「新卒採用で有利になる資格は?」といった質問を知恵袋などで見かけます。
早い段階で資格取得やスキルの向上に取り組み、
少しでも就職活動を有利に進めたいという学生も多くいらっしゃると思います。
私も自分の就職活動時には同じように考えていました。
この疑問は、研究職を希望する就活生でも同じでしょう。
しかし、結論からいうと、
「内定獲得のために資格を取ることはあまりお勧めしない」
「研究遂行能力など、身に着けるべきスキルは他にいろいろある」
と私は考えています。
今回は、「研究職の新卒採用で活かせる資格やスキルはある?」について書いていきます。
個人的には、就職活動を有利に進めるためではなく、
就職後の自身のキャリア形成も視野に入れながら、スキル取得を進めてほしいと考えています。
研究職に興味がある方は最後まで読んでみてください。
研究職における資格・スキルの考え方と、おすすめスキル。
内定獲得だけを目的とした資格・スキルの取得は、あまりお勧めしない。
研究職の新卒採用で活かせる資格はあるのか?という質問へは、
「内定獲得の決め手になるような資格はほとんどない。」
と回答します。
そのため、「内定を得るために資格を取る」という戦略は、
新卒採用においてあまり効果的ではないでしょう。
確かに、一部専門性の高い業界の研究職を希望する場合、
特定の資格の取得が求められることがあります。
しかし、そのような条件は採用前の事前調査で分かるはずで、
必要な場合のみ取得を目指せばよいでしょう。
特定の資格を取って就職活動を有利に進めるという考え方は、
個人的にあまりお勧めしません。
研究職であっても、新卒採用はポテンシャル重視の傾向。
現実として、日本の新卒採用はポテンシャル採用が中心です。
それは、大学院卒が中心となる研究職においても同様の傾向があります。
大学院までで身に着けた専門知識や専門スキルよりも、
その人の性格や会社との相性が重視される傾向が強いです。
会社によっては、研究職や理系総合職の採用にもかかわらず、
研究や理系出身者がES評価や面接を担当していないこともあります。
このような会社が、専門性や資格を評価項目に入れている可能性は低いでしょう。
もちろん、すべての会社がそうではないですし、
一つの会社の中でも、特定の技能をもつ学生を採用する枠を別に設けている場合があります。
ただし現実として、特に典型的な日系企業の場合、
専門性や資格ではなく、学生のポテンシャルに注目した採用が行われています。
ポテンシャル採用という採用基準でにおいては、
以下の条件を満たせていれば、ある程度スタートラインには立てるでしょう。
・修士号(場合によっては博士号)
→学部卒での研究職採用はかなり狭き門となるため、詳しくはこちらの記事
・修士課程修了に十分に値する研究経験
・出身大学・大学院(学歴フィルターが設置されている企業を受ける場合)
そのため、新卒採用のためにではなく、
その後の業務遂行や自分のキャリア形成を考慮したうえでの資格やスキルの取得をお勧めします。
学生のうちに身に着けておいた方がいいスキル
内定獲得を目的に具体的な資格を取得する必要はないですが、
就職後に活躍できる下地を作っておくことは大切です。
そのためにも、以下のことを身に着けておくことをお勧めします。
・基本的な研究遂行能力。
・英語能力を示すもの(TOEIC、TOEFLなど)
・プログラミングスキル
基本的な研究遂行能力を高めておく。
これは言わずもがなで、必ず持っておくべき最低条件の能力です。
研究職は、自分で研究を遂行できなくてはいけません。
研究を進めるには、以下のように様々な能力が求められます。
事前調査、立案、試験計画、データ解析、
ディスカッション能力、プレゼン能力、文章力
学部・修士・(場合によっては博士課程も)で本気で研究に打ち込み、
上記の能力を磨き上げておきましょう。
就職活動中だけでなく、就職後の業務遂行にも大きく関わってきます。
英語能力を示すもの(TOEIC、TOEFLなど)
研究職たるもの、ある程度英語ができなくてはいけません。
英語力といってもいろいろな評価軸がありますし、
TOEICやTOEFLの点数がそのまま英語力を示すわけではありませんが、
依然として多くの日系企業がこれらのスコアを指標としています。
こと就職活動において、
これらの試験で高いスコアを持っていることが不利に働くことはありません。
少しでも不利な状況を回避したいという目的で、
TOEICやTOEFLに取り組んでおくことはアリでしょう。
私は、TOEICやTOEFLの専用教材を使って対策をしていました。
ただし、これらのスコアがそのまま仕事の英語スキルに直結するとは限りません、
スコアをとることだけに満足せず、
就職後も常に英語に触れておき、スキルを維持・向上させておく必要があるでしょう。
プログラミング
これは、最近になって特に実感しています。
近年、食品企業の研究活動においても
ビッグデータの取り扱い技術やそれを適切に処理する統計知識が求められています。
マイクロアレイやショットガンシーケンスなど技術の発展によりビッグデータ取得が容易になり、
ビッグデータを研究やビジネスに転用できる人材が求められるようになってきています。
その際に必要となるスキルが、プログラミングです。
しかし、直近数年で入社してきた社員までは、
プログラミングに親しんできた学生の方が少数派です。
特に食品会社では、
「生化学や食品学の背景知識を持ち、それを活かしてデータを扱えるデータサイエンティスト」
の需要はものすごく多い一方、供給が少ないのが現状です。
一定のプログラミングスキルを持ち、背景知識を活かしたデータ解析をできる人材になれば、
研究職に就けた後に特に重宝してもらえるかもしれませんし、
転職活動時に役に立つでしょう。
プログラミング初心者が学ぶサイトとして、
興味のある方はこちらのサイトから覗いてみてください。
研究職を志望する学生にお勧めするサイト
研究職を中心に就活を目指している学生の方は、理系学生の就活に特化しているアカリクも参考にしてみてください。
私も、就活情報を得る一つの窓口として、リクナビ・マイナビと併用して使っていました。
まとめ
・研究職での新卒採用でにおいて、資格取得はあまり必要ない。
・研究職も依然としてポテンシャル採用の傾向があり、修士号と一定の研究能力があればスタートラインには立てる。
・研究遂行能力、英語力、プログラミングスキルがあると、就職活動以上に入社後の業務や転職活動において重宝されるかも。
内定獲得を目的とした資格取得は、あまりお勧めしません。
その代わり、研究に真剣に向き合って研究遂行能力を高めておき、
なおかつ英語力やプログラミングスキルをある程度身につけられれば、
就職活動だけでなく、その後の自分のキャリア形成を有利に進められるでしょう。
研究職の就職活動全体に関するアドバイスはこちら
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