、

あまり異動の内示を受けていない印象があります。

 

まとめ

研究員は複数のテーマを持っており、テーマごとに局面、重要度が違う。

・研究が成功して事業開発につながると、研究員が事業部へ異動することも。

・うまくいかず、数年で終了してしまう研究テーマも多い。

・重要なテーマが終わった研究員は、異動対象になりやすい傾向。

 

異動が少ないといわれている研究員でも、

いろんな事情が絡んだ結果、思わぬ内示を受けることがあります。

テーマが上手く進んで事業化するためというポジティブなものから、

重要なテーマに失敗して研究以外へ異動させるネガティブなものまで

さまざまです。

 

自分で結果を出して異動を勝ち取る(or研究所からの異動を免れる)

という側面もありますが、

研究が上手くいってもうまくいかなくても、

結局のところ会社都合で異動させられます。

 

異動に対してどのように自分のキャリアを合わせていくか、

自分も悩んでいます。 

いつ異動させられるかわからず、常にドキドキしています。

このドキドキを緩和させ、

いざというときに自分の意思で決められる選択肢を増やすために、

仕事で結果を出すこと、自己研鑽、情報収集を進めています。

 

自分の人生を不本意な異動で狂わされないよう、準備しておくといいでしょう。

 

研究職も転職できる

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

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この記事を書いた人

食品メーカー研究職。
修士卒→食品メーカー(この間、社会人博士取得)→2023年に研究職で転職。
専門は質量分析・オミクスを使った研究/発言は個人的見解です
Twitter:https://twitter.com/NzXyZQDOCMpLgz5

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