ホンネ:研究補助の派遣社員の皆様、いつもありがとう。

企業で研究をしていると、いつも本当に思っているのです。

派遣さん、ありがとう

派遣さん、ホントに助かる

派遣さん、私が気付かないところも気にしてくれてありがとう

 

企業の研究所、特に実験や作業に関する業務が多い研究所では、多くの派遣社員の皆様が一緒に働いています。

しかし、オフィスなどで働く派遣社員とは異なり、「実験や作業など、研究補助業務時従事する」という目的で派遣されており、実際に実験や作業をする業務を任されています。

主に以下のような仕事をします。

・派遣先の社員の指示のもと、実験や作業を実施し、結果を社員へ提出する。

・実験にかかわる周辺業務(物品の整理、在庫の確認など、簡単な清掃)を担当していることもある。

 

詳細は後述しますが、この派遣社員のおかげで企業の研究所は回っているといっても過言ではありません。

特に、実際に派遣社員に業務を支えてもらっている立場になると、そのありがたさを日々感じるはずです。

 

そこでこの記事では、以下の3点についてお伝えします。

・研究補助の派遣社員の皆様がどのようなことをしているか、なぜ求められているのか。

・どのような派遣社員の行動にありがたさを感じるか(個人的見解)。

・研究補助派遣社員になる方法、正社員登用の可能性。

ホンネ:研究補助の派遣社員の皆様、いつもありがとう。

企業の研究所では、研究補助の派遣社員がいないと回らない。

この記事のイントロを読んだ中で、こう思った方がいるかもしれません。

え?実験とかって社員がするんじゃないの?

もちろん、社員が実験することも多々ありますよ(というか、メインは社員が多いです)。

 

ところがですね、しかし実際に研究所などで働くとよくわかるのですが、

実験や作業の量が、とても社員だけでこなしきれるレベルではありません。

はっきり言って、猫の手も借りたいぐらい忙しい。

加えて、アカデミアなどと異なり、企業の社員は労働時間の管理が厳しいです。どれだけ自分で実験や作業をしたいと思っていても、労働時間の制約がそれを許してくれません。

 

そこで、「実験や作業をやってくれる人がもっと欲しい」となり、派遣社員の力を借りています。

 

とはいえ派遣社員ですので、研究プロジェクトを丸投げしたり、実験計画を考えてもらうことは稀です。

(このレベルの業務を依頼する派遣社員もゼロではないですが非常に少なく、仮にその場合も事前に契約の段階で合意されていることが多いです)

「イチから実験系をすべて考えてね」とか「実験結果を解釈してね」とか「報告書全部書いてね」といったことはお願いできません。

 

そのため実態としては、以下のような運用が多いと思われます。

①社員が実験系や作業方法を構築し、派遣社員にやり方を教える。

②派遣社員は教えられた方法にのっとり、社員から指示される実験・作業を実施する。

③結果を社員に報告し、状況報告や簡単な意見交換(作業改善につながる提案など)を実施する。

 

ここからは私個人の感覚ですが、特にルーチンワーク化している実験や作業については、派遣社員に業務をお願いすることが多いかもしれません。例えば、

・毎日サンプルが届き、毎日測定して結果を返却する作業。

・何千もの添加サンプルを用いて、同じ細胞試験を実施して結果を比較する(実施に長期間を要する)。

・ほとんど同じ方法を繰り返すが、毎回微妙に方法が変わる実験(社員と相談しながら遂行)。

 

ルーチンワーク化している作業を派遣社員にお願いし、社員はもっと難しい仕事やクリエイティブな仕事に集中できるようにする。

このような形で運用していることが多い印象です。

 

以上のように、企業の研究所では派遣社員にも実際の実験・作業を数多く遂行してもらっています。

もはや、派遣社員の協力なしでは企業の研究所は回らないといっても過言ではないと思います。

 

派遣社員の業務は、派遣前に契約で決められていることが多い。

多くの場合、派遣社員は派遣先の会社と実施内容に合意したうえで、その業務を遂行します。

そのため、基本的には依頼している業務内容以外は派遣社員にはお願いできません。

 

たまに、派遣先企業の社員でも勘違いされている方がいますが、派遣社員は雑用係ではありません。

会社と合意した内容を遂行することが、派遣社員には求められています。

もし社員の手の届かない業務を拾ってくれると、なおうれしい。

派遣社員は契約時点で依頼した内容の遂行に集中してもらう」という前提は私も遵守しています。

一方で、派遣社員と派遣先企業の社員では立場が違うとはいえ、同じ職場で業務を遂行しているわけであり、ある意味同僚です。

そのため、仕事がうまく進められるかは「社員と派遣社員の信頼関係」にかかっています。

私のような社員の立場としては、派遣社員の方がどのような契約で来てくれているかを把握したうえで、適切な指示・指導を与えながら、同時に派遣社員の考えや意見を適切に考慮することが重要です。

一方で派遣社員としては、自身契約範囲は守りつつも、指示をくれる社員の状況などの様子も見ながら、今すべきことを適切に把握して業務を進めてもらうことが重要です。

 

ここからは派遣先社員である私の考えになりますが、

社員が気付いていないことに気づいて、対応したり声がけしてくれる派遣社員さん、ホントに助かる

といつも思っています。

例えば、私が業務管理してきたこれまでの派遣社員の皆様は、以下のような対応もよく進めてくれました

・「実験消耗品が少なくなってきたので、購入お願いします」と声をかけてくれる。

・「いつも使っている測定機器ですが、そろそろメンテナンス時期じゃないですか?」と忘れがちな情報をインプットしてくれる。

・「社員さん明日14時から会議ですよね、その時間私空いているので、社員さんの実験引き継ぎます。前に方法教えてもらったやつですよね?」という提案をくれる。

 

確かに、消耗品の管理や社員の業務サポートは、契約上は派遣社員の業務ではありません。

しかし、社員の手が届かない業務を拾い、社員や部署全体の業務遂行をサポートしてくれる派遣社員の方は、本当に重宝します。

もちろん、契約内容を把握したうえではなりますが、逸脱しない範囲でいろいろ気にかけてくれると、社員としては非常にありがたいです。

研究補助の派遣社員から、正社員に登用されるケースもある

企業の研究所には、研究補助を目的とする派遣社員の皆様が多くいらっしゃいます。

通常、派遣社員は会社から与えられた研究補助業務をこなすことに従事します。

 

しかし、その業務遂行状況や業務に対する姿勢において高い評価を得られると、

この人優秀だから、正社員に登用できないか?

という話題が出ることもあります。

もし、研究補助でよいから研究開発に携わり続けたい、

もしくは研究補助を皮切りに研究職への転身を目指したいのであれば、

研究補助として派遣先で高い評価を受けるように努力することで、

研究補助としての正社員登用、そしてその先の研究職として研究をリードする立場を勝ち取ることになります。

 

研究・補助に特化した派遣会社がある

もし研究職に憧れがあったが、現在全く違う業務に従事している。

あるいは、研究補助業務に携わりたいという希望がある方は、

まずは研究領域に強い派遣社員として登録し、研究補助業務に携わりながら研究職を目指す道もゼロではありません。

研究領域に強い派遣社員に登録したい方は、以下のワールドインテックRAさんなどのサイトをぜひご覧ください。

 「理系出身者歓迎!研究職ならワールドインテックRA」
 

終わりに

・企業の研究所では、研究補助の派遣社員がいないと回らない。

・派遣社員の業務遂行力が、研究プロジェクトの推進を支えている。

・もし社員の手の届かない業務を拾ってくれると、なおうれしい。

・派遣先の評価次第では、正社員登用の話題も出る。

・研究やその補助に特化した派遣会社がある。

 

重要なことなので何回も書きますが、

企業の研究所は、派遣社員のおかげで成り立っているといっても過言ではありません。

研究職の私は、日々派遣社員の皆様に感謝しながら業務を進めています。

もし、企業の研究所などで研究に携わってみたい方は、以下のワールドインテックRAなどの派遣会社へ登録してみることをご検討ください。

 「理系出身者歓迎!研究職ならワールドインテックRA」




統計が苦手な研究者へ!統計大嫌いだった企業研究者からのお勧め本

こんにちは、食品メーカーで研究職をしている「とうや」と言います。

このページをご覧の皆さん、おそらく多分に漏れず統計が苦手で、何とかしてくれる情報をあれこれ探しているのではないでしょうか?

 

この記事では、統計が苦手だった私が少しずつ苦手意識を克服するのに役立った、1冊の本を紹介します。

統計大嫌いだった企業研究者からのお勧め本

結論から行きましょう、ズバリこちらの本です↓

基礎から学ぶ統計学

基礎から学ぶ統計学 中原 治 (著)

「統計学を理解したい」と真面目に考える人へ.統計がわからない. . .と挫折したことがある人へ.
10年を越える学生との試行錯誤が生んだ,学部を問わない“統計学の基礎”が身につく,新しい入門書.




2024年7月24日:最近の食物繊維論文で面白かった4報

この記事では、直近で出版された食物繊維に関す論文で、個人的に面白かった3報を紹介します。

※本ブログは、直近半年以内程度で出版された論文の中から、著者が独断と偏見で選択した論文を紹介しています。

2024年7月24日:最近の食物繊維論文で面白かった4報

食物繊維の摂取が満腹感につながるメカニズム Science Translational Medicine誌

まず1つ目は、食物繊維が豊富な食事をとることで満腹感が得られるメカニズムを解明した論文。

タイトルは

Diet shapes the metabolite profile in the intact human ileum, which affects PYY release

https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.adm8132

  

この研究は「食物繊維が食用を抑制するメカニズム、全然わかってないじゃん!」ということに着目し、実際に高繊維食と低繊維食をヒトに摂取してもらる介入試験(クロスオーバー試験)をデザインし、食欲調節や満腹感のメカニズムに迫っています。

 

この研究はそのやり方がすごくて、被験者は食品介入を受けている4日間、鼻からチューブを入れられた状態で過ごし、高繊維食もしくは低繊維食を摂取した後に継時的に小腸内容物を鼻から通したチューブを介して採取されています。

そして採取されたサンプルに含まれる栄養素・代謝物・ヒト由来のホルモンなどを分析し、満腹感とつながるメカニズムを調べています。

研究の結果、高繊維食の摂取した群では、回腸(小腸の一部分)で採取された内容物では、食欲抑制作用を示すペプチドホルモンであるpeptide YY (PYY)が多量に分泌されいることを確認し、これが食欲抑制(=満腹感)につながっていることを特定しています。

そしてその理由として、食品の消化で生じたアミノ酸類がL細胞からのPYY分泌にかかわっていることを明らかにしています。

水溶性食物繊維がアルコール性肝疾患を軽減するメカニズム Cell Host & Microbe誌

2本目は、水溶性食物繊維の摂取がアルコール性肝疾患を軽減することを、動物試験で確認した論文。

タイトルは、

Dietary fiber alleviates alcoholic liver injury via Bacteroides acidifaciens and subsequent ammonia detoxification

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1931312824002269?via%3Dihub

NASHをはじめとする肝疾患に対する、腸内細菌叢やその代謝物の関連は研究がたくさん出てきています。

その一方で、アルコール性肝疾患に対する関連は相対的に研究が少なかったとのこと。

この研究では、他の肝疾患と同様に、食物繊維の摂取量を増やすことでアルコール性肝疾患の症状を予防・軽減できる可能性があるのではないかと仮説を立て、動物試験を通して有効性とそのメカニズムを調べています。

その結果、

水溶性食物繊維を食べさせたアルコール性肝疾患マウスでは症状が軽減されたこと

腸内細菌叢を調べたところ、Bacteroides acidifaciensの増加が確認されたこと

腸管代謝物を見ると脱抱合胆汁酸が増えており、これが肝臓オルニチンアミノトランスフェラーゼ発現を高めてアンモニアの解毒を促していること

を明らかにしています。

ちょっと気になるのが、与えた食物繊維の情報がすぐに見つけられなかったことです。

見つけられた人がいましたら是非教えてください。

腸内細菌叢でのトリプトファン代謝を食物繊維で制御する Nature Microbiology誌

3本目は、食物繊維摂取により腸内細菌叢でのトリプトファン代謝動態が変わり、有益な代謝物が増えることを示した論文。

タイトルは

Dietary fibre directs microbial tryptophan metabolism via metabolic interactions in the gut microbiota

https://www.nature.com/articles/s41564-024-01737-3

 

トリプトファンが腸内細菌によって様々なインドール性代謝物(インドール乳酸、インドール酢酸、など)に変換され、宿主の健康維持などに貢献しているという論文はここ数年一気に増えています。

一方で、慢性腎臓病に関わるといわれているインドールもトリプトファンの腸内細菌代謝物であり、トリプトファン代謝物すべてが宿主にとっていいものというわけでもありません。

そのため、「宿主に有益なトリプトファン代謝物が多く作られる腸内細菌叢の特徴とそれに近づく方法」が明らかにされる必要があり、この論文ではその解明に取り組んでいます。

この論文で面白かったのは、

「トリプトファン代謝物のプロファイルは、酵素を持つ細菌の組成ではなく、酵素を持つ細菌の遺伝子発現調節が行われることで変化する」

という点です。

すなわち、トリプトファンは異なる代謝遺伝子を持つ細菌が中間体を受け渡しながら代謝されており、その代謝動態は細菌の代謝酵素の遺伝子発現によって制御されている、ということを明らかにしています。

そしてこの論文では、食物繊維を適切に摂取することにより、トリプトファン代謝遺伝子を持つ細菌の遺伝子発現変動が誘導され、細菌叢全体として有益なトリプトファン代謝物が作られるようになる、と結論付けています。

一般的に細菌の存在割合で議論される腸内細菌叢と代謝物の関連ですが、今後の研究では細菌の遺伝子発現を制御する因子の影響まで考慮する必要が出てくるかもしれません。

食物繊維やプロバイオ摂取による、短鎖脂肪酸産生を予測する Nature Microbology誌

4本目は、食物繊維やプロバイオテクスを摂取した際に、腸内で作られる酢酸、プロピオン酸、酪酸などの腸内細菌由来短鎖脂肪酸の特徴を、一人一人予測できるモデルを開発したという論文。

タイトルは

Microbial community-scale metabolic modelling predicts personalized short-chain fatty acid production profiles in the human gut

https://www.nature.com/articles/s41564-024-01728-4

 

短鎖脂肪酸は言わずと知れた腸内細菌由来代謝物群の代表格で、大腸上皮細胞のエネルギー源として使われるだけでなく、免疫細胞の分化や機能変化、迷走神経を介した脳へのシグナル伝達、エネルギー代謝制御など、様々な場面で活躍している代謝物です。

しかし、腸内細菌叢が主に産生しているため、短鎖脂肪酸の分泌プロファイルについては個人の細菌叢組成に依存しており個人差が大きく、正確に予測するのは困難であったようです。

この論文では、事前に細菌の系統樹や遺伝子情報を整理した「MCMM」というモデルを構築し、そこに糞便細菌叢解析や糞便培養ex vivo実験から得られた細菌叢データと代謝物データを追加することで、短鎖脂肪酸を予測できるモデルの構築に成功しているようです。

しかもこの論文はこのモデルを使い、食物繊維やビフィズス菌などのプレバイオテクスやプロバイオテクスを摂取した際に、一人一人の短鎖脂肪酸産生がどのように変化するかを予測することにも成功しています。

実際にヒトにプレ/プロバイオを摂取してもらった介入試験の結果を使用して、モデルの精度や有用性を確認しています。

この論文はいわゆる「個別化栄養」を実装した論文です。現在一部アカデミアや食品メーカーなどが個別化栄養の実現などに取り組んでいますが、本論文のような先行事例から学ぶことは多いのかもしれません。

終わりに

今回は、食物繊維に関連する論文で、最近個人的に面白かった4報を紹介しました。

食物繊維が健康に大きく関わっていることはだいぶ広く知られてきている一方で、腸内細菌叢とのかかわりや繊維形態そのものが持つ機能についてはかなりディープな世界があるように感じられます。

食品メーカー研究員としても、食物繊維に関する最新の動向は追いかけていきたいと思います。

 

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食品企業研究者の私が、食品介入RCT論文を読むときの頭の中

こんにちは、食品メーカーで研究員をしている「とうや」と申します。

今回は、「食品企業研究者の私が、食品介入RCT論文を読むときの頭の中」というタイトルにしました。

 

食品メーカー各社がさまざまな健康食品を販売していますが、その裏では、食品による健康機能性についてエビデンス取得を目指してヒトRCTがたくさん行われています。当然試験計画や運営には食品会社の研究者も参加しており、彼らは普段からさまざまなRCT論文に目を通して研究デザインの参考としています。

また私は、RCTはヒトが何かを食べた際に起こる変化などがまとめられているので、食品・栄養の最新知見を得るという目的としても、RCT論文はよく読みますね。

一方で、私が食品介入RCT論文を読む際、論文に書かれていることを理解するだけでなく、食品会社での業務や背景知識と結び付けていろいろなことを考えます。この思考の癖は食品会社にいることで身に付いたものなので、他の業界やアカデミアのヒトとは違う目線が多分に含まれているのではないかと思います。

そこで今回は、「食品企業研究者の私が、食品介入RCT論文を読むときの頭の中」という内容にしました。

私がヒト介入RCTを読む際にどんなことを考えているか、この後紹介する参考論文を読んだ際にイメージしたことを例に示しながら紹介していきます。

※本ブログに記載されている内容は、著者の個人的見解です。

食品企業研究者の私が、食品介入RCT論文を読むときの頭の中

前提(私の基本スタンス)

まず最初に、論文に目を通す際の私の基本スタンスを記載しておきます。

是非はあると思いますが、いったんここは受け入れていただけると助かります。

「この論文の結果は一つの学説である」くらいの認識でとらえる。

「読む論文に書かれていることが真実だ、この世のすべてだ!」というのはあまりにも踏み込みすぎた読み方だと思います(さすがにこういう人はほとんどいないと思いますが)。

科学は多くの研究・学説が積み重ねながら真実に近づいていくものです。

私はこの前提の下で論文を読んでいるため、「ふーん、この研究ではこういうことが分かったのね、覚えておこう」くらいのスタンスで内容を理解していることが多いです。

批判的な視点はほどほどにしておく。

「論文は批判的に読むもの」という考え方は広く浸透しており、基本的に私も近い考えです。

一方で「批判的に論文を読んで、論理の矛盾や研究の不備などを見つける」という視点は、私はあまり強く持ちすぎないようにしています。 

参考情報を集めることお優先するという私なりの理由もあり、批判的目線はほどほどに抑えています

自分の参考になるところはないか?という目線を常に持つ。

情報収集を目的に論文を読むわけですから、「自分の仕事・研究に参考になる情報をゲットしよう」というモチベーションはかなり強いです。

最後におことわり

この後のセクションでは、論文を読む際の私の着眼点を紹介していますが、もちろんこれ以外のパートもしっかり読んでいます。

この後紹介する着眼点の中に、「統計解析」「Result」といった記載がありませんが、これらのパートを軽視しているわけではないということを、改めてお伝えしておきます。

今回の参考論文

この記事では私の思考をいくつか例示しますが、その内容は以下の論文読んで考えたことを記載しています。

こちらは韓国で行われたサプリメント摂取のRCTで、テアニンとラクチウム(乳タンパクの加水分解物)を含むサプリメントの摂取が大人の睡眠課題の改善に有効であるかを調べた論文で、2024年6月にFrontiers in Nutrition誌で公開されたものです。この論文の内容に関して、利益相反はありません。

https://www.frontiersin.org/journals/nutrition/articles/10.3389/fnut.2024.1419978/full

着眼点①:このRCTの結果をもとに、次に何ができるのかを想像する。

まず何より気になるのが、「このRCTの結果をもとに、次に何ができるのか」という点です。

私が論文を読む際、まず最初にtitleとAbstractに目を通して、方法、結果、簡単な考察をつかみます。この段階で私の頭の中では、「この結果が仮に真実だとしたら、次は何を調べる必要があるかな?」ということを想像しています。

そして、以降のセクションを順番に読み、情報を肉付けしていきます。

ただ、次に何ができるかについてはDiscussionやLimitationに著者の意見が書かれていることがあるので、MethodやResultよりも先に目を通してしまうこともあります。

 

参考論文を読んだ際に、私がイメージしたことをいかに例示してみます。

この研究、サプリメント摂取によって(自己申告の)睡眠時間や睡眠の質の改善がみられたと書いてある。韓国の研究だから日本人も人種的な特徴は近いし、有効性の観点では、日本でこの設計のまま販売するという考え方もなくはないかも。ただ、この試験しか報告がないから、基本的には追試験するのが無難だろう。

睡眠改善を訴求する商品は日本にすでにたくさんあるけど、この状況でこの設計の商品を上市して戦える余地はあるだろうか?価格面がネックになるなら、有効成分の配合を少し調整した改良品で試験するという考え方もありそう。」

このサプリメントはすでに韓国で一般向けに販売されているみたい。日本でも売られているのだろうか?。販売などに関して、日本での特許などはどうなっているのか調べてみてもいいかもしれない。

 

RCTで得られた結果は、次にどのような展開を経れば実用化につながる可能性があるか。私はこの視点を第一に持ちながら論文に目を通すことが多いです。

着眼点②:介入食は何?どんな原料?どこから入手した?

次に気になるのが、「何を食べさせているか」です。

ヒトでの有効性検証をやっているわけですから、介入食で強化されている成分について、有効性が示唆される何らか先行情報があるはずです。

そして私の場合、介入食でのみ配合されている「原料」にも想像が向かいます。商品などに実用化する場合、使用する原料の情報はとても重要ですからね。

 

参考論文に照らし合わせると、こんな感じのことを想像しています。

テアニンは喫食実績も十分だし、安全性試験もそこそこデータがあるはず。発酵生産で作られているはずだし、(調べてはないけど)原料価格はそこまだ高くないんじゃないか?

ラクチウムという乳タンパク分解物は初めて知ったけど、リラックスと関連するという文脈で販売している会社もあるみたい。安全性のデータなどはあるのかな?。あと、日本で機能性食品として使える可能性がどのくらいあるか、情報探ってみるか。原料価格はどのくらいなんだろう?

テアニン単独であれば原料価格を下げられるかもな。テアニンにも睡眠改善効果があるという報告があるらしいけど、先行研究が1報しかないっぽい。テアニン単独で日本人で調べてみるのもありかもしれない。

 

私の場合、科学としての健康機能性だけでなく、その実用化に関する情報(原料やその調達、製品設計など)にも想像が向かいます。この点は食品会社に所属しているが故の思考かもしれません。

着眼点③:試験デザイン(特に、誰に、どのくらいの期間、介入している?)

RCTのデザインについては特に注意深く読みます。

その中でも、「誰に、どのくらいの期間、介入しているか」はかなり気にします。

 

今回の参考論文を見たときには、こんなことを考えました

被験者に男性の参加者がほとんどいないな。この結果は女性のメインの結果としていったん受け止めるとして、男性についてどのように考えればいいかなビジネス展開する上で男性も対象になるなら、追試験することになるのか?

被験者は、事前アンケートで睡眠障害の経験があると答えた人、と書いてあるな。日本で他社が行った睡眠研究のリクルート条件と近いのであれば、このRCTの結果をそのまま受け止めれば、このサプリメントは日本人にも合うかもしれない。

介入は8週間だから、機能性表示食品でよく設計する試験とデザインは近いな。実際に販売する時も、他の機能性食品と必要な介入期間は変わらないから、そこが問題になることは少ないかも。

 

民間企業にいるがゆえに、実際にヒトが摂取する商品に実装できるかという点をよく考えます

その視点において、誰に向けた商品設計を考えればよいのか、必要となる摂取量・摂取方法・介入期間に無理がないか、といった情報は非常に重要です。

着眼点④:(特に企業の論文の場合)このRCTからどんな事業展開を意識しているか想像する。

日本の食品会社は、トクホや機能性表示食品として健康食品などを届けるために、ヒト介入試験による有効性検証を実施することが良くあります。

そのため、食品会社がRCTを行う際には自社商品の販売・利益という目線が必ずと言っていいほど入っています。

言い換えると、RCTのデザインを読むことで、その企業が何を目指しているかが見えてきます。

例えば私がどのように考えているか、仮想例をいくつか書いてみます(以下の仮想例は、誤解を招く可能性があるため、参考論文とは切り離しています)。

仮想例1(登場人物:食品メーカーX社、ポリフェノールA)

このRCTは食品メーカーX社が主導していて、ポリフェノールAの認知機能への影響を調べているな。でも、X社はポリフェノールAはすでに脂質代謝に関する機能性表示食品を持っているはず。既存品をダブルクレーム(2つの機能を同時に訴求すること)にリニューアルするのかな?

あれ?摂取量が今回のRCTの方が少ないな。ということは、認知機能訴求する商品を新たに売り出すのかもしれないな。

ポリフェノールAを含む食品原料は価格が高いから、配合量を少なくした設計で商品を出したいんだろうな。もしかしたら、脂質代謝についても有効量を下げるための臨床試験をすでに始めているかもしれないな。

仮想例2(登場人物:抗酸化物質Y、大手メーカーB社、原料会社Z社)

このRCTは抗酸化物質Yによるストレス緩和について評価していて、主導したのは大手食品メーカーのB社か。B社ってストレス緩和に関する健康食品てまだ出してなかったな。もしかしたら、何か準備しているのか?

