【要チェック!】研究所見学で観察してほしいポイント

就活で内々定を獲得した後は、

会社から宿題が与えられたり、内々定者を集めた懇親会に招待されるなど、

様々なイベントが待ち構えています。

 

その中の一つで、特に研究職や理系総合職を対象に行われやすいイベントとして、

研究所見学があります。

 

研究所見学については、以前の記事で選考途中に組み込まれていることもあることを説明しました。

就活生向け:研究所見学はできるだけたくさん参加しよう!

https://researcherinacompany.com/recruit-2/

選考中に研究所には、できる限り参加したほうが良いと私は考えています。

見学することによって、その企業の選考を続けていくかを判断する材料を手に入れられるからです。

 

一方で、内々定獲得後に行われる研究所見学の場合、選考中とはまた違う目線でじっくり観察できると思います。

内々定を持っているので選考への影響を心配せずリラックスして参加できますし、

選考時より冷静に客観的に見学ができるかと思います。

 

その中でも特に大事なのは、

「自分がこの研究所で仕事をしてみたいか、ここで働くイメージを持つことができるか」

ということだと思います。

 

そのためにも、以下のポイントを参考に研究所を見学し、

せっかくの機会をより自分もためになるものにしてほしいと思っています。

 

今回は、「研究職内定後によく見てほしい:研究所見学で観察してほしいポイント

という内容で記事を書いていきます。

 

研究職や理系総合職を目指す学生の参考になればうれしいです。

研究職内定後によく見てほしい:研究所見学で観察してほしいポイント

研究所の建物のつくり

当然、新しく・立地もよく・安全な建物の方が理想的です。

仮に現在の建物が古くても、近い将来移転の可能性があるのであれば、それを待つという手もあります。

しかし、その場合は引っ越しにかかわる実務をご自身が担当する可能性が高いことも念頭に置くといいでしょう。

 

実験室の設備(新しい機器などが導入されているか)

研究活動は、世の中の科学の進歩についていきながら、自分たち独自の成果を出していく活動です。

基本的には、最新の機器を活用した研究開発ができる環境であるほど、

より価値が高い研究成果を得られる可能性があるでしょう。

 

また、最新の機器や設備を複数備えているということは、

その研究所がそれらの機器を導入できる予算規模で動いていることを意味しており、

他のプロジェクトにもある程度お金をかけられていることを示唆しています。

 

研究にはお金がかかります。

大事なところにしっかりお金をかけられている研究環境で働くためにも、

見学する研究所の設備状況をしっかり見ておくとよいでしょう。

 

社員の顔つき・雰囲気

おそらく、内定者への説明などに何名かの社員が登場してくると思います。

基本的に、それらの方は外部対応をしても問題ないと判断されている社員ですので、

その方々の話し方、雰囲気、顔つきに違和感を感じたら、そのことは覚えておきましょう。

 

また、見学中に廊下ですれ違う社員などがしっかり挨拶をしてくるか、

話し方、顔つき、振る舞いに違和感を感じないかも見ておきましょう。

 

ここで会う人は一緒に働く可能性がある方たちです。

「この人たちと一緒に働くこと」をイメージできるのであれば、大丈夫だと思います。

 

事務所・実験室の雰囲気

研究所見学の対応には登場しない社員たちの雰囲気も気になるところです。

これについては、事務所・実験室・作業室を見学する際にそれとなく観察してみましょう。

 

作業中の人たちは、対応している社員と比べて若干油断しており、

よくも悪くもいつも通り仕事をしてます。

いつも通りの雰囲気を知る場面としては、事務所や実験室にいる社員の表情や動きを見るのがよいでしょう。

 

明るくワイワイしている、おとなしくて落ち着いて作業しやすそうなど、

自分に向いている環境かどうかを確認するだけでも、働くイメージを持ちやすいかと思います。

社員の年齢層

社員の年齢層や年齢構成も確認しておくといいでしょう。

 

若い社員がとてもたくさんいる場合、

一緒に働く先輩が多くとても働きやすい環境と想像されます。

しかし、15~20年後の出世のライバルにもなる人が多いことを意味しており、

会社に残る場合の社内での生き方はいろいろ考える必要があるかもしれません。

 

一方で、若い人が少なくベテランの方々が多い場合、

入社後の実務部分を教えてくれる身近な人が少ない可能性があり、

自分自身でいろいろ試行錯誤していく場面が増える可能性があります。

 

社内で味方を見つけるのに苦労するかもしれませんが、

その分自分一人でできることが増え、成長できやすいかもしれません。

作業着・作業服

作業着・作業服がカッコいいorダサいというのも、

モチベーションに大きく関わってきます。

 

多くの研究所では、会社指定の作業服などが支給され、研究所内ではそれを着て活動します。

来客対応なども作業着のまま行うことも多いです。

 

ダサい服でもずっと来ていると慣れてしまいますが、

そんなに入りたくない会社でどうしても来たくない服をわざわざ切る必要もないです。

あなた自身が、ここで働き、研究したいと思うか

そして何より大事なのが、あなたがこの研究所で働きたいと思うかどうかです。

 

「ここでは働きたくない」と感じている場合は、その感情は大切にしましょう。

特に、研究職採用の方はこの研究所で働く可能性が高いため、なおのことこの感情は大切です。

 

確かに、新卒採用後の配属先は会社が決めるため、あなたがこの研究所で働くかどうかはまだ分かりません。

そのような状況ですので、研究所の雰囲気が合わないという理由だけで内定を辞退するという選択は時期早々です。

働き始めてれば感じるものは変わるかもしれないという考え方も、当然あるでしょう。

 

一方で、最初の印象は時間がたってもなかなかぬぐえないものです。

どのような大企業、どれだけ新しい研究所や設備であっても、

自分のフィーリングと合わないことは十分あり得ますし、

働き続けても何となくしっくりこないと感じるかもしれません。

 

自分に合わない環境でずっと働く必要はありません。

時間とともに精神的につらくなってくる場合があります。

まとめ

・選考中も内々定後も、研究所見学にはできるだけ参加してほしい。

・研究所見学では、自分がここで働くイメージができるかを、意識して見学してほしい。

・建物、設備、雰囲気、作業着など、見学でしか見れない情報も多いので、貴重な機会になる。

・第一印象が自分のフィーリングに合わない場合は、その気持ちは大切にしてほしい。(だからといって、すぐに内々定辞退などをする必要はない。)

 

自分がこれから働くかもしれない職場を見学できる貴重な機会ですので、

しっかりと自分の目に焼き付け、

自分がここで働くイメージができるか、自分に問うてみるといいでしょう。

 




研究職が企業で論文を書く:投稿までに乗り越えなくてはいけない壁とは?

企業で論文を書くとき、アカデミアとは違った苦労があります。

 

企業においても、研究職が論文を書いて投稿することはたまにあります。

このブログの執筆者である私も、

昨年末より、業務の一環として学術論文を投稿する機会があり、先日無事に受理されました。

 

大学・アカデミアでは、学術論文を出すことそのものが一つの目的となっており、

学生や研究員が論文を書くことに対して、基本的に支障は少ないです。

一方で、企業で論文を出すときには、アカデミアとはまた違った部分で超えるべきハードルがあります。

企業と共同研究を経験された方は、論文投稿前にさまざまな調整業務が発生することを身をもって体感したかもしれませんね。

 

今回私が論文を出すと決めるときにも、

論文を書くことと並行して、いくつかのハードルを越えるための手続きを進めていました。

その中にはなかなか骨の折れるものもあり、企業で論文を出すことの難しさを感じました。

 

今回は、

研究職が企業で論文を書く:投稿までに乗り越えなくてはいけない壁とは?

という内容で書いていきます。

 

現在企業で研究をされている方は、私と同じような状況を経験する可能性もありますし、

将来企業で研究したい学生の方は、初めて聞く内容が多いかもしれません。

1人の研究職の経験ですが、ぜひ参考にしてみてください。

研究職が企業で論文を書く:投稿までに乗り越えなくてはいけない壁

論文を出すことで会社が得られるメリットは何か、説明できるようにしておく。

そもそも、会社の業務の一環として論文を出す場合は、労働時間の一部を論文投稿準備に充てるという扱いになります。

 

業務として行う以上、

その論文が会社にとってどういったメリットがあるのか、会社側に説明できなくてはいけません。

上司や会社が、この論文投稿が会社にとって良いものである・重要であると判断した場合に、

初めて論文の準備を進めることができます。

 

今回の私のケースをざっくりと説明すると、

ある食品を使った臨床試験の結果が良好で、この内容を論文するというものでした。

論文受理により、この食品に関する機能性表示食品届出資料に使うことができ、

届け出受理によりこの食品の付加価値化につながり、商品が売れるなど会社に貢献できる

ということを、会社にとってのメリットとして伝えました。

 

このように、論文を一つ書くだけでも、

会社へのメリットを説明できるようにしておく必要があります。

知的財産の出願は終えているか、これ以上出願できる内容は残っていないかを確認する。

企業では、研究成果の公開のまえに、

特許などの知的財産が優先されます。

そのため、一定の成果が出た段階でまずは特許の準備を最初に行い

論文などの外部公開はそのあとに取り組みます。

 

基本的に企業の研究者は、研究立案段階から取得できる知的財産を想定しており、

その知的財産が会社のどういった優位性につながるかも、事前に検討しています。

 

知的財産に関する取り組みが一通り決着した段階で、論文化などの外部公開を検討します。

 

ところが、研究結果が当初の想定と異なっていることも頻繁にあるため、

知財戦略もその都度見直しをしていきます。

十分検討したつもりでも、まだ知財化できる余地が残っていることもあるからです。

 

そのため、論文などで外部公開をする前に、出願余地がないか徹底的に調べ、

問題ないだろうと判断した後に初めて、外部公開に向けた準備に取り掛かかることができます。

論文に掲載されるデータは、外部に公開して問題ないか、関係各所に確認する。

基本的に、研究成果から得られた知見は、以下のような扱いをすることが多いです。

 

①自社が独占的に使えるように、知財等の権利化を進める。

②ライバル企業などに情報が漏れないよう、ビジネスが完成するまで外部には出さない。

③成果を外部へ発表することで、会社のPR・販促・ブランド力アップなどにつなげる。

④ビジネスをするうえで必要不可欠という理由で、外部へ公開する。

 

企業での研究成果は①や②の扱いをされることが多い一方で、かなりインパクトのある結果やビジネスに直結する内容の場合、③のようになることもあります。

また、トクホ・機能性表示食品など、査読付き論文が必須な場合は、④のような扱いをすることもあります。

 

上記の中で、論文を執筆できる可能性があるのは③と④の場合です。

ただしどちらも、最初に示した「会社にメリットがある」という前提が必要です。

 

やっと論文を準備できますが、

この時、論文に載せるデータは外部公開してよいか、関係各所へ確認しておく方が賢明です。

書いている本人にとってはとても重要なデータでも、

会社の他部署の人にとっては都合が悪い(公開されると困る)という状況が、生じうるからです。

社内の思わぬところからクレームをつけられると、とても大変です…

 

大変面倒くさいですが、関係者には論文投稿の旨と内容を事前に共有しておくほうが良いでしょう。

英文校正・投稿・出版にかかる費用を、予算として確保する。

ご存じの通り、論文の投稿から公開までには様々な費用が掛かります。

この費用がしっかり捻出できるよう、事前に予算を確保しておきます。

 

私もアカデミアにいた経験がありますので、

投稿先によって投稿料や規定が違い、どのくらいの費用が掛かるかは流動的であることは理解しています。

しかし、企業の中で(特に予算を管理しているような人たちに)このことを理解してもらうのはほぼ不可能です。

「論文投稿に必要になったからお金出して」というお願いは、聞いてもらえないこともあるようです。

(私の先輩が、投稿料が準備できないという理由で、アクセプトから公開まで半年かかったことがあります。)

 

論文を投稿する可能性が少しでもある状況であれば、

可能な範囲で事前に必要な予算を確保しておくほうがよいでしょう。

共著者を選定する。

正直、私の会社ではこの点はあまり問題はありませんでしたが、

twitterなどを見ていると、ここで揉めている話をよく目にします。

 

基本的に、研究への貢献についてはアカデミアと同じように考えればよいはずですが、

一方で社内政治を考慮しなくてはいけないこともあるようです。

この辺りは、うまくやるしかないですね…

上記を踏まえて、上長の承諾を得る。(どの役職まで承諾が必要かは、状況による)

これらの準備ができてきたら、必要に応じて上司や上長の承認をとっていきます。

別途文書や説明が求められることもありますが、ここは面倒くさがらずにがんばりましょう。

どの部分に対してどの役職まで承認が必要であるかは、会社によってルールは違うでしょう。

 

私の会社の場合、

投稿することそのものについては、共著者、私の直属の上司、研究所長までの承認が必要で、

それにかかわる予算の執行については、研究所長と常務クラスの承認が必要でした。

 

論文を出すための最後のプロセスですので、頑張ってやり切りましょう。

まとめ

・研究職が論文を書くとき、論文を出すことで会社が得られるメリットは何か、説明できるようにしておく。

・知財について十分検討してから、論文を投稿する。

・データを外部に公開してよいか、関係各所に確認する。

・予算を確保する。

・投稿に関して、必要な承諾を得る。

 

大学の研究室であれば、学生本人・指導教官・ラボのボスあたりの許可が取れれば、

あとは論文を書くことに集中できると思います。

 

一方企業では、論文を書くことと並行していろいろな準備をしていく必要があります。

会社によって違う点も多いと思いますが、ご参考になればと思います。

 

関連記事は、こちら

企業で論文を書く目的:企業では論文を書くことがゴールではなく、その先の目標も大切。

https://researcherinacompany.com/research-paper/



研究職の転勤・人事異動:研究所から異動した人の職種と、研究し続けたい人がすべきこと。

研究所から異動したくない!転勤したくない!

そのように考えている方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

 

日本の多くの企業では、

4月に合わせて組織改革や人事異動を実施しています。

私が所属する会社でも、今回の人事異動が少しずつ明らかになってきています。

 

誰が出ていき誰が来るのか、どこへ行ったのか、

自分の上司は変わるのか、その上司はどんな人か、

人事ネタは社員間でも一番盛り上がるネタといっても過言ではありません。

 

私と一緒に働いている研究職からも、

今回のタイミングで数人が異動となります。

研究所の同じ部署で一緒に働いていた上司・先輩・後輩ですが、

転勤先、異動先の職種はそれぞれ違います。

 

一度研究に従事した社員がどういった先へ異動していくのか、

研究職を志望する学生の方は、

研究職のキャリア形成を考えたときに気になるでしょうし、

研究職で働いている方は他社の事情について興味があるかと思います。

 

そこで今回は、主に私が所属している会社の事例を中心に

研究所で働いた人の転勤・異動先について書いていきます。

 

当社のケースが他社と比べて特殊なのか、一般的なのかは分かりませんが、

皆さんの参考になれば幸いです。

前回記事を見ていない方は、こちらをご覧ください。

研究職の人事異動:研究職の異動先や、研究所へ異動してくる人の所属元をまとめました。

https://researcherinacompany.com/research-9/

研究所から転勤・異動した人の職種・業務

研究内容が活かせる職種:商品開発、工場、技術営業、知的財産

研究内容が会社に基幹事業にかかわっている場合、

社内には関連部署が数多く存在しています。

 

研究対象のものを使用した商品開発部門、

製品を作る工場、

製品の技術サポートを担当する営業、

研究成果や製品にかかわる知的財産を管理する部門

などでしょうか。

 

このような部署であれば、

研究で身に着けたスキルや知識が活かして

異動先でも頑張ってほしいという、

前向きな異動が含まれることも多いでしょう。

これまでの研究内容と関係がない職種:生産管理、営業、など

一方で、

研究内容とは全く関係ない部署へ異動する人もいらっしゃいます。

研究所所属が短い若手は、

「研究以外で頑張ってほしい」というニュアンスで異動していくことがあります。

単純に他の部門で人手が足りていない場合、

その補充を目的に若手が異動させられるシーンも見てきました。

この時、

若手であってもすでに実績があったり将来性や抜群な場合、異動対象になりにくい傾向がある気がします。

 

また、研究所所属がとても長い方が異動する場合もあります。

この場合、前向きな異動はあまり多くない印象です。

 

出世争いから脱落し、関連部署や関連会社へ出向となったり、

研究はもう若手に譲り、管理職が少ない部署のサポートに入ってほしかったりなど、

研究からの離脱をほのめかされている異動が散見される印象です。

 

このように、研究所からの異動といっても、

その時の立場や異動先などによって、

そのメッセージはかなり違ってきます。

所属部署が閉鎖される場合、無関係な部署へ異動する人が多発する。

私が所属する会社では、数年前に研究所の組織改革を行った際に、

研究と無関係な部署へ異動する人が多発しました。

 

研究部署の閉鎖は、

その部署の研究は今後会社に必要ないということを意味します。

そして、その分野でキャリアを積んできた研究職の社員は、その仕事に従事する権利を取り上げられてしまいます。

残された道は、

社内の別部署へ異動して活躍することか、

転職することの大きく2つに絞られます。

 

日本の会社は簡単に社員を解雇できませんので、

閉鎖する部署に所属していた社員の多くは、別部署への異動を言い渡されます。

研究所内の他部署も異動先の候補となりますが、

受け入れられる人数には限界があります。

その結果、その受け入れ人数からはみ出てしまった人は、、研究とは関係ない社内の別部署への異動となります。

当然、研究してきた内容が活かされにくい部署の可能性が高いです。

 

研究業績や会社への貢献が十分で今後も研究分野での活躍が見込める人や、

社内の付き合いがうまく無下な扱いを受けにくい人などは、

引き続き研究所へ残れる可能性が高いです。

 

一方、上記に当てはまらない人は、研究所以外への異動の可能性が高く、

その異動先はこれまでの経験が活きないような部署になるでしょう。

 

研究部署の閉鎖は、会社の事情で事前通告なしに決まることも多く、

かなり注意深くアンテナを張っていないと

一般社員ではなかなか気づけないです。

 

研究に関わり続けたい人にできること

このような外的要因にも対応できるよう、

危機感を感じた人は日頃から以下の取り組みを考えてみてください。

・仕事でしっかり結果を出し続ける。

・仕事をしつつ、業務以外のことも勉強して研究者としての研鑽を怠らない。

(私は、プログラミング、統計解析、本ブログ運営などに取り組んでいます。)

・転職エージェント、転職サイトなどに登録し、外に出られる準備をしておく。

(私は、JACリクルートメントに登録しています。)

また、また、大学院卒の就活・転職に特化した

アカリクキャリアというサービスもあります。

 

他の会社の状況が気になった人は、

一度転職エージェントへ相談することをお勧めします。

私が使用した転職エージェントは主に以下の2つです、

転職を考えている方は、

以下のリンクをクリックしてブックマークへ登録し、

できるだけ早く転職エージェントとの面談を設定してみましょう。

話を聞くだけでも、新しい発見があるはずです!

