皆様、自身が使える研究費に満足していらっしゃいますか?
少額にもかかわらず、多くの承認者が必要となり、辟易している方はいませんか?
「研究費の使用」は、研究員自身の権限だけでは進められず
上司や関連部署の承認が必要となる場合があると思います。
特に、金額が大きくなるとそのような傾向があると想像されます。
一方で、
他社では、どのようなルールで研究費が使用されているか、
具体的な情報を目にすることはほどんどないでしょう。
このブログ運営者「とうや」は
2023年4月に研究職から研究職への転職を実現しましたが、
その際驚いたことの一つに、
「研究費使用のルールが、前職と全然違う!」
「え、結構高い金額だけど、承認者1人でいいんですか?」
ということがありました。
そう、研究費の使用ルール、会社ごとに全然違います。
特に、「研究費の使用にあたり誰の承認が必要か、決裁者の権限は上限いくらか」
については、全く違いました。
そこで、「2社でこれだけ違うのだから、多くの会社で聞いてみて傾向が知りたい!」
と思い、
ツイッターアンケートで研究費の使用と承認者数について聞くことにしました。
実際聞いてみると、私の想像と異なる結果も出てきて、非常に面白いものとなりました!
今回は、
「研究費の使用に何人の承認が必要ですか?研究職の皆様に聞きました」
というタイトルで、ツイッターアンケートの結果をまとめました。
おそらく、どの媒体にもない新しい情報だと思います!
他社の研究費事情が気になる方、ぜひご覧ください!
研究費の使用に何人の承認が必要ですか?研究職の皆様に聞きました
上司の承認を得なくても購入できる金額の上限は?
まず前提を確認するために、
「試薬や消耗品の購入には、どの会社も許可が必要なのか?金額別にルールがあるのか?」
ということを確認するアンケートを取ることにしました。
そこでまず
「試薬や消耗品を購入する際、上司の承認を得ずに購入できる金額の条件は?」
というアンケートを、ツイッターで聞き取りました。
結果はこちら↓
約4割の人が「全ての購入において、誰かの承認が必要」と回答した一方で、
金額別にルールが設定されていることも確認できました。
やはり、研究費を使って何かをする際にも、会社ごとにルールの違いがあるようです。
ケース①:15万円の高額試薬を購入する場合
前提が確認できたので、いよいよ金額別にアンケートをとることにしました。
「具体的な金額と実施内容を示し、実施に必要な承認者数を聞き取る」
というスタイルで、ツイッター上でアンケートを実施しました。
ケース①としてまず、
「15万円の高額試薬を購入する場合、何人の承認が必要ですか?」
というアンケートを行いました。
15万円は決して安い金額ではないですし、
社員一人の判断で使用できない会社も多いのでは?と予想していました。
結果は、こちら↓
当初の想像通り、「1人や2人の承認が必要」という回答が圧倒的でした。
15万円は決して安い金額ではないですし、上司1~2人の承認くらいが妥当でしょうか。
一方で驚いたのは、以下の2点です。
「15万円を承認不要で使用できる人が、20%近くいること」
→単純にうらやましい。
「15万円の使用でも、5人以上の承認が必要な人が、10%近くいること」
→もうめんどくさくて研究やりたくなくなるかもしれません(笑)
会社ごとにここまでばらつくのには少し驚きました。
ケース②:50万円の実験機器修理の場合
「15万円を使うには、1~2人の承認が必要」が多数派だったので、
少し金額を上げた場合に承認者数が増加するか?を調べることにしました。
そこで次は、「実験機器修理に50万円かかります、実施には何人の承認が必要ですか?」
というアンケートを取りました。
結果は、こちら↓
「えっ、あんまり変わらない…」
結果を見たとき、びっくりしましたね~
承認不要の人が若干減ったものの、
1~2人が60%という結果は15万円の時と変わらず、
3~5人の割合が少し増えただけでした。
ケース③:200万円の実験機器修理の場合
50万円ではあまり割合に変化が見られなかったので、
さらに金額を上げて変動があるか確認することにしました。
次は「実験機器の修理に200万円かかります。実施には何人の承認が必要ですか?」
という条件で再度アンケートを取りました。
結果は、こちら↓
さすがに、50万円の時と比べて、必要な承認者数は増えました。
50万円の時と比べると、
・0~2人の人が30%いる(50万円では60%程度)
・3-5人の人が約50%(50万円では20%程度)
という変化がありました。
全体的な傾向として、100万円、200万円くらいのスケールになってくると、
執行に向けた手続きが煩雑になってきているようですね。
ケース④:2000万円で試験を外部委託する場合
最後に、大きく金額を上げて聞くことにしました。
「試験の外部委託に2000万円かかります、実施には何人の承認が必要ですか?」
というアンケートを取りました。
結果は、こちら↓
「あれ?思ったほど増えていない…」
確かに、0-2人という少人数の人は10%程度まで減りましたが、
3-5人承認の人たちが約50%という結果は、200万円の時とほとんど同じでした。
そして、6-10人、それ以上、という回答が、それぞれ数%ずつ増加しました。
2000万円へ増額しても、3-5人という結果が多数であったことから、
「各社、研究部門の研究費の使用に関して、承認者は3-5名が上限」
と私はこの結果から考察しました。
想像ですが、研究費という財源である限り、
これ以上金額を上げても承認者数はあまり変わらないのではないでしょうか?
