皆様、試薬に関するルールは厳しいですか?緩いですか?
毒物・劇物・危険物の管理、試薬在庫の管理、
試薬に関する安全面のルール、発注時の費用の見積もり、など
試薬に関するルールは、実は結構あるのではないでしょうか。
「うちはルールが厳しくて、仕事にならない」
と感じている方もいれば、
「うちはルールが緩くて、法令を守れているか心配」
という方もいるかもしれません。
2023年にこのブログの著者は、
研究職から研究職への転職を実現しましたが、
転職により驚いたことの一つに、
「試薬のルール、全然違う!」
というのがありました。
購入時のルールに始まり、在庫管理の仕方、導入しているソフト、
管理者の人数や役割分担など、
本当にすべてがバラバラでした。
この経験を踏まえて、
「試薬管理のルール、各社全然違うのでは?」と思い、
研究職の皆様を対象に、
ツイッターアンケートで聞くことにしました。
以下のリンクから、私のアカウントを見ることができます。
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その結果、やはり各社ルールが全然違うことが、
よくわかってきました。
今回は、
「企業研究所の試薬ルール、実は各社バラバラ」
という内容で、記事を書いていきます。
雑談ネタになりますが、
他社のルールなどを知る良い機会として、ぜひ読んでみてください。
【大切】企業研究所の試薬ルール:実は各社バラバラ
研究所の試薬管理ルールについて、研究員はどう思っているか?
試薬管理ルールの運用状況が、
研究員の日々の業務に大きく影響しているのは間違いないと思います。
「うちの会社はルールが厳しくて、仕事が進まない、面倒なことが多い」
「うちはルールが緩い気がする。いつか法令違反を起こすのではと、ビクビクしている」
企業ごと、研究員ごとに、いろいろな思いがあるのではないでしょうか?
そこでまず、
「自身の研究所の試薬管理ルールについて、どのように感じていますか?」
というアンケートを取り、皆様の認識について確認しました。
結果はこちら↓
「厳しい」「緩い」「ちょうどいい」、
きれいに3つにわかれました!
各社ルールが異なるという状況ではあるものの、
・会社ごとに試薬管理ルールの運用状況が異なる
・それに対して研究員が様々な思いを抱いている
そのような状況が推察される結果となりました。
試薬管理担当者はいるか?
次に、実際の試薬管理状況について聞いていくことにしました。
各社ルールが異なるため、どのような設問が良いか悩みましたが、
「試薬管理担当者がいるか」「試薬管理ソフトを入れているか」
という答えやすい質問を通して、
企業研究所全体の傾向の把握することにしました。
まずは、
「試薬管理担当者が設定されているか?」
について聞きました。
この担当者は、
「ISOなど、何かしらの社内のルールで設定された担当者」です。
(誰もやってないから、仕方なく俺がやっているんだ…)
という人は、設定されていないということにしました。
結果はこちら↓
「え、試薬担当者を設定していない企業が、半数もあるの?」
今回のアンケートでは、そのような結果になりました。
試薬、特に化学物質を扱う企業では、試薬類は厳重に管理されています。
消防法、毒物劇物取締法など、守るべき法令もたくさんあり、
これを遵守するには専門的な知識を持った人が不可欠です。
各部署に1人、少なくとも研究所全体に1人は運用担当者が必要だと思っていました。
しかし今回、約半数の会社では担当者を置いていないことが分かりました。
個人的には、
「試薬管理の担当者を置かずに、どのように試薬管理をしているのか?できるのか?」
という疑問を抱く結果でした。
試薬管理ソフトは使っているか?
次に、「試薬管理ソフトを使っているか」について聞き取りました。
試薬管理ソフト、調べてみると本当にたくさんのサービスがあります。
こちらのサイトが、内容をまとめてくれていてとても分かりやすいです。
https://www.ipros.jp/cg2/%E8%A9%A6%E8%96%AC%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/
上記のような試薬管理ソフトの各社の導入状況を調べることで、
試薬の在庫をしっかり管理しようとしている会社がどのくらいあるか
を把握できると考えました。
結果はこちら↓
導入している会社は半数にとどまりました。私の予想より少なかったです。
以前、ISOの更新審査の審査官から
「試薬管理、自作のエクセルマクロ、あるいは紙ベースで在庫管理している会社も結構多いよ」
というコメントをもらったことがあります。
今回「いいえ」と答えた中には、そのような会社が多いのかもしれません。
一方で、試薬管理担当者を置いていない会社で
そのような管理ができているかは怪しいなとも感じています。
相見積もりや価格交渉をするか?
最後に、試薬購入時の手続きについて聞いてみました。
試薬といっても、
数千円のものから何十万円もするものまで、
その価格にはばらつきがあります。
特に高額のものの場合、安い代理店から買うために
「相見積もり」や「価格交渉」
をしている方もいるのではないでしょうか。
そこで、
「試薬や物品を購入する際、相見積もりや価格交渉は?」
というアンケートを取りました。
結果はこちら↓
毎回見積もりを取っている会社がある一方で、
必要な時しか見積もりを取らない会社が約半数、
ほとんどとらない会社が約4割という結果になりました。
私は見積もりを取ることが必須の会社で育ってきたので
「え?ほとんど見積もり取らない会社あるの?」
という感想を持ってしまいました。
同じような方はいらっしゃいませんか?
確かに、費用を抑えるために見積もりを取ることは大切ですが、
見積もりや値切り交渉にエネルギーを注ぎすぎて、
実験などの本業の時間が奪われてはなりません。
しつこく依頼することは、
代理店にも不必要な業務を押し付けてしまうことになります。
この辺りはバランスをうまくとって運用していきたいです。
ただ、それが難しいんですがね…
まとめ
・企業研究の試薬管理状況は、各社ルールの厳しさが異なりそう。
・試薬担当者を設定していない会社も結構ある。
・試薬管理ソフトを導入している会社は、約半数。
・試薬発注時に費用の見積もりを取っていない会社も結構多い。
今回の調査から、改めて
試薬に関するルールは各社結構異なっている
ことが明らかになりました。
各社、ルールの設定とその運用については、考え方が異なるようです。
研究員の作業を締め付けすぎず、
無駄な経費を使わないようにコントロールでき、
安全面や法令をしっかり守れるような運用ルール。
難しいですね。
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