 

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

まとめ

・研究所から異動した人は、研究してきた内容に関係する業務に就ける人もいるが、全く関係ない部署へ異動させられることもよくある

・所属する研究部署が閉鎖される場合、無関係な部署へ異動する人が多発する。

・研究関係の仕事を続けたい人は、結果を出し続けることに加えて、自己研鑽や転職情報収集など、万が一に備えた対策も大切。

 

私もいつ異動させられるかわからず、常にドキドキしています。

このドキドキを緩和させ、

いざというときに自分の意思で決められる選択肢を増やすために、

仕事で結果を出すこと、自己研鑽、情報収集を進めています。

 

自分の人生を不本意な異動で狂わされないよう、準備しておくといいでしょう。

 

研究職も転職できる

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



研究職の就活:OBOG訪問前にお願いしたいことパート2

毎年1月から5月くらいにかけて、

出身学部・大学院の後輩からOB,OG訪問したいという連絡をもらいます。

 

以前は、直接会うには距離が遠い方が多く、実施回数は少なかったですが、

コロナ後はwebでの実施が普及し、実施回数が増えてきています。

 

出身学部が生命科学系の学部ということもあり、

連絡してくれる学生の多くが、食品・製薬などの研究職や理系総合職を希望しています。

 

さて、これまでに20回近くOBOG訪問を実施してきましたが、

お会いする学生の態度・準備状況次第で、内容の質が大きく変わってきます。

 

せっかく機会を設けた以上、学生側も社員も満足できるような内容にしていきたいですよね?

 

そこで、前回の記事では、OBOG訪問前に就活生の方にお願いしたいことを3点書きました。

研究職の就活:OBOG訪問前にお願いしたいことパート1

今回は、OBOG訪問前にお願いしたいことパート2として、前回の続きを書いていきます。

OBOG訪問を検討している方は、

この記事を参考にして、OBOG訪問を充実したものにしてください。

研究職の就活:理想のOBOG訪問パート2

第一志望ではない会社であっても、OBOG訪問してもらって構わない。

私自身、「OBOG訪問をする=その会社が第一志望でなくてはいけない」とは思っていません。

仮に就活生本人の第一志望は他の企業であっても、

その企業と同じ業界の人から話を伺うことができれば、

その情報を第一志望企業の対策に活かすことができます。

 

また、話を聞くことでその会社に対してポジティブなイメージを持つことができれば、

志望企業の数が増えて納得できる内定を得られる可能性が上がりますし、

もしネガティブイメージを持った場合は、その企業へエントリーする手間と時間を省くことができます。

 

訪問することによって得られるものは非常に大きいので、OBOG訪問の会社の志望度にかかわらずぜひアポイントを取ることをお勧めします。

社員に向かってわざわざ「第一志望ではない」と言う必要はありませんが、

社員側もその可能性は分かったうえでOBOG訪問を受けているケースがほとんどです。心配は不要です。

ぜひご自身の就活を有意義に進めるうえでも、機会があればOBOG訪問をしてみてください。

 

ただし、以下のケースでは少し状況が変わります。

 

①訪問するOBOGが会社の重役などの場合

②OBOGがリクルーターとして面談する場合

 

上記の場合、OBOG訪問そのものが面接に近い位置づけになってしまう可能性があるため、

発言には慎重になった方がよいでしょう。

 

直接採用にかかわっていないOBOGであれば、ある程度フランクに話をしても問題ないと思います。

第一志望でない会社であっても積極的にアポイントを取り、

自分の就活に役立つ情報が得られるよう、いろいろ質問してみてください。

 

就活生自身のことを話してもらえると、働くイメージ踏まえたアドバイスができる。

こちらも積極的に情報を開示することもあり、

就活生側にもある程度自身のことを話してもらうようにお願いしています。

 

私がOBOG訪問を受けるときは、聞かれたことは基本的にすべて答えます。

お話しできない内容の場合は、その旨をしっかり学生に説明しています。

また就活生側にも、就活生自身の就活における軸や考え方を、一通り話してもらうようにお願いしています。

その理由は、就活生の考え方を知っておいた方が、働き方のイメージを伝えながらアドバイスできるからです。

 

各会社がどのような基準で学生を見て採用しているか、

学生だけでなく若手社員もはっきりとは分からないところがあります。

 

一方で、その会社の社員であれば、

「この学生、この部門なら活躍できるかも」という感じで、漠然としたイメージを持つことはできます。

そのイメージを学生にお話しできれば、

聞いた側の学生もその企業で働くイメージを少しでも持つことができるでしょう。

 

社員側がそのイメージ膨らませるためにも、学生自身の就活における軸や考え方を教えてほしいと思っています。

 

就活生にとっては、内定を取ることも大切ですが、内定後にその会社でどのように働くかも同じくらい大切なはずです。

ぜひ、就活における自身の軸や考え方を社員に伝え、その会社で自分が働くイメージをその社員から教えてもらいましょう。!

現在の研究内容についても簡単に教えてほしい。

特に、研究職を志望する学生の方には、現在の研究内容について簡単に紹介してもらっています。

理由としては、以下のようなものがあります。

・学生時代の研究に近い仕事を志望している場合、その実現可能性についてコメントできる。

・学生時代に学んできた内容が活かされそうな職種・場面が会社の仕事にあれば、例示できる。

 

特に研究職を志望する修士課程や博士課程の学生の場合、企業の求めるニーズとのマッチングがある程度大切になってきます。

ご自身の研究テーマ、スキル、考え方などを伺うことで

会社で活躍できる場面を想定しながらお話しするように意識しています。

 

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、理系学生の就活に特化しているアカリクも参考にしてみてください。

私も、就活情報を得る一つの窓口として、リクナビ・マイナビと併用して使っていました。



まとめ

・第一志望ではない会社であっても、OBOG訪問してもらって構わない。

・就活生自身のことを話してもらえると、具体的なアドバイスがしやすい。

・現在の研究内容についても簡単に教えてほしい。

 

(少なくとも私は、)OBOG訪問をしてくる学生には、できるだけ正直に誠実に対応しようと心がけています。

話せないこともありますが、できるだけ学生側が期待する情報を提供するように心がけています。

多くのOBOGは、こういったスタンスで面談を引き受けてくれているはずです。(と信じています。)

 

そのようなOBOG側のスタンスも頭に入れて、

就活生側もできるだけ事前準備を行ったうえで、訪問に臨んでください。

訪問の際は、あまり緊張せずにお話しできると、

場の雰囲気も良くなり、結果としてほしかった情報が手に入りやすくなると思います。

 

就活生の皆さん、大変なことは多いと思いますが、頑張ってくださいね!

 

研究職の就活に関する記事はこちら

研究職希望者向け:就活・内定に向けてに役立つ記事まとめ




【年収とエリアはよく考えて!】研究職の転職活動での転職エージェントからアドバイス

2022年1月より、

食品会社研究員の私の市場価値を知り、案件次第では転職を視野に入れることも考え、

転職エージェントに登録して話を聞くという活動を始めています。

 

会社内のフィードバックだけでは自分の価値が分からず、客観的な評価を聞きたい。

自分はどういったことを身に着けていけば市場価値を高められるのか。

 

この2つについて意見を聞き、必要なところは自分に取り入れることで、

研究者として生き延びることを目指しています。

 

最近JACリクルートメントの担当者と電話面談を行い、

求人が出ている企業の地域と年収に関してアドバイスをもらう機会がありました。

 

これまで、研究職の年収について企業の地域との関係を考えたことがなく、

新しい考え方を知ることができたので今回まとめることにしました。

 

今回の記事では、

研究職の転職活動:年収と地域について転職エージェントからアドバイス

というタイトルで記事を書いて聞きます。

 

今回面談したJACリクルートメントについては、こちらをご覧ください。

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

研究職求人の、地域と年収

ここからは、面談した転職エージェント個人の意見が多く含まれますので、ご了承ください。

年収に関する地域と年収の傾向は、通常の求人と同じで、

首都圏では年収が高く、地方へ行くほど年収が下がる傾向があるそうです。

首都圏 → 関西・中京圏 → その他地方 といった順番で

年収はどうしても下がってしまうそうです。

 

転職エージェントに、以下の条件でおよその目安を紹介してもらいました。

(条件)

・研究開発職、30代

・管理職手前での採用、マネジメント経験をあまり問わない求人

・業界は問わない(製薬、化学、食品、化粧品など、あらゆる業界を含む)

 

上記の条件でおよその目安を聞いてみると、以下のような感じとのことでした。

(下記はエージェント個人の意見です、詳細は各求人情報をご確認ください。)

〇首都圏:年収500-1000万円程度

〇関西・中京圏:年収450-850万円程度

〇その他地方(主に福岡、札幌、仙台):年収400-750万円程度

 

研究職においても、首都圏に行くほど年収が高く、地方に行くほど下がっていく傾向があるようです。

 

年収の決まり方は、企業ごとにいろいろな事例がある。

ただし、上記は全体の傾向を示しているにすぎず、

企業を個別にみていくと様々なパターンが見受けられます。

 

例えば、以下のようなケースもあります。

①本社が東京、研究所が地方、研究員は総合職採用

他の総合職と給与体系が同じで、年収が高水準。

 

②本社は地方だが、研究所が神奈川・千葉・埼玉などの首都圏

本社の拠点の年収水準に加えて、首都圏勤務者には地域手当で対応する。

 

このように、企業ごとに給与体系は様々であり、

全体の傾向と一致しない企業も数多く存在すると思われます。

 

また、企業の給与にかかわる内容は実際に入社しないとわからないことがほとんどです。

このような細かい点は、事前にエージェントや内部の方にヒヤリングすることでしか情報を得られないのかもしれません。

 

まとめ

・研究職においても、年収と地域ではある程度相関がありそう。

・首都圏ほど年収が高く、地域に行くほど下がっていく傾向がある。

・企業個別にみていくと、様々な事例がある。ただ、入社しないとわからないことがほとんど。

 

研究職として年収の高い企業で働きたいのであば、

勤務地域にこだわらないのであれば、首都圏勤務を狙うのが良いかと思います。

 

ただし、企業の個別事情は入社しないとわからないということは、

再度ご説明しておきます。

研究職も転職できる

著者はこの記事を投稿した約1年後

研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/

 




研究職の就活:OBOG訪問前にお願いしたいことパート1

毎年1月から5月くらいにかけて、

出身学部・大学院の後輩からOB,OG訪問したいという連絡をもらいます。

 

以前は、直接会うには距離が遠い方が多く、実施回数は少なかったですが、

コロナ後はwebでの実施が普及し、実施回数が増えてきています。

 

出身学部が生命科学系の学部ということもあり、

連絡してくれる学生の多くが、食品・製薬などの研究職や理系総合職を希望しています。

 

さて、これまでに20回近くOBOG訪問を実施してきましたが、

お会いする学生の態度・準備状況次第で、内容の質が大きく変わってきます。

 

せっかく機会を設けた以上、学生側も社員も満足できるような内容にしていきたいですよね?

そこで、今回は、

研究職の就活:理想のOBOG訪問パート1

というタイトルで、私が思う理想のOBOG訪問について書いていきます。

(パート2は、そう遠くないうちに準備します。)

 

OBOG訪問を検討している方は、

この記事を参考にして、OBOG訪問を充実したものにしてください。

研究職の就活:理想のOBOG訪問パート1

学生側が礼儀正しい。しかし、ある程度リラックスできている。

出身学部や研究室が同じだとしても、基本的には初めて会う間柄です。

初対面である以上、ある程度の礼儀正しさをもって面談に臨んでほしいものです。

ただ、礼儀正しさについては、特に大学院生の方はしっかりできていると感じています。

 

一方で、初めて会う人ということで過度に緊張してしまい

リラックスして話せないもいらっしゃると思います。

 

緊張した状態では、話したいことも話せず、相手の話も頭に入ってこず

その結果、せっかくの機会を収穫が少ないまま終わってしまう可能性があります。

 

確かに、もともと人見知りだったり初対面の方には緊張してしまうという気持ちも分かります。

また、この性格もその人の個性の一つですので、それ自体を否定するつもりはありません。

 

そんな方に向けてのアドバイスとしては、

OBOG訪問であれば、社員を友達だと思って話してくれて全然かまいませんよ」とお伝えします。

 

初対面の人に対して緊張しすぎてしまうような方は、ほぼ全員が非常に礼儀正しく

失礼な態度を感じたことは一度もありません。

 

OBOGに対して失礼なことをしてしまったらどうしよう、選考にかかわるかもといった心配は、

このような方においては問題ないか思います。

 

むしろ、友達に話すような感覚でコミュニケーションをとれる方が、

あなたも聞きたいことが聞けるし、OBOGが話す内容をしっかり吸収できるようになるはずです。

 

緊張しすぎることに悩んでいる方は、ぜひOBOGに対しても友達のように話してみてください。

 

以上のように、礼儀正しくとある程度リラックスできた状態で臨んでいただけると、

良いコミュニケーションが取れるだろうなと感じています。

 

聞きたいことを事前に準備してきている。

数は少なくてもかまいませんので、

最低限聞きたいことは事前に準備してきてほしいです。

 

なぜなら、学生の方が気になっていることを社員側が把握できれば、

その内容を軸に話を進めることができ、関連情報もたくさん話せるからです。

 

社員側も、学生からアポイントがあった段階で、ある程度話す内容を準備します。

そして、学生からの質問に対して答えられるように整理してから、お話しするようにしています。

 

すなわち、学生から質問が来る前提で準備をしていることが多く、

事前質問がないと、話をうまく展開できなくなる可能性があります。

 

学生側に向けたアドバイスとしては、

数は少なくて構わないので、聞きたいことを事前に整理しておきましょう。

訪問前に社員へ伝えておくと、より親切かもしれません。

 

社員が話した内容について、理解できるまで質問してほしい。

事前に質問事項を整理し、礼儀正しくリラックスして臨めているようであれば、

OBOG訪問はある程度収穫のあるものになると思います。

 

追加でぜひお願いしたいのは、

社員が話す内容について、分からないことは遠慮せず質問してほしいということです。

ぜひ、話の内容が分からないまま終わらせないでください。

 

社員側も丁寧に説明しているつもりですが、

うっかり専門用語を使ったり、あいまいな表現を使ってしまったりなど、

学生には理解しづらい話し方をしてしまうことがあります。

(これは、社員側も気を付けなければですが…)

 

このような時にも、分からないままに終わらせず、

遠慮なく質問したり、自分なりにまとめて話してみたりして、

理解できるところまで話すように努めてください。

 

社員側も、学生側に誤解して伝わったり、学生が不満な状態で面談を終えたりしないよう

気を付けていますが、学生にとって分かりにくいことはたくさん出てきます。

 

社員が話した内容について、理解できるまで遠慮なく質問してきてください。

(ただし、時間オーバーだけは気を付けてくださいね。)

まとめ

・学生側が礼儀正しい。しかし、ある程度リラックスできている。

・聞きたいことを事前に準備してきている。

・社員が話した内容について、理解できるまで質問してほしい。

 

個人的には、上2つができていればある程度充実した面談ができると思います。

そして、遠慮なく質問してください。 

 

OBOGが望んでいるのは、自分の話したことが学生の就活に役立つことです。

学生側も、OBOG訪問を自分の就活にうまく生かせるように、

準備・工夫をして臨んでくれればと思います。

 

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、理系学生の就活に特化しているアカリクも参考にしてみてください。

私も、就活情報を得る一つの窓口として、リクナビ・マイナビと併用して使っていました。



 

パート2は、こちら

研究職の就活:OBOG訪問前にお願いしたいことパート2

研究職の就活に関する記事はこちら

研究職希望者向け:就活・内定に向けてに役立つ記事まとめ




【研究職がビズリーチで転職活動】スカウトは来るのか?

2022年1月より、

食品会社研究員の私の市場価値を知り、案件次第では転職を視野に入れることも考え、

転職エージェントに登録して話を聞くという活動を始めています。

 

会社内のフィードバックだけでは自分の価値が分からず、客観的な評価を聞きたい。

自分はどういったことを身に着けていけば市場価値を高められるのか。

 

この2つについて意見を聞き、必要なところは自分に取り入れることで、

研究者として生き延びることを目指しています。

今回の記事では、

最近実施した、ビズリーチのスカウト機能を利用した取り組みについて、

記事を書いて聞きます。

 

ビズリーチは、

登録するだけでスカウトが届く、すごいハイクラスな案件が届く

と宣伝されていますが、

実際それは本当なのか、研究者の場合でも同じようなことが言えるのか、

今回の取り組みを通して分かったことについてまとめていきます。

 

以前の記事をご覧になっていない方は、ぜひこちらをご覧ください。

研究員の転職活動:JACリクルートメントと面談、求人公開時期に傾向がある?(2022年2月)

食品会社研究員として、転職エージェントに登録してみた。(2022年1月)

研究職の転職活動:ビズリーチスカウト機能の活用例

今回の面談:ビズリーチを介した問い合わせから

今回の面談は、ビズリーチを介して届いた企業と行いました。

まず、ビズリーチについて、簡単に紹介します。

 

ビズリーチは、いわゆる「ハイクラス向けの転職サイト」です。

サイトに基本情報や自分の経歴・経験・スキルを記載・登録するだけで、

その希望にマッチするスカウト案件が届く仕組みで運営されています。

ホームページを見ると、

8割近くの方がこのスカウト機能を使って転職を実現しているそうです。

 

また、求人の多くはハイクラス・高年収であり、

求人の質の高さをうかがわせます。

また、ハイクラスを売りにしているといいつつも、

業界特化型ではなく様々な業界の求人が掲載されています。

登録して求人一覧を見るだけでも楽しめるのではと感じています。

 

食品会社研究員として登録して、スカウト案件は来るのか?