B社の最近の特許公報に、(Yを含む抗ストレス組成物)みたいなものがあったな。もしかしたら抗酸化物質Yの新しい効果を基礎研究でだいぶ前に見つけていたんだろう。

B社は機能性食品をたくさん出しているけど、原料の多くをZ社から買っていたはず。そういえば、Z社は抗酸化物質Yを含む原料を最近販売し始めていたな。

ということは、Z社が作る原料をB社が機能性表示食品として実用化する、という流れができているんだろう。安全性試験に関するUMIN登録情報探してみるか。

 

自分で書いていてなんか複雑な気持ちになりましたが、食品会社の研究者、特にトクホや機能性表示食品にかかわる仕事をしている人たちはこんなことをよく考えていると思います。

(私自身はトクホや機能性表示食品の仕事からはすでに離れているので、少しトレンドが変わってきているかもしれません。)

終わりに

今回は、食品介入RCT論文を読む際に、食品メーカー研究員の私がどのようなところに注目して論文を読み、どんなことを考えているかをまとめてみました。

いかがだったでしょうか。もちろんここに書いたことだけがすべてではないですが、およそこんなことを考えているということが伝わっていれば幸いです。

食品企業で研究者をしていると、食品介入RCTの論文にざっと目を通すだけで、成分、原料、(企業の場合は)事業戦略やその背景情報など、がいろいろつながってきたりします。

論文の中身だけでなく、その裏に隠れている情報・ビジネスを想像しながらRCT論文を読むのも面白いですよ。

 

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企業研究職の特許・論文事情:どっちも読んでる?書いてる?研究職に聞きました。

この記事では、当ブログ運営者のツイッターアカウントを使用して、

「企業研究職の特許・論文事情」について調べたアンケートの結果をまとめています。

 

特に学生の皆様からからすると、

研究者は論文を読むのは普通だけど、企業の人は特許も読むらしい

くらいの情報しかないと思います。

 

また企業研究者の中にも、

自分はどちらか一方しかほとんど読まないけど、みんなどうなんだろう?

と気になる人もいるかなと思います。

 

そこで、本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して企業研究職の皆様にアンケートを取り、

企業研究職の特許・論文事情」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

企業研究職の特許・論文事情:どっちも読んでる?書いてる?

という内容で、ツイッターアンケートの結果をまとめました。

企業研究職の特許・論文事情:どっちも読んでる?書いてる?

企業研究職は特許も論文も読んでいる?

早速、ツイッターを使用して研究職の皆様にアンケートを取りました。

まずは、

企業研究職の皆様、仕事で特許・論文は読みますか?」という質問を設定し、以下の4択で聞き取りました。

特許も論文もよく読む

特許はよく読むが論文はほぼ読まない

論文はよく読むが特許はほぼ読まない

特許も論文もほぼ読まない

 

結果はこちら↓

「どちらもよく読む」が約40%、「論文はよく読むが特許はほぼ読まない」も約40%を示す結果となりました。

 

また、この結果を「論文」あるいは「特許」という切り口で見てみると、以下のこともいえそうです。

・論文をよく読む企業研究者は80%を超えている。

・一方で、特許をよく読む研究者は50%程度にとどまっている。

 

世間一般では「企業研究では特許が大事」と言われている一方で、実際に現場で特許に頻繁に目を通しているのが約半数しかいないというのはかなり衝撃的で面白いです。

 

これの理由について、以下のようなことも考えられるかなと私は推察しています。

・論文を読む習慣は学生時代に身に着けている人が多く、多くの研究者が気軽に目を通せる。

・特許は検索方法や読み方について学生時代には習わないため、目を通すことに心理的ハードルがある人が多い。

 

この辺りは、会社での研修や普段の業務を通して、特許などに目を通す習慣をつけていくしかないのかなと想像させられます。

特許や論文の書き方について、社内で研修や指導の仕組みはあるか?

次は、特許や論文について会社として強化する制度が整っているかを調べる目的で、

特許や論文の書き方について、社内で研修や指導の仕組みはありますか?」というアンケートを設定し、

これまでと同じように4択にして回答していただきました。

結果はこちら↓

これはなかなか衝撃的。約60%の会社が「特許も論文も、書き方の指導や研修をしていない」ということが明らかになりました。

幸い、約40%の会社が特許に関する研修は行っているものの、それにしても半数近くは特許に関する指導を行っていないことが確認されました。

繰り返し書いている通り、企業での研究開発において特許はかなり重要性が高い仕事で、ビジネスを展開する上で特許に関する知識は不可欠です。

一方で、それを体系化して指導していない会社が一定数あることについては、日本全体の研究開発を考えるうえでも気にすべき点なのかもしれません。

 

特許や論文を出願したことがあるか?

次に、実際に特許や論文を主担当として出願・投稿したことがある人の割合について調査しました。

ツイッターで

特許や論文を出したことはありますか?(自分がメインで出願・投稿したものに限ります)」というアンケートを設定し、以下の4択で答えていただきました。

・特許も論文もある。

・特許はあるが論文はない。

・論文はあるが特許はない。

・特許も論文もない。

結果はこちら↓

かなりきれいに票が分かれ、両方経験がある人もどちらの経験もない人も一定数均等にいることが想定されました。

研究開発者としてツイッターを眺めている研究開発に関する情報収集意欲が高い人が多く、特許・論文の業績が多い方にバイアスがかかっている可能性もありますが、そこを差し引いてもかなり均等に分布しているなという印象でした。

企業研究者は、特許や論文を書きたいと思っている?

次に、研究者自身の特許や論文に対する意欲を調べました。

特許や論文を書きたいと思っていますか?」というアンケートを設定し、これまでと同じように4択で回答していただきました。

結果はこちら↓

 「特許も論文も書きたい!」と思っている研究者が約60%、どちらかだけでも書きたいと思っている人を加えると、80%以上の人が特許や論文を自ら出したいという意欲を持っていることが分かりました。

この結果には少し安心ですね。

 

一方で、研究者自身の意欲は高いのにもかかわらず、約半数の会社で特許や論文を出させるための研修や指導が体系的にできていないという状況は、「特許や論文は研究者個人の努力頼み」のような側面があることも感じさせられます。

この状況が、業績をどんどん出していきたい研究者のモチベーションを、会社の仕組みが下げてしまっている可能性がありますね。

私自身メーカー2社で研究開発職をしてきましたが、現職の方が特許・知財に関する指導が行き届いており、一定の質で特許出願ができそうという安心感があります。

業績をどんどん出していきたい研究者は、業績を出したいことを自らアピールするだけでなく、可能であればそのような会社の制度や環境づくりに励む、難しければ業績を出しやすい会社に転職するなど、自らアクションを起こしていく必要があるかもしれませんね。

(参考)回答者の年代

今回紹介した4つのアンケートは一連のツリーで行っており、その最後に回答者の年代の分布を聞き取りました。

20~30代が中心の結果となっていることを、ご留意ください。

まとめ

・企業研究者は、特許も論文もよく読む人が約半数。

論文をよく読む人が約80%いる一方で、特許をよく読む人は約50%程度。

・特許を書く指導や研修ができている会社は約50%しかない。

・特許あるいは論文を書いた経験がある人は約60%

・企業研究者の80%以上は、特許あるいは論文を書きたいと思っている

 

企業の研究では、特許や論文から情報を集め、得られた研究成果を特許として権利化していくことは非常に重要です。

自身の研究・業務のレベルを高めていくうえでも、特許や論文にはたくさん触れていきましょう。

  

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研究職の年収ってどのくらい?研究職の皆様に聞きました。

研究職の給料は高いんですか?1000万円超えますか?

という質問を、就活生のOB訪問などで受けることがあります。正直この質問に関しては、

企業や業界によって大きく違う

と回答するしかないのですが、自分の就職先が年収が高いか低いかは死活問題ですし、この質問をしたくなる就活生の気持ちもよくわかります。

 

一般的に、企業の研究職は大企業に所属している人数が多いこともあり、研究職全体の年収の傾向は決して低くはないという話も聞いたことがあります。

 

一方で、実際にはどのような分布なのか、1000万円超えはどのくらいいるのか、福利厚生含めて満足している人は多いのかなど、定量的なデータほとんど見当たらず、こちらの記事くらいしか見たことがありませんでした。

 

そこで、本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して企業研究職の皆様にアンケートを取り、

企業研究職は年収・福利厚生」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

研究職の年収はどのくらい?福利厚生にも満足してる?」という内容で、ツイッターアンケートの結果をまとめました。

そしてその後、研究職が年収を上げる実質唯一の方法について、著者の経験をもとに記載しました。

研究職の年収:1000万超えはどのくらい?年収上げる方法は?

研究職の年収はどのくらい?

早速、ツイッターを使用して研究職の皆様にアンケートを取りました。

現在の年収で最も近いものを選んでください。

という質問を行い、

300万円未満300-600万円600-1000万円1000万円以上、の4択で聞き取りました。

結果はこちら↓

回答者の年齢、業種業界などの前提が揃っていないという背景はありますが、

・300-1000万円がマジョリティで、約80%を占める。

・1000万円超えは数%

ということが今回の結果から見えてきました。

 

結果を見る限りですが、企業の研究職は世間一般から比べたときに、給料が安すぎるということはなさそうに見えますね。

ボーナスの割合は?

一般的な会社員の場合、年収は月給とボーナスの2つに分かれます。

そして、ボーナスの割合は会社ごとに結構異なるともいわれています。

月給の割合が高くボーナスの割合が高くない会社、月給は安いがボーナスの割合が非常に高い会社、どちらのパターンもよくあるようです。

 

では、実際に年収の中に占めるボーナスの割合はどのくらいなのでしょうか。

企業研究職を対象に

現在ボーナスが年収の何割程度を占めているか」というアンケートを行いました。

結果はこちら↓

少し選択肢に偏りがあったと反省はしておりますが、

結果を見る限り、年収の2-4割程度をボーナスが占めている人が多いことが分かりました。

 

一般的に、ボーナスが支給される会社では年2回に分けて支給されるため、半年に1回年収の1割がドカンと支払われることになります。

 

私自身もボーナスを年2回受け取っておりますが、ボーナスって結構麻薬的な要素があるんですよね…

普段手取りがあまり多くなく収入に不満を感じていても、半年に1回大きな金額をもらうとその不満がマヒしてしまうんです…

 

ボーナスという制度は、会社員の不満を鎮める制度として優秀なのかもしれません(笑)

福利厚生は充実していると思う?

年収・ボーナスに関する聞き取りを行いましたが、次に企業の福利厚生について聞き取りました。

特に大企業になると、年収とは別にとても素晴らしい福利厚生の制度を有していることが多いです。

 

特に借り上げ社宅住宅手当の制度は、いわゆる「見えない年収」として家庭に大きなメリットをもたらします。

巨大製薬企業に所属する知人は23区内で一人暮らしをしていますが、借り上げ社宅で家賃を数千円しか払っていないそうです。

この話を聞くだけでも、住宅関連の福利厚生のパワーはすごいです。

 

住宅に関する福利厚生のパワーは確かにすごいですが、それ以外にも、家族手当、子育て支援金、リフレッシュ旅行支援など、各社個性的な制度が設定されていたりします。

これらの福利厚生制度を社員が上手く使えているかどうかも、社員の満足度に大きな影響を与えているはずです。

 

では、実際に研究職の皆様の会社も福利厚生は充実しているのでしょうか?

細かいことを聞くことがアンケートでは難しいので、

今回は「福利厚生に満足しているか?」という点に絞って、企業研究職を対象にアンケートを行いました。

結果はこちら↓

アンケートの結果、約60%の人が福利厚生の充実さを感じていることが分かりました。

具体的にどんな項目に満足しているかは聞き取れていませんが、会社の福利厚生に助けられている研究職の皆様も多いようですね。

 

また、研究職という職種は、全体的な傾向として大企業の方が人数が多いです。

そのため、今回答えていただいた人たちも大企業の人が多く、それに伴い手厚い福利厚生を享受てきている人が多いのかもしれません。

年収には満足している?

研究職の年収、ボーナス、福利厚生などについてみてきましたが、最後に、これらすべてを含めたご自身の待遇について、

現在の年収に満足しているか?

というアンケートを行いました。

結果はこちら↓

今回の結果では、あまり満足していない人が約70%いることが見えてきました。

年収は高いに越したことはない。確かにその通りです。

 

研究職が年収を上げる方法って?

研究職の多くの皆様は会社員であると想定されますが、会社員がすぐに年収を上げる方法は、基本的に転職しかありません。

 

同じ会社に所属していても、毎年の昇給は雀の涙でしょうし、昇格はポストが少なく狭き門。

このような状況ですぐに年収を上げることは難しいでしょう。

 

そのため、会社員研究職が年収を上げたいと思っている方は、転職活動をぜひ検討してみてください。

 

本ブログの著者は、2023年に研究職の転職に成功し、年収を100万円以上アップさせることに成功しました。

https://researcherinacompany.com/recruit-15

私の転職体験談についてもたくさん記事をまとめていますので、私の転職体験談をぜひ読んでみてください。

まとめ

・企業研究職の年収は、300~1000万円あたりが中心。

・ボーナスの割合が2~4割程度を占めている人が多い。

・福利厚生が充実していると感じている人が約60%

・年収に満足しているのは約30%しかいない。

・企業研究職が年収を上げる方法は、転職しかない。

 

企業研究職の年収は決して低い水準ではなさそうに見るものの、1000万円超えは数%程度しかいないようです。

 

年収に満足している人の割合も高くないことを考えると、企業の研究職もタイミングを見て転職を行っていくことでしか、年収を上げていくことは難しいのかもしれません。

お勧め転職エージェント

今回の転職活動では、複数の転職エージェントに登録しましたが、

主にJACリクルートメントを使用しました。

 

今回の記事を読んで少しでも転職活動に興味がわいた方は、ぜひ一度覗いてみてください。

 

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企業研究職はみんな論文・学会発表・特許をもっている?

研究職の業績と言えば?

と聞かれたときに、皆様何を思いつきますか?

おそらく多くの人が、特許や論文を思い浮かべるのではないでしょうか?

 

著者もそれについては同意で、

特許・論文・そして学会発表などは、企業研究職にとって業績として認知されています。

これらの成果物が多い人の方が、結果を出してきた研究者と認識されやすいでしょう。

 

研究者の業績であり特許・論文・学会発表ですが、

実際現役の研究職の皆様はどのくらいの人が経験があるのでしょうか。

特に、会社の研究成果での経験についてはどうなのでしょうか?

 

実際何割程度の人が経験しているかについて、

これまで定量的なデータをあまり見かけたことがありませんでした。

 

そこで、本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して

企業研究職の皆様にアンケートを取り、

企業研究職は論文・学会発表・特許などの業績を積めるのか?」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

企業研究職の業績アンケート:論文は?学会発表は?特許は?

という内容で、ツイッターアンケートの結果をまとめました。

 

そして、結果をもとに特許と論文・学会発表で傾向が異なる理由や、

逆境がある中でも論文などの対外発表を行った方が良いと著者が考える理由

についても述べました。

企業研究職の業績:論文・学会発表・特許はキャリア形成でめっちゃ大切!

今回のアンケートでは、

会社の研究成果で積んだ業績」に絞って聞き取りました。

学生時代の成果などは対象としていませんので、

その点を踏まえて結果をご覧ください。

会社の成果で論文書いてる?

まずは、論文について聞いてみました。

会社の研究成果で論文を書いたことはありますか?

という質問を、企業研究職を対象にツイッターでアンケートを取りました。

結果はこちら↓

書いたことがある人は約30%、

共著なら経験がある人と合わせても50%を下回りました。

この結果を見る限り、

企業研究職の約半数は会社の研究成果で論文を書いたことがない

ということになりそうです。

 

学会発表の経験はある?

論文が約半数なら、もう少しハードルが低い学会発表ならどうでしょう?

先ほどと同じように、ツイッターアンケートで

会社の研究内容での学会発表の経験はありますか?

という質問を行いました。

結果はこちら↓

約半数が「0回」と回答しており、

企業研究職の約50%の人が、会社の成果での学会発表も経験がない

ということが分かってきました。

 

一方で、経験者の中には5回以上されている方もいるなど、

学会発表経験者と未経験者の間にかなりの差があることも見えてきました。

 

特許出願経験は?

論文、学会発表について聞き取ってきましたので、

最後に「特許」に関するアンケートを取りました。

 

企業での研究では、特許の優先順位が非常に高いです。

発明に基づく知的財産の確保を先に行った後に、

論文・学会などの対外発表を行っていきます。

 

そのため、何か成果が出た際にまず行う作業が特許に関するものであり、

論文・学会などと比べてかかわった経験がある研究職の人も多いのでは?と想像されます。

 

そこで、

自身が発明した特許を出願したことがあるか?

について、ツイッターアンケートを行いました。

結果はこちら↓

約30%の人が0件と回答し、

論文・学会と比べて未経験者が少ないことが分かりました。

 

とはいえ、30%近くの人が特許についても経験がないことから、

企業であっても研究職全員が特許出願できるわけではない

という厳しい現実が垣間見えてきますね。

 

一方で、5件以上発明・出願した経験がある人も20%以上おり、

一定のキャリアを積むことで件数が増えていくことも想像されますね。

 

なぜ論文・学会発表が少ない?(考察)

ここは著者の考察ですが、

論文・学会発表はお金にならない上に、リスクしかない

と考える会社・部門・人が一定数いることは間違いなく、

この考え方のもとでは論文や対外発表は出しにくくなると思われます。

ここでいうリスクとは、

特許に支障をきたし、権利化できないリスク」を指します。

 

先ほども述べた通り、企業の研究では論文や発表よりも特許の優先順位がかなり高いです。

また、優先順位がかなり高いだけでなく、

特許の邪魔になることは極力させない

という考え方を強く持っている会社も少なくありません。

 

ではなぜ論文や学会発表が特許の邪魔になるかというと、

情報公開に伴い、特許の新規性を自ら喪失させてしまうリスクが生じるからです。

 

特許はいわゆる「発明」であり、

発明者以前に誰もなしえなかった発明に対して権利を付与する制度です。

この時、「以前誰も発明していない」という部分については、

発明者本人が自身で公開している情報も対象となり、論文・学会発表も当然含まれます。

 

例えば、

「2023年8月1日に発明Aを特許出願した」とした場合、

8月1日以前にもし発明Aに関する論文が公開されていた場合、権利化は不可能となります。

 

このような形が想定されるため、

企業では特許を出す前に論文・学会発表は原則行わず、

発明に該当するものがないか厳しく確認を受けます。

 

「特許出願後は論文や学会発表は自由なのか?」

これについては、原則その通りなのですが、

その運用は企業ごとに考え方がだいぶ違うようです。

 

特許は出願直後1年半は内容が公開されるはありません。

また、出願直後1年であれば出願内容に修正を加えることができます。

そのため、

出願後1年間は権利化できる内容を増やせるのだから、その間も不必要な情報公開はダメ!

と考える会社も結構多くあり、

このような会社では出願後1年程度の対外発表は厳しいでしょう。

 

1年経ってしまうと発表内容の鮮度も落ちてしまいますし、

場合によってはよりレベルの高い論文・発表が外部から出てくる可能性も十分にあります。

 

このような状況になってくると、

企業から論文・学会発表などで情報公開するメリットが薄れ、

発表したくてもできないということになってきてしまいます。

 

実名で業績を残せるのが、研究職の特徴・長所

ここで、研究者個人としての業績という点で、

特許・論文・学会発表などを見つめてみます。

 

この3つにいずれも共通することとして

実名付きかつ客観的に評価される業績である

という点が挙げられます。

 

通常、会社員などをしていると、

「社内でのあなたの業績」を社外から客観的に評価してくれる人はほとんどいません

というか不可能です。

 

例えば、

前年比売り上げ50%アップを達成しました」という営業職の業績について、

その業績がどのようにすごいものなのか、

外部の人には実態が非常につかみにくくないですか?

どのくらいをその人一人で行ったのか、前任のおかげではないのか?

どの時期の業績なのか?開発品が珠玉だったのではないか?など

本人や関係者に聞いてみないとわからないことが結構たくさんあります。

 

一方で、特許・論文(学会発表は少し弱いですが)については、

上記の不透明さがありません。

出版日が明記されているし、実名が記載されているし、

何をしたかは本文を読めば理解できるし、その人の得意分野の背景も理解できます。

 

実際社会人になると、特許・論文ほど客観性が高く、かつ実名が入っている業績

正直あまり多くありません。

そしてこれは裏を返すと、

特許・論文などは、転職活動など外部へ自分をアピールする際に強い武器になる

ということになります。

 

企業研究職で働いている限り、

特許出願に関する仕事は近いうちにやってくると思います。

その際、特許出願後に論文投稿や学会発表したいということを

関係者に事前に周知しておくとよいでしょう。

 

特許だけでなく論文や学会発表にもつなげることで、

会社の業績をうまく自分のキャリアづくりにも役立てていくとよいと思います。

 

まとめ

・企業研究職で、会社の研究内容で論文・学会発表を経験した人は約50%。

・特許出願経験がある企業研究職は約70%

・企業が特許を優先する意向が強いと、論文や学会発表はやりづらい。

・機会を見つけて論文や学会発表はしておいた方が良い、実名付きの個人の業績になる。

 

企業では特許の優先順位が高く、その優先順位に沿った仕事が企業研究職には求められます。

一方、個人としての業績に目を向けたとき、

特許ももちろん大きな業績ではありますが、

併せて論文を書くことも研究者個人としてとても大きな仕事となります。

 

知財部門などからは結構抵抗にあう可能性がありますが、

うまく落としどころを見つけながら、

論文・学会発表などのご自身の実名入りの業績をどんどん増やして、

研究者としてステップアップしていくことをお勧めします。

 

企業研究職は会社のために働いているものの、

同時に個人の業績に基づいた評価も下されやすい、個人事業主的な側面もあります。

企業でのご自身の研究成果をうまく自身のキャリアアップに役立てられるよう、

特許・論文・学会発表などの客観性の高い業績をどんどん積んでいきましょう!

 

研究職も転職できる

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15

 




あなたは研究職に向いてない?学生のみなさん、大丈夫です!

就活では研究職を目指しているけど、私は向いているのかな?

現在研究職だけど、自分は研究に向いているのか不安。

この記事を読んでいる皆様は、

一度はこんなことを考えたことはないでしょうか?

私も一時期とても悩んでいました。

 

理系の修士課程や博士課程に進んだ学生が就職先を考えるとき、

メーカーや研究機関などの研究職も候補になる思います。

 

しかし、企業の研究は大学のものとは全く違うという話も耳にするでしょう。

そのとき、「自分は企業の研究職に向いているのか?」と疑問が出てくるかもしれません。

 

今回の記事は、そのような学生の皆様に少しでも役に立てばと思います。

私の意見としては、

企業の研究職に向いているかどうかは、気にしなくても大丈夫

と考えています。

以下、その理由について私の考えを書いていきます。

 

あなたは研究職に向いてない?大丈夫、活躍できる場所は必ずある!

