企業研究職の働き方:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

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大学などで研究をしている学生の皆様や、研究以外の業務をなさっている社会人の方からすると

企業研究職の皆様が普段どのように働いているか、あまりイメージがつかないと思います。

一方、私個人の意見としてですが、

研究職が普段どのような働き方をしているか多くの方に知ってもらい、

就職する前のイメージづくりや、研究職に仕事を依頼するときの参考にほしいな思っています。

そこで今回の記事では、食品会社研究職の一日の過ごし方について、私の事例をいくつか紹介します。

食品会社で研究をしたい就活生や、研究職の働き方を知りたい他業種の皆様は、

この記事を読むことで、企業で研究職として働くイメージを持つことができると思います。

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目次

研究職の一日の過ごし方:実験中心の日と事務作業中心の日を紹介

現在の主な業務内容

現在私は、主に以下の業務を担当しています。

①基礎研究:培養細胞を使った機能性成分の有効性評価、機能性成分を産生する微生物の探索

②製造方法検討:ある天然物から機能性成分を収率良く抽出する方法を検討する。

③製品の品質管理:毎週製造される製品に、機能性成分が適切に含まれているか分析する。

④特許関連:出願用資料の作成や拒絶査定への対応を行う。

⑤後輩の進捗管理、技術スタッフのスケジュール管理。

これ以外にも、研究所や部署の運営にかかわる事務作業(書類管理、予算管理など)や会議参加などがあります。

 

実験作業が多い①~③については、技術スタッフさんに適宜仕事をお願いしながら進めています。

技術スタッフの方などにうまく仕事を頼むことも、研究職の非常に大切な仕事です。

関連記事:技術スタッフ:企業の研究職にとって、いなくては困る存在。

 

実験中心の日

まずは、ほぼ一日中実験にかかりきりになる日のスケジュールをお見せします。

この日は、「③製品の品質管理」を行う日で、サンプル受領からHPLC分析までを、技術スタッフの方と一緒に行いました。

 

8時半:出社、メールチェック。

9時:技術スタッフと打ち合わせをして、作業準備とHPLC立ち上げを開始。

9時半:分析用サンプルの宅急便が到着。受け取り後、すぐにサンプル前処理1バッチ目開始。

(この間、待ち時間を利用してメールの返信と電話への対応)

11時半:1バッチ目の前処理が終了し、HPLCへセット、分析開始。

12時~13時:昼休み(この間もメールを確認し、返信しておく。)

13時:前処理2バッチ目開始

(この間、待ち時間を利用してメールの返信と電話への対応)

15時:1バッチ目の前処理が終了し、HPLCへセット、分析開始。

15時半:メールチェック、予算関係書類、研究レポート作成。技術スタッフは後片付け。

17時半:HPLCの分析が終了、洗浄プロトコルをオーバーナイトでセット。

18時:解析結果を確認し、測定結果の報告書を作成。上長へメールで送付しておく。

18時半:退社。

 

実験が多い日は、以下の点に気を付けています。

・実験作業そのものは、遅くても勤務時間内で終わるように計画する。

・技術スタッフに任せられるものは、どんどん任せる。

・隙間時間で簡単なメールはさばいておく。

・作業に集中すると判断を誤ることが多いため、事務関係の重要な仕事は後日に回すことが多い。

 

企業では勤務時間の管理が厳しく、実験に使える時間は限られています。

限られた時間を有効に使って成果を残す能力が、企業の研究職には求められます。

このような環境下でうまく働くうえで、注意すべき点がいくつかあります。

詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

関連記事1:企業研究職の働き方:勤務時間管理とモチベーション。

関連記事2:企業研究職の働き方:お金と時間単価。

事務作業中心の日

続いて、事務作業や会議が中心の日の予定を書いていきます。

この予定は月初に多いです。

 

8時半:出社、メールチェック

9時:部署全体の週礼、実験室や事務室の掃除。

9時半:技術スタッフとの打ち合わせ、今日の会議にかかわる資料の準備。

10時~12時:チームミーティング、各自の進捗報告とそれに対するディスカッションを行う。

12時~13時:昼休み(この間もメールを確認し、返信しておく。)

13時:勤務記録表の入力と提出、領収書や請求書の処理、メール対応。

14時~15時:共同研究先Aとウェブ会議。毎月の進捗管理。

15時~16時:会議の報告書作成、次回に向けた資料作り。

16時~17時:共同研究先Bの月例ウェブセミナー参加。(アカデミアとの議論)

17時~:技術スタッフと情報共有、翌日に行う実験の準備、メール対応。

18時半:退社

 

私の場合、できる限り会議や打ち合わせを同じ日に集めるようにしています。

これにより、会議がない日に十分な時間を確保でき、実験や集中力がいる作業をする時間に充てられるからです。

私たちの本業は研究活動であり、その本業にできるだけ多くの時間をかけたいと思っています。

確かに事務作業や会議も仕事を進めるうえでは大切です。

しかし、事務仕事に重心がかかりすぎないように気を付け、自分の本業に集中できるような環境づくりを意識することも大切だと思っています。

事前に予定を組んでおくだけでも、仕事はだいぶ進めやすくなる。

以上、研究職の一日の過ごし方について、私の事例を紹介しました。

2つ事例を紹介しましたが、出張がある日やフレックスタイムを利用する日など、ほかにも様々なパターンがあります。このような事例も、後日改めてご紹介できればと思います。

 

研究職として働くで意識しているのは、

「事前にしっかり予定を組んで仕事を進めること」です。

仕事の中には、事前に準備をしておかないと対応できないものも多くあります。

技術スタッフ・先輩後輩・上司などあらゆる人のスケジュールを把握・管理し、

自分の仕事が滞りなく進むように計画を立ててそれに近い流れで仕事が進められると、

自然と良い結果につながってくるのではないかと感じています。

 

企業研究職の働き方に関する関連記事はこちら

関連記事1:研究職のリモートワーク:在宅勤務時のスケジュール例を紹介

関連記事2:企業研究職の働き方:勤務時間管理とモチベーション。

関連記事3:企業研究職の働き方:お金と時間単価。

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この記事を書いた人

食品メーカー研究職。
修士卒→食品メーカー(この間、社会人博士取得)→2023年に研究職で転職。
専門は質量分析・オミクスを使った研究/発言は個人的見解です
Twitter:https://twitter.com/NzXyZQDOCMpLgz5

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