さて、

食品会社の研究員としてビズリーチに実際に登録するとスカウト案件は実際に来るのでしょうか。

 

これまで転職活動を続けてきた中で、

研究職そのものの求人は少なく、その質も玉石混交であるという話を聞いており、

研究者が登録するだけでそんなにいいスカウトが来るのかと心配していました。

しかし、いざ登録してみると、

翌日までに10件以上のスカウトが様々な業界から届きました。

その後も、毎日数件ずつ(重複含む)スカウトが増えていっています。

 

求人内容については、確かにすべてが自分の希望や経験と合致しているわけではありません。

しかし、意外な業界から自分の経験に興味を持ったスカウトが届くこともあり、

自分の経験が他業界でも活かせる可能性に気付けるなど、

視野を広げるきっかけを得ることができました。

 

ビズリーチのスカウト機能は、いろいろな会社を知る機会を与えてくれる。

今回は、ビズリーチを介して私に直接スカウトが届き、

ある有名企業の人事担当者と面談しました。

 

社名を聞いたとき、その会社は食品事業を持っておらず、

事業領域的に食品研究者の私は合わないのでは?と感じました。

 

しかし、転職希望条件に合っていなくてもかまわないとのことだったので、

1時間程度のweb面談をセットしてもらいました。

このように、求職者の条件と合致していなくても、面談を設定してもらえる可能性があります。

相手からの連絡をきっかけにいろんな会社や案件を知ることができるのは

スカウト制度があるビズリーチの強みかなと感じています。

 

実際に面談:話を聞いてみないと知らないことは多い。

実際に面談を行い、なぜ私に連絡がきたかを伺ったところ、

その会社の新事業立ち上げにおいて、食品や健康に触れてきた研究者が必要

というのが主な理由でした。

 

会社そのものは誰もが知る有名企業ですが、

食品・健康にかかわる事業についてはホームページに載っておらず、

まだ、立ち上げ段階の新しい事業に関する人材を募集しているそうです。

 

話を聞いていく中で、

同社の業界では食品・健康に関わる会社が後を絶たないという背景があり

同業界では食品・健康に専門性がある研究者の引き抜きが始まる可能性があると、

教えていただきました。

 

普段自分の仕事に手いっぱいで、他業界の動きなどにアンテナを張れていないことが多いですが、

この業界の動向を引き続き追うことで、

自分の専門性と合致する企業がこの業界から現れる可能性があることを

知ることができました。

 

このように、

相手からのアプローチをきっかけに自分の知らない情報を得られるだけでも、

転職サイトエージェントに登録するメリットがあると感じています。

 

残念ながら、諸々の条件が合わず今回応募は見送らせていただくことになりましたが、

自分のキャリア形成のヒントになる情報を得られる

有意義な時間になりました。

 

もし転職希望が現在ない方でも、

他業界の動きやそれに伴う求人の実情を知るという目的だけでも、

転職サイトやエージェントに登録することをお勧めします。

ビズリーチはこちら

 

まとめ

・ビズリーチは、登録するだけでスカウトが多数届く。

・届いたスカウトを基に転職エージェントや企業の人事担当者と面談を設定することが可能。

・スカウトをきっかけに、新しい情報に触れることができ、転職活動やキャリア形成に役立つ。

 

今回、実際に面談することで新しい情報に触れることができ、

自分の視野を広げるきっかけを得ることができました。

 

様々な会社と面談して自分のキャリア形成に活かすという意味でも、

ビズリーチへ登録しておくことをお勧めします。

ビズリーチはこちら

転職サイト・転職エージェントの登録状況

自分の市場価値を知りたいという目的のため、

あまり多くのエージェントには登録していません。

現在は3つの転職エージェントと1つの転職サイトに登録し、それぞれ面談を行ったのち定期的に求人を紹介してもらっています。

登録先は、

JACリクルートメント

リクルートエージェント

ビズリーチ、です。

また、大学院卒の強みを生かした転職に特化した

アカリクキャリアというサービスもあります。

 

登録者情報は(概略のみになりますが)以下の通りです。

 

・30代半ば、食品企業の研究職。

・大学の研究員を兼務している。

・博士号を持っている。

・その他(経験してきた業務、保有スキル、英語能力、など)

 

転職エージェント情報はこちら

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)




新社会人向け:入社前にぜひ読んでほしいお役立ち情報まとめ

研究職や理系総合職として今春就職予定の新社会人の皆様、

入社は決まっているけど、実際に会社でどのように働くのか、

分からないことや不安な点も多いと思います。

そういう方にとって、企業の研究所などで働いている社員から得られる情報は大変貴重だと思います。

 

実際、様々な業界の研究職の方が、twitterやブログなどで有益な情報を提供してくれています。

 

紹介が遅れましたが、

私、現役の食品会社研究員のとうやと申します。

 

このブログでは、研究職の働き方や、就活生や新社会人に向けたアドバイスについて、

様々な視点で記事を書いて紹介しています。

 

この記事では、

研究職や理系総合職などで就職予定の皆様向けて、これまでに書いた記事の内容をまとめました。

今回まとめた記事の中に、皆さんの疑問解決や不安解消につながる記事があると嬉しいです。

 

理系新社会人向け:お役立ち情報まとめ

できるだけ早く準備してほしいこと

家計簿管理ツール:マネーフォワードME

 

マネーフォワードMEはこちら

 

社会人になる前に準備しておけばよかったな…

と思うことでまず最初に思い浮かぶのが、

お金を管理するツールを使えるようにしておくこと」があげられますね。

 

しかし、自分で家計簿をつけるのは非常に面倒ですしミスも多くなりがちです。

その点を回避するためにも、

お金の管理を自動化できるツールを導入しておくと、管理が非常に楽になります。

 

私は社会人になってから、

家計簿と資産の管理を「マネーフォワードME」というソフトを使っています。

クレジットカードや銀行口座と自動で連携されるため、非常に便利です。

スマホの方は、ダウンロードするだけですぐに無料版を使うことができます。

マネーフォワードMEはこちら

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

 

証券口座

社会人になる前に準備しておけばよかったな…

と思うもう一つのことが、

証券口座を開設して資産運用を始める」ことです。

 

社会人になると学生時代よりも非常に大きい金額を扱うようになり、

貯金は増えていくと思います。

そこで、できるだけ若いうちから、貯金を増やすことと並行して

少額でもいいので資産形成を始めることをお勧めします。

 

学生時代は研究に没頭していて、自分の資産やお金にあまり関心がなかった人も、 

月に数千円といった小さい金額でも構いませんので、

証券口座を開設して資産形成を始めていくことをお勧めします。

 

証券会社は無数にありますが、

私は、SBI証券楽天証券を使用しています。

SBI証券をメイン楽天証券をサブの位置づけで使っています。

以下のリンクから詳細を確認してみてください。資料請求、口座開設は無料です。

 

SBI証券はこちらから

SBI証券の開設はネクシィーズトレードへ

楽天証券はこちらから

楽天証券

 

資産形成やお金に関する情報を知りたい方は、

リベラルアーツ大学の記事をチェックするといいでしょう。

 

論文管理ツール、特許関係ツール

学生時代に頑張った研究成果は、あなたの大きな財産です。

その研究過程で、たくさんの論文を読んだと思います。

 

そこで、これまで読んだ論文を論文管理ツールでしっかり管理しておきましょう。

 

無料で使えるツールをいくつか紹介しているので、 

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

研究職・理系総合職は要チェック!新社会人が準備・チェックしてほしいツール2選(研究編)

 

こちらの記事では、

今後理系の職種では避けて通れない「特許」についても簡単に触れています。

気になる方は一度ご覧ください。

 

新入社員配属に関する記事

新入社員の方がまず気になるのが、

自分がどの部署でどういった仕事をするのかということだと思います。

いわゆる「新入社員配属」ですね。

 

しかし、特に大企業に就職する方は

最初の配属は正直「運、巡り合わせ」の側面が強いです。

この点を理解しておくと、自分の中である程度割り切りができ精神的にも楽になれるかと思います。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

研究職への新入社員配属:コントロールできない要素が多いが、自分にできることもある。

 

研究職、開発職の働き方についてまとめ記事

研究職・開発職が、実際にどのようなスケジュールで働いているか

そのイメージができると入社に対するモチベーションも上がると思います。

 

私が所属する食品会社での働き方やそのスケジュールについて、

以下の記事にまとめたので参考にしてみてください。

企業研究職の働き方:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

研究職のリモートワーク:在宅勤務時の一日のスケジュール例を紹介

研究職と開発職:仕事の目線に違いがある。

研究職と開発職:両方の視点を持っている人は強い

技術スタッフ:企業の研究職にとって、いなくては困る存在

 

企業で研究職として働く方に向けた、アドバイス記事

特に企業で研究職として働きたい方は、

企業特有の考え方や仕事の進め方を知っておくといいでしょう。

 

それを踏まえて自分は今後どういった働き方をしていきたいか、

キャリア形成のイメージなどにつなげていけるといいと思います。

 

以下の記事を参考に、今後の働き方をイメージしてもらえるといいと思います。

食品会社での研究職の立場

企業の研究テーマ:新規性だけでは不十分

研究職の専門性は、自分の価値を高めてくれる

企業で論文を書く目的

企業研究職と博士号:メリットはある?

企業研究職が、大学や研究機関の研究員に登録するメリットデメリット

企業研究職の特徴:実名で専門性や業績をアピールできる

 

自分が研究職に向いているのか、不安がある方に向けた記事

一応研究職をに内定しているけれども、

実際に研究職としてやっていけるのか、不安に感じる方はいらっしゃると思います。

そのような方には、

企業に入れば自分の適正に合った仕事が見つかる可能性も十分にある。

とお伝えしたいです。

 

詳しくは、以下の記事をみて少しでも安心して就職活動をしてほしいと思います。

研究がうまくできない人は仕事もできない?その心配はない理由

食品会社の研究職に向いている人(著者の私見)

研究職に向いている人:就職後も勉強しつづける人はいい仕事ができるはず。

研究職はつぶしがきかない?長く生き延びるためにできることは?




研究職の転勤・人事異動:研究職の異動先や、研究所へ異動してくる人の所属元をまとめました。

日本の多くの企業では、

4月に合わせて組織改革や人事異動を実施しています。

私が所属する会社でも、今回の人事異動が少しずつ明らかになってきています。

 

誰が出ていき誰が来るのか、どこへ行ったのか、

自分の上司は変わるのか、その上司はどんな人か、

人事ネタは社員間でも一番盛り上がるネタといっても過言ではありません。

 

私と一緒に働いている研究職からも、

今回のタイミングで数人が異動となります。

一方で、4月から新たに研究所に入ってくる人もいるようです。

 

どういった先へ異動していくのか、どこから異動してくるのか。

研究職を志望する学生の方は、異動の頻度や内容について気になるでしょうし、

研究職で働いている方は他社の事情について興味があるかと思います。

 

そこで今回は、

主に当社の事例を中心に「研究職の転勤・異動」について書いていきます。

 

当社のケースが他社と比べて特殊なのか、一般的なのかは分かりませんが、

皆さんの参考になれば幸いです。

 

研究職の転勤・人事異動:異動先・異動してくる人の所属元

研究職の転勤・異動は、総合職よりは少なめ。

研究職における転勤・異動頻度や人数は、

文系・理系の総合職と比較すると少ない傾向があります。

総合職採用で研究部署に配属されている人も、

異動が少ない傾向があります。

また、若い人ほど異動の可能性が高く、

年齢を重ねると役職者以外は異動が少なくなる傾向があります。

 

これは以前、当社の役員が個人的に言っていたことですが、

研究職の異動については、以下のようなイメージを持っているようです。

・仕事の専門性が高く、数年での異動は早すぎる。

・ある程度戦力になってくると、全く関係ない他部署へ異動させにくい

・研究所のゆったりした仕事に慣れてしまう傾向がある。

・異動先の仕事スピードについていけない人がいる。

 

研究で結果を出している人も、あまり結果が出ていない人も、

それぞれ理由があってあまり異動させにくいそうです。

 

確かに、研究所の働き方は他の部署と比べると仕事がゆったり流れており、

開発・製造・営業などの他部署のスピード感に触れるといつも驚きます。

以前、関連記事を書いていますので詳しくはこちらをご覧ください。

食品企業研究所の時間の流れ

 

研究職からの出入り先:全く関係ない部署への異動は少ない傾向。

研究職の出入り先ですが、当社では以下の傾向があるように感じます。

出ていく人は、研究内容と関連している部署(研究対象物の製造部門、販売部門など)が中心。

・入ってくる人は、理系採用という以外は共通点が少ない(当社は総合職として異動するため)。

・20代、独身の人は、上記の傾向と関係なくいろんなところへ異動していく。

 

研究職の社員の多くは、すでに数年以上所属していることが多く、

ある程度研究分野に関する専門性を身に着けています。

そのため、

その専門性や知識がある程度活かされる部署に異動していく傾向があります。

例:化合物Aの製造法を検討していた人 → 実際の製造工場へ異動

例:自社のメイン製品の品質管理をしていた人 → 品質保証部門へ異動

 

ただし、若手は上記の傾向に当てはまらないことが多く、

1,2年研究所にいたのちに全く関係ない部署へ異動していくケースをよく見ます。

ジョブローテーションといえば聞こえはいいですが、

当社の場合は、

若手の異動は会社都合のしわ寄せのケースが多いように見受けられます。

 

一方、研究所へ異動してくる人は、

理系という共通点以外はほとんど傾向がありません。

どういう理由でこの人が入ってきたのか、私たちにはわからないことが多いですね。

 

研究職の中でも、仕事内容次第で転勤・異動頻度が違う。

異動頻度については、総合職と比べると頻度は少ないですが、

同じ研究職でも従事する業務によって傾向が違います。

 

特に、研究内容に関連する社内部署が多い人ほど、異動頻度が増える傾向があります。

単純に、異動候補先が多いからだと思われます。

 

例えば、チョコレートがメイン事業の会社であれば、

チョコレート関連の研究内容・研究者も多く、

チョコレートに関連する研究以外の部署もたくさん存在します。

 

会社ごとに考え方の違いはあると思いますが、

同じ社内の場合は、ミスマッチのリスクも低く、

前職での経験が活かされやすいという理由から、

関連部署間でのほう異動させやすいようです。

 

上記の理由から、

研究内容と関連する社内部署が多い人ほど、転勤・異動の対象になりやすい傾向

があります。

 

逆に、自社の中でもマイナーな部署にいる人ほど異動候補先が少なく、

異動頻度は下がる傾向があります。

一方で、マイナー部署は部署閉鎖のリスクも少し高く、

部署閉鎖の際は全く関係ない部署へ異動させられる可能性がしばしばです。

 

このような状況になっても対応できるよう、

他社でも活かせるスキルやノウハウを身に着けるなど、

自己研鑽も続けておく必要があるかもしれません。

以前も書きましたが、やはり研究者は専門性と勉強が不可欠です。

研究職に向いている人:就職後も勉強しつづける人はいい仕事ができるはず

まとめ

・研究職の異動は、総合職よりは少なめ。

・研究職からの出入り先としては、全く関係ない部署への異動は少ない傾向。

・研究職の中でも、関連部署が多い人ほど異動が多い傾向。

・研究を続けるために、いろいろな取り組みをしている人もいる。

 

人事異動については、特に自分がかかわるといろいろ思うことがあると思いますが、

自社で研究を続けるためにも、他社に出て行っても問題ないようにするためにも、

研究職は普段から自己研鑽が必要だなと感じています。

 

研究職も転職できる

研究を続けるために、転職した人も

研究職は異動は比較的少ない傾向があります。

それでも、研究を続けたい人が本人の意に反して異動させられるケースも

たびたび見てきました。

中には、別の会社の研究職へ転職した方もいらっしゃいました。

 

最近の終身雇用崩壊の傾向も考えると、

研究者も転職できるような事前準備が必要なのかもしれません。

私も、以下の転職エージェントなどを活用しながら、

2023年に研究職→研究職の転職を実現しました。

他の会社の状況が気になった人は、

一度転職エージェントへ相談することをお勧めします。

私が使用した転職エージェントは主に以下の2つです、

転職を考えている方は、

以下のリンクをクリックしてブックマークへ登録し、

できるだけ早く転職エージェントとの面談を設定してみましょう。

話を聞くだけでも、新しい発見があるはずです!

 

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)




研究ができない人は仕事もできない?その心配はない理由

現在、研究がうまくいかないなと悩んでいる方。

不安な気持ちがを感じたことや、

研究がうまくいっていないのに、仕事もうまくできるのだろうか?

と考えたことはないでしょうか。

 

特に、現役研究職の方、これから研究職へ就く方は、

今研究がうまくいっていないことが

今後に対する不安を増幅させているかもしれません。 

 

しかし、私は、

今研究がうまくいっていなくても、あまり心配しなくていい

と思っています。

 

理由としては、

研究がうまくいくかどうかは、

すべて本人に起因しているわけではないからです

研究活動を通して自分で研究を組み立てる経験があれば、

ほとんどの方は研究職として活躍できる場はある

私は考えています。

 

今回は、

研究ができない人は仕事もできない?その心配はない理由

について書いていきます。

 

就職後の研究活動に不安を感じている方の参考になれば幸いです。

研究ができない人は仕事もできない?その心配はない理由

研究内容、研究環境が変われば、あなたの能力が発揮されるかもしれない。

ひとつ目は、

あなたの能力は、研究内容・研究環境が変われば発揮されるかもしれない。

という理由です。

 

もしあなたが現在、研究がうまく進まないことに悩んでいるとして、

その理由が、

研究テーマとの相性」や

研究室メンバーと相性が悪いなどの環境要因」の場合、

別の研究環境に移れば一気に解決する可能性があります。

 

教授、上司、同期やラボメンバーなど、

自分がコントロールできない要素が、

あなたの能力発揮を妨げ、研究進捗を妨げている可能性があるからです。

 

言い換えれば、

環境を変えたりテーマを変えてしまえば、

楽しく充実した研究生活を送れる可能性は十分にあります。

そして、転職や就職がその大きなきっかけになるかもしれません。

 

研究や仕事が進まない理由は、必ずしもあなただけにあるわけではありません。

次の職場でに与えられた研究内容や研究環境が

あなたに合っていれば、

研究に楽しんで没頭でき、どんどん成果を出せるようになるかもしれません。

 

同じ研究職でも、いろいろな仕事・役割がある。

二つ目は、

企業の研究職にはいろいろな仕事があり、あなたの能力が活かされる仕事がある可能性が高い

という理由です。

 

以前の記事にも書きましたが、

企業の研究職は、担う仕事や役割は人によって大きく違い、

一人一人求められる能力が全く異なります。

関連記事:企業の研究職に向いている人

 

大学院と同じように基礎研究を担う人もいれば、

工場での製造方法を検討する人もいたり、

技術サポートを担当する人もいたりします。

 

みんな同じ研究職採用ですが、与えられている仕事は全く異なり、

求められる能力・適正はかなり異なってきます。

 

例えば、生物系の研究でタンパク質の実験をする際には、

手先の器用さや再現性の高い作業が求められます。

自分の不器用さに幻滅して挫折した人も多いと思います。

 

一方で、例えば工場での製造方法を検討する際には

まず実験室レベルの小さなスケールで実験しますが、

この時点で何十リットルといった単位で作業をするため、

手先の器用さはそこまで求められませんし、

むしろ力仕事が得意な人の方が向いているかもしれません。

 

上記は一例ですが、

研究職といっても、仕事によって必要な能力やスキルは異なります。

大学院や最初の会社での研究に苦戦した人でも、

それとは違う仕事に巡り合うことができれば、

活躍できる可能性は十分にあると思います。

 

あなたに合った仕事環境・内容が見つかる可能性は十分にある。

今現在研究がうまくいかなくて悩んでいる人も、

別の環境で別のテーマに取り組めばうまく進められる可能性は十分にあります。

 

そして、働く環境の変化によって、

今までよりも自分に合った仕事が見つけられる可能性は十分にあります。

 

今、研究がうまく進んでいないとしても、

次の職場では大活躍できる可能性は十分にあります。

そのため、

「今研究ができないと仕事ができないのでは?」という心配は、

あまり必要ないと私は思います。

 

まとめ

・今現在研究が進まなくて悩んでいる人も、仕事ができないと思う必要はない。

・研究環境や研究内容が変われば、あなたも活躍できる可能性は十分にある。

・同じ研究職という役職でも、担う仕事や役割は人によって大きく違う。

・あなたに合った仕事に出会える可能性は十分にある。

 

転職や就職などによる環境変化を通して、

あなたに合った研究テーマや仕事に出会うことができれば、

活躍できる可能性は十分にあります。

 

そのため、今研究がうまくいかないからと言って

仕事もできないんじゃないかと心配する必要はないと私は思います。

研究活動を通して自分で研究を組み立てる経験があれば、

ほとんどの方は研究職として活躍できると私は考えています。

 

研究職も転職できる

著者は昨年、研究職→研究職の転職を実現しました。

 

今回の記事を読んで、環境を変えることを検討してもよいなと感じた方は、

私の転職体験談と、以下の記事をぜひ読んでみてください。

https://researcherinacompany.com/recruit-15/



研究職はつぶしがきかない?長く生き延びるためにできることは?