研究職の中にも、いろいろな仕事がある。

特に学生の方にとって、企業の研究職は何をするところなのか正直よくわからないと思います。

 

学生自身がやっているような研究活動(実験、論文を読む書く、発表する、など)を会社でも同じようにやっているのかと想像されるでしょう。

 

ところが実際は、研究職といっても実際の業務は多種多様です。

 

以下、少し具体例を示してみますので、

研究職にもいろんな業務があるということを何となく知ってみてください。

 

実験室で細胞や遺伝子を扱う、生物系の実験がメインの仕事

大学で基礎実験をしていた方はイメージしやすいと思います。

実際、この業務を担当する方は大学時代から基礎研究が大好きな方が多いです。

特許出願、論文作成、学会参加なども頻繁にしています。

 

製品の製造方法を検討し、工場への転用を目指す仕事

食品製造関連の研究として、

製造方法をラボスケールで検討して工場へ落とし込むというものがあります。

 

製造方法を工場でも使えるものに仕上げていくためには、

工場設備を勉強し、現場の人やその関係者とのコミュニケーションを大切にする必要があります。

 

自社製品についてお客様の技術サポートをする仕事

自社製品の技術的な部分については、

販売担当者などではカバーできないことがあります。

 

研究員の中には、研究部門で技術的な知見を習得しつつ、

営業などに同行してお客様の技術サポートを担当する人もいます。

コミュニケーション能力に加えて、技術と営業の両方の目線を持っています。

 

製品に使う原材料の質を分析し、製品設計に反映させる仕事

すでに製法が確立した製品が安定して製造できるように、

原材料の質を見ながら製品設計をコントロールしている部署です。

 

物性評価や品質評価を経験した研究員が担当していることが多いです。

誤った判断をすると不良品発生の原因となる可能性があり、

そのあたりの繊細さがある人が担当する印象です。

 

特許などの知財案件を管理する仕事

知的財産については、技術的なバックグラウンドを持った研究者を知財部門に異動させ、

知財担当者として成長させているケースをよく見ます。

 

管理職になれば、メンバーや部署の管理が仕事になる。

出世して管理職になると、

実験などの実務業務に携わる時間は少なくなります。

その代わり、

部署のメンバーの仕事や勤務状況を管理する

部署やプロジェクトの方向性を決める

役員クラスに直接提言するなど、

組織を動かす仕事が中心となります。

 

担当してきた実務の知識だけでなく、

周りのメンバーの仕事、会社全体や他部署の状況など、あらゆることに目を向ける必要が出てきます。

仕事によって求められる能力が全然違う。

上記のように、研究職と一言で言っても担当する業務は多様であり、

業務によって求められる能力が全然違います。

 

基礎研究寄りの業務であれば、

学生時代に身に着けた研究スキルをベースに、

知識や技術をアップグレードしつつ会社に適用できる形に進化させる必要があります。

研究が好きで物事を深めていく力は必須です。

 

工業化に関連する仕事をする場合、

ラボスケールの研究技術に加えて工場プラントの知識が必要となってきます。

また、(私はあまり詳しくありませんが、)

ラボ試作と工場製造では現場社員の目線が全く違うらしく、

両方の専門性を理解したうえでそのギャップを埋めるコミュニケーションがかなり大切とのことです。

 

文章にしてみると、仕事によって求められる能力が全然違うことが分かります。

しかし、これらの技術を入社前から持っている人はほとんどおらず、

一般的には入社後の実務経験を通して身に着けていきます。

そのため、入社前の学生がこの点を心配する必要はありません。

 

研究職にもいろいろあることがわかり、

「自分が研究職に就く適性があるか」がより分からなくなってしまうかもしれません。

しかし私は、修士課程などで自立して研究を進めた経験があれば充分であると考えています。

 

理系学生の基本素養があれば十分。

前提として、研究職へ配属される人の多くは

理系学部の修士課程(および博士課程)修了者が多いです。

研究職に就きたいのであれば、修士以上を修了している方がよいでしょう。

 

私見ですが、企業の研究職は以下の素質があれば、

ある程度どのような業務にも対応できると思いますし、

いずれ相性の良い仕事に出会える確率も高くなると考えています。

 

・「科学的アプローチで課題や問題を解決をする」という経験がある。

・失敗に慣れている。

・知らないことを調べる、勉強する習慣がある。

 

「論理的アプローチで課題や問題を解決をする」という経験がある。

理系出身の私は、「会社員はみんな論理的に課題解決をしている」と思っていました。

しかし実際会社に入ってみると

「論理立てて物事を進めた経験」があまりない人も結構いる

ということに気づきました。

 

理系の学生は、

3年生か4年生で研究室に配属されて研究テーマが与えられ、

それを解決するために勉強したり先輩の指導を受けたりします。

その中で、課題を分解し、それを解決する手法を考案し、

実験を準備・実施し、得られた結果から次のアプローチを考える、

という流れを自然と身に着けていきます。

 

課題に対して論理的にアプローチできることは社会人の基本スキルであり、

これができるだけで携われる業務の幅はかなり広くなると思います。

それは、研究関連でも同じだと私は思います。

 

失敗に慣れている。

特に基礎研究は、最初は失敗の連続です。

理系の学部にいれば当たり前のことですが、

経験が少ない人は失敗に対してアレルギーがあり

物事の最初の一歩がなかなか進められません。

 

失敗することに慣れている人は、

その失敗でくよくよする時間が短く、

その失敗をもとに次の案を考えてすぐに取り組むことができます。

失敗をすぐ次のチャレンジに活かす姿勢は、

仕事を前に進めるうえでとても大切なメンタリティであると私は思います。

 

研究職に就くと、基本的にはトライアンドエラーが多い業務を担当します。

9回失敗してもその次の1回で結果を得て次に進んでいくという姿勢があれば、

どの業務を担当してもある位程度やっていけるはずです。

 

知らないことを調べる、勉強する習慣がある。

別の記事でも書きましたが、

科学は常に進歩しており、一流の成果を出すには常に最新の情報を頭に入れておく必要があります。

また、技術の発展もすさまじく、最先端のスキルを学んでおくことも必須です。

 

研究室でも、分からないことは自分で調べたり先輩に聞いたりするなど、

自分からアクションを起こして進めていたはずです。

 

自分の業務に関連することは常に勉強し、

分からないことはすぐに調べて自分の知識にできれば、

その内容を自分の業務に落とし込んで仕事の質を上げ、

より質の高い結果を得ることができるはずです。

 

まとめ

・研究職に向いているかは、気にしなくて大丈夫!

・研究職にもいろいろな仕事があり、あなたに合った仕事があるはず。

・研究職の中でも、求められる能力が全然違う。

・理系の基本的な素質があれば、研究業務の大半は問題なくこなせる。

 

理系の修士を修了できる学生であれば、

企業の研究職として問題なく働けます。

そして、自分と相性の良い仕事に巡り合えれば、より活躍できるでしょう。

 

研究職を志望する学生にお勧めするサイト

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、

大学院生&理系学生に特化した就活サイト

アカリクが役立ちます。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

以下のリンクから、一度覗いてみて下さい。

アカリクイベントは、こちら

 

現役食品会社研究職の働き方について知りたい方はこちら

関連記事:企業研究職の働き方:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

関連記事:研究職のリモートワーク:在宅勤務時のスケジュール例を紹介




企業ではやりたい研究はできる?研究職の皆様に聞きました。

企業に入っても、やりたい研究はできるのか?

企業では、研究テーマはいくつ担当するのか?

このあたりの疑問について、就活サイトを見ると様々な情報が出ていますね。

 

企業の研究でも、研究テーマは設定されています。

そしてその多くは、「会社側が決めたテーマ」であることが多いです。

企業の研究は会社の事業や利益につなげることを念頭に設定されていることが多く、

研究テーマが決まったところに、担当者を割り当てていくことが多いです。

 

そして多くの場合、研究テーマ割り当てにおいて

本人の専門と合致しているか、本人が好き・得意な分野かなどは、 

あまり考慮してもらえないことも多いです。

できれば、自分のやりたい研究をやりたいところですが、

すぐにそのチャンスをつかめる人は多くありません。

 

自分のやりたい研究を掴み取る人の多くは、

入社数年間は与えられたテーマで結果を残したのち、

社内の制度などを使って自分のやりたい研究を提案する

もしくは

やりたい研究が実現する部署や会社へ異動・転職ことで、

チャンスを掴み取っています。

これについては本文で後述します。

 

また、企業には人員の割に多くの研究テーマが設定されており、

1人が複数の研究を担当することも珍しくありません。

ただ、この辺りは会社によって事情が大きく異なり、

各社どのくらい違うのかは私もよくわかりませんでした。

 

研究員はいくつくらいのテーマを担当しているのか

やりたい研究を提案できる会社も多いのか

個人的に気になっておりました。

 

そこで

本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して、企業研究職の皆様にアンケートを取り、

企業研究職の研究テーマ」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

企業では研究テーマをいくつ担当する?やりたい研究はできる?

というテーマで、

アンケートの結果を紹介していきます。

企業では研究テーマをいくつ担当する?やりたい研究はできる?

研究テーマをいくつ担当しているか

早速、

現在、研究テーマはいくつ担当していますか?

という質問を行いました。

結果はこちら↓

研究テーマが一つだけという回答は20%程度にとどまり、

ほとんどの人が2つ以上のテーマを担当していることが分かりました。

 

この結果は、私の個人的な経験でも納得感があり、

これまで所属した会社でも、多くの社員が

2つ以上の研究を並行して進めていました。

 

学生の頃は「1人1テーマ」が多かったと思いますが、

企業では社員一人にさまざまな課題が与えられるようです。

 

え、そんなにたくさんの研究を担当して、進められるの?

と思った学生の方、安心してください。

ほとんどの社員は、何とか研究を前に進めています。

 

ただし、研究内容によっては、一人で進められないものもたくさんあります。

残念ながら企業では、

本人が得意でない研究テーマを担当することも多いです。

このようになってしまう理由の一つに、

研究テーマの決められ方」があります。

研究テーマはトップダウンが多いがボトムアップもある

企業での研究テーマの決め方には

・経営方針などをもとに決定されるトップダウンのテーマ

・研究員や研究部署が起案したボトムアップのテーマ

2つのパターンがあり、研究所内ではこの両者が混在しています。

当然、一人の研究員が両タイプの研究を担当していることも多いです。

 

では、トップダウン型とボトムアップ型、

どちらの決め方が企業では一般的なのでしょうか?

ツイッターアンケートで聞いてみました。

結果はこちら↓

アンケート結果の通り、

企業ではトップダウンで決められる割合がとても高いです。

 

ご存じの通り、企業での研究は

将来企業に利益をもたらすために行うもの」という位置づけです。

そのため多くの会社では、経営陣や偉い人たちが

この研究を進めれば、将来会社のためになる

と判断したものが研究テーマとして採用されます。

このような考え方の会社では、どうしてもトップダウン型の研究が多くなります。

 

一方で、一部の会社では、

ボトムアップ型での研究立案を認めているようです。

ボトムアップ型の場合、社員自身がテーマを立案するため

社員自身がより主体的に取り組めるというメリットがあります。

また、これは推測ですが、

ボトムアップ型制度を設けている会社では、

「社員の自由な発想をもとに、事業につながる研究を立ち上げる」

という、社員発信の事業開発を歓迎する風土があるような気がしています。

 

話を戻しますが、ボトムアップ型を認めている会社では、

社員自身が研究テーマを決められる可能性があります。

もちろん、立案後には誰かの承認を得る必要があることが多いです。

しかし、自分の発想を起点に仕事の中でやりたいことをできる機会なんて

会社の中ではあまり多くありません。

ボトムアップ型の制度がある会社にいる方は、

ぜひ一度提案を考えてみてはいかがでしょうか?

企業研究職は研究テーマを自分で考えるのが好きか?

私自身もそうですが、先ほどのボトムアップ型然り

自分で考えた研究テーマの方が、俄然やる気が出ます

そして、自分で研究テーマやデザインを考えることが本当に好きで、

仕事でこれができることが私の楽しみの一つであります。

 

自分で研究テーマやデザインを考えることが好きな研究員の方、

結構多いのではないでしょうか?

 

そこで、ツイッターアンケートで

研究テーマ・デザインを自分で考えるのは好きですか?

というアンケートを取りました。

結果はこちら↓

予想通り、研究テーマやデザインを考えるのが好きな研究員

とても多かったです。

企業にいる研究職の多くも、

研究が好きな人が多いということが分かりますね。

企業研究職は、本当は研究に専念したい人ばかり

以前、以下の2つのアンケートを取りました。

1つ目

研究と研究以外の業務、どちらに多くの時間を割いているか

2つ目

研究以外の業務がなくなり、研究に集中できるならうれしいか

この2つの結果から、企業研究職には、

普段は研究以外の業務に時間を取られているが、本当は研究に集中したい!

と考えている人が多いことが分かってきます。

もともと研究が好きで企業の研究職を目指した人も多いですし、

みんな本当は研究に専念したいんです

企業研究職はそのような人たちの集まりなのですから、

自分で考えた研究をやりたい

と思っている人もたくさんいるはずです。

 

今回のアンケートの通り、

会社によっては社員発信のボトムアップ型研究を推奨しています。

 

しかし、どの会社が推奨しているかは外からは分かりにくいです。

そこで、知人や転職エージェントなどの情報をもとに、

自分のやりたい研究ができる会社の目星をつけておくことも、

キャリア形成や自己実現という観点ではとても大事なことだと思います。

 

私自身も転職エージェントなどを使って他社の情報を探り、

自分やりたい研究ができる会社へ実際に転職することができました

https://researcherinacompany.com/recruit-15/

私が使用した転職エージェントの情報を載せておきますので、

興味がある方は以下のリンクをクリックして、ブックマークへ保存しておくことをお勧めします。

後日登録して、他社の状況を教えてもらってみてください。

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

まとめ

・企業研究職は、複数のテーマを並行することが多い。

研究テーマはトップダウン型が主流だが、ボトムアップ型もある。

・企業研究職は研究テーマを自分で考えるのが好きな人が多い。

・企業研究職は、本当は研究に専念したい人ばかり

 

トップダウンで降ってきた複数の研究を地道に遂行することも大切ですが、

自ら起案した研究テーマに主体的に取り組み、

自己実現につながられるのも研究職のやりがいの一つです。

 

今の会社に制度があればぜひ提案してみてもよいですし、

別の会社で実現できる可能性があるならば転職するのもアリだと思います。

自ら選んで行動してみましょう!




研究職は特許を出願してる?ノルマは?明細書は自分で書く?研究職に聞きました。

・企業の研究職は特許が大事というけど、みんな出願してるの?

・特許に関する仕事の仕方が、企業間で全然違うらしいけどホント?

今回の記事では、これらの疑問にお答えしていきます。

 

大学・アカデミアでの研究では、

研究成果を論文としてを公開すること」にとても重点が置かれています。

大学・アカデミアの研究は「なぜ」に迫る研究も多く、

内容の斬新さや新発見に価値を見出すことが多いと思います。

 

一方で、企業では少しスタンスが異なり、

特許などの知的財産」を優先・重要視することが多いです。

 

というのも、民間企業は営利団体であり、

利益を上げて会社を存続させ、事業を通して長期間社会へ貢献すること、

が存在意義となっています。

その際、特に「知的財産」というものがとても重要になります。

 

研究開発という業務の中には、

研究を通して新しく得られた発明(技術・モノ・作り方など)を

「特許」という知的財産として出願し「権利」を確保する

という大きな仕事があります。

 

研究開発を通して得られた発明は、

その権利を使用して事業展開をするうえで基盤となるものです。

「企業の研究では特許が大切」と言われる背景にはこのような事情があり、

特許の出願が優先度の高い仕事として認識されています。

 

では、実際どのくらいの研究員が「特許出願」の経験があるでしょうか。

私はこれまで5件以上の特許出願に関与してきましたが、

一方で、仕事の性質上あまり特許を出せない研究員もいました。

 

また、出願資料を研究員がすべて書く会社もある一方で、

資料はすべて社内の知的財産部門や特許事務所が作成する会社もあるようです。

 

このように、特許出願にかかる作業に研究員自身がどのくらい関与するのか

そのスタンスが会社ごとだいぶ異なるようです。

各社のスタンスの違いや傾向も気になりませんか?

 

そこで今回、

本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して

企業研究職の皆様にアンケートを取り、

研究職の特許事情」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

研究職はみんな特許を出願してる?明細書は自分で書く?

というタイトルで、ツイッターアンケートの結果をまとめました。

【研究職はみんな特許を出願してる?明細書は自分で書く?

これまでに何件特許を出願したか(共同出願含む)

まずさっそく、企業の研究職の皆様を対象に

これまでに特許を何件出願したか(共同出願含む)

というアンケートを取りました。

結果はこちら↓

えっ、0件や5件以下の人多くないか?

回答を見たときの私の率直な感想でした。

また、共同出願含めてこの割合なので、

自身の発明で出願した経験がある人はほとんどいないんじゃないか?

と私は考えました。

そこで、次に「自身の発明」に関する出願について聞いてみました。

自身が主導した発明を何件出願した?

次に、

自身が主導して発明した特許を何件出願したことがありますか?

というアンケートを取りました。

先ほどの結果を考慮して選択肢の件数を変更し、

(0件、1-2件、3-5件、6件以上)

より狭い範囲で詳細に聞き取りました。

結果はこちら↓

先ほどの結果と比較すると、あまり分布に変更はありませんでした。

そのためこのアンケートの結果は

自身の発明で出願した経験がある人

について聞き取れていると考えてよさそうです。

 

イントロでも述べた通り、企業の研究では特許出願がかなり重要視されます。

研究を開始する前には、得られうる成果が特許となる可能性を検討しますし、

結果が出た後も、その結果から特許出願できる可能性がないか十分に吟味します。

このように、特許に関する相談は、企業の研究所では頻繁に行われています。

 

しかし結果を見ると、出願経験0件の人も3割以上いて、

5件未満も合わせると60%を超えてくることが分かりました。

 

あまり件数が多くない理由は、以下のように様々あると思います。

・出願させる基準が非常に厳しい会社が多く、件数が伸びない。

・この回答者に若手が多い。

・特許出願スタイルに業界間で差がある。

 

とはいえ、特許出願未経験の人がこれだけいるという現実には、

私自身少し驚きました。

 

特許出願経験やその出願内容については、転職活動の履歴書などにも書くことができます。

特許は未経験の人にはとっつきにくいと思いますが、

自身の市場価値を高めるという観点でも、

機会を見つけて出願を目指してみることをお勧めします。

明細書は自分で書くか?

次に、

研究員は明細書をどこまで作るのか

という質問を行いました。

 

特許をする際、その発明の背景から内容までをまとめた

明細書」という書類を作成します。

この明細書、非常に独特な書き方をする書類で、

初心者には非常にとっつきにくいです。

そのため、明細書の作成を弁理士などの専門家へ委託している会社も多くあるようです。

 

一方で、発明したのは研究員自身であり、本人しか分からないこともたくさんあります。

そのため、発明の内容をまとめる作業には研究員の関与も不可欠です。

しかし、非常に複雑な明細書作成作業に対して、

専門外の研究員をどこまで関わらせるかは、企業によって大きく違うようです。

研究員が明細書作成までがっつり行う会社もあれば、

研究員は研究方法と結果を渡すだけで文章は書かない会社もあるなど、

かなりスタンスが異なるようです。

 

そこで、

所属する会社では、明細書のどの範囲まで研究員が作成しますか?

というアンケートを行い、その傾向を調べてみました。

結果はこちら↓

予想通り、大きく割れました。

しかしその中で、

・研究員は文章をほとんど書かない。

・明細書まで研究員が自分で書く

という両極端な選択肢が2トップとなりました。

 

予想していた通り、明細書に対する研究員の関わり度合いは、

企業ごとに大きく異なっていました。

私自身は明細書の一部まで自分で書いていたため、

研究員が何も書かない会社がこんなに多いのか…

と少しショックを受けました。

 

ただし、個人的な意見ですが、

複雑怪奇で独特な特許明細書

研究員も自分の手で書くことでとても勉強になります。

会社のスタンスに逆らう必要がありませんが、

特許出願の際に一度は取り組んでみることをお勧めします。

特許に関する目標・ノルマはあるか?

企業では特許が非常に重要視されていると書きましたが、

この雰囲気が行き過ぎているる会社の中には、

「特許出願数の年度ノルマ」を設定しているところもあります。

なんか、聞くだけで嫌になりますね。

 

そこで、

「特許に関する目標・ノルマは設定されていますか?」

というアンケートを取りました。

結果はこちら↓

拒絶通知対応を行ったことはあるか

特許は出願して終わりではありません。

出願2年後以降に、特許として認めてもらうための審査請求を行い、

修正等を重ねて認められた内容が特許として登録され、権利が確定します。

この審査請求の際に特許庁から送られてくる審査書類を

拒絶通知」といいます。

 

すなわち、特許を権利として確定させるためには、

多くの場合拒絶通知へのと対応を行うことになります。

特許庁の審査結果に対して、その結果を受けて特許の内容を修正することも多く、

とても大変な作業です。

 

では、拒絶通知対応を行ったことがある研究員は

どのくらいいるのでしょうか。

結果はこちら↓

約半数の人が拒絶通知対応を行った経験があるとのことでした。

自身が出願した特許に関する拒絶通知には自分で対応することが多く、

先ほどの出願経験者の多くが拒絶通知対応も行っている可能性が高そうですね。

 

まとめ

・特許出願経験は、5件未満の人が多いが、たくさん出している人も。

・明細書は、研究員が書く会社もあれば、研究員は全く書かない会社もある。

・特許出願に関する目標やノルマを設定している会社も存在する。

 

特許は民間企業研究員の大きな仕事の一つです。

しかし特許関連の業務でアンケートを取ってみると、

出願経験が少ない人も多かったり、

明細書を全く書かない会社があったりと、

意外と知らないことが多かったのではないでしょうか。

 

著者の意見:自分で特許関連書類を作るのも、よい経験

皆様、特許の明細書、読みにくくないですか。

これ、独特な書き方をしているためであり、

読み慣れるのには訓練が必要です。 

数多く読んで慣れることも大事ですが、

私個人としては、

特許に関する書類を一度はご自身の手で作成してみることをお勧めします。

もちろん、会社から任されないこともあると思いますが、

その場合も自分でできそうなところは自分でやってみてください。

 

特許は独特の書き方をしますが、

一番早くなれる方法は、自分で書く経験をしてみることです。

一度書くと構造が何となく理解できるようになるはずです。

 

皆様の研究が上手く進み、権利化できそうな内容が出てきた際には、

まずはご自身の手で特許に関する書類を作成してみましょう。

先輩や専門家のアドバイスを受けながら取り組めば、

すぐになれることができると思います!

特許を書き、自分の業績にしよう!

特許は、研究者としての自分の業績として堂々と履歴書などに書くことができます。

その領域の研究者として生きていくうえでも、

転職活動をする際にも役に立ちます。

詳しいことは、以下の記事に書いていますので、

ぜひ読んでみてください。

企業研究職の特徴:実名で専門性や業績をアピールできる




研究職の皆様、この質問の答えが「はい」なら転職活動しよう

この会社でこのまま研究を続けていいのか?

この研究テーマを続けて、自分のキャリアにプラスになるのか?

企業の研究職の皆様、一度はこのようなことを考えたことはありませんか?

私はめっちゃあります!

 

2023年は、日本全体で転職市場が活況になっているそうです

実際、私の知人も研究職で転職を実現していますし、

私も研究職から研究職への転職を実現しました。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/

これまで、研究職は転職は厳しい、と言われてきましたが、

近年はその傾向はなくなってきているようです。

 

冒頭で研究職の悩みの一部を代弁しましたが、

具体的に何に対してもやもやしているのか

なぜ今の会社で研究を続けるのが不安なのか

はっきりとわからない方も多いのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、私自身の経験をもとにモヤモヤを少し具体化し、

読者の皆様自身の状況と照らし合わせて考えていただければと思っています。

 

今回は、

研究職の皆様:この質問の答えが「はい」なら、転職を考えましょう

というタイトルで、私の意見を書いていきます。

 

以下の質問に一つでも「はい」と答えた方、今が転職を考えるタイミングかもしれません。

 

【おことわり】

この記事のタイトル及び内容は、

リベラルアーツ大学両学長のyoutube動画、

【8つの質問】この質問に対する答えが「はい」なら転職を考えるべし!【自分を無駄にするな】

を参考に(というかこの骨格をいただいて)作成しました。

研究職の皆様:この質問の答えが「はい」なら、転職を考えましょう

今の研究・仕事の進む先が「全く」見えない

企業での研究の多くは、会社が設定したテーマに沿って進めます。

会社の事業内容や方針に合うテーマが設定されますし、

研究が花開いた際の事業性や実用性なども、ある程度事前に見込まれていることが多いです。

すなわち、会社が方向性を立てた中で研究をしており、

「研究が事業や出口を想定していない」ということは通常はほとんど起きません。

 

しかし残念ながら、この見積もりが甘い研究テーマが走っていることも非常に多いです。

具体的には、研究の課題設定が不明瞭、研究の出口が全く決まっていない、などの状態です。

このようなテーマの場合、いくら続けても会社に貢献できる日はやってきません。

 

もし自分の担当テーマについて課題設定や出口が全く決まっていなかったり、

自分でも出口のイメージが全くできなかったりという状況であれば、

テーマの変更などを一度検討してみましょう。

 

変更が認められない、あるいは軌道修正の見込みがないなどの場合は、

会社に貢献できる研究を実施できる環境へ移ることをお勧めします。

 

環境を変える方法の一つとして、他社研究部門への転職を検討してもよいと思います。

自分の強みが活きる研究・仕事が、社内に「全く」ない

研究という仕事は元来高い専門性が要求されることが多く、

本人の専門性や能力と仕事内容がマッチしているかどうかが、

本人の意欲や仕事の成果に大きく関わってきます。

 

会社に一定以上の人数の研究員がいる場合、

一人一人の得意分野や専門性はバラバラであることが多いです。

会社側はそのことをある程度理解したうえで、

会社側が設定した研究テーマに適した人材を割り当てることで、成果を最大化していきます。

 

全員が納得できる割り当てにすることは不可能ですが、

それでもある程度適切に割り当てようと会社側は努力しているはずです。

 

一方で、皆様がイチ研究員として会社の研究テーマを見たときに、

この会社の中では、自分の強みが全く活きないんじゃないか?

