食品メーカーの主な事業は、食品を製造販売することです。
会社の多くの売り上げがこの食品事業によってたたき出されますし、
食品の開発・製造・販売などに従事する従業員の割合は非常に多いです。
実際に新入社員の多くは、食品の開発・販売などを志望して入社してきますし、
研究職の同僚もこのマインドを持っている人が多いと思います。
しかし、食品開発やモノづくりに直接かかわらない社員、興味がない社員もわずかながら存在しています。
実は私自身も、食品メーカー勤務にもかかわらず、あまりモノづくりに興味がありません。
入社する前からあまり興味がなく、入社すれば多少なりとも面白みを感じるかなと思いましたが、
工場での生産管理や研究職として働いてきた今でも、
あまり興味が持てずにいます…
しかし、そんな私でもメーカー研究職としてしっかり働くことができています。
確かに、モノ作りに関連する仕事にはあまり関与していませんが、
モノづくり以外にも研究職としてできる仕事はたくさんあります。
興味がないことをやらない代わりに、それ以外の仕事をしっかりこなすことで、
部署や会社の役に立てればと思いながら仕事をしています。
そこで今回は、
「モノづくりに興味がなくても大丈夫!食品メーカー研究職のモノづくり以外の働き方」
というテーマで記事を書いていきます。
記事を通して、
「モノづくり以外でも研究職の仕事はいろいろあるよ」
ということをお伝えできればと思っています。
ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
ただし、今回はメイン業務となりうる仕事を紹介します。
特許出願や論文執筆など、研究職であれば誰でも関わりうる仕事については、外しました。
モノづくりに興味がなくてもOK、食品メーカー研究職の仕事を紹介
例示:食品メーカーでのモノづくり
商品開発
いわゆる、「世に出る商品を規格・設計する人」です。
「開発職」として採用している会社も多いようですが、
研究職の人が一部担当している会社も聞いたことがあります。
研究職・開発職の違いはこちらで紹介↓
処方設計
特に健康食品やサプリメントを作るとき、その配合や副資材の設計をする仕事です。
作り方と出来上がるものに責任を持つ仕事ですので、モノづくりですね。
化学合成・天然物からの成分抽出など
この部分を担当する人は、製造技術の確立とそれにより得られる生成物の品質担保を行います。
作り方と出来上がるものを評価するという意味で、モノづくりですね。
工場での製造方法を検討する仕事
実験室でできたことが、工場設備へそのまま落とし込めることはまれです。
このギャップを埋める役割は、製造を実現するためにも非常に大切な工程です。
これも、モノづくりの仕事です。
モノづくり仕事の共通点
モノづくりの仕事の多くは、以下のようなことが求められます。
①モノを必要としているユーザーの要望を汲み取る。
②要望が実現するような処方・設計を考え、試作や実験をして最適なものを完成させる。
③作業が多いため、安定した作業能力、器用さが必要な場合がある。
私は①と③に若干不安があり、
「誰かのために自分でモノを作ること」にあまり関わりたくないという気持ちがあります。
このような状況でしたので、
研究職に配属されてからは、モノづくりではない仕事を自発的に担当するようにして、
徐々にモノづくり仕事を減らしていきました。
では、どういった仕事があるでしょうか。
モノづくり以外の仕事
ここからは、モノづくり以外の仕事の一部を紹介します。一部は私も実際に行っています。
基礎研究
モノづくりは、いわゆる「応用研究」の範囲に入るものが多いですが、
モノを作る前の技術開発や、食品成分の機能性評価などは、基礎的な研究として扱われます。
これらの内容は、モノを作る事とは少し離れた位置づけの仕事になってきます。
品質管理業務
すでに出来上がっているものや、製造されているものの品質を管理する業務です。
物を作ることには直接関与しない業務の一つです。
臨床試験の計画、運営
健康食品などの場合、食品の機能性・安全性などを評価するために臨床試験を行います。
こういった試験は、すでに販売されている食品を使うなど、自分がモノを作るケースは少ないです。
データサイエンス、統計解析
マーケティングデータ、臨床データなど解析し、
結果をもとに何らかの結論や指針を示していく仕事です。当然、モノは作りません。
現在、食品メーカー(少なくとも私の会社)にはデータサイエンティストが足りておらず、
また転職市場でも争奪戦になっていると転職エージェントから聞いています。
モノづくり以外の仕事をしたい人にとって、狙い目の仕事かもしれませんね。
大切なこと!モノづくり以外の仕事でも、モノづくりや利益を意識する。
直接モノづくりにかかわるわけではありません。
そうはいっても、会社員である以上
売り上げの拡大や自社の利益になる仕事をする必要があります。
上で紹介したモノづくり以外の仕事は、
他部署の人が一度聞いただけでは、会社の利益になるイメージがわきません。
自分の仕事がどのような形で会社に貢献しているのか、常に周りに話をする、
自分のスキルを活かして他人の仕事をサポートし、仲間を増やしていく、
というような努力が必要になるかもしれません。
また、個人的な経験ですが、
モノづくり以外の仕事は、社内で地味で煙たい印象を持たれることが多いので、
そのことも覚悟しておくほうが良いと思います。
表に出てモノづくりをするのではなく、会社のために裏方として活躍する。
そのような気持ちで働ける人は、モノづくり以外の仕事でも活躍できると思います。
まとめ
・研究職でも、モノづくり以外の仕事はたくさんある。
・モノづくり以外の仕事でも、売り上げ拡大など会社のためになる仕事をするように意識する。
・今回紹介したモノづくり以外の仕事の意義は、他部署の人からすると分かりにくい。
・自分の仕事の意義を、周りの人に伝えて仲間を増やしていく必要がある。
「研究職でモノづくり以外の仕事をする人」という立場は、
その存在意義を社内で理解してもらうにはそれなりの努力が必要です。
私も、そのことを頭に入れて行動に気を付けてながら仕事をしています。
自分の働き方と社内での立場をうまくコントロールできれば、
楽しく働くことができるでしょう!
コメント