研究職はつぶしが効かない」というコメントをネットなどで見かけます。

 

おそらく、営業職などと比べて研究職を設置している会社が多くないこと、

研究は専門性が高くその能力が他の会社などで活かせない可能性があること

などが理由かと推測されます。

 

確かに、自分の周囲を見ていると

つぶしが効きにくいタイプの人」は一定数いるように感じます。

 

一方で、

この人は研究職として長く生きられそうだな、他社でも活躍しそうだな

という人も確かにいます。

 

この2つのタイプの違いを自分なりに考え、

「活躍できる幅が広い研究者」を目指すことの大切さを感じるようになりました。

 

今回は、

研究職はつぶしがきかない?長く生き延びるためにできることは?

について書いていきます。

 

研究職につきたいがその汎用性を心配している人は、ぜひ読んでみてください。

研究職はつぶしがきかない?長く生き延びるためにできることは?

危機感がない人ほど、つぶしが効かない立場になりやすい。

研究職はつぶしがきかないのか?という質問へは、

危機感を持たずに過ごし続けると、つぶしが効かない立場になりやすい。

とお答えします。

 

営業職や開発職などと違い、

研究職は、基本的に専門性の高い業務にあたることが多いです。

 

会社や部署の方針に合わせてテーマ・分野ごとに人員が割り当てられ、

特定の専門分野を極めて仕事をこなすように期待されます。

 

企業の研究職は、会社や部署から割り当てられた業務を遂行することを通して、

関連する分野の専門性を高めていきます。

 

研究所にはそのような仕事をする社員が多く所属しており、

特定の領域について専門性の高い人材が育ちやすい土壌になっています。

 

専門性に汎用性がないと、活躍の分野が限られてしまうかも。

上記の通り、

企業の研究職は会社で与えられた業務をこなしていれば、

自然とその分野の専門性を高めることができます。

 

しかし、

その専門性は他部署や社外でも通じる汎用性の高いものとは限りません。

 

会社は、イチ社員に対して

「与えたテーマについて専門性を高め、しっかりこなしてほしい。」と思っていますが、

10年先のことを考えてその仕事を与えているわけではありません。

 

与えられた仕事を極めることが今後その社員のキャリアの保証につながるかは、

仕事の内容に大きく依存することになり、「運」に近い側面があります。

 

ある日突然その分野の受注がなくなり、仕事がなくなってしまったら…

10年近く同じ研究をしてきた人が、

ある日突然別の研究で即戦力として活躍できるか…

「自信がないな…」と思う人は、

つぶしが効かない立場になりかけているかもしれません。

 

長く生き延びるための方法案

では、幅広く長く活躍できる研究者になるためには、どうすればいいのか。

日々私も考えながら仕事に取り組んでいます。

 

まだまだ十分な努力はできていませんが、

私が日々心掛けていることについて紹介します。

自分の専門性について、他社・他分野でも活かせるレベルまで極める。

専門性といいつつも、

自社の中など小さい世界でしか使えないものは、価値が大きく下がります。

科学技術は日々進歩しており、

それについていくことも専門を極めるには不可欠です。

 

特許、論文、その他最新情報に常に触れ続け、

場合によっては自分の専門に関連する技術の取得を怠らないことが求められます。

 

この努力は、

専門性を極めるだけでなく、

他部署や社外でも使えるものにアップグレードすることにもつながります。

 

極める分野が決まっている人は、

それに関連する最新情報に常にアンテナを張り、

日々ブラッシュアップしておくことが求められます。

 

得意とする分野を増やし、社内・社外での自分の価値を高める。

もう一つは、得意分野を増やしていくというものです。

100人に1人がもつスキルが2つあれば、100×100 = 10000人に1人の価値になる

という先人の言葉にあたります。

 

会社の業務を通して得られる専門性に加えて、

親和性がありそうな分野を自ら勉強・開拓することで、

10000人中の1人になることを目指します。

 

これにより、自分の得意分野が広がりつぶしが効きやすくなるだけでなく、

2つの領域が重なる領域では自分の能力を存分に発揮でき

自分にしかできない仕事を行い質の高い結果に結び付けることができます。

 

例えば、私の同僚では以下のような取り組みをしている人がいます。

①食品のおいしさにかかわる栄養成分の分析が主な業務だったが、

預かるサンプルを実際に食べて、

その評価と分析結果の整合性を常にまとめていた。

このまとめレポートがある日おいしさ評価部署の目に留まり、

試食と分析を両方できる社員として重宝されている。

 

②CRO出身で、入社後も食品関連の臨床試験を担当していたが、

自分でバイオインフォマティクスを履修したことで、

「臨床試験とバイオインフォマティクスの両方ができ、かつ食品会社の目線を持った研究員」

という立場を確立した。

 

私もこのことは常に意識し、

自分にしかできない仕事ができるような人材を目指しています。

 

研究職は入社後も勉強が必要です。詳しくは以下で解説しています。

関連記事:研究職の専門性は、自分の価値を高めてくれる

まとめ

・研究職は、会社の業務をこなしているだけでは、つぶしが効きにくくなる可能性がある。

・研究職の業務は専門性が高いことが多い。専門性に汎用性がないと、活躍の分野が限られる可能性がある。

・専門性の質を極める、応用範囲を広げる、他の分野を新たに学んで守備範囲拡大と重複領域で自分にしかできない仕事を見つけるなど、自分の価値を高める努力をすることで、長く生き延びられる研究者になれる。

 

研究職は小さい世界にとどまっていると活躍の場が限られる可能性があります。

専門性を極めるにしろ、他領域とのシナジーを目指すにせよ、その世界を見て自分を高め続けることが求められるのが、研究職というものなのでしょう。

 

自分のキャリアが、ほかの環境でも通用するつぶしが効くキャリアなのか、

理系・研究職のキャリア支援を得意とする専門家に聞いてみるのも一つの手だと思います。

 

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研究職の働き方、心がけに関する記事はこちら

関連記事:研究職の専門性は、自分の価値を高めてくれる

関連記事:企業研究職の特徴:実名で専門性や業績をアピールできる

 




食品会社研究開発職の出身は?大学は?学部は?理系ばかり?

食品会社研究開発職への就職・転職を希望されている皆様、

どの出身学部の社員が多いか、気になりませんか?

 

食品会社は人気が高いこともあり、

いろいろな学部の方が多数応募してきます。

 

理系の採用についても人気が高く、

特に食品業界は人気が高く、

内定を取るのはかなり狭き門といわれています。

 

その狭き門をくぐった食品会社内定者は、

どの学部の出身者が多いのでしょうか。

 

今回は、食品会社研究職の出身学部について、

友人や私が所属する会社の情報をもとに書いていきます。

 

ただし、

様々な会社のデータなどに基づいた情報ではないので、その点ご了承ください。

 

また、

研究職として働くうえで出身学部よりも大切なことについて、

最後に述べていきます。

この記事の情報が、

皆様の就職活動のお役に立てればうれしいです。

 

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食品会社研究開発職の出身は?大学は?学部は?理系ばかり?

生命科学系の学部出身者が最も多い。

理学部の生物系、農学部、薬学部、水産学部、工学部のバイオ系など

生命科学系の出身者の割合が最も多いです。

おそらく理由としては、

学部・大学院で身に着ける知識やスキルが、食品会社の研究と相性がいいから

だと思われます。

 

会社によって細かい点は異なりますが、

食品会社では、

栄養、生化学、健康機能性、

食用植物の栽培や食用動物の飼育、

などの研究が展開されていることが多いです。

 

このような研究では、

生物、食品、育種などの知識が活かされることが多く、

これらの分野について大学で慣れている人の方が、

会社の研究にスッとなじめる可能性が高いです。

 

会社側から見たときでも

これらの学部出身の社員は関連する基礎知識やスキルがあると予想でき、

ある程度即戦力として期待できることから、

研究職へ配属するという傾向があるようです。

 

化学、機械、情報系学部の出身者も多い。

生命科学系の学部出身者が多い一方で、

有機化学専攻の化学系出身者や、

機械系や情報系の工学部出身者

食品会社に入社してきます。

 

食品会社の研究は、食品そのものに関するものだけなく、

食品製造の技術研究包材関連の研究開発

流通システムの開発分析技術の開発

などもあります。

 

この分野の研究開発においては、

生命科学系の学生よりも

化学系や情報系に強い学生の方が適任です。

 

しかしこれらの分野の学生は、

化学メーカーやIT企業などを志望することが多く、

食品会社に目を向けてくれない傾向があるようです。

 

化学・機械・情報系の学生は食品会社から需要があるケースも多いので、

応募してみるのもアリだと思います。

出身大学・学部よりも、入社後の勉強・スキルアップの方が大事。

食品会社の研究職は、生命科学系の学部を中心に、

その他の理系学部の出身者も所属しています。

 

採用する学生が持っている身に着けた知識やスキルが会社の仕事とマッチすれば、

即戦力として活躍してもらうことも可能でしょう。

 

しかし現実として、

学生時代の経験をそのまま活かせるような仕事に就ける人はごくわずかです。

 

ほとんどの人は、会社都合で配属先が決められ

その配属先で必要な知識やスキルを教わりながら、

自分の能力を高めて活躍の場を見つけていきます。

(関連記事:研究職への新入社員配属について

 

確かに採用学生の出身学部は入社時に偏りがあるかもしれませんが、

それよりも

入社後に自分をレベルアップさせて活躍できる分野を広げることの方が、

研究職で働くうえで大切になってきます。

(関連記事:研究職が勉強することの重要性について

 

食品会社の研究職を希望する学生は、

自分の出身学部のことは一旦気にせず入社したい企業には積極的に応募し、

入社できた後も勉強とスキルアップを続けることで、活躍の場を広げていくことを意識してみてください。

 

まとめ

・食品会社の研究開発職は、生命科学系の学部出身者の割合が高い。

・化学、機械、情報分野の学生の需要もあり、活躍できる仕事がある。

・研究職は、入社後も日々勉強してレベルアップをすることが大切。

 

繰り返しになりますが、

研究職は入社後も日々勉強が必要です。

毎日勉強し続けることができる自信のある方は、

企業の研究職に向いているでしょう。ぜひ応募してみてください!

 

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研究補助業務としての派遣登録はどこから?

研究領域に強い派遣社員に登録したい方は、以下のワールドインテックRAさんなどのサイトをぜひご覧ください。

 「理系出身者歓迎!研究職ならワールドインテックRA」

食品業界の年収に関して

現役食品会社研究職の著者の視点で、

食品業界の年収について状況をまとめ考察しました。

https://researcherinacompany.com/income/



大学の学部卒でも研究職になれる?食品メーカー研究員の目線で回答します

学部卒で企業の研究職を目指したい方

いらっしゃいますか。

 

現在、理系学部の学生は多くが修士課程に進学した後に就職活動をしており、

多くの修士卒生が企業の研究職に応募しています。

しかし、学部卒で研究職に就くことについては、

あまり情報がないのではないでしょうか。

 

今回は、

学部卒の学生は研究職に就けるのか

について書いていきます。

 

学部卒で研究職の内定を得ることはできるのか

また、内定を得るためにどういったことに力を入れればいいのか

学部卒で研究職を希望している方の参考になれば幸いです。

 

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学部卒の学生が研究職になれる?

修士卒・博士卒と比べると、研究職に就ける可能性は低い。

現実として、修士卒・博士卒の人と比べると、

学部卒の人が研究職に就ける可能性はどうしても低くなってしまいます。

正直、かなり狭き門だと思います。

実際、先日ツイッターアンケートを取ったところ、

最終学歴が学士(学部卒)で研究職をしている方は

あまり多くないことも分かりました。

 

大きな理由は以下の2つです。

・学部卒では、研究経験が短すぎる。

・採用する会社も、学部卒は研究歴が短いことを理解している。

 

理系学部に進学しても、研究室に所属して研究活動を開始できるのは、

通常は学部4年、早くても学部3年です。

 

学部卒で就職する場合、研究できるのは長くても1~2年程度です。

この短期間では、研究の表面的なことを学ぶことしかできず、

研究の進め方や考え方を身に着けるのは、なかなか難しいでしょう。

 

修士・博士と比べると研究に携わった期間が短く、

研究を任せるには経験が足りないと思われてしまうのが現実です。

 

採用する企業側もこのことを十分に理解しており、

修士・博士卒の方を優先して研究分野へ配属します。

 

学部卒では、研究の経験が乏しく、

また会社からもそのように理解されている以上、

学部卒の方が研究分野へ配属される可能性は

どうしても低くなってしまいます。

 

学部卒で研究職に就きたい人がすべきこと。

可能性を高める方法として、以下の3つがあると考えています。

 

・学部卒で研究職に配属させている会社を探し、そこの内定を目指す。

・研究室配属の前から、研究を経験して実績を得ておく。

・総合職などで入社後に、実績を出しつつ異動希望を出し続ける。

 

学部卒で研究職に配属させている会社を探し、そこの内定を目指す。

先述の通り、研究職は修士卒・博士卒の方が主に配属されます。

一方で、理系学部卒の新入社員を研究職に配属させる会社も存在しています。

 

就職四季報などを見ればわかる通り、

大手でなければそのような会社はたくさんあります。

 

そのような方針の会社に入社できれば、

学部卒であっても可能性が出てくるでしょう。

 

新入社員配属は会社の方針が大きく関わってきます。

どうしても学部卒で研究職に就きたい方は、

そのような配属を行っている会社を徹底的に調べ、

その会社への内定に全力を注ぐようにしましょう。

 

研究職の新入社員配属について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:研究職への新入社員配属

研究室配属の前から、研究を経験して実績を得ておく。

どうしても学部卒で研究職に就職したいのであれば、

修士卒などと比べて足りない「研究経験」を補う必要があります。

研究経験を早い段階からできるように、自分から積極的に動くことが大切です。

 

意外と知られていませんが、

学部1,2年生の段階で研究室に入り

研究を経験できるプログラムを設定している大学もあります。

 

また、このようなプログラムがない場合でも、

個人で研究室の門をたたき、研究に励んでいる学生も世の中には存在しています。

 

これらの制度を活用できる人であれば、

経験を補い自分の可能性を高めることもできるでしょう。

 

総合職などで入社後に、実績を出しつつ異動希望を出し続ける。

入社後に研究職を狙っていくというパターンもないわけではありません。

ただし、その人に相当な情熱がないと難しいだけでなく、

会社の方針とうまく合致しないと希望がかなわないかなり厳しいでしょう。

 

一方で、私の先輩は、学部卒で営業職を経て研究職異動をかなえました。

最後に、その事例について簡単に紹介します。

 

私の先輩の事例:学部卒で就職→研究職へ異動→社会人博士取得

少し変わった事例ですが、私の先輩の事例を紹介します。

 

その先輩は、理系学部卒業後そのままある食品会社へ就職、営業職として約8年勤務しました。

 

しかしその先輩は、「いつか研究をしたい」という思いをずっと持っており、

その間一貫して研究職への異動希望を出し続けていました。

ただ希望を出すだけでなく本業にも全力で取り組み、

本人曰く「営業成績はかなり上の方」だったそうです。

 

努力の甲斐あって、8年後にようやく研究所への異動が実現します。

強い希望を出すだけでなく、営業で成果を出して文句を言わせなかった。

これが希望をかなえた秘訣だったと、本人は回想していました。

 

その先輩のアグレッシブさは、研究所へ異動するだけにとどまりません。

異動直後に与えられた仕事ですぐに実績を上げただけでなく、

「研究所を起点に事業を立ち上げる」という計画をぶち上げます。

 

そして、

事業をけん引する上で私には博士号が必要だ

ビジネスに強いA教授の下で修業をさせてくれ

と志願します。

 

この熱意のおかげか会社からの進学許可がおり、

会社で働きつつ修士・博士を取得してしまいました。

 

このような事例はあまり多くありませんが、

理系の学部卒で就職してから数年かけて研究職へ異動し、博士まで取ってしまった人を

少なくとも私はこの目で見てきました。

 

学部卒で入社しても、本人の熱意と会社の意向がうまく合致すれば、

研究職として活躍できる可能性が開けてくるかもしれません。

 

この先輩について、後日改めて紹介記事を書ければと考えています。

研究職を志望する学生にお勧めするサイト

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、

理系学生の就活に特化しているアカリクも参考にしてみてください。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

私も、就活情報を得る一つの窓口として、使っていました。

アカリクはこちら↓

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まとめ

学部卒の人が研究職に就くことについては、

以下のような現実があります。

 

・学部卒では研究経験が少なく、修士卒などと比べると研究職への配属は難しい

・研究歴を補う、採用実績がある会社を狙うなど、可能性を高める努力が必要。

 

かなり厳しいですが、全く可能性がないわけではありません。

また、上記の現実は本人の努力である程度補うことができます。

 

どうしても学部卒で研究職に就きたいのであれば、

これら最低限の努力をして可能性を少しでも高めたうえで、

就職活動に臨むことが必須になるでしょう。

 

就職活動に関する関連記事はこちら

関連記事:研究職志望者の就活:現役食品会社研究職からのアドバイス

関連記事:研究職への新入社員配属




研究職のテレワーク:在宅勤務時の一日のスケジュール例を紹介

研究職がテレワーク?そんなことできるの?

不思議に思われる方はいませんか?