と感じた経験はないでしょうか。

感じた経験がある人、だいたいその直感は当たっています

 

先ほどもお話しした通り、研究は専門性が高いことが多いです。

そして、自身の専門性と研究テーマが全く重なっていないという状況も、企業の研究においては頻繁に起こります。

しかし、通常ある程度大きい会社であれば研究テーマは複数走っており、

その中で最も親和性のありそうな人を割り当てることで、このミスマッチを少なくしています。

しかし、「全くリンクしない人」というのが、どうしても一定数出てしまいます。

 

もし皆様がこのような状況になってしまったら、

まずは新しい領域にチャレンジしてみて、与えられたテーマに対して面白さややりがいを感じられるかを確認してみましょう。

 

それでも自分の中で納得感が得られない場合は、

自分の強みが活かされる可能性を求めて、他社へ移ることを考えてみてもよいかもしれません。

研究部門に対してトライアンドエラーを認めない雰囲気がある

研究という仕事が、他の業務と決定的に違う特徴の一つに、

トライアンドエラーを繰り返す必要がある」というものがあります。

 

本来研究には、これまでになかった新しいものを見つける・生み出すという使命があります。

そして、この使命を達成するための過程では、トライアンドエラーは不可欠です。

企業の研究においても同じで、新しい技術・モノ・サービスを形にする過程では、多くの研究員の様々な形のトライアンドエラーが行われています。

 

一方で、研究以外の多くの業務では、「ミスや失敗は許されない」という前提のもと業務が展開されています。

欠品、商品の不良、原材料不足などは、会社に大きな損害を与えますからね。

このように、研究以外の業務に携わる人は「トライアンドエラー」という概念に慣れていません

これは、研究以外の業務の人が悪いわけではないということは、改めて補足しておきます。

 

問題となるのは、

研究部門に対しても、トライアンドエラーや失敗を許さない雰囲気

が蔓延している場合です。

 

研究の生命線である「トライアンドエラー」が認められないとなると、研究はすべて成功しなくてはいけないという考えが支配し始めます。

すると、研究員は何かを試すことに非常に精神的な負担を感じるようになり、

次第に何かを試すことを躊躇するようになっていきます。

その結果、単純に試行錯誤の回数が減ってしまい、いっそう成果がなかなか出ないという状況に陥っていきます。

 

「トライアンドエラーを認めない雰囲気」の中で研究を強いられるというのは、

研究員にとって苦痛以外の何物でもありません。

このような環境では、はっきり言ってコンスタントに成果を出すことは困難です。

 

このような雰囲気が蔓延している会社・部署にいらっしゃる研究職の方は、

転職によって成果が出やすい環境を手に入れられるかもしれません。

他部署から「研究所はお荷物・金食い虫」と「本気で」思われている

先ほどの話と重複しますが、

研究は「トライアンドエラーの繰り返し」であり、その過程では時間や費用が多く投資されています。

もちろん、研究員はそのことを正しく認識して研究活動に励むべきであり、

投資を受けている以上会社の利益や発展につながる研究成果を追い求める必要があるでしょう。

 

また、このような状況を冗談半分で「研究所はお荷物・金食い虫」と表現することもあります。

確かに、研究を起点に巨大な事業が生まれる確率は低いですし、仮に生まれたとしても研究開始から何年も経っていてたくさん投資がなされた後であることが多いです。

ヒト・モノ・カネがそれなりに投資されている以上、そのように例えられても仕方ない部分はあります

 

問題なのは、「お荷物・金食い虫」と「本気で思っている人」が社内にたくさんいる場合です。

このような人たちは、

研究なんてカネばっか使ってカネにならないんだから、やめてしまえ」と本気で思っていることが多いです。

この主張が正しいかどうかは、正直会社によって異なるでしょう。

 

一方で、この状況をイチ研究員目線で見てみましょう。

研究員がそこで研究を続けるべきかに関しては、先ほどの主張の正しさはあまり関係ありません。

果たして、研究員を「金食い虫」と考える人が多い会社で働いて、明るい未来が待っていることを想像できるでしょうか?

 

おそらく、仮に研究を起点に巨大な事業を立ち上げることができたとしても、

この人たちはその事実を認めてくれることはありません。

事業や売り上げを立てても、研究に対して冷たい目線を当て続けます。

 

結局のところ、研究に対して冷たい環境で研究を続けても、仮に成果を上げても、研究員自身の立場や待遇に良い影響は生まれません。

そして、このような環境で研究員は働き続ける必要はありません。

 

研究員に対してもしっかりリスペクトが払われ、正しい認識のもと研究活動を続けることができる企業は、世の中にたくさんあります。

 

もしこのブロックの質問に「はい」と答えた方は、

転職エージェントなどを利用して別の会社の情報を集めてみることをお勧めします。

今の仕事が「全く」楽しくない

私は、この質問に当てはまる人は、全員一度転職活動をした方が良いと思っています。

特に研究において、「全く」楽しくないという状況では、

その研究から良い成果が出る確率が下がってしまいますし、

本人の精神的な負担がどんどん重なっていってしまいます。

 

もし今の仕事が「全く」楽しくないのであれば、

研究テーマを変えることや、社内異動で他の部署へ移ることを申請してみてください。

そして、もしそれらの希望が通らないのであれば、

他社へ移ることを考えても良いタイミングだと思います。

 

世の中には研究に限らずさまざまな仕事の方がたくさんあります。

そしてその中には、ご自身のこれまでの研究で培ったスキルや考え方が活かされる職種もたくさんあるはずです。

 

転職エージェントには、現在の仕事が好きになれていないという状況だけでなく

ご自身が持っているスキルやノウハウを丁寧に棚卸してもらい、

それに合致する求人を一度紹介してもらうとよいと思います。

一つでも当てはまった皆様、転職活動をしてみませんか?

皆様、いかがだったでしょうか。

もし一つも当てはまらなかったのであれば、

今の会社で引き続き研究を続けていけばよいと思います。

 

一方で、一つでも当てはまった人は、その一つの不安・不満が取り返しがつかなくなる前に、

一度社外の状況を知ってみるのもよいかと思います。

すなわち、転職活動をしてみてはいかがでしょうか、ということです。

他社の状況を知って、現在の会社と状況を比較し、

より望ましい環境が得られそうかを知っておくだけでも、安心感が大きく高まるはずです。

 

リベラルアーツ大学の両学長がおっしゃっているように

「転職にはリスクがあるが、転職活動はノーリスク」です。

転職エージェントと情報交換することにリスクはありません。

 

以下に、今回の私の転職で使用した

お勧め転職エージェントのリンクを張っておきます。

この記事を読んでみて転職活動を検討してみようと考えた方は、

一度以下のリンクからエージェントとの面談を設定し、

一度話を聞いてみてください。

新しい発見があるはずです!

 

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

 

本ブログの著者は、研究職から研究職の転職に成功しました

本ブログの著者は2023年に、

研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、転職を検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



研究職の管理職はつらい?狭き門?年収は?研究職に聞きました

企業研究職の皆様、

いつか管理職に昇格したいと思っていますか?

たぶん「いいえ」と答えた人もいるのではないでしょうか?

 

身近なところで働いている管理職が、いつもつらそう…

管理職は残業代がないから、ずっと働かされている…

皆様の部署はそのような状況ではないですか?

  

また、会社ごとに管理職へのなりやすさが違う

という話を聞いたことはありませんか?

・ポストが少なく、空席が出るまで昇格できない会社

・役なし管理職には誰でもなれる会社

どちらも聞いたことはありませんか?

また、皆様の会社はどちらですか?

 

このように、各社管理職に関する事情は全く異なりそうです。

他社の研究職の管理職事情が気になった私は、

本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して企業研究職の皆様にアンケートを取り、

研究職の管理職事情」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

研究職は管理職になれる?昇格後のキャリアは?給料上がる?

というタイトルで、ツイッターアンケートの結果をまとめました。

研究職は管理職になれる?昇格後のキャリアは?給料上がる??

企業研究職の社員は、将来管理職になりたい?

早速、皆様に聞きました。

ツイッターアンケートを使用して、

いずれは管理職へ昇格したいと思いますか?

という質問をしました。

結果はこちら↓

えっ、管理職になりたくない人、多い…

この結果を見て、私はびっくりしました。

管理職になりたくない人、多いですね。

 

確かに、身近な管理職がつらそうに働いているのを見ると、

「あんなプレッシャーの中で働きたくない」

と感じる若手や中堅も多いかもしれません。

 

一般的に日系大企業は、

総合職は、新入社員からみんな出世を目指して働く

という構図になっています。

しかし、管理職になりたくない人が多いというこの状況では、

この出世競争の前提がひっくり返ってしまいますね。

 

一方で、私のtwitterをフォローしてくれている

野武士研究者T/新規事業関連コンサルさんから面白いコメントをもらいました。

「若い頃は管理職昇格に興味がなかった人も、同年代が昇格し始めると管理職を意識してしまう。」

とてもありそうな話です。

 

後ほど出てきますが、管理職への昇格は年収などの待遇面の向上につながります

「管理職しんどそう」と思っていて忌避している若手社員も、

年齢を重ねて家族を持つとお金が必要になり、

年収が上がる管理職への昇格に魅力を感じてくる可能性もあります。

そんなタイミングで同年代の社員が昇格していたら…

意識せざるをえませんね…

管理職への昇格は難しい?誰でもなれる?

次に、

管理職への昇進は、会社ごとに難易度が異なるのか

に迫るアンケートを取りました。

 

管理職への昇格については、会社ごとにルールが全く異なります。

管理職への昇格がとても難しい会社もあれば、

役職なし管理職へはほぼ全員昇格できる会社もあります。

 

今回のアンケートでは、選択肢として

・ポストが少なく、非常に狭き門

・ほぼ全員が管理職になれる

・昇進の仕組みがない

・その他

という4つを設け、管理職への昇格が厳しい会社とそうでない会社の割合を調査しました。

結果はこちら↓

アンケートの結果、研究職の管理職昇格については、

管理職ポストが少なく、昇格は狭き門

という会社が多いことが分かってきました。

 

一方で、「役職なし管理職ならほぼ全員昇格できる

という会社も一定数あるようですね。 

 

多くの会社では、管理職への昇格にあたり昇格試験を設けています。

その際、応募資格や試験の難易度・合格点にどのような基準を設けるかによって、昇格試験の難易度が大きく変わってきます。

 

私はこれまで研究職として2つの会社に所属しましたが

1社目は「誰でも昇格できる」

2社目は「管理職ポストが非常に少ない」

というスタイルの会社でした。

 

1社目の誰でも管理職になれる会社では、

応募資格は在籍年数もしくは年齢、試験難易度は受験者ほぼ全員通過できるレベルでした。

一方、2社目の昇格が厳しい会社では、

応募資格は在籍年数+業績+評価、試験難易度は合格率5%未満、という大変厳しいものでした。

 

管理職への昇格条件、各社全く異なると思います。

この辺りに迫るアンケートをいつか取ってみたいです。

管理職昇格後も研究部門で働く人が多い?

研究職の人が管理職へ昇格した場合、

その後どのようなキャリアを歩む人が多いのでしょうか?

 

そのまま研究部門で偉くなっていくのか、

研究以外の部門へ異動していく人が多いのか、

この辺りも各社傾向が異なりそうですね。

 

そこで、

所属する会社での、管理職昇格後のキャリアで多いものを教えてください。

という内容で、アンケートを取りました。

選択肢として、以下の4つを設けました。

・ずっと研究関連部門で働く

・研究以外の部門へ異動していく

・早い段階で転職・退職してく人が多い

・その他 

結果はこちら↓

やはり研究職の人は、管理職昇格後も研究関連部門でキャリアを積む人が多いようです。

以前のアンケートで、研究職は異動が少ないという結果も得られていますが、

管理職昇格後も異動は少ないのかもしれませんね。

研究職の異動に関するアンケート結果はこちら↓

https://researcherinacompany.com/research_work-11/

プレイングマネージャーは多い?

管理職の仕事は、文字通り部署の部下や方針を管理することです。

それ以外に、自身より偉い人たちと部下をつなぐ役割もありますね。

 

一方で管理職でありながら、一般社員の業務をこなす

プレイングマネージャー」と呼ばれているも結構たくさんいるという話も耳にします。

 

研究職で言えば、以下のような状況の人が該当します。

・課長なのに、毎日実験しまくっている。

・部長なのに、現場作業を毎日やっている。

 

では実際、プレイングマネージャーをやっている管理職の割合はどのくらいなのでしょうか?

所属する会社では、管理職昇格後もプレーヤーの仕事を続けているか?

という質問でアンケートを取り、以下の3つから選んでもらいました。

・ほとんどの人が続けている

・半分くらいが続けている

・ほとんどの人が辞めている

結果はこちら↓

この結果を見る限り、

管理職の多くは一般社員の仕事はしていないようですが、

30%近くの管理職がプレイングマネージャーをしていることが見えてきました。

 

ここからは想像ですが、プレイングマネージャーの中には

①人員が足りず、管理職も社員の仕事をしないと回らない。

②実験などの現場仕事が好きで、昇格後も続けている。

という2つのタイプがいると考えられます。

 

②のタイプは好きでやっているのでよいとして、

①の人は相当な激務であることが想像されます。

 

現役管理職のみなさま、この認識で間違いないでしょうか?

管理職昇格後の給料は上がる?

さて最後に、

管理職へ昇格すると、年収は上がるのか?

というアンケートを取りました。

早速、結果をご覧ください↓

「上がる・上がった」という回答が「変わらない」「下がらない」を大きく上回っており、

やはり管理職昇格は年収アップにつながる確率が高そうです。

 

一方で、今回のアンケートでは

「管理職の給与体系を知らない」

という回答がトップとなりました。

 

若手・中堅社員の皆様、

ご自身の会社の管理職の給与体系を知っていますか?

確かに私も、上司からのぶっちゃけ話は聞いたことがありますが、

詳細な情報は持っていないですね。

 

アンケートを見る限り、管理職昇格で年収が上がる確率は高そうです。

しかし若手には、管理職の給与情報の詳細は見えておらず、

昇格による金銭的なメリットを正しく認識できていない可能性があります。

 

もし、「昇格により待遇はこのくらい変わるよ」という情報が分かれば、

そこに魅力を感じて早くから管理職を目指す人が現れるかもしれませんね。

 

ちなみに、先ほど登場した野武士研究者T/新規事業関連コンサルさんが

管理職の給与状況について一般論として情報をくれました。

あくまで一般論とのことですが、

個人的には一つの基準として参考にしようと思っています。

 

皆様も、もし管理職の給与体系情報を持っていたら、

この基準と比べてみると面白いかもしれません。

 

管理職に昇格しても待遇が変わらない可能性が高い

もう管理職になったけど、給料安すぎ…

そのように感じた方は、

一度外の会社を覗いてみるのがいいかもしれません。

 

研究関連の管理職についても、様々な求人が出ています。

特にハイクラス転職エージェントのJACリクルートメントには、

管理職の高年収が非常に多く登録されています。

登録は無料ですので、一度覗いてみてはいかがでしょうか。

JACリクルートメント

まとめ

・研究職では、管理職になりたくない人が約半数いる。

・管理職ポストが少なく、昇格が狭き門の会社が多い。

・管理職昇格後も、研究部門で働く人が多い。

・管理職昇格後は年収が上がるのが一般的。

 

管理職に昇格すると、様々な責任やプレッシャーがのしかかってきます。

管理職に昇格する以上、その責務に見合った待遇を求めたいですね。

これから管理職を目指す人も、現役管理職の人も、

責務と待遇が釣り合っているかを冷静に眺めてみて、

自身が納得して働ける環境を選択してくださいね。

 

研究職も転職できる

著者はまだ管理職ではありませんが、

昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



研究職の転勤・異動:異動先は?辞令はいつ出る?:研究職に聞きました。

会社では、異動は突然やってきます。

そして、自身キャリア形成や家族の生活に大きな影響を与えます。

 

以前は当たり前だった転勤や異動も、

現代ではあまり好まれない傾向があります。

 

研究職って異動が少ないらしい、ホント?

異動が多い働き方は絶対に嫌だ

そのように考えている就活生の皆様は多いのではないでしょうか。

 

また、

研究職の異動、うちの会社と他社で違うのか?

と、気になったことがある現役研究職の皆様も多いと思います。

私と同じですね。

 

他社の研究職の異動事情が気になった私は、

本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して企業研究職の皆様にアンケートを取り、

研究職の異動事情」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

研究職の転勤・異動

という内容で、アンケート結果をまとめていきます。

研究職の転勤・異動

新卒で研究職に配属された人の割合は?

本題に入る前に、企業研究職の皆様を対象に

新卒採用後の最初の配属先が研究職であるか?

というアンケートを取りました。

 

研究職でキャリアをスタートした人がどのくらいいるかを知り、その前提をもとに以降のアンケートを見ることで、

研究職のキャリアの流れを考察できると考えたからです。

 

結果はこちら↓

予想通り、現在研究職をされている多くの方が、

新卒初期配属も研究職であることが分かりました。

 

この時点では推測になりますが、

初期配属研究職 → そのまま異動なし

のパターンが結構多そうだなと感じていました。

 

これまでに異動を何回経験した?

前提を確認できたので、次は本題です。

これまでに異動は何回経験しましたか?

というアンケートを取りました。

 

結果はこちら↓

異動経験がない方が約50%を占め、

2回以下の人を合わせると約80%となりました。

この結果、先ほどの推測通り、

研究職はあまり異動しないことが示唆されました。

 

異動が少ない環境で、長期的に同じ仕事に取り組んでいるのが、研究職の一つの特徴かもしれません。

研究職の異動頻度は、他部署と比べてどう?

研究職は異動が少ないことは分かったが、

他の職種と比べてどうか?

この点について疑問に思った方もいると思います。

 

そこで、実際に聞いてみました。

研究職の異動頻度は、他部署の社員と比べて多いですか?

というアンケートを行い、職種間の違いを調べてみました。

結果はこちら↓

これもやはり予想通り、

他の職種と比べても研究職は異動が少ない傾向がありそうです。

 

異動は自身の仕事内容だけでなく、

家族を含む自身の生活にも大きく影響します。

異動が多いと、家族への負担も増えます。

私自身は、

異動が多すぎるのはあまり望ましいものではない

と考えています。

 

異動の心配がなく安心して生活したい方にとっては、研究職は一つの理想郷かもしれません。

辞令が出る頻度は?

異動の回数が多いのも困りますが、

突然辞令がでる」のも大変迷惑です。

 

辞令の頻度については会社ごとに違うようで、

毎月異動辞令を出している会社もあれば、

異動の時期を決めている会社もあるそうです。

 

毎月辞令が出る可能性がある会社の場合、

今月、辞令出たらどうしよう…

と毎月心の準備をしなければならず、

精神的な負担はかなり大きいです。

 

一方で、辞令が出るタイミングがある程度決まっている会社であれば、

それ以外の時期に辞令にビクビクする必要がなく精神的負担はかなり軽くなり、

長い期間を安心して働くことができるようになりますね。

 

そのくらい、異動の辞令が出る頻度」は社員のQOLに大きく関わります。

 

そこで、研究職の皆様にも

所属する会社で異動の辞令が出る頻度は?

というアンケートを行い、実情を調べてみました。

結果はこちら↓

毎月辞令が出る会社も一定数ある一方で、

半年に一回程度に決められている会社が約50%を占めていました。

 

私自身、毎月の会社にも半年ごとの会社にも勤めた経験がありますが、

感想としては、

辞令の時期が決まっている安心感は半端ない!

 

ぜひ多くの会社で、辞令の時期を半年ごとくらいに固定していただき、

安心して働ける環境を与えてほしいものです。

異動先は研究部門?それ以外?どちらが多い?

最後に、研究職の異動先について聞いてみました。

研究職の異動先は、研究関連とそれ以外、どっちが多い?

というアンケートを行いました。

結果はこちら↓

約半数が研究関連部門と回答した一方で、

研究以外の部門への異動も結構多いことが分かりました。

 

研究職は研究部門にいるほうが活躍できるので、

研究職内での部署異動を通してキャリアを積んでいく方は確かに多いです。

 

一方で、研究職が合わない人、研究以外をやりたくなった人なども一定数発生してしまいます。

そのような人たちは、研究以外の部門へ異動していくことが多いですね。

また、これも当然なのですが、

本人の意向とは別に、突然研究を辞めさせられた人もたくさんいます。

 

また、管理職などになってくると、

研究所内では管理職ポストが少なく、昇格できない

という現象が発生してきます。

 

役職なし管理職として所属できない職場では、

役職を与えられなかった年配社員や管理職が、

研究以外の部門へ異動していくことも多いです。

まとめ

・研究職は、他の職種と比べて異動が少ない。異動未経験者も多い。

・辞令が出る頻度は、毎月or半年ごと、が一般的。

・研究職の異動先は、研究部門とそれ以外で、半々くらい。

 

辞令は突然にやってきます。

研究職は異動が少ない一方で、

辞令が出た際は約半数が研究以外の部門へ異動しています。

すなわち

突然辞令を言い渡され、研究を辞めさせられる

という状況に陥る可能性が、それなりにあるということです。

 

そのような状況になったとき、

・研究以外の新しい職種へ気持ちを切り替えるか

・今後も研究に携わるために、新しい環境を探すか

どちらを選ぶかは皆様自身です。

 

いざというときに、自分の進む道を迷いなく決められるように、

普段から次のキャリアを意識しておくとよいでしょう。

著者は、新しい環境で研究を続けることを選びました。

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

前職に大きな不満はなかったのですが、

部署の仕事の流れを見ると、今後研究に携われる可能性は低いだろうなとも感じていました。

 

しかし、まだ研究を続けたかった私は、

転職して新しい環境で研究を続けることにしました。

現在、新しい分野で楽しく研究をしています。

 

もし、新たに環境を変えて研究を続けたい方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



企業研究職も論文を書ける?書きたい?研究職に聞きました。

企業の研究職は、大学みたいに論文を書いたりするのか?

うちの会社は論文書く人ほとんどいないけど、他社はどうなのだろう?

就活生や現役研究職の皆様、一度は気になったことはありませんか?

 

研究成果を報告する方法の一つとして、学術論文を投稿して世に公開するという方法があります。

 

大学などのアカデミアにおいては、良い研究成果を論文として公開し、知見を広く知ってもらうことが一つの使命です。

 

一方で、その考え方は企業では当てはまらない側面もあります。

民間企業は「営利を追求すること」が優先順位の高い使命であり、それは所属する研究員にとっても同じ価値観が求められます。

 

そのため、

論文を書くことが、会社の利益につながらない

と会社側から判断されると、論文を書くことを後回しにさせられる or 許可されないという状況になってしまうこともあります。

 

アカデミアと企業では、学術論文に対する考え方が異なると思ってよいでしょう。

この違いについては、以下にまとめています。

https://researcherinacompany.com/research-paper

 

一方で、

論文を書くことが会社のためになるか

ということに対しては、会社ごとに考え方が大きく異なると思われます。

 

論文に対する会社の考え方が肯定的であれば、手を挙げれば論文を書ける環境になっているかもしれません。

 

そこで、会社ごとにスタンスの違いを大まかに把握するために、 

本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して企業研究職の皆様にアンケートを取り、

企業研究職は論文を書けるのか?」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

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今回は、

企業研究職は、論文を書けるのか?

という内容で、ツイッターアンケートの結果をまとめました。

企業研究職は論文を書けるのか?

論文を書いたことがある人の割合

まずは、

筆頭著者で論文を書いたことがあるか?」について聞き取りました。

 

この質問では、

学生時代と入社後、どちらのタイミングかは分かりませんが、

論文執筆経験者がどのくらいいるかを把握する目的で、聞き取っています。

 

結果はこちら↓

約半数の方が、筆頭で論文を書いたことがあると回答されました。

学生時代・入社後のどちらのタイミングで執筆したかは分かりませんが、

論文執筆経験者はそれなりにいるようですね。

 

ちなみに、以前

企業研究職の中の博士卒の割合」を調べたことがあり、その結果を参考にすると

約20%が博士卒であることが想定されます。

 

これらの結果を踏まえると、修士時代もしくは入社後に論文を執筆した研究員が一定数いることが想定されますね。

会社の研究成果で論文を書いたことがあるか?

次に、

会社の研究成果で論文を書いたことがあるか?

について聞き取りました。

 

この質問では、筆頭著者としてだけでなく、共著者として参加した経験についても、併せて聞き取りました。

 

結果はこちら↓

「ない」と答えた方が約半数いる一方で、

「筆頭で書いたことがある」も約30%いるという結果になりました。

 

数値はともかく、企業の研究成果で論文を書くことができる会社が一定数あることが、

この結果から分かってきました。この点は少し安心ですね。

 

論文を書ける研究者が所属している会社の方が、

研究に対する基礎がしっかり固まっている研究員が多く、質の高い研究が進められる傾向があるかもしれませんね。

論文を書くことに対して会社は肯定的?評価してくれる?

冒頭で書きましたが、企業は営利活動が目的です。

そのため、

会社の研究成果で論文を書きたいと思っても、会社から企業の利益にならないと判断されると、書くことを認めてもらえないこともあります。

 

一方で、実際論文投稿している民間企業はたくさんありますし、その内訳は大企業から中小企業まで様々です。

 

この状況から推察するに、 

論文を投稿することに対する考え方・価値観

が会社ごとに大きく異なることが想像されます。

 

そこで、

ご自身の会社では、論文を書くことについて肯定的か?