(それとも、1億円以上の案件を研究費だけで処理するケースが多くない?)
調査の限界
今回から、調査の限界についても簡単に書くことにしました(論文みたいですが)。
・回答者が、各設問ごとに異なっている可能性が高い。
・回答者が100名前後のものが多く、日本全体の傾向を示し切れているとは言えない。
・業種間の違い、会社規模の違い、などを考慮できていない。
・回答者の年齢・ポジションが考慮できておらず、承認者数が異なる可能性がある。
・「承認者」の定義が、回答者ごとに異なる可能性がある。
・ツイッターという不特定多数を対象とした調査であり、被験者バイアスがある。
まとめ
「研究費の使用に何人の承認が必要ですか?」というテーマで
金額別にアンケートを聞き取ったところ、以下のような結果が得られました。
・約4割の会社では、試薬や消耗品の購入する際に必ず誰かの承認が必要。
・一方で、15万円であっても多数の承認者を必要とする会社もある。
・金額が高くなるほど、必要な承認者数は増える傾向がある。
・50万円までは1-2人程度、それを超えると5人程度の承認者を必要とする会社が多い。
・「各社、研究費使用の承認者は、3-5人が上限」と想像される。
研究費の使用ルールは、各社違いがあるのは間違いないものの、
具体的な比較はなかなか難しいのが現実です。
そんな中で、(転職に伴う個人的な興味がきっかけではありますが)
各社の研究費使用に関するルールの比較を、ツイッターを使って実施することができました。
おそらくどの媒体にも載っていない情報だと思います。
現役研究職や就活生の方が、研究職全体の傾向を知れる参考情報にしていただければ幸いです。
研究員が自由に使用できる研究費が多い会社の方が、
スケールが大きい研究を実施できるのは事実です。
私も転職により、前職よりも大きな研究費を自身の権限で使用できるようになり、
進めている研究規模も大きくなっています。
自分主導で大きな研究を展開したい方は、
一度他社の研究費情報を集めて比較し、条件が合えば転職を検討することをお勧めします。
私が使用した転職エージェント・転職サイト
今回の私の転職では、
研究費の予算規模が前職より現職の方がはるかに大きく、
結果的に自分が使える予算規模も大きくなりました。
優秀な転職エージェントであれば、
応募する会社の研究費の規模や社内の設備などについても情報を持っています。
私も実際に、転職エージェントから情報を得ていました。
他社の研究規模や設備の状況について情報を集めるという目的だけでも、
転職エージェントは役に立つことがあると思います。
今回の転職で私は、主に以下の2つを併用しました。
(高年収のハイクラス転職を目指したい方)
(大学院卒の強みを生かした転職に特化)
それぞれ用途が違うので、
研究職の方はすべてに登録し、できるだけ早く面談することをお勧めします!
登録と求人紹介はすべて無料です!
転職を希望している方もしていない方も、
早い段階で登録して自分の市場価値や転職可能性を知っておきましょう!
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