結論としては、

研究職も、結構テレワークは利用しています。

 

新型コロナウィルス以降、様々な会社でリモートワークの制度が導入されています。

しかし、研究職の方の多くは実験業務がメインであり、試薬や装置などがある研究所に行かないと仕事にならないような印象があります。

果たしてリモートワークは研究職の方でも実施することはあるのでしょうか。

今回は、

企業研究職の私がリモートワークをする際の仕事内容と、

そのスケジュールの一例を紹介します。

 

研究職もリモートワークはできる

研究職がリモートワークを選択する状況

新型コロナ以降急速に広まった在宅勤務やリモートワーク。

私が所属する会社も新型コロナを機にこの制度を導入し、

状況によってはリモートワークを選択できるようになりました。

そして研究職もその対象になり、一定の条件を満たす場合は積極的に活用するようにとお達しが出ました。その条件は、主に以下の内容です。

コロナの感染が拡大している。

単純に、コロナの感染防止の観点から、可能な限り出社はしないようにというお達しが出ることがあります。

この時は出社の必要がない限りは基本的に在宅勤務になります。

いわゆる「実験」を急いで行う必要がない。

実験を行う必要がある場合は出社の必要がありますが、逆に実験をする必要がない日は出社をする必要がない場合もあります。

このような場合にも、リモートワークを選択することがあります。

会社のパソコンを使えば、自宅から会社のネットワークにアクセスできる通信環境である。

自分の所属する会社は、会社のパソコンを自宅のWifiにつなぎ、この回線から会社のネットワークにアクセスる仕組みが整っています。

自宅でWifiが通っており、会社のネットワークを使った事務作業ができる環境であれば、リモートワークでも十分に働くことができます。

研究職がリモートワークで実施する仕事内容

以上のように、コロナの関係もあり実質在宅勤務という形で、リモートワークを実施するケースが増え、私も積極的に利用するようになってきました。

そこで、食品会社研究職の私は、どのような業務をリモートワークで行っているか、以下のまとめていきます。

調べもの系(特許、論文、など)

特許調査、論文検索などは自宅からでも問題なくできますので、リモートワーク時に行うことが多いです。

執筆活動(特許、論文、雑誌寄稿文など)

執筆活動も自宅でできます。むしろ、邪魔されることが少なく集中して進められる印象です。

書類の作成、校正作業

会社の書類づくりなどもリモートワークで行うことがあります。

データ解析系の作業

RやPythonなどを使った統計解析など、データをいじって考える仕事もリモートワークに向いています。集中してできるので個人的には好きです。

WEB会議

WEB会議もリモートワークで行うことが多いです。家族の理解が必要ですが、それは参加者同士お互い様なので、お互いにあまり気にせず実施できている気がします。

難点は、同僚が隣にいないのでコソコソ話ができない点でしょうか。

研究職のリモートワークスケジュール例

では、在宅勤務で上記の仕事を行った際の一日のスケジュールをお伝えします。

この日は、論文のリバイス対応を中心に、WEB会議にも一つ参加しています。

 

・8時半前:パソコン立ち上げ、上長に勤務開始の連絡を入れる。

・8時半~10時:自社商品の営業資料に載っている、研究関連の文章と図表を校正。

・10時~12時:論文のリバイス対応

・12時~13時:昼食(10分近くコンビニへ外出)

・13時~14時:論文対応続き

・14時~15時半:共同研究先とWEB会議

・15時半~17時:報告書作成、急ぎ依頼された特許調査に対応。

・17時過ぎ:フレックス制度を使い退社、業務終了を上長へ報告。

 

私の場合は、事務作業とWEB会議をリモートワークで行うようにしています。

これにより、会社へ出社したときには多くの時間を実験作業に充てることができ、仕事の効率がとても上がっています。

最近は、コロナ拡大による会社からの指令もあり、週に2回程度はリモートワークを実施するようにしています。

週2回をほぼすべて事務作業に充てられることで、最近会社ではほとんど実験しかしていません。

今後ずっとこの働き方が続くか分かりませんが、使えるうちに駆使してどんどん成果に結び付けていきたいと思っています。

まとめ

・コロナの状況や自宅の通信環境次第では、研究職もリモートワークはできる。

・事務、執筆、調査、WEB会議などを主に実施している。

・週2回ほどのリモートワークにより、出社時はほぼ実験ができるなど、業務効率が良くなった気がする。

 

研究職のリモートワークについては、多くの方で有効活用できると思っています。

実験など出社して行う仕事を同じ日に集中させ、

一方でWEB会議や事務作業をリモートワークの日にまとめることができれば、

非常に効率の良い働き方ができるのではと思っています。

また、リモートワークの場合通勤時間なく、この時間をプライベートな用事に充てることが可能です。

さらに、ここにフレックス制度を組み合わせて退社時間を早めることで、通院、買い物、子供の迎えなど、家事作業を手伝うことも可能でしょう。

リモートワークの有効活用は、仕事だけでなくプライベートの充実にも貢献するはずです

 

研究職という職業であっても、業務の調整をうまくすることができれば、リモートワークを駆使したより効率の良い働き方が実現できるだろうと考えています。

 

企業研究職の働き方に関する関連記事はこちら

関連記事:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

関連記事:企業研究職の働き方:時間管理とモチベーション




企業研究職の働き方:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

大学などで研究をしている学生の皆様や、研究以外の業務をなさっている社会人の方からすると

企業研究職の皆様が普段どのように働いているか、あまりイメージがつかないと思います。

一方、私個人の意見としてですが、

研究職が普段どのような働き方をしているか多くの方に知ってもらい、

就職する前のイメージづくりや、研究職に仕事を依頼するときの参考にほしいな思っています。

そこで今回の記事では、食品会社研究職の一日の過ごし方について、私の事例をいくつか紹介します。

食品会社で研究をしたい就活生や、研究職の働き方を知りたい他業種の皆様は、

この記事を読むことで、企業で研究職として働くイメージを持つことができると思います。

研究職の一日の過ごし方:実験中心の日と事務作業中心の日を紹介

現在の主な業務内容

現在私は、主に以下の業務を担当しています。

①基礎研究:培養細胞を使った機能性成分の有効性評価、機能性成分を産生する微生物の探索

②製造方法検討:ある天然物から機能性成分を収率良く抽出する方法を検討する。

③製品の品質管理:毎週製造される製品に、機能性成分が適切に含まれているか分析する。

④特許関連:出願用資料の作成や拒絶査定への対応を行う。

⑤後輩の進捗管理、技術スタッフのスケジュール管理。

これ以外にも、研究所や部署の運営にかかわる事務作業(書類管理、予算管理など)や会議参加などがあります。

 

実験作業が多い①~③については、技術スタッフさんに適宜仕事をお願いしながら進めています。

技術スタッフの方などにうまく仕事を頼むことも、研究職の非常に大切な仕事です。

関連記事:技術スタッフ:企業の研究職にとって、いなくては困る存在。

 

実験中心の日

まずは、ほぼ一日中実験にかかりきりになる日のスケジュールをお見せします。

この日は、「③製品の品質管理」を行う日で、サンプル受領からHPLC分析までを、技術スタッフの方と一緒に行いました。

 

8時半:出社、メールチェック。

9時:技術スタッフと打ち合わせをして、作業準備とHPLC立ち上げを開始。

9時半:分析用サンプルの宅急便が到着。受け取り後、すぐにサンプル前処理1バッチ目開始。

(この間、待ち時間を利用してメールの返信と電話への対応)

11時半:1バッチ目の前処理が終了し、HPLCへセット、分析開始。

12時~13時:昼休み(この間もメールを確認し、返信しておく。)

13時:前処理2バッチ目開始

(この間、待ち時間を利用してメールの返信と電話への対応)

15時:1バッチ目の前処理が終了し、HPLCへセット、分析開始。

15時半:メールチェック、予算関係書類、研究レポート作成。技術スタッフは後片付け。

17時半:HPLCの分析が終了、洗浄プロトコルをオーバーナイトでセット。

18時:解析結果を確認し、測定結果の報告書を作成。上長へメールで送付しておく。

18時半:退社。

 

実験が多い日は、以下の点に気を付けています。

・実験作業そのものは、遅くても勤務時間内で終わるように計画する。

・技術スタッフに任せられるものは、どんどん任せる。

・隙間時間で簡単なメールはさばいておく。

・作業に集中すると判断を誤ることが多いため、事務関係の重要な仕事は後日に回すことが多い。

 

企業では勤務時間の管理が厳しく、実験に使える時間は限られています。

限られた時間を有効に使って成果を残す能力が、企業の研究職には求められます。

このような環境下でうまく働くうえで、注意すべき点がいくつかあります。

詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

関連記事1:企業研究職の働き方:勤務時間管理とモチベーション。

関連記事2:企業研究職の働き方:お金と時間単価。

事務作業中心の日

続いて、事務作業や会議が中心の日の予定を書いていきます。

この予定は月初に多いです。

 

8時半:出社、メールチェック

9時:部署全体の週礼、実験室や事務室の掃除。

9時半:技術スタッフとの打ち合わせ、今日の会議にかかわる資料の準備。

10時~12時:チームミーティング、各自の進捗報告とそれに対するディスカッションを行う。

12時~13時:昼休み(この間もメールを確認し、返信しておく。)

13時:勤務記録表の入力と提出、領収書や請求書の処理、メール対応。

14時~15時:共同研究先Aとウェブ会議。毎月の進捗管理。

15時~16時:会議の報告書作成、次回に向けた資料作り。

16時~17時:共同研究先Bの月例ウェブセミナー参加。(アカデミアとの議論)

17時~:技術スタッフと情報共有、翌日に行う実験の準備、メール対応。

18時半:退社

 

私の場合、できる限り会議や打ち合わせを同じ日に集めるようにしています。

これにより、会議がない日に十分な時間を確保でき、実験や集中力がいる作業をする時間に充てられるからです。

私たちの本業は研究活動であり、その本業にできるだけ多くの時間をかけたいと思っています。

確かに事務作業や会議も仕事を進めるうえでは大切です。

しかし、事務仕事に重心がかかりすぎないように気を付け、自分の本業に集中できるような環境づくりを意識することも大切だと思っています。

事前に予定を組んでおくだけでも、仕事はだいぶ進めやすくなる。

以上、研究職の一日の過ごし方について、私の事例を紹介しました。

2つ事例を紹介しましたが、出張がある日やフレックスタイムを利用する日など、ほかにも様々なパターンがあります。このような事例も、後日改めてご紹介できればと思います。

 

研究職として働くで意識しているのは、

「事前にしっかり予定を組んで仕事を進めること」です。

仕事の中には、事前に準備をしておかないと対応できないものも多くあります。

技術スタッフ・先輩後輩・上司などあらゆる人のスケジュールを把握・管理し、

自分の仕事が滞りなく進むように計画を立ててそれに近い流れで仕事が進められると、

自然と良い結果につながってくるのではないかと感じています。

 

企業研究職の働き方に関する関連記事はこちら

関連記事1:研究職のリモートワーク:在宅勤務時のスケジュール例を紹介

関連記事2:企業研究職の働き方:勤務時間管理とモチベーション。

関連記事3:企業研究職の働き方:お金と時間単価。




研究職志望者の就活:現役食品会社研究職からのアドバイス

就活生の皆様、就職活動のシーズンに差し掛かりました。

分からないこと・不安なことも多い時期かと思います。

いろいろな資料やウェブサイトを調べて、いろいろな情報を探している方も多いでしょう。

 

このブログのコンセプトの一つに、

就活生や大学院生にむけて、食品企業研究職の働き方やお金事情などをお伝えしていく

というものがあります。

私も理系の大学院生として就職活動を行い、理系の総合職として食品会社に入社して現在研究員として働いています

私の経験をお伝えすることで、皆様の就職活動などに少しでもお役に立てればと思いながら記事を書いています。

就活生向けの記事はこちらにまとめていますので、気になる方は後ほど見てみてください。

 

今回は、著者自身の就活を振り返り、良かった点・参考にしてほしい点と、反省点を書いていきます。

私の経験が、少しでも役に立てればと思います。ぜひ最後まで読んでみてください。

現役食品会社研究職の視点:就活生に向けたアドバイス

良かった点、参考にしてほしい点。

良かった点としては、以下の点が挙げられます。

・就活を通して、しっかりと自分と向き合えた。

・大学・学部の先輩が就職している業界を志望した。

・食品業界の中でも、事業や領域をある程度絞った。

 

就活を通して自己分析を行い、しっかりと自分と向き合えた。

就活は、自分を見つめなおすいい機会だということをお伝えしたいです。

就活をすると、エントリーシート・面接などの対策をするために、

過去の自分や今後なりたい自分について考えるようになります。

おそらく私も、就活がなければ自分について深く考えることはなかったでしょう。

就活を全力で取り組むためには自己分析は必須ですが、

もし推薦枠などを使っていたらおそらく自己分析をすることなく就活を終えていたでしょう。

この自己分析を通して、自分の潜在的なポジティブ思考に気づくことができたなど、得られたものも多かったなと感じています。

 

大学・学部の先輩が就職している業界を志望した。

採用実績がある企業の方が内定を得やすいことは間違いありません。

そのため、自分の志望と大きくズレていないのであれば、

学部の先輩方が就職している企業を中心に攻めることをお勧めします。

 

新卒採用では依然として学歴を一つの指標にしている側面があります。

過去に多くの先輩が就職しているという事実は、

その会社では学歴で落とされる可能性が低いことを示しています

そのような会社に応募して書類選考を通過することができれば、

面接の機会(練習も含めて)を得られ、場数を踏めるという利点も出てきます。

もしかしたら、内定をもらえるかもしれません。

志望業界と若干ずれていたとしても、大学・学部で実績のある企業へも応募することをお勧めします。

 

採用実績がある企業側から見た目線でも、就活生と会社のミスマッチが減るというメリットがあります。

たとえESや面接を通して採用を決めたとしても、

入社後にミスマッチが起こることは頻繁にあります。

そのリスクを減らす観点でも、実績のある大学・学部から採用することで、

その人の特徴(専門分野、考え方、など)をある程度予測することができ、

企業側もある程度安心できるというメリットがあります。

 

私は生命科学系の大学院に所属していましたが、

先輩方の就職先の中で食品会社研究職の割合は高かったです。

自分が食品会社の研究職に向いているか分からない方は、

以下の記事を参考にしてみてくください。

関連記事:食品会社の研究職に向いている人(著者の私見)

 

食品業界の中でも、業種や領域をある程度絞った。

食品の中でも業種や領域を絞ることで、対策が進めやすくなりました。

そもそも食品業界は人気が高く、すごい人数が応募してきます。

学部卒が対象の文系総合職ではその傾向が顕著ですが、

理系総合職や研究職においてもその傾向があるようです。

そのため、食品業界の人気企業にむやみに応募すると、通過数が増えたときに各社ごとに十分な対策が取れず、

選考に行ける会社が少なくなってしまうのではと、当時の私は考えました。

 

そこで、食品の中でも業種を絞りました。

(私は、食品原料系を中心に扱っている会社に絞り、応募は30社前後にとどめました。)

 

これにより、以下のメリットが生まれました。

・競合他社も含めて応募することが増え、各社を比較した企業分析ができ、理解が深まる。

・少ない業種について調べるため企業研究の時間が短くなり、ほかの対策に時間を回せる。

・その業種に詳しくなり、本当に行きたくなってくる気がする。

 

当時の私は、研究もしつつ就活をしなくてはいけないという事情もあり、時間があまりありませんでした。

そのため、業種を選び応募数を絞るしかありませんでした。

結果として対策が進めやすく効率よく就活ができ、その点についてはとても満足しています。

反省点

反省点については、以下の内容があります。

・もっとたくさんの企業に応募すればよかった。

選考を通過し、いろいろな企業の研究所を見学したかった。

 

もっとたくさんの企業に応募すればよかった。

私の場合、研究と就活の両立が一つのカギとなっていたため、

業種や応募先を減らして就活を進めました。

同じようなケースの方には、この方法をお勧めします。

しかし、もし時間がたっぷりあるのであれば

たくさんの企業に応募してほしいと私は考えています。

理由は、「いろんな会社を覗けるのは就活生の時しかなく、この経験はぜひしてほしいから」です。

詳しくはに書いていますが、このメリットは就活生に存分に活かしてほしいです。

関連記事:就活生向け:研究所見学にはできるだけたくさん参加しよう

 

選考を通過し、いろいろな企業の研究所を見学したかった。

研究職の選考では、選考途中に企業の研究所の一部を見せてくれることがあります。

このような機会は社会人になるとなかなか得られません。

研究所見学については以下に書いているので、参考にしてみてください。

関連記事:就活生向け:研究所見学にはできるだけたくさん参加しよう

 

近年は新型コロナの関係で見学できる会社も少ないようですが、

まだ就職活動が数年先の学部生の皆様は、自分の頃には見学が復活しているかもしれません。

研究職を志望する学生にお勧めするサイト

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、

理系学生の就活に特化しているアカリクも参考にしてみてください。

私も、就活情報を得る一つの窓口として、使っていました。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

アカリクは、以下のリンクから。

アカリクイベントは、こちら

まとめ

・就活は、しっかりと自己分析をできるいい機会。

・大学・学部の先輩が就職している業界・企業は、選考通過や内定の可能性が高い。

・多くの企業に応募できると、いろいろな会社を知ることができる。

・理系総合職や研究職の場合、選考中に企業の研究所を見せてもらえる可能性がある。今後めったにない機会なので、ぜひ多くの企業に応募してほしい。

 

私の経験をもとにいろいろ書きましたが、この経験が皆様の就活に役立つと嬉しいです。

他にも、就活に関する記事はこちらにまとめていますので、ぜひ見ていってください。

 

企業研究職の働き方について知りたい方への関連記事

関連記事:研究職への新入社員配属

関連記事:企業研究職の働き方:現役食品会社研究職の一日のスケジュール

関連記事:ESや研究概要資料は、読み手の立場を想定して理解しやすいものに仕上げよう




企業研究職の働き方:勤務時間管理のデメリット、時間のぶつ切りとモチベーション低下。

実験や作業の中には、かなり長い時間を必要とするものがあります。

また、事前準備に時間がかかる作業の場合、

一回の準備でたくさん実験できるように、

まとまった時間を確保することもあると思います。

大学や研究機関で時間を気にする必要がないポジションの人は、このような仕事の進め方も可能です。

大学時代、HPLCを使った分取作業をインジェクトからフラクションまですべて手動で行っていましたが、これは大学だからこそできたことかもしれません。

 

しかし、企業ではこれができません。

その理由は、勤務時間のルールが決まっているからです。

 

企業は従業員の勤務時間管理をする必要があり、不必要に残業をさせることは本来できません。

しかし一方で、このルールが研究職に厳密に適用されると、

研究という業務の特性上マイナスとなる側面も多いなと私は感じています。

 

今回は、企業の研究者がよく直面する、

「勤務時間管理のデメリット、時間のぶつ切りとそれに伴うモチベーション低下。」

について書いていきます。

 

この記事は、特に現役の企業研究者には納得いただけるのではないかと思いますし、

学生の方も企業の働き方の一部を知れるのではと思っています。

勤務時間管理による作業時間のぶつ切りは、モチベーションにも影響する。

企業研究職は会社員。働ける時間に上限がある。

働き方改革などが進んできている企業では、

勤務時間(開始~終了、残業時間など)が厳密に管理されるようになり、

以前ほど自由に残業ができなくなっています。

 

研究を仕事としている社員も同様で、働ける時間に上限があるため、

大学のように好きな時間に好きなだけ研究をすることは難しくなってきました。

 

企業の研究職も会社員です。

与えられた時間の中で効率よく仕事をこなして成果を上げることが求められます。

そのため、時間当たりの成果を最大化できるように、必要な労力や予算を割り当てて仕事を進めます。(以前の記事:企業研究職の働き方:お金と時間単価

 

*いわゆるブラック企業はそうではありませんが、そういう企業は尋常ではない量の仕事を残業代なしでこなしていることも多いので、いったん話から外しました。

実験・仕事が勤務時間ごとにぶつ切りにされ、効率が悪くなる側面もある。

上記の理由もあり、勤務時間単位でいったん仕事を中断しなくてはならず

一気に進めたい仕事を数日に分ける必要があるなど、

効率が悪くなるケースがよく出てきます。

 

調製した試薬は半日しか使えない実験や、連続9時間必要な実験などは、

日数も時間もかかり効率が悪いです。

 