という内容でアンケートを取りました。

結果はこちら↓

 

論文を書くことに理解がある会社がそれなりにあり、その点については個人的にも安心しました。

一方で、論文を書くことに否定的なスタンスを取る会社も一定数存在するようですね。

 

特に、

論文は会社のためにならない

という考え方が染みついている会社では、論文を投稿・受理させることを、個人の業績として全く評価しないということもあるそうです。

 

研究職なのに、論文を書くことが評価の対象とならないなんて、特に学生の方にはイメージがわきにくいのではないでしょうか。

ところが、今回のツイッターアンケートの結果を見ると本当にそんな会社は存在するようです。

 

次に、ツイッターアンケートを使って

論文を投稿・受理させることは、個人のプラス評価となるか

というアンケートを取り、論文が評価されない会社の割合を調べてみました。

 

結果はこちら↓

「論文が成果として評価される」という回答は40%未満にとどまり、

残り60%は「評価されない」もしくは「状況・内容による」となりました。

 

企業では論文そのものはゴールにはならず、論文を書いても会社のためにならない、

会社の利益につながる論文についてのみ評価する

というスタンスの会社が一定数存在することが分かりますね。

 

会社の役に立たない論文を書く人はいないと思いますが、それでも、論文を出すことやその内容に対して厳しい判断をしている会社は存在するようですね。

論文投稿には会社の承認が必要

このように、会社によって価値観が分かれる学術論文ですが、投稿すること自体に会社の許可が必要なことは各社共通のようです。

 

実際に、

会社の研究成果で論文を投稿する時、承認は必要か

という内容でアンケートを取ったところ、

90%以上の会社で承認が必要なことが分かりました。

一方で、承認が必要なことはほぼすべての会社で共通であっても、

その中身(何人の承認が必要か?決裁者は誰か?、など)には、各社大きな違いがあると想像されます。

 

論文を投稿するための承認を得る工程についても、会社ごとにどのように違いがあるか気になりますね。

機会を見て、アンケートを取りたいと思います。

 

著者の意見:論文を書けるなら書いた方がよい

私の意見ですが、

論文を書けるなら書いた方がよい」と思っています。

 

今後、研究職も一つの会社で勤め上げることは難しくなり、転職を含めたキャリア形成が必要となってきます。

特に転職活動をする際には、提出する職務経歴書に「業績」を書く必要があります。

 

研究職の業績は、「論文」と「特許」が2台巨頭であり、

この2つが充実した職務経歴書であるほうが、高い評価を受けやすいのは間違いありません。

 

時間がない・会社が許可しないなどの苦労はあると思いますが、

チャンスを狙ってつかみ、論文を出すことをお勧めします。

 

論文執筆を狙うタイミングは、

関連特許を出願し終わった直後」が最適です。

これについては、後日記事にしたいと思います。

 

実際、このブログの執筆者である私もこの方法を使い、

会社の研究成果で筆頭・共著含めて10報以上の論文を投稿しました。

結果、職務経歴書の業績欄もしっかり埋まり、

書類選考を優位に進める一つの要素になったと考えています。

詳しくは、以下の記事にまとめました。

https://researcherinacompany.com/recruit-17

 

まとめ

・筆頭論文を持っている企業研究員は、一定数いる。

・論文を投稿・受理させることが、企業では必ずしも評価の対象とはならない。

・論文を投稿する前に、会社の承認が必要。

 

企業研究職の人が論文を書く場合、論文に対する会社の価値観や、会社に役立つ内容で論文を書けるかどうかが大きく影響します。

 

加えて、会社によっては、論文を書くことをプラス評価に加えてもらえない可能性もあります。

 

そのような中でも、

皆様にはぜひ論文を書いてもらいたいと思います。

ご自身の今後のキャリア形成に確実に役に立つはずです。

 

研究者の業績についてもエージェントに聞いてみよう

本当に論文の業績があった方が、転職で有利なの?

と気になった方は、一度転職エージェントに聞いてみることをお勧めします。

 

私は、以下2つの転職エージェント・サイトを主に使用しました

利用料は一切かかりませんので、

以下のリンクから登録して一度お話を聞いてみてください。

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)




企業の研究職はつらい?しんどい?:現役研究職に聞きました。

研究職の皆様、仕事、つらいですか?

研究職を目指す皆様、研究職がつらい仕事か、気になりませんか?

 

研究職に限った話ではないですが、

自分の目指す職業はしんどい仕事なのか?

先輩社員は、しんどい思いをして働いているのか?

といった疑問点については、就職する前に把握しておきたいと思いませんか?

 

このブログでは主に研究職を対象として記事を書いていますので、

研究職のつらい点、しんどい点」についても、情報を提供できたらいいなと考えていました。

 

一方で、一口に研究職といってもつらいことやしんどいことは会社・個人でバラバラでしょう

 

そこで今回は少し解像度を粗くして、

研究職の皆様は、仕事について「つらい・しんどい」と感じているのか?

研究職の仕事では、何がつらいのか?しんどいのか?

という点に注目することにしました。

 

本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して、企業研究職の皆様にアンケートを取り、

研究職のつらいこと、しんどいこと」について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

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今回は、

研究職はつらい?しんどい?何に対して?

というテーマで、アンケートの結果を紹介していきます。

研究職はつらい?しんどい?何に対して?

研究職は「つらい?」「しんどい?」

早速、ツイッターアンケートで

今の仕事で「つらい」や「しんどい」と感じていますか?

という質問に回答していただきました。

結果はこちら↓

約50%の人が、「つらい」「しんどい」と感じながら仕事をしていることが分かりました。

 

どのくらい「つらい・しんどい」と感じているかは、一人一人異なると思いますが、

世間一般から「ゆったりした働き方ができる職種」

というイメージを持たれている研究職であっても、

実際に働いている人たちの約半数はしんどい思いをしている部分があるようです。

 

一体研究職の方は、何に対してしんどさを感じているのでしょうか?

研究職のどの業務がつらい?しんどい?

研究職が何に対してしんどさを感じているかについて、少し細分化して聞き取ることにしました。

 

具体的には、

研究に関すること」「研究以外の業務

人間関係」「その他」の4つに分類し、

この中で「つらい・しんどい」と感じていることについて、一番当てはまるものに投票してもらいました。

 

結果はこちら↓

比較的票が割れた結果となりましたが、

研究以外の業務」と「人間関係」の2つが抜き出る結果となり、本業である「研究に関すること」を上回っていました。

 

この結果をそのまま受け取ると、

研究職は、研究以外の業務と人間関係でしんどい思いをしている

ということになりそうです。

 

えっ、研究職なのに、研究以外のことで悩まされるの?

そう感じた就活生の方もいるかもしれません。

しかし、私個人の経験においてもこの傾向はほぼその通りだと思います。

 

研究職として配属されている人の多くは、やはり研究は大好きです。本当は、研究のことで悩みたい人ばかりです。

 

一方で、研究に没頭することを妨害してくるような研究以外の業務、人間関係のいざこざによるストレスなどは、学生時代と比べて企業での方がたくさん発生しますし、業務中もその対応に多くの時間を割いている気がしています。

 

以上のように、

研究職なのに、研究以外のことに時間と頭を使わされ、疲れてしまう

という現象に、多くの研究職が直面していると想像されます。

 

では、実際に多くの人がこの状況に直面しているのか、聞いてみることにしました。

 

そこで、ツイッターアンケートを使って

研究と研究以外の業務、どちらに多くの時間を割いていますか

というアンケートを行い、私の体感と世の研究職の方の意見を比べてみました。

 

結果はこちら↓

やはり私の体感と近い感想を持っている方が多く、

研究よりも研究以外の業務に多くの時間を取られている方がとてもたくさんいるようです。

 

本当は研究に集中したいのに、研究以外の業務に時間を取られて研究が進められない。

企業研究職あるあるなのでしょうか…

研究以外の業務がなくなったら嬉しい?

「研究がしたいのに、研究以外の業務が多すぎる」という意見に対しては

研究以外の業務がなくなったらいいんじゃないの?

と率直に感じた方もいるかもしれません。

 

確かに、研究以外の業務に割く時間が減れば、研究に集中できてみんなハッピーな方向に向かいそう。

 

そこで、

もし、研究以外の業務をやる必要がなくなったら、うれしいか?

というアンケートを取りました。

 

結果はこちら↓

これもやはり予想通り、

研究以外の業務がなくなってほしいという人たちは多いようですね。

 

研究以外の業務が嫌いでめんどくさいという人も、

研究をする時間を確保できることがうれしいという人も、どちらもいらっしゃるともいます。

 

いずれにしろ、 

本業である研究に割ける時間を増やすということは、研究職をより楽しく輝ける仕事にする上でも、大切なことなのかもしれません。

 

研究に集中できる会社は存在する

改善が見込める会社であればよいですが、

うちの会社は、当分改善しないだろうな~

と感じている方もいるかもしれません。

 

そのような方は、

他社の研究職について、一度情報を集めてみることをお勧めします。

 

私は一度、研究職→研究職の転職を実現しており

現在の勤務先の方が、研究に割ける時間が増えました。

https://researcherinacompany.com/recruit-15

 

自分が研究に集中できる環境を求める方は、

一度転職エージェントなどから情報を集めることをお勧めします。

 

私は、以下2つの転職エージェント・サイトを主に使用しました

利用料は一切かかりませんので、

以下のリンクをクリックして、ブックマークへ保存しておきましょう。

後日登録して、一度求人を紹介してもらってみてください。

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高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

まとめ

・企業研究職の約半数が、「つらい・しんどい」と感じている。

・研究以外の業務と、人間関係に悩んでいる人が多い。

・研究以外の業務がなくなると嬉しい研究員は多い。

 

研究職も「つらい・しんどい」と感じている人は多いものの、その理由は研究そのものよりも、

研究以外の業務や人間関係によるものであることが、今回のアンケートから分かりました。

 

業務体系や人間関係については、社員一人で改善できる範囲は限られています。

 

自分にできる改善活動を試すことと並行して、

「もう無理!」と感じる前に違う環境(他社)へ移ることを、考えてみてもよいのではないでしょうか?

私が使用した転職エージェント・転職サイト

私は、主に以下の2つを併用しました。

転職を少しでも考えている方は、以下のリンクをクリックして、ブックマークへ保存すると良いでしょう。

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それぞれ用途が違うので、

研究職の方はすべてに登録し、できるだけ早く面談することをお勧めします!

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転職を希望している方もしていない方も、

早い段階で登録して自分の転職可能性を知っておきましょう!




企業研究職の社会人博士事情:人数は?会社の補助は?研究職に聞きました。

修士卒で企業に入ったが、博士号を取りたい!

そう思っている企業研究職の方、いらっしゃいませんか?

 

企業で研究職として働きながら大学院へ進学して博士号取得を取得することを、この記事では「社会人博士」と呼ばせていただきます。

 

日本では、新卒採用での理系職種の採用は修士卒の学生が中心で、研究職にも修士卒の方が多いと思われます。

 

一方で、研究を続ける中で「博士を取りたい!」と思い始める方も結構多いのではないでしょうか。

 

しかし、実際に進学できるか、取得できるか、については、ご自身の事情だけでなく、会社の許可や制度も大きく関わってくると思います。

 

ご自身や研究所の同僚で、社会人博士を経験された方はどのくらいいるでしょうか?

また、ご自身の会社の制度などは理解しているかと思いますが、他社はどのような事情なのか、気になりませんか?

 

そこで、

本ブログの著者のツイッターアカウントを使用して企業研究職の皆様にアンケートを取り、

社会人博士事情について調査しました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

実際調べてみると、会社ごとに制度やルールが違うこと、補助にもいくつかパターンがあること

などが分かってきました。

 

そこで今回は

企業研究職の社会人博士事情」として、企業研究職の皆様に回答していただいたツイッターアンケートの結果をまとめました。

企業研究職の社会人博士事情

企業研究職の最終学歴は?

まず、企業に博士持ちがどのくらいいるか、を調べるべく、

企業研究職の皆様、最終学歴は?」というアンケートをツイッターで行いました。

結果はこちら↓

博士卒が約2割に留まり、修士卒が約6割を占めました。

新卒採用では、研究職には修士卒の学生が多く採用される傾向がありますが、今回のアンケート結果にもその傾向が反映されていました。

 

一方で、博士の学位を持つ研究員は約2割にとどまりました。

業界ごとにその割合は異なることが予想されますが、それでも博士の割合はあまり多くないのが実情のようです。

 

会社は、大学院へ通うことに肯定的?否定的?

ではここからは、

所属する研究員が社会人博士を取ること」について、

会社の考え方や補助のルールなどについて探っていきます。

 

まずは、社員が会社に在籍したまま大学院へ通うことについて、会社がどのように考えているかについて聞きました。

 

在籍社員が大学院へ通って学位を取ることについて、会社の考えは?

というアンケートを実施しました。

結果はこちら↓

「否定的」に考えている会社が約1割にとどまり、「肯定的」に考えている会社が約5割、という結果になりました。

 

個人的には、

否定的な会社、少なくてよかった…

ととても安心しました。

 

社員が大学院へ通いたいと考えていても、会社が否定的な見解を示せば実現はかなり難しくなります。

 

そういう意味でも、肯定的な会社が多く、否定的が少ない、という傾向は、進学を考えている社員にはうれしい結果ではないでしょうか?

 

会社は大学院への進学費用を補助してくれる?

「会社が進学に肯定的なのは分かった」

「でも進学にはお金がかかる…」

「もし、費用の補助もしてくれたらうれしいな~」

こんなことを考えている方はいませんか?

 

世の中には、社員の進学費用を全額補助してくれる会社もあるそうです。

なんとうらやましい!そんな会社、どのくらいあるのでしょうか。

 

そこで、

現在の会社に所属したまま大学院へ通う場合、入学金・授業料などの負担は?

というアンケートを取りました。

結果はこちら↓

全額・一部の両方を合わせると、4割以上の会社では何らかの補助があるようですね!

 

また、「その他」と回答した人の一部からは、

「入学金や授業料ではなく、交通費などの補助があった」

などのコメントをいただきました。

 

以上を踏まえると、全く補助がない会社が約3割、何らかの補助をしてもらえる会社が約7割

というのが、相場なのかなと感じました。

 

会社に在籍したまま進学した人はどのくらいいる?

では、会社に在籍したまま博士課程など大学院へ進学している人は実際どのくらいいるのでしょうか。

そこでまずは、ツイッターの回答者ご自身について

会社に在籍したまま大学院へ進学・在学した経験

をアンケートで聞き取りました。

結果はこちら↓

約2割の方は進学経験があるようですね。

この結果だけ見ると、研究所の5人に1人が進学している計算になります。

なんとなくですが、多い気がしますね。

 

そこで、少しアンケートの質問を変えました。

会社に在籍したまま博士課程へ進学しているorしていた人は(ご自身を含めて)社内にいますか?

という形で、社内に博士進学経験者がどのくらいいるかを答えてもらいました。

結果はこちら↓

7割以上の人が

うちの部署に社会人博士に通っていた人がいるよ

と回答していました。

 

先ほどの質問と併せて考えると、

会社に在籍したまま博士進学した人が、普通にいる

というのが、少なくともこのアンケートに回答した人の会社では一般的なようですね。

「本当は大学院へ行きたい」と思っている人は、どのくらいいる?

会社に在籍したまま大学院へ通うことについて、会社も肯定的に捉えているし、実際部署内には経験者がたくさんいる。 

このような状況であれば、

自分も会社に在籍したまま博士とりたい!

と思う人がたくさんいてもおかしくありません。

そこで、

博士号を取っていない皆様、働きながら博士を取りたいですか?

というアンケートを取り、潜在的な博士希望者を調べてみました。

結果はこちら↓

今回のアンケートでは、潜在的な博士希望者が約7割いるという結果になりました。

 

研究職として働いている以上、早いうちに博士号を取りたい、できれば会社に在籍したまま取りたい!

というニーズは結構あるようですね。

 

博士を取得できた年齢は?何年かかった?

次に、実際に社会人博士を取得した方を対象に

社会人博士を取得した年齢と要した年数

について聞き取りました。

 

どのくらいの年齢で取得したのか進学から取得までどのくらいかかったのか。

現在進学を考えている方には参考になる情報ではないでしょうか。

 

まずは、

社会人博士を取得したときの年齢は?

というアンケートを取りました。

結果はこちら↓

20代~30代前半で取得している方が多いようですね。

私自身も経験して感じましたが、「博士を取るなら、早い方がいい!」です。

実際、若いうちに取得されている方が多いようですので、

希望されている方は若いうちに手を挙げるのがいいでしょう!

 

では、会社に所属したまま進学した場合、何年くらいで博士号を取得できているのでしょうか。

 

博士後期課程は通常3年か4年のコースが多いですが、仕事をしながらの場合、スムーズに修了するのが難しいケースもあるかもしれません。

 

そこで、

進学から取得まで何年かかりましたか

という質問をしました。

結果はこちら↓

やはり、3年・4年での取得は難しく、それ以上の期間をかけて修了された方がかなりの割合を占めていますね。

会社で働きながら博士号を取得することの大変さがこの結果からも感じられます。

 

一方で、3年未満で修了された方もいらっしゃいました。

大学によっては、論文博士や早期修了制度など、短期間で博士号を取得できる制度を設けている大学もあります。

筑波大学が早期修了制度を開始しているのは有名ですね。

https://www.tsukuba.ac.jp/education/g-courses-s-program/

博士持っていて、業務で役に立ったことはあるか?

そして最後に、

博士持っていて、業務で役に立ったことはあるか?

という質問をしてみました。

結果はこちら↓

約半数の人が「役に立った」と答えています

 

私自身の経験では、以下の場面で博士号そのものが活きたかなと感じています。

・海外の研究者と話をする時

・新たな共同研究について、共同先の先生と話をする時

・研究職として転職活動をする時

 

「活かされる場面、あまり多くないな…」

そう感じた方もいるかもしれません。

確かに、業務上で博士号そのものが活かされることはあまり多くないかもしれません。

 

一方で、博士号研究者としての資格のようなものですし、何より、博士取得までのプロセスは研究者としての自身の成長に役立つはずです。

 

博士を取りたいという強い希望がある方は、ぜひ社内の調整をクリアして、進学を勝ち取ることをお勧めします。

終わりに

今回は

企業研究職の社会人博士事情

というタイトルで、博士号や社会人博士に関するアンケート結果をまとめました。

ご自身の経験や、ご自身の会社と比較して、今回のアンケート結果はどのように映ったでしょうか。

 

アンケートという性質上、あまり細かい聞き取りはできませんでしたが、企業研究職における博士や社会人博士の傾向として、ぜひ参考にしてみてください。

 

また、実際に社会人博士を取得した方は、私も含めて非常にたくさんいます。

現在社会人博士を希望されている方にとっては、経験者の体験談は非常に貴重だと思います。

 

私の社会人博士体験談を以下にまとめています。興味のある方はぜひ以下のリンクからご覧ください。

カテゴリー:社会人博士




【大切】企業研究所の試薬ルール、実は各社バラバラ:研究職の皆様に聞きました

皆様、試薬に関するルールは厳しいですか?緩いですか?

 

毒物・劇物・危険物の管理、試薬在庫の管理、

試薬に関する安全面のルール、発注時の費用の見積もり、など

試薬に関するルールは、実は結構あるのではないでしょうか。

 

うちはルールが厳しくて、仕事にならない

と感じている方もいれば、

うちはルールが緩くて、法令を守れているか心配

という方もいるかもしれません。

 

2023年にこのブログの著者は、

研究職から研究職への転職を実現しましたが、

転職により驚いたことの一つに、

試薬のルール、全然違う!

というのがありました。

 

購入時のルールに始まり、在庫管理の仕方、導入しているソフト、

管理者の人数や役割分担など、

本当にすべてがバラバラでした。

 

この経験を踏まえて、

試薬管理のルール、各社全然違うのでは?」と思い、

研究職の皆様を対象に、

ツイッターアンケートで聞くことにしました。

 

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

その結果、やはり各社ルールが全然違うことが、

よくわかってきました。

 

今回は、

企業研究所の試薬ルール実は各社バラバラ

という内容で、記事を書いていきます。

 

雑談ネタになりますが、

他社のルールなどを知る良い機会として、ぜひ読んでみてください。

【大切】企業研究所の試薬ルール:実は各社バラバラ

研究所の試薬管理ルールについて、研究員はどう思っているか?

試薬管理ルールの運用状況が、

研究員の日々の業務に大きく影響しているのは間違いないと思います。

 

「うちの会社はルールが厳しくて、仕事が進まない、面倒なことが多い」

「うちはルールが緩い気がする。いつか法令違反を起こすのではと、ビクビクしている」

企業ごと、研究員ごとに、いろいろな思いがあるのではないでしょうか?

 

そこでまず、

自身の研究所の試薬管理ルールについて、どのように感じていますか?

というアンケートを取り、皆様の認識について確認しました。

結果はこちら↓ 

「厳しい」「緩い」「ちょうどいい」、

きれいに3つにわかれました!

 

各社ルールが異なるという状況ではあるものの、

・会社ごとに試薬管理ルールの運用状況が異なる

・それに対して研究員が様々な思いを抱いている

そのような状況が推察される結果となりました。

 

試薬管理担当者はいるか?

次に、実際の試薬管理状況について聞いていくことにしました。

各社ルールが異なるため、どのような設問が良いか悩みましたが、

試薬管理担当者がいるか」「試薬管理ソフトを入れているか

という答えやすい質問を通して、

企業研究所全体の傾向の把握することにしました。 

 

まずは、

試薬管理担当者が設定されているか?

について聞きました。

 

この担当者は、

ISOなど、何かしらの社内のルールで設定された担当者」です。

(誰もやってないから、仕方なく俺がやっているんだ…)

という人は、設定されていないということにしました。

 

結果はこちら↓

え、試薬担当者を設定していない企業が、半数もあるの?

今回のアンケートでは、そのような結果になりました。

 

試薬、特に化学物質を扱う企業では、試薬類は厳重に管理されています。

消防法、毒物劇物取締法など、守るべき法令もたくさんあり、

これを遵守するには専門的な知識を持った人が不可欠です。

各部署に1人、少なくとも研究所全体に1人は運用担当者が必要だと思っていました。

 

しかし今回、約半数の会社では担当者を置いていないことが分かりました。

個人的には、

試薬管理の担当者を置かずに、どのように試薬管理をしているのか?できるのか?

という疑問を抱く結果でした。

 

試薬管理ソフトは使っているか?

次に、「試薬管理ソフトを使っているか」について聞き取りました。

試薬管理ソフト、調べてみると本当にたくさんのサービスがあります。

こちらのサイトが、内容をまとめてくれていてとても分かりやすいです。

https://www.ipros.jp/cg2/%E8%A9%A6%E8%96%AC%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/

上記のような試薬管理ソフトの各社の導入状況を調べることで、

試薬の在庫をしっかり管理しようとしている会社がどのくらいあるか

を把握できると考えました。

結果はこちら↓

導入している会社は半数にとどまりました。私の予想より少なかったです。

 

以前、ISOの更新審査の審査官から

試薬管理、自作のエクセルマクロ、あるいは紙ベースで在庫管理している会社も結構多いよ

というコメントをもらったことがあります。

今回「いいえ」と答えた中には、そのような会社が多いのかもしれません。

 

一方で、試薬管理担当者を置いていない会社で

そのような管理ができているかは怪しいなとも感じています。

相見積もりや価格交渉をするか?

最後に、試薬購入時の手続きについて聞いてみました。

試薬といっても、

数千円のものから何十万円もするものまで、

その価格にはばらつきがあります。

 

特に高額のものの場合、安い代理店から買うために

相見積もり」や「価格交渉

をしている方もいるのではないでしょうか。

 

そこで、

試薬や物品を購入する際、相見積もりや価格交渉は?

というアンケートを取りました。

結果はこちら↓

毎回見積もりを取っている会社がある一方で、

必要な時しか見積もりを取らない会社が約半数

ほとんどとらない会社が約4割という結果になりました。

 

私は見積もりを取ることが必須の会社で育ってきたので

え?ほとんど見積もり取らない会社あるの?

という感想を持ってしまいました。

同じような方はいらっしゃいませんか?

 

確かに、費用を抑えるために見積もりを取ることは大切ですが、

見積もりや値切り交渉にエネルギーを注ぎすぎて、

実験などの本業の時間が奪われてはなりません。

しつこく依頼することは、

代理店にも不必要な業務を押し付けてしまうことになります。

 

この辺りはバランスをうまくとって運用していきたいです。

ただ、それが難しいんですがね…

 

まとめ

・企業研究の試薬管理状況は、各社ルールの厳しさが異なりそう。

・試薬担当者を設定していない会社も結構ある。

・試薬管理ソフトを導入している会社は、約半数。

・試薬発注時に費用の見積もりを取っていない会社も結構多い。

 

今回の調査から、改めて

試薬に関するルールは各社結構異なっている

ことが明らかになりました。

各社、ルールの設定とその運用については、考え方が異なるようです。

 

研究員の作業を締め付けすぎず、

無駄な経費を使わないようにコントロールでき、

安全面や法令をしっかり守れるような運用ルール。

 

難しいですね。




【作業着?白衣?安全靴?】研究職はどんな服装?研究職に聞きました。

皆様、研究所ではどのような服装で過ごしていますか。

会社から支給された作業着で、安全靴を履いて過ごしている。

この姿を想像する人が多いのではないでしょうか?

 

しかし、研究職といっても、企業では実験をしている人ばかりではありません。

 

プログラミングなど、パソコンに向かった業務しかしない人は、作業着を着て安全靴を履く必要はない可能性があります。

あるいは、併設されたミニプラントでの作業に従事するなど危険と隣り合わせの作業をする研究員の場合、安全にかかわる機能を付与した作業着を着て、安全靴を履き、安全靴やヘルメットを常に使用しているはずです。

 

また、作業着のデザインについても、会社のイメージカラーなどが使用されている可能性があります。

 

このように、作業着一つとっても、各社違いがありそうです。

 

そこで、「各社の作業着事情を調べてみよう!」と思い、ツイッターアンケートで聞くことにしました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、

作業着?白衣?安全靴?】研究職はどんな服装?」というタイトルで、

作業着や靴など勤務中に身に着けるものについて

ツイッターアンケートの結果をまとめていきます。

 

今回は、通常よりもライトな内容でお送りします。

 

(注)勤務時の服装については、今後も時々アンケートを取り、その結果を随時更新していく予定です。

【作業着?白衣?安全靴?】研究職はどんな服装?

勤務中は作業着?

