食品会社の中において、研究員はもちろん研究するために存在しています。
ところが、会社によって「研究」の意味するところが若干違うようです。特に食品会社では、後ほど紹介するように結構広い意味で使われているようです。
今回は、特に食品会社における「研究員」の意味するところや、その位置づけについて書いていきます。
食品会社では研究職は少数派。少数派ゆえに困ることは?
食品会社における、「研究員」の役割
食品会社の中で「研究員」というと、以下の業務を行う社員を指すことが多いです。
- 製品開発(商品の試作品を実際に作る、商品設計を考える、など)をする社員
- いわゆる研究(製法改良の研究、健康機能成分のスクリーニング、など)を行っている社員
会社によっては、「いわゆる研究」をする部署を設置していない場合もあり、「研究員=製品開発職」という位置づけになっている場合もあるらしいです。
特に理系の学生が食品会社で働くことを想像したとき、これらの分野をイメージすることが多いでしょう。実際、理系の方はこういった分野に配属されることが多いようです。
私は「いわゆる研究」の部署に所属しており、大学でも行うような細胞試験やスクリーニング試験などを行うこともあります。
会社全体からみると、研究員は少数派の位置づけ
一方で、食品会社には製品開発部門や研究部門以外にも様々な部署があります
思いつく限り並べてみると…
- 商品を作るための原材料を調達する部署
- 製品の製造計画、販売や配送の計画を作成・管理する部署
- 工場における製造や製品の品質を管理する部署
- 工場設備の管理や設備更新を担当する部署
- 作った製品の流通を管理する部署
- 営業をする部署
- 会社の広報活動をする部署
- 経理や財務管理を担当する部署
こうやってみると、会社全体でみれば、研究以外の部署で働いている人数が圧倒的に多く、食品会社において研究員は少数派に属します。
少数派ゆえの取り組み
少数派である以上研究員の社内での存在感は小さく、小さな成果を出したところでなかなか気づいてもらえません。もし新しい製品ができて販売につなげたいとしても、まずは生産部門や販売部門に存在に気付いてもらうことが大切です。私の同僚は、研究よりも社内営業が忙しい時期があると言っていました。
過去にうまくいかなかった経験があったからか、私の部署の上司は最近、販売部門や生産部門に頻繁に顔を出しているようです。研究所で進めている研究の進捗を共有するほか、逆に他部門の要望を聞いて研究テーマに反映させたこともありました。
会社は利潤の拡大が使命です。会社の上司たちは、研究員自身の発想で研究を進めることに加えて、利益を生み出す部署の要望に沿った仕事も請け負って社内での存在感を高めていくことが大切であると、考えているのかもしれません。
まとめ
食品会社において研究所や研究員は少数派である。そのことを理解したうえで、自分の本業であるの研究と会社のための仕事を並行して進める。最近はこんなことを意識しながら仕事をしています。
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