イントロで述べたHPLC分取の場合、

HPLCの立ち上げ作業やカラムの平衡化を毎日やり直す必要が出てきます。

経験者はこの非効率さを理解いただけるのではないでしょうか。

 

どうしても連続した時間が欲しい場合は、残業をすることになります。

しかし企業によっては事前申請が必要です。

残業は、建前上は会社からの指示で行うことなっているので、

事前に必要性を説明する必要があるなど、結構めんどくさいことも多いです。

 

結果として、「申請もめんどくさいし、連続して長時間働くのは難しいな」と感じ、

効率が悪いとは思いつつも勤務時間のルールに従って仕事をしている方が多いと思います。

私見:実験・作業のぶつ切りは、研究へのモチベーションを削っていく。

実験系の仕事をされている方には同意いただけると思いますが、

集中して実験しているときが一番充実感があり、良い結果が出やすいです。

自分が集中して働ける環境は、多くの研究者が求める労働環境ではないかと思います。

 

それに対し、時間のぶつ切りは「研究者が長時間集中して実験・作業できる環境」の一部を奪ってしまっています。

そしてこの点は、仕事の効率だけでなく研究者のモチベーションを奪う側面もあるのではと感じています。

 

勤務時間管理はとても大切なことで社員のQOLに大きく関わります。

しかし、研究者の立場から見ると、

時間のぶつ切りが発生することで仕事の効率が下がりモチベーションも奪われる

といったマイナス面があるのは事実です。

 

研究職の中には自分の好きなことをしている人も多く、

このような方ほど大きな成果をどんどん出して会社に貢献してくれます。

勤務時間管理による時間のぶつ切りは、

このような方から自由に集中して働ける環境を奪い、

モチベーションを下げてしまう可能性もあると思います。

 

この点を解消できる方法として、

残業申請の事後報告を許可する(本人が管理できている前提で)、

フレックスタイム制などで勤務時間の柔軟性を高める、勤務中の中抜けをOKとする

といったものがあると思います。

 

大企業では上記の制度が少しずつ導入されているようです。

今後このような働き方が多くの会社の研究所で実施されることで、

多くの企業の研究開発効率が変わってくるのではないかと思っています。

まとめ

・企業研究職は会社員。働ける時間に上限がある。

・実験・仕事が勤務時間ごとにぶつ切りにされ、効率が悪くなる側面もある。

・時間のぶつ切りは、研究へのモチベーションを削っていく。

勤怠管理がしっかりしている会社では

「効率よく働け、残業するな」

という掛け声が飛び交いますが、

研究職目線では

「管理されることで逆に効率下がることもあるんよな~」

と思うことも多いです。

 

このデメリットを踏まえつつも、

仕事や時間の管理ができ、かつ成果をどんどん出せる研究職が、「優秀な企業研究者」なのかもしれません。




企業研究職の学会発表:査読なしで研究成果をアピールできる場所

学会に行くと、

企業研究職の方が一般演題発表をしている場面をよく見かけます。

内容は多種多様ですが、

たいていはその企業の商品やサービスに関するポジティブな研究成果を

発表していることが多いと思います。

 

研究成果を報告する手段は、

学会発表だけでなく、論文、特許(この場合年数を要するが)、

商品化などさまざまなものがあります。

そのなかでも

学会発表という方法は、企業にとっていくつかメリットがあります

 

今回は、

企業が学会発表を選択する理由と、それに対する私見を書いていきます。

企業の研究者がなぜ学会で発表するのか。

まだ就職していない学生の方にとっては新しい視点になるかもしれません。

企業は、学会で研究成果を発表することで自社のアピールをしている。

学会発表であれば、企業が主張したいことをそのまま発表できる。

企業が学会発表を行うときの利点は、以下の2つです。

・主張したいことを査読なしでそのまま発表できる。

・要旨以外の資料が残りにくい。

主張したい成果を査読なしでそのまま発表できる。

企業が研究成果を対外的に発表する大きな目的は、

成果を公開して注目してもらい、

自社のモノやサービスの拡販につなげることです。

そのため企業は、自分たちの成果をスムーズに公表できる点を重要視します。

 

ご存じの通り、学会での発表内容は査読などの事前評価を受けません。

そのため、自分たちの主張したいことが発表でき

企業が研究成果を発表する上で都合がいいのです。

 

同業者に客観的な評価をもらうという目的もないわけではありませんが、

重要視していないことが多いです。

 

科学的な見地で議論することよりも、

成果を公開すること自体が重要というわけです。

要旨以外の資料が残りにくい。

また企業は、研究成果の都合のいいところは公開しつつも、

その研究に関連するノウハウや特許が絡む知見の公開にはとても慎重です。

 

学術論文の場合、研究手法のところに詳細を書く必要があり、

レビュワーの指摘によっては

本当は書きたくない内容まで書かされてしまう可能性がでてきます。

(科学の普遍性という点で議論はいろいろありますが、)

不必要に情報を公開しないということに、企業はとてもセンシティブです。

 

一方学会発表では、

要旨こそ公開されますがそこまで詳細に書かないケースも多く、

また発表資料についても配布されることはないため、

情報が一般に広く公開されるリスクは論文よりも下がります。

 

しかし新型コロナウィルス拡大以降、学会もオンライン開催が増えました。

学会の視聴ルールに

「スクリーンショットや録画は控えるように」と書かれていますが、

おそらくこの点は性善説と推測され、

スライドを撮影されている可能性は十分に考えられます。

 

企業側がこのリスクを配慮しすぎて、

スライドに載せる情報の選択も慎重になったり、

場合によっては学会発表を敬遠したりするようになるのでは?

と私は気になっています。

 

商品やサービスをPRするための発表も混在してしまう。

企業は基本的に営利団体のため、

企業での研究は自社のモノやサービスを売るために行われます。

そのため、一定の研究成果が得られ、

その成果を公表することで自社にメリットが得られると判断されたときに、

初めて対外的な発表が検討されます。

 

発表する以上、ある程度注目を集めることが重要です。

企業によっては学会発表前に

A学会で発表します」というプレスリリースを流しておくケースもあります。

発表を通して自社に注目を集め、

ゆくゆくは自社商品やサービスの認知度拡大や販売促進につなげることが、

意図として見え隠れしています。

 

しかし学会という場である以上、

発表内容は科学的な背景や手順を踏んだものであるべきで、

企業側もその点をしっかり準備して発表するのが礼儀です。

 

ただ残念なことに、その会社の商品の優位性を際立たせることを優先し、

科学的側面での新しさや面白さ(場合によっては内容そのもの)が

ほとんどない発表が混ざっています。

 

「これは営業か?」という発表も稀に見かけます。

プレゼン時間の大半を自社商品の紹介や背景紹介に割き、

研究成果をほとんど話さない発表も見かけます。

 

企業の方針なのか発表者の不手際や暴走なのか分かりませんが、

「学会」という場であることをしっかりと理解し、

聞き手に何かしらの知見を与えられるような発表を準備してほしい

と私は思っています。

企業の発表でも、科学的な面白さや新しさをアピールしてほしい。

以上のように、

企業の学会発表は自社の認知度アップや販売促進を意識したものが多いです。

ただ個人的には、その中にも

科学的な面白さ、新しさ、研究に対するその人の情熱といったものを

発表の中にしっかりと盛り込んでほしいと思っています。

 

自社商品のメリットをアピールするという姿勢や

ポジションそのものを完全には否定しません。

しかし、学会は一般消費者向けに向けたアピールの場ではなく、

科学的知見を議論する場所です。

 

企業の研究者であっても、

研究の新規性や今後の道筋などを研究者たちと共有し、

さらなる発展につなげることを念頭において発表してほしいと思っています。

まとめ

・学会発表であれば、企業が主張したいことをそのまま発表できる。

・注目を集められる一方、商品やサービスをPRするための発表も混在してしまう。

・個人的には、 企業の発表でも、科学的な面白さや新しさをアピールしてほしい。

 

学会では学生も多く発表しています。

緊張しつつも自分の研究の新しさや面白さを伝えようと

一生懸命にプレゼンをしている学生の姿を見ると、

自分の研究を広く多くの人に知ってもらいたいという気持ちを

思い出させてくれます。

対外発表をする時は、この気持ちを思い出して臨むようにしたいと思います。

 

研究職の仕事はこちら




技術スタッフ:企業の研究職にとって、いなくては困る存在

研究所には所属の社員だけではなく、

実験やその関連業務を担当してくれる技術スタッフがいます。

技術スタッフは主に実験作業やそれに関連するルーチンワークに従事しており、

研究所の成果に大きく貢献してくれる存在です。

 

私もパートタイマーの技術スタッフと一緒に仕事をしており、

このスタッフの予定(毎日の実験・作業日程)を毎週作成しています。

そのため、このスタッフにどのように働いてもらうかが、自分や会社の成果に大きく影響してきます。

 

仕事の成果は、仕事の内容、従事する人の個性や得意不得意、人間関係といった様々な要素が影響します。

私はこのことを念頭に置いて、

スタッフ本人が楽しく気持ちよく働けるような関係性を作り、本人が作業しやすいように仕事を割り振る

ようにしています。

 

今回は、協力スタッフと仕事をするうえで気を付けていることを書いていきます。

若手の頃はほぼすべてを自分一人で行う実験も、

年齢を重ねるとチームで取り組む機会が増えてきます。

誰かに指示を出して動いてもらうことが増えたときなどに、

今回お話しする内容が少しでも役に立つと嬉しいです。

いろんな人と上手に働くと、より多くの成果が生み出せます。

スタッフ本人のことをある程度知っておく

個人的には、他人のプライベートに土足で入っていくのはあまり好きではありません。

ただし、一緒に働くパートさんの生活パターンについては、ある程度知るようにしています。

(家族構成、お子さんの迎えの時間、通勤ルート、年休の予定)や仕事に関連する得意不得意(細かい作業が好き、力がないから重いものは持ちたくない、英語は苦手、など)

じっくり話すというよりも、一緒に働きながら聞いていく感じです。

 

一緒に働くスタッフの方が働きやすいペースで、

できるだけ得意なことを中心に任せたいなと思っています。

そのためにも、スタッフさんの事情はある程度知っておいた方がいいはずです。

面倒に感じることもあるかもしれませんが、

結果的に三方良し(スタッフさん良し、自分良し、成果も上がるから会社も良し)になるかなと思っています。

いきなりすべてを任せない

意外とやりがちです。(時々見かけます)

極端な事例で言えば、

「この論文の実験、試薬を自分で調べて準備しておいて」

とか、

「この実験、うまくいってないみたいだけど、理由と対策を調べておいて」

といった感じです。

 

技術スタッフは会社の後輩などと異なり、

「与えられた仕事をきっちりこなす」という意識で仕事をされていることが多い印象です。

こういった立場の人からすると「社員が何も教えてくれない」というのは恐怖です。

私は、以下のことを意識し、任せっきりにならないような工夫をしています。

・最初の実験系づくりは自分でやる。

・仕事をお願いするときも、最初はすべて一緒にやる。

・可能な範囲で、プロトコルを紙に起こす。

・結果の責任は依頼した自分にあると伝える。

 

スタッフさんの判断に委ねるのは、

ある程度信頼関係ができている段階で、現場レベルで判断してよいものについてです。

長期視点で考え、「効率」よりも「効果」で考える。

この内容は、ベストセラー本「7つの習慣」の「最優先事項を優先する」に書かれている内容をもとに、自分なりに考えを整理したものです。

主に新しい仕事をお願いするときに大切にしている考え方です。

 

他人に物事をお願いすることが苦手な人の思考の一つに、

「自分でやった方が早い」

というものがあるそうです。

 

「7つの習慣」には、

自分の時間を使うときは効率性を考え、人に任せるときは効果性を考える

と書かれています。

 

私の中では、

「今の時点の効率を考えるなら確かに自分でやった方が早い。でも、この仕事をスタッフさんができるようになれば、私は他の仕事に取り組めることで、もっと大きい効果が得られる。

と解釈しています。

一般的に、スタッフさんにはルーチンワークをお願いすることが多いです。

経験を積んで作業時間が短くなってきたときに、

別のお仕事もできるようにお願いしていくという感じです。

 

仕事をほかの人にお願いしない人が良く言っているのは、「教えるのが面倒」という理由です。

確かに教えるのは時間もかかりますし、

スタッフさんがすぐに身に着けてくれるとは限りません。

しかし、後々になって効果を最大化できる可能性があることを考えれば、

ここは時間をかけてでもスタッフに仕事を教えていった方がいいでしょう。

 

責任の範囲を考慮できているのであれば、

スタッフさんにいろいろを伝授していくことで、

結果的に自分が得られる成果も大きくなっていきます。

スタッフさんのキャパシティ内で、いろいろお願いしてしまいましょう。

まとめ

・スタッフさん本人のことを知り、働き方や指示の出し方に反映させる。

・いきなりスタッフに仕事を丸投げしないように気を付ける。

・ 長期視点での「効率」よりも「効果」を優先し、いろんな仕事をスタッフに教えていく。

 

会社で立場が上がれば上がるほど、

「スタッフ、部下、他部署にうまく仕事を割り振って、難しいこと、本当に重要なことに自分の力を注ぐべし」

とよく言われますが、最近これは本当にその通りだなと思います。

 

現在自分には部下に相当する人はいませんが、

この技術スタッフへの作業の割り振りや後輩への仕事の依頼を通して、

本当に大事なことに集中するするために、他人にうまく仕事を割り振る、お願いする」能力を身に着けたいと思います。




研究職が転職エージェントに登録してみてわかったこと。

以前の記事にも書きましたが、

研究職は普段から勉強をしていないといい仕事ができません。

とはいいつつもその勉強のきっかけは、

「仕事で必要になったから」

という受動的な理由であることも多いです。

 

この理由でも勉強しないよりはいいのですが、

会社で求められたことだけをやっている自分に気づき、ときどき以下のような心配が頭をよぎります。

 

「この会社で必要なことだけを身に着けているのではないか?」

「自分のスキル・能力・経験は、この会社でしか役に立たないのか、環境が変わっても活かせるのか」

 

会社員は通常、自分の能力についての評価やフィードバックをくれるのは

自分の上司や同僚しかいません。

しかもその間柄には利害関係が絡んでおり、客観的な評価がもらえているのか何とも言えません。

 

そこで、社外の人にコメントしてもらう方法がないかと考えました。

リベラルアーツ大学の記事などを参考にし、

その方法として転職エージェントに登録することにしました。

詳細は後日書きますが、

転職希望がない状態でもエージェントに登録することはでき、

自分のキャリアやスキルの評価をもらったり候補となる求人を見せてもらうことができます。

 

転職活動に関する極意などは、もっと専門的なサイトがたくさんあるのでそちらに譲ります。

今回は、私が転職エージェントに登録したほうがいいと思っている理由と、

登録状況について簡単に報告します。

前提:転職エージェントには登録しておき、自分の市場価値を知っておくほうがいい。

上記の通り、現時点で転職希望がない方でも、転職エージェントなどには登録しておくほうが良いと考えます。

理由は、以下の通りです。

・登録をきっかけに履歴書や職務経歴書を作ることになり、キャリアやスキルの棚卸ができる。

・自分の市場価値の客観的評価をエージェントから聞くことができる。

・自分の価値を高めるために必要な改善点を知ることができる。

 

理由や私見は改めて記事にしますが、上記の理由で転職エージェントを活用しても問題ないそうです。

登録状況

自分の市場価値を知りたいという目的のため、

あまり多くのエージェントには登録していません。

現在は2つの転職エージェントと2つの転職サイトに登録し、それぞれ面談を行ったのち定期的に求人を紹介してもらっています。

登録先は、JACリクルートメントリクルートエージェントビズリーチ、です。

また、研究者の就活・転職に特化したアカリクキャリアというサービスも登録しました。

その中でも主に、JACリクルートメントとアカリクキャリアを使用しています。

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)

登録者情報は(概略のみになりますが)以下の通りです。

 

・30代半ば、食品企業の研究職。

・大学の研究員を兼務している。

・博士号を持っている。

・その他(経験してきた業務、保有スキル、英語能力、など)

状況:求人紹介を幅広く依頼すれば、案件はそれなりにいただける。

状況としては、以下のような結果を得ています。

 

・食品を扱っている企業からの求人はそれなりにもらえる。研究職としての求人も含まれていた。

・自分の業務経験を考慮してか、トクホ、機能性表示食品、健康食品およびそれらを対象とした臨床試験にかかわる求人が多く届いた。おそらく、研究員というよりそれを専門とする人を必要とする求人であった。

・食品会社以外(化学メーカー、製薬メーカーなど)もあった。いずれの企業も、食品事業に従事する社員としての求人であった。

・企業によっては管理職候補の求人が届く。(30代にしては意外と多かった)

・待遇面はバラバラのため、コメントが難しい。ただし、企業間の差が大きいことはよくわかった。

 

具体的な説明はできませんが、

30代半ばの私であっても求人が全くないわけではないということが分かりました。

あるエージェントからは、

「求人情報は絶えず変化しているので、見るタイミングによっては紹介できる案件が今回の倍以上のときも、全くない時もある。だから、転職の可能性が少しでもあるなら、早い時期から相談に来てもらえると、数少ないチャンスをつかめる確率が上がるよ。

というコメントをもらいました。

 

また、私のキャリアを踏まえて今後伸ばしておいた方がよい部分を指摘してくれました。

この改善点は、転職に限らず社内出世の際にも役立つような内容で、

これを聞けただけでも収穫でした。

まとめ

・前提として、企業の研究員も転職エージェントに登録するメリットは多い。

・2つのサイトに登録したところ、いくつかの求人は紹介された。

・求人情報は絶えず変化しているので、少しでも気になる人は登録しておいて損はない。

転職活動はタイミング(+巡り合わせ)の要素が大きいようです。

現在私は希望はありませんが、

運をつかむための行動は常にとっていたいなと感じています。

 

JACリクルートメント 

高年収のハイクラス転職を目指したい方

アカリクキャリア

大学院卒の強みを生かした転職に特化)




研究職への新入社員配属:希望を叶えるためにできること。

研究やりたいのに、違う職場に配属されそう…

研究職に配属されたいけど、希望は通るのだろうか?

この記事を読んでいる皆様、いかがでしょうか?