では早速、「研究所内での服装は、会社指定の作業着ですか?」と聞いてみました。

結果はこちら↓

あれ?意外と作業着少ない…」 私はそのように感じました。

 

これまで2社で勤務をしていますが、どちらの会社でも出社直後に作業着に着替え、ほぼ1日作業着のまま過ごしていました。

 

作業着を着ない方は、出勤時の服装のまま普段はすごし、作業時に白衣を身に着けたりするのでしょうか?

 

今回は詳しく聞いておりませんが、タイミングを見て改めてアンケートを取ろうと思います。

作業着のポケットはある?

アクリフーズ農薬混入事件

を覚えている方はいらっしゃいますか?

 

2013年、冷凍食品を製造している工場で勤務していた契約社員が隠して持ち込んだ農薬を食品に混入させたという事件です。

 

それまで食品業界では、異物が何らかの形で誤って混入してしまうことを防ぐ「フードセーフティ」の考えは根強くありましたが、この事件をきっかけに、意図的に異物を入れることを物理的に防ぐ「フードディフェンス」の概念がより重要視されるようになりました。

 

この「フードディフェンス」の取り組みと一環として、「作業着にポケットを付けない」という考え方が広がり始めました。

 

実際私が勤めていた会社では、工場作業員だけでなく研究所員の作業服からもポケットが外されました。

 

しかし、ポケットを付けないという取り組みが他業界を含めた研究職まで浸透しているかはよくわかっていません。

そこで、

作業着や白衣にポケットはついていますか?

というアンケートを実施ししました。

結果はこちら↓

 

圧倒的にポケットがついている人が多く、ポケットを取るという取り組みは、そこまで浸透していないようです。

 

一方で、ディフェンスの概念は注目されてから10年も経っていません。

今後、ディフェンスの概念拡大とともに、ポケットのない作業着が増えてくるかもしれません。

 

余談ですが、このツイートのリプライにもある通り、ポケットがないのは相当不便です(笑)

勤務中は安全靴?

次は、靴についてです。

特にメーカーに勤務していると、安全第一、危険回避・予防の考え方を徹底的に叩き込まれます。

そして、安全・危険回避のための一つのルールとして、「安全靴の着用」を義務付けている会社もあります。

 

安全靴は足の甲に鉄板が入っており、上から物を落とした時もその鉄板が足を守ってくれる作りになっています。

ミドリ安全さんの安全靴はとても有名ですね。

https://ec.midori-anzen.com/shop/e/eafw-a00/

私も前職では、安全靴の着用が義務化されていました。

しかし、転職先では安全靴着用のルールがなく、私はカルチャーショックを受けました。

そして、どちらが一般的なのか、私自身とても気になりました。

 

そこで、「研究所内での靴は?」というアンケートも実施しました。

結果はこちら↓

とても拮抗していますね!

安全靴が最多得票数ですが、それでも4割にとどまり、3割以上は靴の指定がない!という結果でした。

 

えっ、研究所での靴の指定がない会社がこんなに多いのか…

結果を見たときには、そう思わずにはいられませんでした。

 

とはいえ、研究所業務ではあちこちに危険が潜んでいます。

事故を回避する意味でも、安全靴を使う方がよいだろうと私は思っています。

まとめ

・研究職の7割近くは、研究所内では作業着で活動している。

・作業着や白衣には、ポケットがついている方が圧倒的多数。

・安全靴を着用しているのは約4割、約3割の会社は靴の指定すらない。

 

今回は、作業着や安全靴など、研究職業務の服装に関するアンケート結果をまとめました。

いつもと比べると閑話休題に近い内容になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。




【研究とお金】研究費の使用とその承認について、研究職の皆様に聞きました

皆様、自身が使える研究費に満足していらっしゃいますか?

少額にもかかわらず、多くの承認者が必要となり、辟易している方はいませんか?

 

「研究費の使用」は、研究員自身の権限だけでは進められず

上司や関連部署の承認が必要となる場合があると思います。

特に、金額が大きくなるとそのような傾向があると想像されます。

 

一方で、

他社では、どのようなルールで研究費が使用されているか

具体的な情報を目にすることはほどんどないでしょう

 

このブログ運営者「とうや」は

2023年4月に研究職から研究職への転職を実現しましたが、

その際驚いたことの一つに、

研究費使用のルールが、前職と全然違う!

え、結構高い金額だけど、承認者1人でいいんですか?

ということがありました。

 

そう、研究費の使用ルール、会社ごとに全然違います。

特に、「研究費の使用にあたり誰の承認が必要か、決裁者の権限は上限いくらか

については、全く違いました。

 

そこで、「2社でこれだけ違うのだから、多くの会社で聞いてみて傾向が知りたい!

と思い、

ツイッターアンケートで研究費の使用と承認者数について聞くことにしました。

実際聞いてみると、私の想像と異なる結果も出てきて、非常に面白いものとなりました!

 

今回は、

研究費の使用に何人の承認が必要ですか?研究職の皆様に聞きました

というタイトルで、ツイッターアンケートの結果をまとめました。

おそらく、どの媒体にもない新しい情報だと思います!

 

他社の研究費事情が気になる方、ぜひご覧ください!

研究費の使用に何人の承認が必要ですか?研究職の皆様に聞きました

上司の承認を得なくても購入できる金額の上限は?

まず前提を確認するために、

試薬や消耗品の購入には、どの会社も許可が必要なのか?金額別にルールがあるのか?

ということを確認するアンケートを取ることにしました。

 

そこでまず

試薬や消耗品を購入する際、上司の承認を得ずに購入できる金額の条件は?

というアンケートを、ツイッターで聞き取りました。

結果はこちら↓

約4割の人が「全ての購入において、誰かの承認が必要」と回答した一方で、

金額別にルールが設定されていることも確認できました。

やはり、研究費を使って何かをする際にも、会社ごとにルールの違いがあるようです。

 

ケース①:15万円の高額試薬を購入する場合

前提が確認できたので、いよいよ金額別にアンケートをとることにしました。

具体的な金額と実施内容を示し、実施に必要な承認者数を聞き取る

というスタイルで、ツイッター上でアンケートを実施しました。

 

ケース①としてまず、

15万円の高額試薬を購入する場合、何人の承認が必要ですか?

というアンケートを行いました。

15万円は決して安い金額ではないですし、

社員一人の判断で使用できない会社も多いのでは?と予想していました。

 

結果は、こちら↓

当初の想像通り、「1人や2人の承認が必要」という回答が圧倒的でした。

15万円は決して安い金額ではないですし、上司1~2人の承認くらいが妥当でしょうか。

 

一方で驚いたのは、以下の2点です。

15万円を承認不要で使用できる人が、20%近くいること

→単純にうらやましい。

15万円の使用でも、5人以上の承認が必要な人が、10%近くいること

→もうめんどくさくて研究やりたくなくなるかもしれません(笑)

 

会社ごとにここまでばらつくのには少し驚きました。

ケース②:50万円の実験機器修理の場合

「15万円を使うには、1~2人の承認が必要」が多数派だったので、

少し金額を上げた場合に承認者数が増加するか?を調べることにしました。

 

そこで次は、「実験機器修理に50万円かかります、実施には何人の承認が必要ですか?

というアンケートを取りました。

結果は、こちら↓

「えっ、あんまり変わらない…」

結果を見たとき、びっくりしましたね~

 

承認不要の人が若干減ったものの、

1~2人が60%という結果は15万円の時と変わらず

3~5人の割合が少し増えただけでした。

 

ケース③:200万円の実験機器修理の場合

50万円ではあまり割合に変化が見られなかったので、

さらに金額を上げて変動があるか確認することにしました。

 

次は「実験機器の修理に200万円かかります。実施には何人の承認が必要ですか?

という条件で再度アンケートを取りました。

結果は、こちら↓

さすがに、50万円の時と比べて、必要な承認者数は増えました。

50万円の時と比べると、

・0~2人の人が30%いる(50万円では60%程度)

・3-5人の人が約50%(50万円では20%程度)

という変化がありました。

 

全体的な傾向として、100万円、200万円くらいのスケールになってくると、

執行に向けた手続きが煩雑になってきているようですね。

ケース④:2000万円で試験を外部委託する場合

最後に、大きく金額を上げて聞くことにしました。

試験の外部委託に2000万円かかります、実施には何人の承認が必要ですか?

というアンケートを取りました。

結果は、こちら↓

あれ?思ったほど増えていない…

確かに、0-2人という少人数の人は10%程度まで減りましたが、

3-5人承認の人たちが約50%という結果は、200万円の時とほとんど同じでした。

そして、6-10人、それ以上、という回答が、それぞれ数%ずつ増加しました。

 

2000万円へ増額しても、3-5人という結果が多数であったことから、

各社、研究部門の研究費の使用に関して、承認者は3-5名が上限

と私はこの結果から考察しました。

 

想像ですが、研究費という財源である限り、

これ以上金額を上げても承認者数はあまり変わらないのではないでしょうか?

(それとも、1億円以上の案件を研究費だけで処理するケースが多くない?)

 

調査の限界

今回から、調査の限界についても簡単に書くことにしました(論文みたいですが)。

・回答者が、各設問ごとに異なっている可能性が高い。

・回答者が100名前後のものが多く、日本全体の傾向を示し切れているとは言えない。

・業種間の違い、会社規模の違い、などを考慮できていない。

・回答者の年齢・ポジションが考慮できておらず、承認者数が異なる可能性がある。

・「承認者」の定義が、回答者ごとに異なる可能性がある。

・ツイッターという不特定多数を対象とした調査であり、被験者バイアスがある。

まとめ

「研究費の使用に何人の承認が必要ですか?」というテーマで

金額別にアンケートを聞き取ったところ、以下のような結果が得られました。

 

・約4割の会社では、試薬や消耗品の購入する際に必ず誰かの承認が必要。

・一方で、15万円であっても多数の承認者を必要とする会社もある。

・金額が高くなるほど、必要な承認者数は増える傾向がある。

・50万円までは1-2人程度、それを超えると5人程度の承認者を必要とする会社が多い。

「各社、研究費使用の承認者は、3-5人が上限」と想像される。

  

研究費の使用ルールは、各社違いがあるのは間違いないものの、

具体的な比較はなかなか難しいのが現実です。

そんな中で、(転職に伴う個人的な興味がきっかけではありますが)

各社の研究費使用に関するルールの比較を、ツイッターを使って実施することができました。

 

おそらくどの媒体にも載っていない情報だと思います。

現役研究職や就活生の方が、研究職全体の傾向を知れる参考情報にしていただければ幸いです。

 

研究員が自由に使用できる研究費が多い会社の方が、

スケールが大きい研究を実施できるのは事実です。

私も転職により、前職よりも大きな研究費を自身の権限で使用できるようになり、

進めている研究規模も大きくなっています。

 

自分主導で大きな研究を展開したい方は、

一度他社の研究費情報を集めて比較し、条件が合えば転職を検討することをお勧めします。

 

私が使用した転職エージェント・転職サイト

今回の私の転職では、

研究費の予算規模が前職より現職の方がはるかに大きく、

結果的に自分が使える予算規模も大きくなりました。

 

優秀な転職エージェントであれば、

応募する会社の研究費の規模や社内の設備などについても情報を持っています。

私も実際に、転職エージェントから情報を得ていました。

 

他社の研究規模や設備の状況について情報を集めるという目的だけでも、

転職エージェントは役に立つことがあると思います。

 

今回の転職で私は、主に以下の2つを併用しました。

 

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

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それぞれ用途が違うので、

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転職を希望している方もしていない方も、

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【働き方改革?】研究職にフレックスタイム拡大中:研究職に聞きました

皆様の会社では、フレックスタイム制度は導入されていますか?

フレックスタイム制について、厚生労働省の資料には

1か月以内の一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその枠内で各日の始業及び終業の時刻を自主的に決定し働く制度

と書かれています。

目的についてもこの資料の中で言及されており

労働者がその生活と業務の調和を図りながら、効率的に働くことができ、労働時間を短縮しようとするものです。

と書かれています。

正確な内容は、以下の厚生労働省のリンクをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/flextime/index.htm

 

フレックスタイム制度が導入されると、労働者は

通勤ラッシュを回避した時間差出勤早めに退社して平日に通院する

といったことが可能になります。

生活の自由度や柔軟性を高めてくれる素晴らしい制度です。

せっかくなら、この制度を導入してくれている会社で働きたいですよね?

 

一方で、この制度はすべての企業で導入されているわけではありません。

交代勤務を導入している工場では導入できませんし、

特定の時間に業務が発生する人にも適用できません。

導入できる業界、業務内容には制限があるようです。

 

とはいえ、導入してくれていることに越したことはありません。

このブログでは研究職の働き方に関する記事を書いていますが、

企業の研究所では、フレックスタイム制度は導入されているのでしょうか?

 

そこで私は

2023年4月に開始した研究職の働き方に関するアンケートの中で、

この質問をしてみることにしました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、フレックスタイム制度が導入されているかだけでなく、

労働時間のコアタイムがあるか、業務時間中の「中抜け」も許可されているか、など

労働時間の自由度に関するアンケートを取りました。

 

多くの方から投票していただき、

研究職の働き方の自由度について知ることができました。

 

そこで今回は、

研究職もフレックスタイム制度を使える?研究職の皆様に聞きました

というタイトルで、ツイッターアンケートの結果を紹介します。

 

ぜひ、自分の会社の状況とアンケートの結果を比べてみてください。

研究職もフレックスタイム制度を使える?

フレックスタイム制度はある?

早速、「企業の研究職の皆様、所属する事業所にフレックスタイム制度はありますか?

というアンケートを取りました。

結果は、こちら↓

今回答えてくれた人の約7割の事業所では、フレックスタイム制度が導入されているようです。

研究職が働く多くの事業所では、

自由な働き方を後押しするフレックスタイム制度が利用できそうです。

コアタイムの有無

フレックスタイム制度が多くの会社で導入されている一方で、

その自由を制限するルールもあります。

その一つが、「コアタイム」の有無です。

 

コアタイムとは「勤務しなくてはいけない時間帯」のことであり、

フレックスタイムと併用されていることも多く見られます。

併用されると

フレックスタイムだから始業時間と終業時間は自由だけど、10時~14時は絶対働いてね

というような状況が発生します。

自由を推奨しているのか、制限しているのか、よくわからない状況になりますね。

 

研究職の皆様に、「コアタイム」の有無についてアンケートを取りました。

結果はこちら↓

およそ半々という結果になりました。

およそ半数は、フレックスタイム制度とコアタイムが併用されているようです。

フレックスタイムが全くないよりはいいかもしれませんが、

完全な自由を与えてくれる会社ばかりではないようですね。

勤務中の「中抜け」が許可されているか

最後に、「勤務時間中の私用中抜け」についても聞いてみました。

フレックスタイム制度の中でも「中抜け」を利用できると、以下のようなことが可能になります。

 

・朝から働き、夕方に子供が帰ってきたら一緒に過ごし、子供が寝た8時半から仕事をする。

・13時から30分程度仮眠をとる。

・朝から働き、11時から13時まで通院で外出し、終了後業務に戻る。

 

このように、「中抜け」は非常に自由度を高めてくれる制度です。

もちろん、抜けている時間については、労働時間から控除することになります。

 

さて、この「中抜け」を許可してくれている会社はどのくらいあるでしょうか?

結果はこちら↓

60%近くの方が認められているようです。これは正直、私の予想よりかなり多かったです。

研究職の多くの方が、コアタイムのないフレックス制度の中で、

しかも中抜けを許可されているという、非常に自由度の高い働きかたを実現できているようですね!

まとめ

・約70%の会社で、フレックスタイム制度が導入されている。

・約半数の会社は、コアタイムを設定していない。

・半数以上の会社で、業務中の中抜けを許可している。

 

研究職の皆様にアンケートをとった結果、

多くの会社がフレックスタイム、コアタイムなし、中抜けOKという

かなり自由度の高い勤務ルールを設定してくれているようです。

 

私も前職はあまり自由度は高くありませんでしたが、

2023年の転職により、上記3つの制度が整っている会社へ移ることができました。

実際、働く自由度はかなり高くなりました。

 

皆様の中で

・フレックスタイム制度もなく、中抜けの制度もない。

・コアタイムがきっちり決まっていて、病院へは土曜しか行けない。

このような状況の方はいらっしゃいませんか?

 

この3つのうち1つが付与されるだけでも、

働き方の自由度は大きく改善し、プライベートにも多くのメリットがもたらされます。

もし、働き方の自由度を改善したい方は、

一度転職エージェントに他社の状況を聞いてみることをお勧めします。

当ブログの運営者は、2023年に転職エージェントを使用して研究職の転職に成功しました!

私が使用した転職エージェント・転職サイト

私は、主に以下の2つを併用しました。

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

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大学院卒の強みを生かした転職に特化)

 

 

それぞれ用途が違うので、

両方に登録して、できるだけ早く話を聞いてみることをお勧めします!

登録と求人紹介はすべて無料です!

 

転職を希望している方もしていない方も、

早い段階で登録して自分の市場価値や転職可能性を知っておきましょう!

研究職も転職できる

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



研究職の有給休暇や長期休暇をとりやすい?研究職に聞きました

皆様は、有給休暇を十分にかつ自分の希望通りに取得できているでしょうか。

せっかく与えられている権利ですし、自分の希望通りに取得したいところですよね。

 

厚生労働省からも、以下のように有給休暇の取得が推奨されています。

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00289.html

毎年付与される全日数を消化するのが理想的ですが、

それが難しくても、

年5日」という厚生労働省が定める最低ラインは取得したいところです。

 

一般的に、企業研究職は働き方の融通が利きやすく、休暇が取りやすいといわれています。

しかし、会社が異なると有給休暇の取得状況は違うかもしれません。

他社がどのような状況か、気になりませんか?

 

そこで私は

2023年4月に開始した研究職の働き方に関するアンケートの中で、

有給休暇取得に関する情報を集めてみることにしました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

今回は、研究職の皆様を対象にアンケートを取り、

有給休暇の取得状況

・有給休暇を自分の希望通りに取得できるか

・2023年と2024年のゴールデンウイークは大型連休を作ることができたか

について、調査しました。

 

多くの方から投票していただき、

研究職の有給休暇事情を知ることができました。

 

今回は、

研究職の有給休暇や長期休暇をとりやすい?研究職に聞きました

というタイトルで、ツイッターアンケートの結果を紹介します。

 

ぜひ、自分の会社の状況とアンケートの結果を比べてみてください。

研究職の有給休暇や長期休暇をとりやすい?研究職に聞きました

有給休暇は毎年どのくらい使える?

まずは、「与えられた有給休暇日数のうち何割程度消化できているか」について聞き取りました。

結果はこちら↓

何と、約40%の人が8割以上を消化できている!とのこと。

えっ、すごい!みんなそんなに有休とれるの?」

正直そう思ってしまいました。研究職、魅力的ですね!

 

また、約5割を取得できる人も含めると、

80%近い人が5割以上の有給休暇を取得できていることが明らかになりました。

 

なぜ研究職は有給休暇をしっかり取れる傾向があるのか?

ここからは私の経験に基づく想像です。

 

研究職という職種は、他の職種と比べると

業務において「お客様」とつながることがあまり多くありません。

そのため、お客様の都合に振り回されることが少なく

自分で計画したスケジュールで業務を遂行しやすいという特徴があります。

そして、自分で業務予定を決められるため、

有給休暇の取得予定も立てやすくなります。

 

このように、

研究員自身で業務日程を決められるという業務上の特徴が、

高い取得率につながっているのではと私は考えています。

有給休暇の日は自由に決められるか

次に、有給休暇の日程を自分で自由に決められるか?について聞きました。

「そんなの当たり前でしょ!」と思う方もいるかもしれません。

しかし、現実そうでない事業所は存在します。

 

業務によっては、毎日一定の人数がその事業所に出勤している必要があります。

その場合、個人が勝手に日程を決めて休んだ時、たまたま多くの人が休んでしまい、

人手不足になってしまうという状況が発生しかねません。

 

そのような事業所では、

上長などが日程やローテーションを決めて、従業員に有給休暇を消化させていることもあります。

 

一方で、研究職は比較的個人で進める仕事が多く、自分の業務スケジュールも自由に決めやすい傾向があります。 

ただ、実際に有給休暇の日程を自由に決められるのか、

調べたことはありませんでした。

 

そこで、

有給休暇は自分である程度自由に日程を決めて取得できますか?

というアンケートを実施しました。

結果はこちら↓

何とほぼ全員が「できる!」と回答しました。

いや~ここまで高い割合とは思いませんでした。

 

先ほども書いた通り、

他の職種と比べて研究職は業務スケジュールを立てやすい傾向があります。

その傾向が、

有給休暇を自由に取得できるという状況につながっているのかもしれません。

2023年のゴールデンウイークの休暇予定は?

次に、

この記事を書いている2023年5月のゴールデンウィークの休暇予定を聞きました。

この年は、

5/1,2の2日間を休むと、連続9日間の連休を作ることができました。

https://www.klook.com/ja/blog/when-is-golden-week/

有給休暇を自由に使える人の多くは、

5/1,2に有給休暇を設定した可能性が高いと思われます。

 

そこで、企業の研究職の皆様に、

2023年5月のGWの連休は

というアンケートを取りました。

結果はこちら↓

この結果を見る限り、

半数以上の人が9連休以上を実現していますね。

有給休暇を使用して大型連休を作ったと想像されます。

研究職の多くの方が、自由に有給休暇を利用できているからこのような結果になったのでしょう。

[追加情報]2024年のゴールデンウイークの休暇予定は?

研究職はゴールデンウィークに長期休暇が取りやすいのか?

2024年5月において、再度アンケートを取りました。

この年は、

4/30, 5/1,2の2日間を休むと、連続10日間の連休を作ることができました。

 

結果はこちら↓

この結果を見る限り、半数以上の人が10連休以上を実現しています。

企業研究職は長期休暇を取りやすい」という点については、ある程度再現性がありそうですね。

まとめ

・約40%の研究員が、有給休暇の約8割以上を消化できている。

・9割以上の方が、自分の希望通りの日程で有給休暇を設定できている。

・GWは大型連休を取りやすく、再現性もありそう。

 

研究職の皆様にアンケートをとった結果、

多くの方が有給休暇を自由にかつ十分に取得できていることが分かりました。

 

研究職という職種へ移ることで、

有給休暇を自由に取得できる環境が得られるかもしれません。

現在有給休暇をあまり取得できていない、自分の都合で決められない方がいましたら、

研究職への異動や、会社を変えることを考えてみてもいいかもしれません。

 

もし、少しでも他社の状況を知りたいと思った方がいましたら、

一度転職エージェントに他社の状況を聞いてみることをお勧めします。

当ブログの運営者は、

2023年に転職エージェントを使用して研究職の転職に成功しました!

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研究職も転職できる

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今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

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研究職は土日休み?残業少ない?研究職の皆様に聞きました

みなさま、残業時間は多いですか?土日祝の出勤は多いですか?

多い方も少ない方もいらっしゃると思います。

皆様の同僚も同じような状況かもしれません。

 

しかし、他の会社の社員も同じような状況か、聞いてみたことはありますか?

同じ研究職でも会社によって残業や休日出勤の状況が違う可能性もありますよね。

 

同じ研究職でも、会社が違うと残業時間が違うのでは?」 

うちの会社は労働時間や出勤日数の負担が大きすぎる気がする

これらの質問は実際に誰かに聞いてみないと、自分の状況が普通なのか把握できません。

 

そこで私は

2023年4月に開始した研究職の働き方に関するアンケートの中で、この質問をしてみることにしました。

以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。

ぜひフォローをお願いします!

実際に残業時間や土日祝の出勤についてもアンケートを取ってみたところ、結構多くの方から投票していただき、研究職のスタンダードを把握することができました。

 

そこで今回は、

研究職の残業時間・土日出勤は?研究職の皆様に聞きました

というタイトルで、ツイッターアンケートの結果を紹介します。

ぜひ、自分の会社の状況とアンケートの結果を比べてみてください。

研究職の残業時間・土日出勤は?

研究職の残業時間は?

早速、ツイッターで聞きました。

企業の研究職の皆様、1か月の残業時間は平均何時間くらいですか?

ストレートな質問に対して、多くの方が答えてくれました。

結果は、こちら↓

結構、散らばってますね…

とはいえ、多くの人が1か月あたり30時間以内のは収まっているようです。

10時間未満の人も一定数いらっしゃいますね。

 

時間外労働(いわゆる残業)は上限が決められており、月45時間、年間360時間以内に収めることが法律で定められています。

https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/overtime.html

年間360時間なので、1か月あたりの平均を30時間に納めなくてはいけません。

 

今回の回答を見ると、多くの方が平均30時間以内と答えており、研究職は残業が著しく多い職種ではない、と想像されます。

残業時間を含む勤務時間は、どのように記録されている?

先ほどの残業時間の回答を見て、こう思った方はいませんか?

残業時間を正確に記録しないように、会社から指示されている人もいそう

サービス残業たくさんしている人もいるのでは?

たしかに、その可能性は否めません。

 

しかし近年、労働時間を正確に記録するツールが、各企業に導入されてきています。

PCのログイン時間で、その人の勤務時間を測定する。

・会社の建物に入出する際にICカードが必要で、その記録時間を労働時間とみなす。

こんな感じの取り組みが広がっているようです。

 

上記のような仕組みを導入している会社では、

少なくともサービス残業が常態化しにくい仕組みになっているのでは?と想像されます。

 

そこで、

自身の業務時間が自動で管理される仕組みは導入されていますか?

