先日の記事で、研究職と開発職では仕事内容以上に仕事における目線の違いを書きました。
・研究職:比較的先の未来を見て仕事をしている。
・開発職:比較的直近の対応に目線が向いている。
今回はこの内容の補足です。
前回の記事で、
「研究と開発を両方やっている人もいる」
と書きました。
このタイプの人は、研究的な目線(長期目線)と開発の目線(短期目線)の両方をもっています。
直近の売り上げも意識しつつ会社の未来につながる仕事もできる。
このフレーズを聞くだけでもこの人は優秀そうに聞こえます。
研究職の長期目線や開発職の短期目線も、
偏りすぎるとそれは問題です。
会社全体の利益を考え、長期短期どちらの視点も持って仕事を進めるほうがよいはずです。
今回は、
研究職および開発職が、長期及び短期の両方の目線を持つために意識したほうが良いこと
について、私見を書いていきます。
研究職も開発職も、長期短期どちらの目線も持てるとよい。
研究職:営業や製造の状況など、直近の販売や売り上げに関する情報を知っておく。
研究所は本社や営業部門と立地が離れていることも多く、
会社の業績や営業関連の情報が鮮度よく入ってこない環境になりがちです。
現在の会社の売り上げ状況やそれに関連する課題について知る機会が減り、
この状況が続くとこれらのことに関心が向かなくなってしまう懸念があります。
会社員は、今の会社がどのような状況であるかを把握しておくことも大事な業務の一つです。
特に、研究以外の部署の状況や問題を知ると、
問題解決に対して研究者も意外と貢献できることがあると知ることができます。
私の周辺であった事例ですが、
営業担当の中に製品の品質管理に詳しい人がおらず、
ユーザーからの品質管理手法に関する問い合わせに中途半端な回答をしていることがありました。
この時研究者や技術者が入ったことで正確に回答でき、
問題の解決とユーザーからの信頼を得たというケースがありました。
情報を仕入れておき、
場合によっては適切なサポートを加えることで、
直近の問題解決に研究者として貢献できる場合があります。
これにより、他部署やユーザーからの信頼につながることもあります。
そういった意味でも、営業や製造といった他部署の現状を知って短期目線の視点を育てておくことも大切と思います。
開発職:潜在課題の解決や今後の事業展開について考える時間を確保する。
基本的に営業やユーザーからの問い合わせ対応には短い期限がつきものです
(営業の人曰く、これでもかなり緩めの条件だとか…)。
目の前の対応で忙しくなることが簡単に想像できます。
しかし、開発職という立場で実際に商品などを開発した流れを通して、
既存品の課題や問題点について気づいていることも多いと思います。
今クレームなどの対象になっていないものでも、
この課題を解決することでお客様の見えない不満を解消できる可能性も十分にあります。
また、今後の戦略を踏まえて開発計画を立てることも開発部門の仕事の一つです。
そういった意味で、目の前の仕事と同じくらい今後の計画をする時間を確保してもいいはずです。
期日が迫った仕事は確かにすぐに解決すべきです。
しかし、潜在的な問題課題を優先して解決することで、1年後の売り上げが変わってくる可能性も十分にあります。
重要度で仕事を区別し、
場合によっては緊急ではないが重要な仕事(7つの習慣より、引用)を先に行うなど、
長期的な影響を意識して仕事に取り組む姿勢を持っているといいかもしれません。
自分の仕事に集中しつつ、違う目線も持っていると強い。
実際所属する会社でも、役員や部長クラスの人音頭をとって、
研究職に直近のユーザー対応案件を調べさせる
開発職に潜在課題を見つめなおす時間を設けさせる
といった光景を見てきました。
研究職と開発職は部署こそ違うことが多いですが、
長期目線および短期目線の両方を求めていることように感じられます。
前回の記事の通り、研究職は長期目線の仕事が中心、開発職は目の前の仕事が中心になりがちです。
しかし、ここであえて違う視点を持つようにトレーニングすることで、
周囲の社員とは一味違った目線で仕事ができるようになります。
仕事の幅も広がり、自分自身の価値も上がっていくはずです。
まとめ
・研究職:営業や開発などお客様や売り上げに近い情報も把握し、短期的に会社の力になるという視点も育てておく。
・開発職:潜在課題、今後戦略のなどについて考える時間を設定し、長期的な視野を持った取り組みも増やしていく。
上記を意識することで、自分自身の価値も高まるはずです。
自分は研究職のため、会社の直近の状況をあまり把握せず仕事をしてきたような気がします。
自分の本業は大切ですが、
営業やユーザーからの問題を解決するなど、
短期的にでも会社の力になるという姿勢も持ち続けようと思っています。
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