 

以前の記事で、企業に就職して研究関連業務につきたい方は、

各企業ごとの採用枠やその先の配属先を確認してみようとお伝えしました。

 

就職活動をする学生の立場からすると、

この情報をもとに応募する企業を選ぶことはできますが、

採用された後に本当に研究関連業務に就けるかまでは正直分かりません。

 

私としても、「総合職」よりも「研究職」として採用された方が

可能性が高いことはお伝え出来ますが、

その先の配属希望が通っているかは、

自分の会社についてや他社の友人から聞いた情報しかありません。

ただ、共通することも多く、

その点についてはコメントできるかと考えています。

 

今回は、研究職につきたい方に向けて、

「新入社員配属にかかわる要素と、希望を通すために自分にできること」

について書いていきます。

研究職の新入社員配属:自分にできることを頑張ってみよう

新人の配属先に影響する要素

私がこれまで見てきたことや友人のコメントを聞く限り、

以下の要素は確実に影響します。

そしてこれらのほとんどは、「新人本人にはコントロールできない要素」です。

 

・本人の希望

・本人の出身、性格、スキルなど(ただし、会社から見た評価)

・ その年の採用人数 、他の新入社員の特性

・会社の業績や事業方針

・新入社員配属に関する会社の慣例

・事業所ごとの新人需要

本人の希望

新人配属を決める前に面談が設定され、

配属先希望を尋ねられることがあります(私もありました)。

配属先決定に影響するのかは正直分かりませんが、

新入社員はこの場で希望を出すことくらいしかできません。

強い希望があるなら発言しても問題ないと思います。

本人の出身、性格、スキルなど(ただし、会社から見た評価)

例えば、以下のようなものです。

「出身地域に近い事業所に配属する」

「明るい人柄だからお客様に近い部署で仕事をしてもらう」

「持っている研究スキルが会社ですぐに必要だから、研究所に配属する」

縁故採用の新人は、

採用の段階である程度方向性を決めていることもあるようです。

 

性格やスキルもあくまで「会社から見た評価」のため、

自分の認識とずれていることもよくあります。

その年の採用人数 、他の新入社員の特性

採用人数が少ない年は新人配属が毎年行われている部署が優先されますし、

人数が多い年は普段新人がいかない部署にも配属される可能性が出てきます。

 

また、配属先は自分だけでなく他の新入社員も含めた

全体最適で決められる傾向があります。

自分が研究所を希望していても、

研究所の配属枠が一人しかなく、

会社が欲しているスキルを持つ別の新入社員がいる場合、

その人が優先して配属されるといった可能性も出てきます。

会社の業績や事業方針

例えば、

・前の年に事業Aが急成長してマンパワーが必要だ。

・とにかくたくさん人を割り当てたい

といった時に

事業Aにかかわる部署に多く配属されることもあります。

新入社員配属に関する会社の慣例

例えば、

新人はまず現場に出てもらい、

一部優秀な人を本社業務や海外事業関連に異動させる

などのように、

これまでの会社の慣例として配属先やその比率がパターン化していることもあります。

部署・事業所ごとの新人需要

会社の中にもいろいろな部署があり、

仕事内容も規模もまちまちです。

新人に任せにくい仕事をする部署には配属は少ないですし、

直近1年で急に忙しくなった部署から人員補充の希望が出ているときに

そこに優先して配属されるといったこともあります。

 

上記の中では、本人の希望以外は会社都合の内容です。

新入社員の配属は、会社側の都合がとても大きくかかわり、

社員本人がコントロールできない要素が多いということが分かると思います。

 

次に、

企業で研究をしたい場合に応募する職種(研究職、総合職(理系))ごとに

簡単にコメントします。

研究職採用:ある程度パターンはあるが、それでも年度ごとに違う。

研究職で採用された方は、

採用の時点で配属先候補が研究関連部署に限定されており、

究と全く関係ない部署に配属される可能性は低いでしょう。

 

しかし、研究関連部署の中でも上記の要素は常に変化しており、

その年ごとに配属先候補が変わったり他の社員が優秀だったりと、

自分でコントロールできないことが多いでしょう。

総合職採用の場合:上記の要素が複雑に絡み、年度ごとに大きく変わる。

総合職採用で研究関連部署に配属を希望するとき、

まずは

「研究関連部署に配属されること」という点で

他の社員と競争することになります。

加えて総合職の場合、

研究関連部署の配属枠は相対的に少ない傾向があります。

 

上記の理由および先述の要素が複雑に絡んでおり、

総合職採用の人が希望通り研究関連部署に配属されるかは、

コントロールできない要素がかなり大きくなってきます。

配属先で結果を出して、異動希望を通してもらうしかない。

新入社員時点での希望通りの配属は、

正直運頼みに近いところがあります。

 

ただし、希望通りにいかなかったとしても、

その後に異動希望を出し続けることはでき、

数年後などに希望部署に異動できる可能性は残っています。

 

配属直後に希望が通ることは少ないので、

まずは一旦状況を受け入れ、自分がコントロールできることに集中しましょう。

 

具体的には、以下のことができると希望が通る可能性が高まってきます。

実際私の後輩もこれらのことを粘り強く行い、

希望をかなえて研究所に異動してきました。

 

・配属先で結果を出す。

・面談の際に異動希望を出し続ける。

・異動希望先の偉い人と(裏で)コネクションを作っておく。

 

もし仮に異動希望が全然通りそうにない雰囲気を感じたら、

転職活動などで希望する職種に就ける可能性を探ってもいいと思います。

特に若い方は、

直接の実務経験がなくても採用してくれる会社もあると聞きます。

自分の進みたい道をしっかり考えて行動できれば、道は開けるでしょう。

まとめ

・新人配属には様々な要素が絡んでいる。

・これらの要素は年度ごとに大きく変わる。

・研究職と比較し、総合職採用で研究関連部署に配属されるのは難しい。

・配属後の行動次第で、自分の希望に近い仕事に就ける可能性も十分にある。

 

結果を出して研究所への異動希望を通した社員は、

私が所属する会社では先日の後輩以外事例があまりないそうです。

実際その後輩は、水を得た魚のように生き生きと仕事をしてます。

 

新人配属の時点ではコントロールできない要素が大きいですが、

自分の行動次第で道を開ける可能性は十分にあるはずです。

 

関連記事:研究職志望者の就活:現役食品会社研究職からのアドバイス

関連記事:食品会社の研究職に向いている人

関連記事:学部卒でも研究職になれる?内定を取るためにできること




研究職と開発職:両者の違いを紹介②

先日の記事で、研究職と開発職では仕事内容以上に仕事における目線の違いを書きました。

・研究職:比較的先の未来を見て仕事をしている

・開発職:比較的直近の対応に目線が向いている。

今回はこの内容の補足です。

 

前回の記事で、

「研究と開発を両方やっている人もいる」

と書きました。

 

このタイプの人は、研究的な目線(長期目線)と開発の目線(短期目線)の両方をもっています。

直近の売り上げも意識しつつ会社の未来につながる仕事もできる。

このフレーズを聞くだけでもこの人は優秀そうに聞こえます。

 

研究職の長期目線や開発職の短期目線も、

偏りすぎるとそれは問題です。

会社全体の利益を考え、長期短期どちらの視点も持って仕事を進めるほうがよいはずです。

 

今回は、

研究職および開発職が、長期及び短期の両方の目線を持つために意識したほうが良いこと

について、私見を書いていきます。

研究職も開発職も、長期短期どちらの目線も持てるとよい。

研究職:営業や製造の状況など、直近の販売や売り上げに関する情報を知っておく。

研究所は本社や営業部門と立地が離れていることも多く、

会社の業績や営業関連の情報が鮮度よく入ってこない環境になりがちです。

現在の会社の売り上げ状況やそれに関連する課題について知る機会が減り、

この状況が続くとこれらのことに関心が向かなくなってしまう懸念があります。

 

会社員は、今の会社がどのような状況であるかを把握しておくことも大事な業務の一つです。

特に、研究以外の部署の状況や問題を知ると、

問題解決に対して研究者も意外と貢献できることがあると知ることができます。

 

私の周辺であった事例ですが、

営業担当の中に製品の品質管理に詳しい人がおらず、

ユーザーからの品質管理手法に関する問い合わせに中途半端な回答をしていることがありました。

この時研究者や技術者が入ったことで正確に回答でき、

問題の解決とユーザーからの信頼を得たというケースがありました。

 

情報を仕入れておき、

場合によっては適切なサポートを加えることで、

直近の問題解決に研究者として貢献できる場合があります。

これにより、他部署やユーザーからの信頼につながることもあります。

 

そういった意味でも、営業や製造といった他部署の現状を知って短期目線の視点を育てておくことも大切と思います。

開発職:潜在課題の解決や今後の事業展開について考える時間を確保する。

基本的に営業やユーザーからの問い合わせ対応には短い期限がつきものです

(営業の人曰く、これでもかなり緩めの条件だとか…)。

目の前の対応で忙しくなることが簡単に想像できます。

 

しかし、開発職という立場で実際に商品などを開発した流れを通して、

既存品の課題や問題点について気づいていることも多いと思います。

今クレームなどの対象になっていないものでも、

この課題を解決することでお客様の見えない不満を解消できる可能性も十分にあります。

 

また、今後の戦略を踏まえて開発計画を立てることも開発部門の仕事の一つです。

そういった意味で、目の前の仕事と同じくらい今後の計画をする時間を確保してもいいはずです。

 

期日が迫った仕事は確かにすぐに解決すべきです。

しかし、潜在的な問題課題を優先して解決することで、1年後の売り上げが変わってくる可能性も十分にあります。

重要度で仕事を区別し、

場合によっては緊急ではないが重要な仕事(7つの習慣より、引用)を先に行うなど、

長期的な影響を意識して仕事に取り組む姿勢を持っているといいかもしれません。

自分の仕事に集中しつつ、違う目線も持っていると強い。

実際所属する会社でも、役員や部長クラスの人音頭をとって、

研究職に直近のユーザー対応案件を調べさせる

開発職に潜在課題を見つめなおす時間を設けさせる

といった光景を見てきました。

 

研究職と開発職は部署こそ違うことが多いですが、

長期目線および短期目線の両方を求めていることように感じられます。

前回の記事の通り、研究職は長期目線の仕事が中心、開発職は目の前の仕事が中心になりがちです。

しかし、ここであえて違う視点を持つようにトレーニングすることで、

周囲の社員とは一味違った目線で仕事ができるようになります。

仕事の幅も広がり、自分自身の価値も上がっていくはずです。

まとめ

研究職:営業や開発などお客様や売り上げに近い情報も把握し、短期的に会社の力になるという視点も育てておく。

開発職:潜在課題、今後戦略のなどについて考える時間を設定し、長期的な視野を持った取り組みも増やしていく。

上記を意識することで、自分自身の価値も高まるはずです。

自分は研究職のため、会社の直近の状況をあまり把握せず仕事をしてきたような気がします。

 

自分の本業は大切ですが、

営業やユーザーからの問題を解決するなど、

短期的にでも会社の力になるという姿勢も持ち続けようと思っています。

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研究職と開発職:両者の違いを紹介①

特に食品会社の場合、

理系の新卒学生を「総合職(理系枠)」のような形で一括で採用し、その後様々な部署へ配属させることが多いですリンク:研究職と総合職

 

配属先としては、

基礎研究や応用研究を担う研究職、

商品開発にかかわる開発職、

生産管理系の部署、

製造現場(工場など)、

技術サポート部署、品質保証部署などがあります。

リンク:研究職の配属先

 

インターネットなどで就活生が調べているワードとして、

「研究職 開発職 違い」

というものを見つけました。

確かに、この2つの職種はパッと見た感じ違いが分かりません

しかし、仕事内容も違いますし、それ以上に仕事における目線が全く違います。

 

総合職で採用される場合、どちらに配属されるか分かりませんので、その違いを事前に知っておいてもいいかもしれません。

今回は、研究職と開発職の仕事の目線の違いについて書いていきます。

研究職と開発職では、仕事の目線が違う。

研究職:比較的先を見据えて仕事を進める傾向がある。

大学での研究を振り返ってみると、

ラボ全体の方向性や得意とする分野があり、

その中の一部がテーマとして学生に割り当てられていたと思います。

 

学生のテーマは1~2年程度で解決するかもしれません。

そして、所属する学生たちがそれぞれテーマをクリアすることでラボ全体の知見や成果が増えていき、

数年後などにラボが充実してくという流れをたどったと思います。

企業の研究も似たようなとこがあり、

研究職は「1年、数年あるいは10年先の新事業やあるべき姿を目指した仕事」が中心となることが多く、

比較的先に目標を据えて仕事をしています。

 

新しく開発した技術の場合、

その技術を使った商品が世に出るのは数年先になる可能性もあります。

新しい天然物の食品利用を目指している人は、

問題なく利用できるという証拠のデータ取りに数年かかるかもしれません。

 

研究職の仕事の多くは、

新規性があり評価に時間がかかるため、目立った結果が出るまでにかなりの時間がかかります。

全員が同じとは言いませんが、

研究職は主に、会社の未来を見据えた仕事に取り組んでいます。

開発職:直近の要望に応えること主眼がある。

研究職が先を見据えた仕事が多い一方、

開発職は直近の売り上げにかかわる仕事が中心です。

新商品開発やユーザーからの要望への対応など、

比較的お客様が近く期日の短い仕事が多いです。

 

食品企業の職種の中でも、

開発職は花形の印象があると思います。

自分の開発したものがスーパーやネットで販売されているのを見るのは、

成果としてイメージしやすいですし何よりうれしいです。

実際に自分の手で試作したのものが世に出ることもしばしばあり、やりがいも感じられるでしょう。

 

しかしその裏で、開発職の人はものすごいスピード感で仕事をしています。

技術が必要となる試作はその一部で、

それを実際に食品工場で作れるようにテストをしたり、

品質確認をしたり、

パッケージや容器を選択しデザインを検討したりなど、

一つの商品において無数の仕事が襲ってきます。もちろん、

これらの仕事を一人ですべてやるケースは少なく、

チームを組んで仕事を割り振っていることも多いです。

 

開発職では、

定期的なユーザー向け商品提案やシーズン物の新商品開発など、

一定の間隔で提案をする必要があります。

 

このような目の前のモノづくりに集中した仕事がしたい方は、

開発職に就けると力が発揮できるかもしれません。

このように、

開発職は直近の売り上げやモノづくり・販売にかかわる仕事をしており、

仕事の目線が比較的近くにあります。

研究職と開発職を区別しない会社も多い

研究職と開発職の違いを書いてきましたが、

逆に共通する点として「技術的なアプローチを使って仕事に携わること」が挙げられます。

理系学生をこれらの職種に配属させる理由は、

技術をうまく組み立てて物事を発明・解決していく能力が必要だとからだと思います。

 

企業によっては、

研究と開発で役割を明確に区別せず、

配属した社員に両方を担当させているケースもあります。

 

この場合、直近の問題解決という目線と数年・10年先の新しい事業づくりという、

2つの仕事を並行して行うことができます。

 

一人でモノづくりや技術開発のすべてに関わりたいエネルギッシュな方は、

このようなポジションにつくと大活躍できるかもしれません。

まとめ

・研究職:1年、数年、10年先の課題解決や新事業立ち上げなど、長期目線の目標が多い。

・開発職:新製品開発、ユーザーからの要望に対する対応など、短期的な問題解決に軸がある。

・研究職も開発職も、技術をもとに課題を解決するとことは共通している。両者を兼ねる人もいる。

仕事の目線が違うことから、両社が話すと会話がかみ合わないこともたまにあります。

ここでお互いの立場を理解してよいコミュニケーションが取れると、仕事の質はぐんと上がるでしょう。

 

総合職で採用されると、研究職にも開発職にも(その他の業務にも)配属される可能性があります。

配属先が分からないという不安はあるものの、

配属先の仕事を通して自分の隠れた適性が見えてくるかもしれません。

 

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食品業界の年収は?業界レベルでは低いが、福利厚生に注目せよ!

食品業界って年収低いらしいけどホント?

こんなうわさを聞いたことはないでしょうか。

私は現在食品会社で働いていますが、

就職前も就職後もこの話はよく耳にしています。

 

企業に就職するにあたって、年収という要素は非常に大事です。

お金を得るために働くという側面は当然強く、

年収が高い企業に就職したいというのはほぼ全員が思っていると思います。

年収の低い会社・業界にはいきたくないと思うのが普通でしょう!

 

業界や各企業の年収データについては、

就職四季報やインターネット上に年収データが公開されています。

この年収データはある程度参考にはなりますが、

企業間でデータを横並びで比較するのは正直難しいです。

 

なぜなら、これらのデータは企業間で前提が揃っていないことが多く、

データを横並びで見ることが正しい比較にはならないからです。

 

また、日本企業(特に大企業)では福利厚生が充実していることが多く、

福利厚生により手取り年収が大きく変わってくることも多いです。

特に、住宅に関する福利厚生は、手取り年収にとてつもない影響を与えます。

今回は、

食品業界の年収:業界レベルでは低いが、福利厚生で大きく差がつくことも

というテーマで書いていきます。

 

可能であれば就職四季報を手元に置き、

以下の情報を参考にしながら四季報の中身を確認してみるとよいでしょう。

食品業界の年収は?業界レベルでは低いが、福利厚生に注目せよ!