というアンケートをとってみました。

 

その結果が、こちら↓

約7割の会社ではこの仕組みが導入されているようです。結構多いですね。

多くの会社では社員の労働時間をある程度正確に管理し、サービス残業が発生しにくい労働環境が作られつつあるようです。

 

以上のことから、研究職の残業時間については今回のアンケートの数値をある程度参考にしてもよさそうですね。

土日祝の出勤は?

最後に、平日の勤務状況だけでなく、土日祝の勤務についても聞いてみました。

結果は、こちら↓

ほとんどないそうです! アカデミアの方、びっくりするかもしれません!

実際、研究職として私も約10年働いてきましたが、土日祝の出勤は数えるくらいしかありませんでしたし、同僚も同じでした。

 

この結果を見ると、研究職は土日祝は休みを安定して確保できる可能性が高い職種のようです。

土日祝の休みは最低限確保したい理系学生の皆様、土日祝の出勤が常態化している理系社会人の皆様、

研究職のキャリアはいかがですか?

まとめ

・残業時間は人によってばらばらだが、ほとんどの人は月30時間に収まっている。

・勤務時間管理がPCログイン時間やICカードで記録されており、サービス残業は少なそう。

・土日祝の出勤はほとんどなく、週2日休める人がほとんど

 

皆様の中に、以下のような方はいませんか?

・残業時間が常態化している。

・土日祝の出勤がかなり多い。

 

今回の結果を見ると、上記に当てはまる方は少数派のようで、残業時間は正規の範囲、土日祝は休めるのが、研究職のスタンダードのようです。

 

自身の労働時間などに不満を感じられている方は、会社を変えてみたら自由度の高い働き方を得られるかもしれません。

 

今回の結果で、他社の状況が気になった方は、一度転職エージェントから情報を集めてみることをお勧めします。

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研究職はリモートワークできる?研究職に聞きました。

新型コロナ拡大以降、リモートワークや在宅勤務の制度が多くの会社で取り入れられました。

しかし、「うちの会社にはそんな制度ないよ~」という声も耳にします。

 

また、研究職の方に注目して考えてみると、

実験・作業がメインだから、制度があっても出社しないといけないんだよ

というコメントも、ツイッターなどでは散見されます。

 

どのくらいの会社でリモートワークや在宅勤務の制度が導入されているのか、

自由に利用できる会社はどのくらいあるのか、

研究職はどのくらいの頻度で利用しているのか、

個人的にとても気になっていました。

 

そんな中、とあるきっかけで

そういうことは、ツイッターで聞いてみればいいじゃないか?

というコメントをいただき、

2023年4月より研究職の働き方に関するアンケートを始めました。

(現在も続けていますので、ぜひフォローをお願いします!

その中で、リモートワークや在宅勤務の制度についてもアンケートを取り、

なかなか面白い結果を得ることができました。

 

そこで今回は、

研究職はリモートワークする?研究職の皆様に聞きました

というタイトルで、ツイッターアンケートの結果を紹介します。

 

自分の会社の状況とアンケートの結果を比べてみてください。

今の会社より良い環境がありそうなら、

転職エージェントから情報を集めてみるのもよいかもしれません!

研究職はリモートワークする?研究職の皆様に聞きました

リモートワーク制度/在宅勤務制度はあるか

まずは、「そもそもリモートワークや在宅勤務の制度はあるか?

というところから聞いてみました。

 

ここでいう「リモートワーク」と「在宅勤務」は、以下のように区別しています。

リモートワーク:勤務場所を問わず、どこで仕事をしてもよい

在宅勤務:自宅での勤務のみ認められている。

 

それでは、ツイッターアンケートの結果はこちら!↓

約40%ではリモートワークが、約35%では在宅勤務が認められている

という結果が得られました。

裏を返すと、約2割の会社では認められていないんですね…

 

使用回数などに制限があるか

多くの会社でリモートワークや在宅勤務が認められているようですが、

実際に自由に使用できるのでしょうか?

 

例えば、1か月あたりX回まで、繁忙期はダメ、など、

利用には何らかの制限がある会社もありそうです。

 

そこで、「時期、回数、時間などに制限があるか?」というアンケートを取りました。

 

結果はこちら↓

約半数の人は自由に利用できると回答しました。

 

リモートワークや在宅勤務を自由にできることは、

自分のプライベートも含めて時間の使い方の自由度がとても高まります。

制度がない、もしくは利用に制限がある方には、

とてもうらやましく感じられるかもしれません。 

誰かの承認が必要か

リモートワークや在宅勤務の制度があるのであれば、

自分の業務状況に合わせて自由に使えるほうが望ましいですね。

 

一方で、事前に上司などの承認が必要などの制約があると、

上司が認めてくれない」「承認依頼がめんどくさい」など、

使用するためのハードルが上がってしまい、使いづらいですね。

 

そこで、「リモートワークや在宅勤務をする際、事前に申請や承認は必要ですか?

という質問をツイッターでしてみました。

結果はこちら↓

3割程度は必要と回答した一方で、

約7割は事前承認なく利用できるルールで運用されていることが分かりました。

 

せっかく導入されているリモートワークや在宅勤務の制度ですし、

使いたいときに使える状況であることは非常にありがたいですね。

どのくらいの頻度で使っているか

リモートワークや在宅勤務の制度が整っていたとしても、

実験や作業を主な業務をしている方は、出社中心の働き方になるでしょう。

 

受け持っている仕事によって、リモートワークの実施状況には個人差がありそうです。

そこで、「リモートワークや在宅勤務を、実際にどのくらいの頻度で使用しているか?

を聞いてみました。

結果はこちら

結果を見ると、

研究職の多くは、リモートワークをほとんど使わない

というのが実情のようです。

やはり、実験・作業を伴う仕事が多く、出勤が必要な方が多いのでしょうか? 

 

一方で、週1~2回を使用している方も約4割いました。

「実験の日が週3回、事務作業の日が週2回」

のような使い方が想像できますね。

 

実験・作業の日と事務作業の日をしっかり分けることで、

研究職でもリモートワークを取り入れることは可能なのかもしれません。

 

まとめ

・約7割の会社でリモートワークor在宅勤務の制度がありそう。

・利用に制限がついている会社も存在する。

・事前に上司の承認などがなくても使える会社も多い。

・研究職の約半数はリモートワークや在宅勤務をほとんど使わないが、週2回使う人もいる。

 

もし、現在かなり自由度の低い働き方をしている方は、

会社を変えてみたら自由度の高い働き方を得られるかもしれません。

 

例えば、

実験をする時だけ出社し、週1回事務作業を自宅で実施する。

といったことも可能になるでしょう。

 

今回の結果で他社の状況も気になった方は、

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食品会社の研究職で、学生時代と同じ研究はできるのか?

研究職の就職活動でよく聞く話題の一つに、

学生時代の研究は、企業へ就職しても活かされるのか

というものがあります。

 

確かに、大学・大学院と続けてきた研究や関連スキルには一定の自身があるでしょうし、

可能ならその近い領域の仕事を企業へ行っても行いたいと考えることもあるでしょう。

 

一方で、企業には得意とする研究領域があり、

企業の内容が学生自身の専門性と合致していないことがほとんどでしょう。

 

一方で、入社後に大学時代の専門性が活きる研究テーマを与えられ、

その領域での研究を継続している人がいることも事実です。

 

専門性が活きる研究を担当できる人とそうでない人は、何か違いがあるのか、

もし専門性が活きない研究を担当できない可能性が高いなら、

就職活動ではどのようなスキルや価値観が評価されているのか、

この辺りについて疑問に思ったことはないでしょうか。

 

この記事では、まず

大学時代と同じ分野の研究を、食品会社の研究職で担当することはできるのか?

というテーマで、食品会社研究職の著者の視点から書いていきます。その後、

企業と専門性が合致していない学生は、どのようなスキルを身につけるのがよいか

についても書いていきます。

 

ほとんどの人は、大学の研究内容とは異なる研究を行っている

結論としては

大学時代の研究と近い研究を担当する人は、非常に少ない

となると思います。

 

理由としては、以下のようなことが挙げられます。

・大学時代の研究内容が、就職先の企業でも行われている確率が低い

・食品会社は実用化研究が多く、大学のような基礎研究を担当させてもらえる人数が少ない

 

そもそも、大学と企業では研究に対するスタンスが異なることが多いです。

企業ではどちらかというと、モノづくりや仕組みづくりなど、

実用化やビジネスにつながる研究に重点が置かれることが多いです。

 

そのため、学生時代の研究と企業で行っている研究がピッタリマッチする確率は高くありません。

 

そして入社して研究職に配属された後も、

新入社員の配属や研究テーマの割り当ては会社の事情で決められることが多く、

学生時代の経験がピッタリはまる研究が回ってこない可能性が高いです。

 

そのため、食品会社の研究職を希望されている方は、

学生時代とは異なる研究を担当する可能性が非常に高い

と考えていただいた方がよいと思います。

 

企業が求める専門性と合致した一部の人は、大学時代と近い研究を担当することもある

一方で最近一部の企業では、特定の専門領域で活躍している学生(主に博士)を

ピンポイントで採用しているようです。

 

私の経験や、現在の食品会社の求人情報をいくつか眺めた限りでは、

①企業が注力している特定の研究領域を学生時代に行っていて、業績がすごい学生

②データサイエンスを学んでいた学生

などが、ピンポイントで採用される可能性があります。

この場合、学生時代の経験が直接活きる研究を担当できる可能性があります。

 

しかし、このピンポイントの採用は、

企業が求めるスキルを持った学生が、偶然応募してきた(もしくはスカウティング)時に成立します。

 

そのため、学生時代の研究領域で企業でも活躍したい学生ができることは、

その研究領域での採用を行っている企業へ応募すること

くらいしかありません。

 

しかし先述の通り、大学の基礎研究がそのまま企業で活かせる確率は少なく、

ましてやその研究領域で求人が出る確率は、非常に低いです。

大学院の研究室へ届いた企業からのスカウトの中身が

学生自身の専門性と合致していた時くらいでしょう。

 

以上のことから、「学生時代の専門性が活きる研究を企業で担当できる人は、ほんの一握り

と考えてよいと思います。

 

学生時代とは異なる研究でも活躍できる人になるために必要なこと

「自分は上記の研究分野ではないな…」と感じだ方、安心してください。

大学での研究内容が企業の研究分野と完全に一致している学生は、ほとんどいません!

 

そのため、就職活動で採用枠を争う学生たちの多くは、

「自分の研究分野と企業の研究領域が合致していない」

状態で就職活動に挑んでいます。

 

そのような学生たちが応募してくる中で、

採用する企業はどのような視点で研究職の採用を考えているか想像してみましょう。

 

結論、「入社後に当社の研究職として活躍してくれそうか」を見ています。

 

少し分解すると、以下のような能力が挙げられます

・研究における基本的な考え方(研究の組み立て、実験的思考、など)ができる

・自分の研究について、分かりやすい言葉で相手に説明できる、質疑応答ができる

・文章が書ける、分かりやすい資料が作れる

・一般的な情報収集力がある

・学生自身の研究に対する考え方が、応募している企業の考え方と一致している

 

上記の能力を応募書類や面接などを通して評価し、

この学生ならこの会社の研究でも活躍してくれそう」と感じられた学生が

選考を進んでいき内定に近づいていきます。

 

そのため、食品会社の研究職で内定を得たい方は、

上で記載された能力を身に着け、それが伝わるような応募書類を作り、面接でアピールする

ことが求められます。

 

そして、企業が掲げている研究に対する価値観・考え方をOBOGなどから聞き出し、

自身の応募書類や面接での想定問答に反映さえておくとよいでしょう。

 

食品会社の研究で活かされた、学生時代に身に着けた経験・スキル

食品会社で研究職を5年以上担当してきた私の経験ですが、

大学・大学院生時代に身に着けた以下のスキルは、実際に企業の研究でも活きていると思います。

 

論文や情報検索ツールを使用した情報収集力

論文を読むことは企業で研究をする上でも不可欠です。

特に、学生時代とは異なる研究領域を担当する場合、

最初は文献を読んで研究領域の概要を理解することから始まります。

学生時代に身に着けた論文を読むスキル・習慣は、企業においても活かされます。

 

また、最近はChatGPTなどのAIツールを使うことで,

知りたい情報に簡単にアクセスできるようになってきました。

最新のAIツールをうまく取り入れることで、情報収集の効率が格段に上がるはずです。

 

HPLC、GCなどの分析機器を使った経験

食品会社では、製品に含まれる栄養成分や機能性成分の分析を行っていることが多いです。

この場面では、HPLCやGCなどの分析機器を使用します。 

 

研究職としての配属先として

分析機器を使用する部署が含まれている可能性があり、

その場合は学生時代のHPLCやGCの使用経験が活きてくる可能性があります。

 

私は学生時代に様々な種類の分析機器を使用しており、

この経験が企業での最初の配属先で非常に役立ちました。

 

パワポなどの発表資料作成スキル

必ずしも良いという内容ではありませんが、

企業に入ると他人や他部署へ何かを説明する機会が非常に多いです。

その際、見やすい発表資料を作れるスキルが活きてきます。

 

学生時代、研究室内・学会・審査会などで発表資料を作る機会が非常に多くあります。

発表資料は作成者の個性がかなり強く出ており、

見やすい資料とそうでない資料がはっきり分かれていると思います。

そのくらい、発表資料作成スキルには個人差があります。

 

見やすい発表資料を作れるスキルがあることによって、

他部署へ分かりやすい説明ができる人という評価を得られ、

仕事上のコミュニケーションがより進めやすくなります。

 

就職活動の際に研究概要などを紹介する際には、

ぜひ見やすい資料を提示して相手に気持ちよく資料を見てもらうことで、

研究に関する質疑応答の質が上がり、結果として高い評価や内定が得られる可能性が高まるはずです。

 

まとめ

今回は、

大学時代と同じ分野の研究を、食品会社の研究職で担当することはできるのか?

というテーマから始まり、

企業と専門性が合致していない学生は、どのようなスキルを身につけるのがよいか

についても、私の経験をもとにまとめました。

 

・ほとんどの人は、大学の研究内容とは異なる研究を行っている

・企業が求める専門性と合致した一部の人は、大学時代と近い研究を担当することもある

・学生時代とは異なる研究でも活躍するためには、「入社後に当社の研究職として活躍してくれそう」と評価してもらえるスキルを身に着け、それを就職活動でアピールする必要がある。

・食品会社に勤めた著者の経験では、学生時代に身に着けた情報収集力、分析機器のスキル、発表資料作成スキル、などは企業でも活かすことができる。

 

大学時代の研究とほぼ同じことを、食品会社で実施できる可能性はあまり高くありません。

そのため、就職活動では専門性以外のところで勝負すること多く、その際の企業側の評価軸は

入社後に当社の研究職として活躍してくれそう」という点になります。

 

上記にまとめた考え方を参考に、評価につながるスキルを身に着けて

この人は、この会社で研究職として活躍してくれそうだ」と思われる人材を目指すことが、

就職活動で希望する会社に進める確率を高める方法かもしれません。

 

大学院生&理系学生の強みを生かした就職活動

研究職に進みたい理系学生に向けた情報を提供しているサイトやサービスを

うまく活用しましょう。

 

大学院生&理系学生に特化した就活サイトとして、

アカリク というサービスが便利です。

登録は無料ですので、一度活用してみてください。

 

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食品会社がデータサイエンティストを求めている理由。RやPythonのスキルは武器になる。

この記事のメッセージは、タイトルの通り

RやPythonなどのデータサイエンススキルは、食品会社でも武器になるよ!

というものです、どうでしょう?意外でしょうか?

 

食品会社の研究と言えば、

食品原料の探索から始まり、

おいしさ・香り・健康機能性やそのメカニズムを調べ、

その研究成果を商品開発やマーケティングへ活かす

というのが王道でした。

 

しかし近年、動物実験をすることへの風当たりが強くなるなど、

従来の手法や考え方だけでは研究開発が進められなくなってきています。

 

そのような時代背景もあり、

多くの企業(特に大企業)は、研究開発の進め方を大きく変えてきています。

 

その中の筆頭が、

ビッグデータを解析し、その結果を商品開発に活かす。

というものです。

そしてこれに伴い、

ビッグデータを扱えるスキルを持った人材

の需要がどんどん高まってきます。

 

実際、2022~2023年にかけて私自身が転職活動をした際にも、

データサイエンスに関するスキルがあると、紹介できる求人が増えます!

とはっきり言われたのを覚えています。

実際に求人を見てみても実感できると思いますので、気になった方は

私が転職活動で使用したJACリクルートメントの以下のリンクから検索してみてください。

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

 

今回は、

RやPythonなど、データサイエンススキルを、食品会社が求めている理由

という内容で記事を書いていきます。

 

データサイエンススキルを既に保有しており、

食品会社への転職を検討されている方がいたら、

ぜひ転職エージェントに登録することをおすすめします。

 

私が2023年に食品会社研究職への転職を成功させた際、

以下の2つエージェントを重宝しました。

転職を少しでも考えている方は、リンクから覗いてみてください。

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データ解析スキルを持った人材を、食品会社が求めている理由

食品会社におけるデータサイエンス・ビッグデータ解析

ビッグデータといっても内容は様々で、例えば以下のようなものがあります。

・マーケティング調査から得られた、顧客の行動に関するデータ

・自社商品の受発注状況やその物流状況に関するデータ

・製造工場における、製造コスト・収率・品質などに関するロットごとのデータ

・疫学・追跡研究から得られた、被験者の健康状態に関する追跡データ

 

いずれも重要なデータであり、貴重な宝物です。

現在も会社のどこか適切な場所に保管されているはずです。

しかしこれまで、すべての企業がこれらのデータを十分に活用し、

自社の研究開発や改善活動に適切に活かせていたわけではありませんでした。

 

そして近年ようやく、これらビッグデータを活用したプロジェクトが

各企業内で立ち上がってきています。

 

しかし、大きな課題があります。

データを扱える人材が、社内にいない

という事実です。

 

データ解析が得意な人材は、食品会社に来てくれない。

その理由は以下が考えられます。

・学生時代に情報科学などに触れた人材は、就職活動で食品メーカーに興味がない。

・情報・ハイテク企業と比べて食品企業は給料が安い。

・食品会社でのデータサイエンス業務について、仕事のイメージがわかない。

 

結局のところ、

データサイエンティストにとって、食品会社はあまり魅力的ではない。

のだと思います。

 

しかし、食品会社はそのことを分かっており、違う目線でも人材を探しています。

実は、食品会社はデータサイエンティストを求めてはいるものの、

そこまで専門性が高くなくてもいい、少しできるレベルでも十分

と考えています。

 

「ちょっとデータ解析ができる」というレベルでもOK。

理由は簡単で、

データの取り扱いが全くできない人ばかりなので、

少しできるくらいの人でも活躍する場所がある

からです。

 

これまでほとんどビッグデータ解析ができていなかったという現状もあり、

現時点ではあまり高いレベルの解析スキルは求められていません。

 

採用時点では、以下のレベルでも十分です。

・RやPythonを扱ったことがあり、書いてあるスクリプトを読める。

・インターネット上の情報を使えば、初歩的な解析は自分でできる。

・初心者向けの指導ならできる。

・データサイエンスの外部研修を受ければ、内容を理解して成長できる。

 

実際食品会社では、

パソコンを触る事がほとんどできない人も少なからずいます。

その中で、基礎レベルのプログラミングスキルがあるというのは、

社内では相当とびぬけた存在となりえます。

 

基本レベルのRやPythonのプログラミングスキルがあれば、

食品会社であればデータ解析人材として重宝される可能性がある。

ということになります。

 

そして、仕事を任された後は、

実際の業務や外部研修などを通して専門知識とスキルを高めていくことにより、

食品分野のデータサイエンティスト

という、専門性が高く社内外でも貴重な存在になれる可能性があります。

 

以前の記事にも書いた通り、特に研究者は専門性を持つことが大切です。

 

https://researcherinacompany.com/speciality/

 

特に、社内だけでなく社外でも通用する専門性を持たないと、

研究者として生き延びていくのは難しいという側面があります。

 

https://researcherinacompany.com/speciality-3/

 

RやPythonの初歩スキルを持っている人は、

そのスキルをきっかけに様々なプロジェクトに関与することで

社内で唯一無二のポジションを確立できる可能性があります。

まとめ

・食品会社は様々なビッグデータを抱えているが、事業や研究へ上手く使えていない。

・データサイエンティストを求めているが、食品会社へ来てくれる人が少ない。

・「少し解析ができる」というレベルでも、食品会社であれば重宝される。

・外部研修や実務などを通して、レベルを上げていければよい。

・「食品業界のデータサイエンティスト」という貴重な存在になれるかも。

 

学生時代の研究でRやPythonを使ってデータ解析を少しかじっていた方は、

そのスキルを履歴書などに記載するだけで、

採用時に目にとめてもらえるかもしれませんよ!

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研究職の転勤・異動:研究が上手くいっても上手くいかなくても異動?理由を推察

日本企業で働いていると、

必ず「人事異動のシーズン」があります。

誰が出ていき誰が来るのか、どこへ行ったのか、

自分の上司は変わるのか、その上司はどんな人か、

人事ネタは社員間でも一番盛り上がるネタといっても過言ではありません。

 

もちろん、研究員も対象になる可能性があります。

一般的に

研究職は他の職種と比べて専門性が高く異動が少ない傾向がありますが、

それでも一定数の異動は発生します。詳しくは、以下の記事

https://researcherinacompany.com/research-10/

 

当然、研究部門に不可欠な人材、上長から気に入られている所員は、

いきなり他部署へ異動させられるケースは少ないです。一方で、

「研究が順調なのに、なぜこのタイミングで異動?」

という状況も目にします。

 

今回はこの疑問について、

研究がうまくいっている人orいっていない人

という視点から考えてみます。

そこで今回は、

研究が上手くいっても上手くいかなくても異動?理由を考察

というタイトルで記事を書いていきます。

 

注意:今回の内容は、著者の経験まとめたものであり、他の組織において必ずしも当てはまるものではありません。あくまで一意見としてお読みください。

研究が上手くいっても上手くいかなくても転勤・異動?理由を考察

研究員は複数のテーマを持ち、テーマごとに局面、重要度が違う

研究員はいくつかのテーマを並行して進めていることが多いです。

そして当然、テーマごとにその局面・重要度・位置づけなどは様々です。

 

例えば、以下のような状態です。

テーマ①:製品の目玉となる食品素材すら見つかっていない段階。

テーマ②:食品Aの健康機能性のデータは取れそうだが、製法が決まらない。

テーマ③:食品素材の入手方法は決まったが、機能性の臨床試験が上手くいかない。

テーマ④:会社のブランドコンセプトに合致するような研究データがない。

 

テーマ①はまだ探索段階のため、先を急ぐようなものではありませんが、

テーマ④は、実現しなくてはいけない重要なテーマのように感じます。

 

こんな感じで、一人の研究員が

異なる素材(食品)の、異なる局面の、様々な重要度の研究活動

を進めていることが多いです。

研究が成功して事業開発につながると、事業部へ異動することも

研究テーマが上手く進むと、それを軸にした事業開発が本格的に始まります。

その際、

このテーマに関する研究は終わりにして、事業化に本腰を入れたい

と上層部が判断し、

従事していた研究員が事業化部門に異動となるケースもよくあります。

 

これがいわゆる「研究が上手くいって、事業部へ異動となる」パターンです。

知人のいる大企業では、

このタイプの異動をグループ単位で行っているという話をしていました。

 

研究員の中には、

自分は研究者だから、事業化は得意な人に任せて、裏からサポートしたい

ほかに進めている研究もいい感じだから、そちらに集中したい

と思う方も多いでしょう。

 

しかし、後述するように研究が事業化に結び付く確率はあまり高くありません。

このような機会がもらえた場合には、

一度事業化にかかわる仕事へのチャレンジを勧めたいです。

自分に合わなければ、研究所に戻ってきてまた研究すればよいですし。

 

うまくいかず、数年で終了してしまう研究テーマも多い

ご存じの通り、一般的に研究は失敗の繰り返しであり、

立てた仮説が外れた際に、その研究自体を終了させてしまうことが多いです。

 

特に企業は、営利につながる研究テーマを選択するため、

利益率が下がるようなテーマに微修正して続けるよりも、

テーマそのものをそのまま終了してしまうことが多い印象です。

 

テーマにそれぞれ難易度があるにもかかわらず、

その点をあまり考慮してもらえないまま、

いろんな研究テーマが立ち上がっては消えてを繰り返しています。

 

テーマが上手くいかなかったのは、本人だけのせいではないのですが、

「AさんのテーマBは、うまくいかずに終わった」という点だけが独り歩きし、

あたかもAさんの失敗であったかのように伝わってしまうこともあります。

 

テーマ立ち上げ→中止、が重なってしまった研究員は、

ひどい場合には「成果が全く出せない人」という扱いになり、

研究以外への異動の対象になる可能性が高まってきてしまいます。

 

重要なテーマが終わった研究員は、異動対象になりやすい傾向

重要なテーマが終了したタイミングで、異動の内示を受けた研究員を、

私はこれまでたくさん見てきました。

 

このような形で異動する研究員が多い理由としては、

「その社員の仕事は、重要なテーマ終了で一区切りついた」と上層部に認識された。

区切りがよく、引継ぎ事項が少なく、異動に伴う支障が少ない。

といったものがあげられます。

 

もしこれらの理由が本当だとすると、

異動って結局のところ会社都合なんだな・・

という非常に切ない気持ちになりますね。

 

逆に言うと、様々な研究テーマを運営し、

少しでもいい感じにつながっている研究員は、

あまり異動の内示を受けていない印象があります。

 

まとめ

研究員は複数のテーマを持っており、テーマごとに局面、重要度が違う。

・研究が成功して事業開発につながると、研究員が事業部へ異動することも。

・うまくいかず、数年で終了してしまう研究テーマも多い。

・重要なテーマが終わった研究員は、異動対象になりやすい傾向。

 

異動が少ないといわれている研究員でも、

いろんな事情が絡んだ結果、思わぬ内示を受けることがあります。

テーマが上手く進んで事業化するためというポジティブなものから、

重要なテーマに失敗して研究以外へ異動させるネガティブなものまで

さまざまです。

 

自分で結果を出して異動を勝ち取る(or研究所からの異動を免れる)

という側面もありますが、

研究が上手くいってもうまくいかなくても、

結局のところ会社都合で異動させられます。

 

異動に対してどのように自分のキャリアを合わせていくか、

自分も悩んでいます。 

いつ異動させられるかわからず、常にドキドキしています。

このドキドキを緩和させ、

いざというときに自分の意思で決められる選択肢を増やすために、

仕事で結果を出すこと、自己研鑽、情報収集を進めています。

 

自分の人生を不本意な異動で狂わされないよう、準備しておくといいでしょう。

 

研究職も転職できる

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



【理系就活】企業で研究を続けたいなら、研究職に応募すべき理由

このブログでは、

企業研究職の仕事、理系学生の就活、研究者の転職などについて

企業研究職である私の目線で、情報を提供したり個人的な意見を述べたりしています。

 

先日、仕事の都合である大学を訪問し、

所属する博士学生2名とお話しする時間がありました。

2名が博士課程2年で、就活に向けた取り組みを考え始めていました。

 

2名とも研究が楽しく、企業へ就活した後も研究に携わりたい希望を持っている一方、

その希望をかなえられるような企業に就職できるか不安である

というコメントをしていました。

 

このような不安を持っている学生は他にもいらっしゃるのではと思い、

今回この不安に対する回答となるような記事を書くことにしました。

 

今回は、「企業で研究をしたいなら、研究職へ応募すべき

について書いていきます。

 

大学院や理系学生の就職活動には、

大学院生&理系学生に特化した就活サイト

アカリクが役立ちます。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

以下のリンクから、一度覗いてみて下さい。

アカリクはこちら↓

博士学生の就活:企業で研究を続けたいなら、「研究職」に応募すべき理由

企業の採用枠を事前にしっかり確認すべき

大前提ですが、就職活動をする際には

企業のどの採用枠に自分は応募できそうか、

就職四季報などを見てしっかり確認しましょう。

 

ざっと確認しただけでもわかると思いますが、

採用枠の設け方は企業ごとに全く異なります。

 

・文系学生と理系学生の採用を枠を分けている企業

・学部卒と修士以上卒で採用枠を分けている企業

・仕事内容で採用枠を分けている企業(事務系、技術系、など)

・博士学生であっても学部・修士卒と同じ採用枠へ応募させる企業。

(初任給が同じことも!)

 

後ほど紹介しますが、採用枠の設け方は業界間でも少し違いがあります。

また、採用枠を見ると、その会社の考え方を少し想像することができますね。

 

そして、研究職として就職したい方は、

各企業の募集要項を見て、該当しそうな採用枠を見つけて、応募することになります。

「研究職」の採用枠で内定をもらえれば、最初に研究関係に配属される可能性が高い。

そして、この記事のタイトル回収になりますが、

企業で研究をしたい人は、「研究職」という採用枠に応募しましょう。

 

理由はシンプルで、

「研究職」で内定をもらえば、最初の配属が研究関係の可能性が高い。

逆に「研究職以外」の採用枠では、研究に就ける可能性が相当低くなる。

というものです。

 

「研究職」という採用枠を設けている場合、

その企業は、研究に適性がありそうな学生を特別に採用しているということになり、

採用した学生には研究業務で活躍してもらうことを期待しいます。

 

そのため、余程のことがない限り、研究関連の仕事に就くことができるでしょう。

逆に、次に示す通り、

「研究職」以外の採用枠で内定をもらうと、研究職に就ける可能性は一気に下がります。

 

逆に、「総合職」の場合、研究配属の確率は一気に下がる。

「研究職」以外で、多くの理系の学生が応募する採用枠として、

総合職」「理系総合職」「技術系総合職」などがあります。

 

総合職」の定義は正直なところ企業間でだいぶ違いますが、

こちらのマイナビの記事によると

「将来の管理職、幹部候補。基本的にはジョブローテーションで異動があり、転勤も発生しやすい。」

とのことです。

 

「理系」「技術系」とついている場合、

「工場配属」「生産管理」「商品開発(特に技術面)」「知的財産」「品質管理」など、

「理系」「技術系」の仕事に従事する人を採用する枠

と理解すればよいでしょう。

 

また、「研究職」という採用枠を設けていない企業の場合、

「理系総合職」「技術系総合職」で採用した学生の中から、一部の人を研究部門へ割り当てる

という対応をとることが多いです。

 

すなわち、

「総合職」で採用されると、研究以外の部門に配属される可能性がかなり高くなる。

ということです。

 

博士卒の学生の場合、

そのキャリアを考慮して研究部門へ優先的に配属してくれることもありえなくはないですが、

基本的には、研究職以外に配属される可能性が非常に高いです。

 

博士課程を卒業し、企業でも研究をしていきたいという学生にとって、

このような形でキャリアを変えられてしまうのは、不本意に感じてしまうかと思います。

 

そのような意味でも、絶対に研究職に就きたいという学生は、

「総合職」ではなく「研究職」の採用枠に応募することを強くお勧めします。

研究職の採用枠の大きさは、業界・企業間で全く異なる。

「研究職」の採用枠ですが、採用枠の有無・大きさは、企業によって大きく異なります。

化学機械製薬などの業界では、「研究職」の採用枠を設けていることが多く、

毎年それなりの人数を研究職として採用している傾向があります。

 

逆に、私が所属する食品業界では「研究職」の採用をしている企業は少なく、

「総合職」の中から研究者を割り当てていることが多いです。

 

私自身も総合職であり、転勤を経てたまたま研究員となりました。

また、新卒採用で研究の仕事に就いた社員は非常に少ないです。

 

このように、企業で研究職に就ける可能性は、企業・業界によって大きく異なります。

自分の得意分野やの進みたい業界との折り合いも必要ですが、

どうしても研究職に就きたいのであれば、「研究職」に応募して確率を上げるようにしましょう。

 

まとめ

・企業の「採用枠」をしっかり見ましょう。

・「研究職」の採用枠で内定をもらえれば、最初の配属が研究関係である可能性が高い。

・逆に、「総合職」「理系総合職」「技術系総合職」の場合、研究配属の確率は一気に下がる。

・研究職の採用枠の大きさは、業界・企業間で全く異なる。

 

結論はシンプルで、

企業で研究したいなら、研究職の採用枠に応募して内定をもらいましょう!

そのためにも、研究職に進みたい理系学生に向けた情報を提供しているサイトやサービスを

うまく活用しましょう。

 

大学院生や研究職の就活を中心にしたサービスを提供するサイトとして、

アカリク というサービスが便利です。

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登録は無料ですので、一度活用してみてください。

 

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「研究職の就活」に関する記事は、こちらから

研究職の就活




社会人博士体験談!いよいよ博士論文提出。そのまえに知的財産には気をつけよう。

前回の記事では、

学術論文を投稿する前に会社の承認を得る必要があり、

論文の内容にある程度会社の意向を反映させなくてはいけない

というジレンマについてお話ししました。

博士号取得のための研究とは言え、会社の協力を得て進学している以上、

ある程度会社の顔色をうかがう必要もありますので、

みなさん、気を付けましょう!

 

まだ読んでいない方は、ぜひ以下からご覧ください。

https://researcherinacompany.com/doctor-course-3/
https://researcherinacompany.com/doctor-course-4/
https://researcherinacompany.com/doctor-course-5/
https://researcherinacompany.com/doctor-course-6/

 

今回は第5弾として、

社会人博士経験談パート5:博士論文も知的財産には気をつけろ

という内容で記事を書いていきます。

博士修了に必要に要件として、

学術論文以外に、中間審査博士論文査読博士論文公聴会の3つがありました。

これをクリアするにあたり、社会人ならではのトラブルがありました。

 

ポイントは、以下の内容です。

・審査会は大学内の発表なので、情報が一般に公開されることはなかった。

・博士論文は後日ネット上に公開されるため、知的財産にかかわる内容には注意が必要。

・私の場合、博士論文に独自に載せようとしたデータに知財部門からクレームが入り、慌ててそのデータを論文から外した。

 

社会人博士進学を考えてみる皆様に、少しでも参考になることがあれば幸いです。

 

社会人博士経験談パート5!博士論文も知的財産関係で慌てた

博士論文も、知的財産の公知案件となりうる

最近は一般的になってきていますが、

博士論文は、審査終了後に原則インターネット上に公開されます。

インターネットで情報を調べていたら誰かの博士論文が出てきたなど、

思い当たることがあると思います。

 

そして公開された博士論文も、知的財産における公知案件として扱われます。

すなわち、

博士論文に書かれている内容はすでに知られている内容として扱われ、

知的財産の新規性喪失につながる可能性があります。

 

これについては皆さん特に異論はないと思います。

学会発表のタイトル・要旨・誰かのセミナー資料も対象となるものですし、

当然の事象だと思います。

 

中間審査会や学術論文では、知的財産に関して対応できていた。

さて、博士課程2年次に行った中間審査会は、学内におけるプレゼンのみでした。

そのため、発表資料が外部公開されることはなく、

発表した内容が知的財産に影響することを考える必要はありませんでした。

 

また、学術論文への記載内容が公知として扱われることは把握していたので、

事前に特許出願を行った後に学術論文を投稿するなど、

適切な対応をとっていました。

 

しかし、学術論文には載せなかったデータが手元に残っています。

当時の指導教官と相談し、

今後の後輩のためにも、これらのデータを博士論文に載せよう

ということになりました。

 

博士論文だけに載せようとした結果に、会社の知財部門が注目

当時私は、「博士論文の内容が後日公知となること」を失念していました。

そのため私は指導教官の指示に従い、

データを追加して博士論文を執筆していました。

 

博士論文がほとんど完成し、副査の先生へ提出する1週間前

突然上司から

特に指摘とかはしないから、本文を一度読ませてくれ

と言われ、ワードファイルを提出しました。

 

そして数日後、突然知財部門から

博士論文のこのデータ、まだ公開してない?

多分知財性があるから、公開は待ってくれ。

と問い合わせが入りました。

 

よくよく調べてみると、非常に細かい内容ではあるものの、

確かに新規性・進歩性を持つ結果であり、

追加データを加えれば十分出願できるものでした。

 

当時の私は、以下の理由から安心しきっており、

この知財案件には全く気付いていませんでした。

・知財案件は学術論文投稿時にクリアしていること。

・博士課程3年時の私は、博士論文を仕上げることに頭がいっぱいだったこと。

 

そこで急いで指導教官へお願いし、

該当するデータを博士論文から外し、

ストーリーを少し組みなおすことにしました。

 

副査の先生へ提出する1週間前というタイミングでしたが、

何とか変更に対応させ、期日に間に合わせることができました。

 

知財についても、博士号取得後に何とか出願につなげました。

焦りはしましたが、結果的に知財部門のファインプレー

上司が私の博士論文を読もうとしたこと。

その論文を偶然担当者が目にしたこと。

この2つの偶然が重なったことで、知財案件を一つ見逃さずにすみました。

 

私は全く気付いていなかった内容だっただけに、

結果的に知財部門のファインプレーとなりました。

 

博士論文は、後日一般公開され、書かれている内容は公知となります。

博士論文によって自社の知財出願に迷惑が掛からないよう、

社会人博士を目指す方はご注意ください。

 

まとめ

・審査会は大学内の発表なので、情報が一般に公開されることはなかった。

・博士論文は後日ネット上に公開されるため、知的財産にかかわる内容には注意が必要。

・私の場合、博士論文に独自に載せようとしたデータに知財部門からクレームが入り、慌ててそのデータを論文から外した。

 

繰り返しになりますが、

博士論文は、後日一般公開され、書かれている内容は公知となります。

知財出願にかかわる情報は残っていないか、

丁寧に確認したうえで博士論文も執筆しましょう。

博士論文は自身の修了に直接影響するため、学術論文以上に締め切り厳守です。

余裕をもって対応できるよう、早い段階から確認しておきましょう。

 

社会人博士取得経験に関する連載を終えて

さて、社会人博士課程を通して私が経験した内容を紹介してきました。

全5回にわたる連載、いかがだったでしょうか。

 

これから社会人博士を目指す方にとって、

これらの記事が少しでもお役に立てばありがたいです。

 

まだ5つの記事すべてを読んでいない方は、

第1回の記事から読んでいただくことをお勧めします。

 

まだ読んでいない方は、ぜひ以下からご覧ください。

https://researcherinacompany.com/doctor-course-3/

 

研究職と博士号に関する記事はこちら

研究職と博士号




社会人博士体験談!投稿論文を出したいが、会社の意向との板挟みに悩む。

前回の記事では、

会社の業務に時間をとられて社会人博士の研究に時間が割けないということに悩み、

その解決策として、

社会人博士の研究がいかに会社のためになるものかを上長へ説明し、

業務時間中に社会人博士関連の仕事を行う許可をもらうことで、

時間を捻出しました。

 

まだ読んでいない方は、ぜひ以下からご覧ください。

https://researcherinacompany.com/doctor-course-3/
https://researcherinacompany.com/doctor-course-4/
https://researcherinacompany.com/doctor-course-5/

 

今回は第4弾として、

社会人博士経験談パート4:投稿論文でもひと苦労:会社との戦い

という内容で記事を書いていきます。

社会人博士卒業に必要な査読付き英語論文の投稿について、

会社員ならではの苦労を経験したので、ご紹介します。

 

ポイントは、以下の内容です。

・論文を出すにあたって会社の承認が必要。

・論文の内容に、会社の意向を反映させなくてはいけないこともある。

・会社の承認に数か月かかり、かなり焦った。

・論文投稿については、早めに会社と情報共有をしたほうがよい。

・無事に受理・公開されるまで、会社からのプレッシャーがあり気が抜けない。

 

少しでも参考になることがあれば幸いです。

 

社会人博士経験談パート4:論文投稿について会社の承認を得る

論文を出すにあたって会社の承認が必要

少なくとも私が所属している会社では、

学術論文を投稿する際には事前に会社の承認を得る必要があります。

 

論文のドラフトと申請書を添付し、

部長たちから承認を得たうえで投稿できるようになります。

社会人博士の研究とは言え、会社員として行っている研究でもあり、

研究成果は基本的に会社にも帰属します。

 

そのため、会社のプレスリリースなどと同じように

どのような情報が一般に公開されるかを事前に会社と共有することが、

論文投稿における最初のプロセスでした。

論文投稿直前になって、会社から指摘が入ってくる。

私の場合、

社会人博士の研究遂行は、ほとんど研究室のボスや指導教員と行っていました。

 

会社との方向性の共有は

最初のテーマ設定こそ上司や上長と相談して決めましたが、

その後はデータや進捗を課長と共有する程度でした。

上長が、「社会人博士の研究は、基本的に研究室の方向性に任せる」

という方針だったので、その通りに進めていました。

 

さて、データがそろってさあ論文を仕上げようという段階になり、

改めて会社に「論文を投稿する旨」を伝えました。

 

研究室のボスや指導教官と論文を仕上げ、

ドラフトを添付して会社へ承認申請しました。

 

そして、ここからが困難の始まりです。

承認権限のある部長クラスから、無数のコメントと指示が飛んできました

 

具体的にはお示しできませんが、

内容のほとんどは

「この文章やストーリーでは、うち製品の独自の優位性がよくわからない

「はっきり言えないのかもしれないが、有効性をもっと主張してくれ」など、

会社にとってのメリットが分かるような論文に仕上げなさい

という指示でした。

 

その当時、所属する会社の理科系部門の部長に研究所出身の人はおらず、

論文執筆経験のある人は一人もいませんでした。

 

部長たちは、

学術論文は自社の成果をアピールするもの

だと理解していたようで、

そのような側面をもっと押し出してほしいという意向があったようです。

 

さて、とはいえ学術論文ですので、データから示せないことは主張できません。

部長たちの意向を研究室のボスや指導教官へもっていき、

データから示せる範囲の表現で修正していきました。

(もう査読やん!) 

 

修正しては会社へ提出し、また返却されては修正しを繰り返していたら、

結局、この問題を解決するためだけに3か月近くを要してしまいました…

1回分の査読をやり終えたくらいの気持ちでした。

 

一般的に投稿論文を出す場合は、

事前に共同研究者のチェックを受けて

その内容を踏まえて修正することが多いです。

 

しかし企業では、

研究とは直接かかわりがない人たち(私の場合は部長クラス)の意向も

反映しなくてはいけないケースがあります。

 

研究者のマインド会社の意向

この2つの間でかなり揺れ動かされましたね。

 

このように、

論文投稿前に会社の承認が必要な場合、その対応に結構な期間を奪われる

可能性があります。

 

博士課程3年を考えると、こんなところであまり時間をとりたくありません。

3年生になってからだとかなり焦るので、

ぜひ事前に会社とすり合わせを行うことをお勧めします。

受理・公開されるまで、いろいろな理由から気が抜けない。

さて、準備ができた論文を投稿し、査読を受けます。

論文執筆経験者はご存じの通り、査読期間はケースバイケースです。

一瞬で終わることもあれば、年単位のこともありますし、

査読期間を事前に見積もることはほぼ困難です。

 

しかし、会社はスピード感と見通しを執拗に求めてきます。

 

「受理の見込みはあるのか」

「いつ受理されるのか」

「いつ公開されるのか」

部長たち研究内容と関連する部署などからは、

このような問い合わせが頻繁に来ました。

(わからない、で通すしかないんですが…)

 

特に、会社の大きなプロジェクトにかかわっている研究では、

論文投稿と並行して製品開発や販売準備をしているケースもあり、

計画通り進むように、細心の注意を払っています。

 

このように、

ただ論文受理するだけでなく、

それに付随する会社の仕事も背負っていることもあり、

受理・公開されるまで本当にひやひやします

 

結果的に社会人博士修了用の論文は、

厳しい査読はなく投稿から数か月で受理されましたが、

今後論文投稿をする際に同じような思いをすると想像すると、

今でも胃が痛くなりますね。

まとめ

・論文を出すにあたって会社の承認が必要。

・論文の内容に、会社の意向を反映させなくてはいけないこともある。

・会社の承認に数か月かかり、かなり焦った。

・論文投稿に関しても、早めに会社と情報共有をしたほうがよい。

・無事に受理・公開されるまで、会社からのプレッシャーがあり気が抜けない。

 

博士課程修了のための研究とは言いつつも、

会社員として研究活動をしている以上、

その成果は会社の成果としても扱われます。

 

自分の研究の質を高めて世に出していきたいという思いと、

会社のメリットとなる研究成果を出さなくてはいけないという会社からの圧力。

 

社会人博士に限らず、

企業研究員の方が論文を書く際にはこの葛藤が必ずあります。

 

確かにこの葛藤を持ち続けることは精神的につらい時もありますが、

それでも私は、

企業研究員もチャンスがあれば論文執筆はしたほうが良い

と考えています。

研究員として生きるのであれば、論文は自分のキャリアを支えてくれるはずです。

https://researcherinacompany.com/research-paper/

次回は、

中間審査や博士論文審査会など、大学内の修了要件に関することを書いていきます。

次回こそ本当に最後にします。

 

研究職と博士号に関する記事はこちら

研究職と博士号




社会人博士経験談!会社と大学院を両立するために、博士の研究を業務に組み込んでもらう。

 

前回の記事では、

大学との共同研究をきっかけに社会人博士進学の準備を始め、

会社の説得や入試で苦労した点についてお話ししました。

前回の記事をまだ見ていない方は、こちらをご覧ください。

https://researcherinacompany.com/doctor-course-3/
https://researcherinacompany.com/doctor-course-4/

 

今回は第3弾として、

社会人博士経験談パート3:会社の仕事と大学院の両立

という内容で記事を書いていきます。

 

私は、以下のような点を工夫しました。

・大学院や研究科によって修了要件が異なり、大変さが全く異なる。

・会社の仕事に博士の研究が追加されると、時間が足りない。

・博士の研究を会社業務の一つとして認めてもらうように努力してみるとよい。

・会社から認めてもらえれば、時間に余裕が出てくる。

 

少しでも参考になることがあれば幸いです。

社会人博士経験談パート3:会社の仕事と大学院の両立

大学院や研究科によって修了要件が異なる。

多くの方がご存じの通り、

博士後期課程の修了要件は、大学院や研究科によって全く異なります。

例として、私が修了した大学院と出身大学の博士課程を比較してみます。

 

〇私が修了した大学院

・研究実施講習への出席(毎年1回)

・査読付き英文雑誌の筆頭論文1報

・博士論文の提出と合格

・中間審査会(D2)と博士論文審査会の合格

 

〇出身大学の博士課程

・研究実施講習への出席(毎年1回)

・講義10単位(すべてレポート提出)

・研究科主催の論文ゼミ(D1時、月1回)

・国際学会での口頭発表1回

・査読付き英文雑誌の筆頭論文1報

・博士論文の提出と合格

・中間審査会(D1、D2)と博士論文審査会の合格

 

全く違いますね。

そもそも、所属先ごとにこれだけ修了要件が違うことに、改めて驚きます。

 

そして、特に社会人博士にとっては、

修了要件がどのくらい厳しく大変なものであるかは、

仕事などとの両立を考えるうえで非常に重要です。

 

会社の仕事にそのまま博士の研究が追加されると、時間が足りない。

ほとんどの社会人博士学生は、

大学院の研究とは別に、普段会社でも仕事をしています。

 

研究活動だけに自分のすべての時間を割けるわけではなく、

使える時間が限られています。

家族がいたり、大学と自宅が離れているなどのケースでは、

もっと時間が限られてくるでしょう。

 

社会人博士は単純に時間が足りません。

 

私の場合、おそらく修了要件はかなり優しい部類に入るものでしたが、

それでも入学直後から、「研究できる時間が足りない」と感じていました。

会社の仕事をしなくてはならず研究室へ行けない日々が続くと、

「このままじゃ修了に間に合わないんじゃないか?」

という焦りが出てきました。

 

本当は研究室に行きたいけれども、

我慢して会社で業務をこなすことも増えており、

何とかして研究室へ行く時間を確保しなくてはと感じるようになりました。

 

そこで、課長や所長へ相談を持ち掛けました。

博士の研究を会社業務の一つとして認めてもらう

前回の記事にも記載しましたが、

私の場合、社会人博士の進学先はもともと共同研究をしていた研究室であり、

博士課程の研究内容もこの共同研究を起点にしたものでした。

 

しかし会社からは、

共同研究は会社としての業務

社会人博士は個人のスキルアップ

という形で、それぞれ別の取り組みとして認識されており、

業務中に社会人博士に関する作業はできず、業務外時間で行っていました

 

しかし、共同研究の内容と社会人博士の研究テーマは本質的に同じものであり、

社会人博士の研究成果は同時に共同研究の成果として扱ってもよいのでは?

と考えました。

 

そこで、

社会人博士の研究を業務の一つとして扱ってほしい

業務時間中にも、社会人博士にかかわる作業をやらせてほしい」と

課長と研究所長に交渉し、何とかOKをもらうことができました。

  

認められた理由は、以下のようなものだったようです、

・共同研究内容と社会人博士の研究テーマが非常に近い

・社会人博士の研究テーマがうまくいけば、会社の利益になる可能性がある。

 

これにより私は、研究室へ行けたときに実験に割ける時間が増え、

データをとるスピードを上げることができました。

 

私のように、社会人博士の研究テーマが会社の利益につながるものであれば、

会社業務に「社会人博士の修了につながる作業」を盛り込んでもらうことで、

業務中に論文執筆やプレゼン準備などの作業ができ、

時間に余裕が出てくると思います。

 

 

まとめ

・大学院や研究科によって修了要件が異なり、大変さが全く異なる。

・会社の仕事に博士の研究が追加されると、時間が足りない。

・早い段階で、博士の研究を会社業務の一つとして認めてもらう。

・会社から認めてもらえれば、時間に余裕が出てくる。

 

会社の仕事に博士の研究が入ってくると単純に忙しく時間が無くなります。

博士の研究を会社の仕事の一つとして認めてもらうよううまく会社に働きかけ、

業務中に博士の研究時間を確保することで時間の余裕を生み出していました。

 

心身ともに追い込まれることなく、

楽しく研究をして博士号をとれるようにするために、

できる限りの工夫をすることをお勧めします。

 

次回はいよいよ、投稿論文における会社との戦いについて書いていきます。

興味のある方は引き続きご覧ください。

 

研究職と博士号に関する記事はこちら

研究職と博士号