食品業界全体として、年収はあまり高くない傾向

まずは、業種別のデータを見てみましょう。

これについては、インターネット上で様々なデータが示されています。

たとえばclabelの調査結果を見てみると、

「飲食業界」のカテゴリー内に「食品製造」の平均年収が記載されています。

併記されている他の業界と比べると、

食品業界はそこまで年収が高いわけではないように見えます。

誰でも1000万円を越えられるわけではなさそうです。

しかし食品業界の中でも、企業間で差が間違いなくあります。

転職サイトの中の人さんのブログに2020年時点の企業ごとのデータが記載されていますが、

示されているデータを見るだけでもこのくらいの差があります。

 

基本的に日本国内食品企業の多くは、

新卒の給料が低くそこから勤続年数に合わせて増えていく

年功序列のスタイルをとっています。

 

そのため、新卒で入ったときはこちらの額よりもかなり低い額が支給されます。

このランキングが高い企業ほど新卒でも年収が高そうと推定されますが、

あくまで参考としてとらえておくのが良いでしょう。

研究職の年収も、おおむね同じように考えてよいと思います。

ただし、企業ごとに研究職が他の採用者と給与体系が同じとは限りません。

次に説明する注意点も踏まえて、データは参考としてとらえるようにしましょう。

年収データに影響している見えない要素

次にデータを見るにあたっての注意として、

この年収データの裏には外から見えない様々な要素が隠れてしまっていることを述べておきます。

私の中では以下の点に特に注目します。

・年齢層および平均年齢

・職種(総合職だけなのか一般職や管理職を含むのか)およびその比率

・福利厚生:外から見えない隠れた収入(借り上げ社宅と住宅手当を例に)

 

年齢層および平均年齢

特に就職四季報のデータを読む際には注意しましょう。

一般的に、食品企業の年収は年功序列体系です。

そのため、社員全体の年齢層が高いほど平均年収は高く算出されます

 

職種(総合職だけなのか一般職や管理職を含むのか)およびその比率

どの企業でも一般的に、転勤を伴う総合職の方が一般職と比べて年収は高く設定されています。

そのため、総合職の人数が多いほど年収は高く算出され

一般職が多く働いている企業は若干数値が下がる可能性があります。

 

また、総合職は一定の年次になると管理職へ登用されますが、

登用される年齢や選抜方法が会社によって異なります。

 

管理職へ登用される年齢も、年収算出に影響します。

若い年齢から管理職への登用がある会社では、

年収が上がりつつある総合職社員が管理職に移ってしまい、

残っている総合職の年齢層が低く年収も低く算出されます。

 

逆に、管理職になれる年齢が遅い会社では高給高齢の総合職が存在し、

年収が高めに算出される可能性があります。

 

研究職については、総合職採用の会社では同じ給与体系となります。私の会社もこのパターンです。

ただし、会社によっては異動の多い総合職と研究職では、

手当のつけ方が違うなど扱いを分けているケースも聞きます。

この辺りは会社に入ってみないとわからないので、具体的な言及は難しいです。

 

資料によっては、算出の対象を総合職のみに絞っているケースがありますので、

いずれにしても年収データが対象としている職種には気を付けましょう。

 

福利厚生:外から見えない隠れた収入(借り上げ社宅と住宅手当を例に)

年収データはインターネット上にたくさんでていますが、福利厚生データはあまり出てきません。

これは、外部に開示することが難しかったり、

同じように表記されていても運用の仕方が会社によって違うことも多いからです。

 

分かりやすい例として、住宅手当借り上げ社宅を例に説明します。

住宅手当:社員が家賃を払うための費用を給与に上乗せして社員に渡す=手当は課税対象となる。

借り上げ社宅:会社の経費として家賃が支払われる=給与天引きとなれば、所得が減り節税となる。

 

住宅手当は、

「社員が支払う家賃の一部にあたり金額を、給与に上乗せする」

という形がよくとられます。

単純に給与に手当乗るのでないよりはあった方がありがたいですが、

その分所得が増え課税対象となってしまいます。

 

一方借り上げ社宅は、住宅の借主は会社であり、家賃の支払いは会社が行います。

たいていは給与から天引きされていることが多く、

その分課税対象となる額が下がり、

結果として所得税が下がるというメリットがあります。

 

また、借り上げ社宅の家賃は会社が一部を負担してくれるケースがあります。

会社が負担してくれる割合は会社によって全然違います。

例えば、家賃10万円の物件を1年借りるとして、会社負担分がA社は1割B社は5割だったとすると。

A社の社員負担分:10万円×0.9×12か月 = 108万円

B社の社員負担分:10万円×0.5×12か月 = 60万円

となり、社員の負担が大きく変わってきます。

これだけ変わると生活は相当楽になります。

この額を年収で上げるには転職で大成功するしかないかもしれません。

 

借り上げ社宅、会社が家賃を一部負担する制度が組み合わさると、

社員の手取りは大きく変わってきます。

四季報やネット上の情報ではわからない「外から見えない隠れた収入」です。

 

おそらく年収を気にしている方々は、

本当は、「年収」ではなく「手取り年収」が知りたいのだと思います。

転職サイトの口コミなどを参考に、

ネット上の数値データを基に想像してみると面白いかもしれません。

まとめ

・食品業界としては年収はあまり高くない傾向

・年収データは条件が企業間でバラバラのため、横並びの比較は難しい。

・福利厚生などの「隠れた収入」もあるが、これも企業によって全く違う。

 

他社の年収は私も知りたいですが、どれだけ頑張っても質の高い情報は集まってきません。

求人票に書いてある条件を眺めながら、およその検討を付けてみるのも楽しいかもしれません。

 

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就活で食品会社を検討している皆様、

現役食品会社研究職の著者の視点で、

出身学部の傾向を以下の記事にまとめました。

https://researcherinacompany.com/recruit-11/



研究職に向いている人の特徴:「〇〇をずっと続けられる人」

研究職に向いている人は、どんな特徴ですか?

時々目にするご質問ですが、改めて言われてみると、

どんな人が研究職に向いているか、なかなか答えられないのではないでしょうか? 

 

企業の研究職に就くと、

これまで自分が経験してこなかったことをたくさん担当します。

仕事を通してさまざまな経験をして、

会社員・企業研究者として成長していきます。

一方、

企業研究者は会社員であると同時に、

科学の発展に貢献する研究者でもあります。

新しい技術を開発すれば、

世界のモノづくりを変えてしまう可能性もあります。

 

世界ではいたるところで最先端の研究が行われ、

日々新発見や技術開発が行われています。

 

今回は、

研究職に向いている人の特徴:就職後も勉強し続けられる人は向いています!

について書いていきます。

研究職に向いている人の特徴:就職後も勉強し続けられる人は向いています!

企業にいると、勉強する努力を怠りがち。

仕事が忙しくても忙しくなくても、

自分のための時間を確保して有意義に使うのは難しいです。

仕事が忙しいと、

勉強をしている時間を確保するのは難しく感じられます。

特に企業では次から次へと案件が舞い込んでくるため、

それを処理しているうちに一日終わってしまったとこともザラです。

周りの人もそのような状況だと、

会社や部署の雰囲気的に緊急を要さない仕事を優先できないでしょう。

仕事が忙しくなくても、

自分の勉強にうまく時間を回すのは心理的に難しいところがあります。

 

私は、今はそこまで忙しくない部署に所属しています。

しかし、特に会社では、人もいっぱいいると話がはずみます。

雑談がすべて悪というつもりはありませんが、

自分も含めて勉強する時間はいっぱいあるのに

うまく使えていないことも多いように感じられます。

余裕ある時間をすべて有意義なものに注力できないのが人というものです。

 

忙しいと時間がなく、忙しくなくてもうまく時間が使えない。

会社にはどちらのタイプの人もたくさんいます。

新しいことを常に学んで、科学の発展についていかないと、いい仕事ができない。

しかし、

今後の自分のために絶対に必要なのが、「自己投資」「勉強」です。

特に研究者は、

「常に最先端の知見を得ておく」

「新しい技術を身に着ける」ために、

一定の時間を確保したほうがよい

と私は考えています。

 

なぜなら、たとえ企業であっても、

研究者の仕事は世界に先駆けて何かを成し遂げることであり、

最先端の技術や知見がないと世界中の競争相手と戦えないからです。

 

競争相手より先に開発して特許をとる、

また競争相手の技術を別の技術に転用して自社のノウハウとする。

その競争相手は日本に限らず世界のどこかにいるかもしれない。

このことは頭に入れておく必要があります。

常に科学の発展についていけないと、研究者として一流の仕事はできない。

そのように私は考えています。

 

自己投資や勉強に自分の時間をうまく使えている人は、優秀な人が多いです。

このような人は、

研究職として世の中から取り残されることなく生きていけるのでしょう。

知識やスキルは常に増やしていこう。

例えば、今の小学生はプログラミングが必修科目として学んでいます。

10年後を想像してみてください。

会社に入ってくる彼らの多くは、

プログラミングの基本概念が頭に入っているでしょう。

彼らからしたら

「プログラミングに触れたことがないって…」と少し白い眼を向けるかもしれません。

一昔前は一部の専門家のスキルであったプログラミングも、

現在は幅広い分野の方が利用しています。

今はまだ知らなくても何とかなっていても、

5年後10年後は社会人の必須スキルになっているかもしれません。

 

今のうちから基本を少し勉強しておくだけでも、

数年後の自分を助けてくれるはずです。

 

例としてプログラミングを出しましたが、

技術開発や新発見も常に世界中で行われています。

本業にかかわりそうな技術や知見を常に勉強し、

数年後自分の知識や技術がさび付かないようにしましょう。

お金をかけずに今からできることとして、以下2つを挙げておきます。

 

・自分の周りを見渡し、先端技術やノウハウに触れている人から教えてもらう。

・時間をみつけてセミナーに参加する。知識を得るだけでも十分(と私は思います)。

 

ちなみに私は、ずっと敬遠していたRとPythonを勉強し始めました。

仕事上のきっかけもありますが、

それ以上に「何らかの形でプログラミングの分野に触れておきたかった」

という意識によるものが大きかったです

基本だけでも知っておき、自分の今後の支えになればいいなと考えています。

まとめ

・企業研究職も、最先端の技術などを勉強する時間を確保しないと、一流の仕事ができなくなる。

・知識やスキルは常にアップデートし、科学の発展についていこう。

私もこれからずっと勉強です。新しいことも楽しんで吸収していきたいです。

 

研究職を志望する学生にお勧めするサイト

研究職を中心に就活を目指している学生の方は、

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最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

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【経験あり】決めない上司への対策案:どうしようもない時は転職も考えよう

うちの上司は何も決められない

上司が決めないから仕事が進まない

あるある過ぎて首がもげそうです。 

 

仕事をしていると、「自分だけでは決められない物事」に頻繁に出くわします。

このような状況においても冷静に判断を下し、適切な行動をとることができる人こそ、

仕事ができる人だと思っています。

実際、会社でもそのような人は仕事が早く、部下上司から信頼されやすい傾向があると思います。

 

しかし、会社員全員が決めることに慣れているわけではありません。

上司ガチャが外れて決断力がない上司に当たると、

自分の進めたい仕事に支障が出てくることがあります。

決められない事情は様々あると思いますが、

部下である自分としては決断力ある上司に恵まれたいといつも考えてしまいます。

 

今回は、会社において物事が決定されるスキームを踏まえ、

決断力がない上司が発生してしまう理由の考察(個人的見解)

決断力のある上司に恵まれるメリット

について書いていきます。

 

決断力がない上司が増える理由と、恵まれたときのメリット

責任がとれる範囲は立場で変わる。

私たちの日常生活も決めることの連続です。

朝食を食べるか、出社するか在宅勤務にするか、

細胞の継代を今日にするか明日にするかなど、

普段からいろんなことを決めています。

物事の大きさや質はさておき、「決めること」は一人でもできます。

 

ただし、一人でも決められる内容は「自分で責任がとれる範囲」であることが大半です。

 

他人の都合がかかわること、会社のお金を動かすことなどは、

権限がない社員には決めることができません。

権限が与えられていない事柄については、

決定権のある人に(場合によっては自分の意見を添えて)判断をゆだね、

決められたことを実施するという流れになります。

責任を取れる範囲は、一人一人の立場で全然違います。

責任をとりたくない人が多いと、物事を決めるのに時間がかかりやすい

ところが、出世していろいろな権限を付与された管理職の中にも、

物事を決められない人がいます。

 

「出世により責任ある決めごとをしなくてはいけなくなったが、

判断を誤って責任を取りたくないから一人で決めたくない

という潜在意識が働いているようです。

こういう人、いっぱいいませんか?

 

この人たちは、

いろんな人を集めて一緒に決める」という行動をとります。

いわゆる「会議」を設定します。

 

日本企業は無駄な会議が多い」というフレーズをよく耳にします。

そもそも、会議は「物事を決めるため」設定されています。

権限を持つ偉い人たちが集まっていろんなことを決定するのが会議です。

 

会議は、その場にいた参加者に責任を分散させられるという側面を持っています。

一人で責任を負いたくない人にしてみれば、

責任を分散させられる都合の良い機会となります。

 

しかし、会議で物事を決める場合

決めるまで時間がかかる」というデメリットがあります。

スケジュールがタイトな偉い人たちを集める必要があり、

会議の日程がなかなか決まらないこともざらです。

 

決定を待たないと仕事を次のステップへ移行できず、

結果として仕事が遅延することにつながります。

 

もちろん、会社の仕組みとして会議で決めるべき議題も多く存在しています。

しかし、会議を通さずに決められることが多ければ、

決定にかける時間が短くなり、仕事のスピードがあがるはずです。

 

部下は上司を選べない

権限を持つ上司や上長が、一人がその場で決定を下してくれるか」は、

仕事のスピード感に大きくかかわります。

決断力のある人に恵まれると、待つ時間が短くなり、

結果実務にすぐに取り掛かることができ、仕事が早く進むからです。

 

「上司ガチャ」という言葉があるように、部下は上司を選べません。

もし、物事を決められない上司にあたってしまうこともあります。

私も以前そのような状況にありました。

 

上司が物事を決めるストレスを軽くしてあげよう。

なかなか決めてくれない上司に対して私が良くやっているのは、

上司が物事を決めるストレスを軽くしてあげる

ような行動を増やすことです。

具体的には、以下のことを意識して仕事をしています。

 

・その上司が信頼を寄せている人に提案内容を説明し、その人から上司に判断をゆだねてもらう。

・上司の上司をメールのccに入れるなど、少し監視の目を増やしてみる。

・(あまりお勧めしませんが場合によっては)自分で決めたことを事後報告する。

 

その上司の性格なども絡んでくるため良い方法は人によって違うと思いますが、

社内社外の状況を注視しつつ仕事を進めるうえで最善の選択をとれるよう、自分も訓練していきます。

まとめ

・責任を取りたくないという潜在意識が上司にあると、物事の決定が遅くなる傾向がある。

・決断力のある人に恵まれると、仕事のスピード感が高まる。

社内政治という言葉もあるように、うまく上司や上長をコントロールできると、

滞りがちな仕事が少しずつ動き出すかもしれません。

私もいろいろ試しながらがんばっていきます。

 

もしどうしても合わないなら、転職活動を考えてみて。

上司に対していろいろ働きかけたけど、上司はなかなか変わらない。

もう、この上司の下では働けない。

そう感じている方も少なくないと思います。

 

ただ残念ながら、社内であなたが上司を変えることは難しいです。

その代わりにできることは、あなた自身が異動・移動することかもしれません。

 

最近、転職市場が活発になっており、良い求人もたくさん出回っているようです。

実際、私自身も2023年に転職を実現し、年収もアップしました。

私は主にJACリクルートメントを使用しました。

 

今回の記事を読んで少しでも転職活動に興味がわいた方は、

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就活生向け:研究所見学はできるだけたくさん参加しよう!

リクナビやマイナビなどの就職活動サイトがオープンし、プレエントリーなどが始まっています。

食品企業への就職を検討している方も、この時期からいろいろな会社について調べ、応募に向けた準備を始めていくと思います。

理科系の学生の中には、研究職として働きたいという方もいるかと思います。

 

私自身の就職活動は、大学院修士1年のこの時期に開始し、6月に最後の企業の合否を受け取って終了しました。

この間、私自身は研究を優先したいという希望があり、

就職活動は分野や企業数を絞って進めました。

 

就職活動に関して、一つ後悔していることがあります。

それは、「もっと多くの企業に応募すればよかった」という点です。

その理由は、

「研究者として会社に勤めるとそう簡単に他社の中を覗けない。しかし、就活生はそれができる」

というものです。

 

今回は、

「特に理科系の研究職を希望している方は、就活ではできるだけたくさん応募して会社の中を見てみよう」

という私の意見とその理由について書いていきます。

会社の研究所を覗けるのは、新卒採用でしかできない貴重な機会チャンス!

研究者として働くと、他社の様子(特に他社の研究所)について知る機会が減る。

企業の研究所には、その会社のこれまでの知見や将来に向けたシーズが数多く眠っています。

そのため、基本的に外部の人は中に入れません。

自社独自の技術やノウハウが、見学に来た人によって流出してしまうリスクがあるからです。

言い換えると、「他社の情報は喉から手がてるほど欲しいもの」ということです。

 

特に同業他社の場合、研究所を少し見ただけで膨大な情報を感じ取ることができます。

専門が近い分着眼点が増えるためです。

以上のように、研究所はその会社の機密情報や独自のノウハウがたくさん隠れており、普通は外部の人には見せません。

就職活動では、選考過程で本社や研究所を見せてくれる会社もある。

しかし一部の企業は選考中の学生を対象に、研究所の一部を公開しています。

研究所見学は選考途中に設定されることが多いため、選考を通過している企業が多いほど見学の機会を多く得ることができます。

いろんな会社を見学する機会が得られるのは、就活中くらいしかありません。

 

実際私も就職活動中、5社の研究所を見学しました。

しかし就職以降、他社の研究所を見学したのは2か所しかありません(しかも数年親密に付き合った企業のみ)。

就職してしまうと、他社の研究所を見学する機会はほとんどなくなってしまいます。

 

確かに、何も知らない学生が研究所の中を見たところで、具体的に得られるものはあまり多くないかもしれません。

企業側も、選考中の学生にアピールするために開催しており、機密情報や重要なスペースなどは公開しません。

 

しかし、一度見た研究所のことは案外覚えているものです

建物の大きさや新しさ、会議室の作り、事務所と作業所の位置関係(結構離れていることも多い)、各部屋の名前(研究分野の個性が出ます)、入っている設備、研究員の作業服、などなど…。

 

当時は、「作業服があんまり格好良くない」「PCR装置が大学のラボより新しい」「エバポレーターの数がすごい」「フリーアドレスってなんかよくわかんない」とか、その程度の感想しか持ちませんでした。

しかし今の会社に勤めてから、就活当時のことを思い出して自分の会社と比べてしまうことがあります。

比べることができると、今のラボの良さや改善点に気づくことができます。

普段から意識しているわけではありませんが、

ふとした瞬間に「A社に置いてあるあの装置を使えば、A社の技術を自社にも導入できる」とか「B社みたいに培養室を用途で分けた方が、作業改善になる」など、

当時の経験がたまに今の業務にヒントをもたらすことがあります。就活時の見学って意外と今でも活用できます。

 

研究所は少し見ただけでもいろいろなノウハウを知ることができます、学生にしかないこの機会を十分に生かしてほしいなと思います。

まとめ

・企業の研究所は機密情報やノウハウが隠れており、通常他社には公開しない。そのため、他社の研究所について知る機会は非常に少ない。

就活生に研究所見学を実施している企業がある。いろんな会社の中を見学できる貴重な機会ので、ぜひ生かしてほしい。

就活当時は、この研究所見学がこんなに貴重な機会だとは思っていませんでした。就活中はいろいろ忙しくなると思いますが、いろんな会社を覗ける実質唯一の機会です。うまく活用してください!

 

理系就活をする際は、理系向け情報が集まるサイトを使おう!

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研究職は総合職とは何が違う?:理系就活の「採用枠」に気をつけよ。

研究職を希望しているけど、募集要項に【総合職】と書いている会社でも応募していいの?

研究職と総合職って、何が違うの?

この記事を開いた就活生の皆様、気になりますよね? 

 

理系大学院を卒業される学生の中に、「研究職」を希望されている学生は多いと思います。

研究部門は会社の将来の事業を作る大事な部署であり、所属する研究員は自分の研究が10年20年後に花開くことを目指して日々の業務に励んでいます。

そういったことにやりがいを見出せる方は、ぜひ研究部門に進んでみてください。

 

しかし、研究職を目指して就職活動をする場合、最初に気を付けなくてはいけないのが

研究する部署に採用・配属される可能性があるか」を知っておくことです。

特に食品の企業の中には、研究職としての採用枠を設けていない企業が多いです。

 

現在私は上場企業の研究所で働いています。

しかし、採用時の採用枠は「総合職の理系採用」であり、「研究職」ではありませんでした。

いくつかの部署を巡った後に研究所に配属され、それ以降ずっと研究所で働いています。

採用されたときは必ずしも研究を希望していたわけではなく、様々な巡り合わせを経て今の仕事に辿り着きました。

 

今回は、

企業で研究員として働きたいなら、まず「採用枠」を確認しましょう

という内容についてを書いていきます。

大学院や理系学生の就職活動には、大学院生&理系学生に特化した就活サイトアカリクが役立ちます。

最近は、「アカリクイベント」というオンライン就活イベントも行われているそうです。

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研究職採用枠があるか確認!ただし、総合職から研究所へ異動するケースもある。

採用枠を確認しましょう。「研究職」なら研究に近い仕事に携われるはず。

就職活動の際に就職四季報や企業のサイトを見ると思いますが、その際「採用枠」もしっかり確認してみましょう。

「研究職」もしくはそれに近い名前の採用枠があれば、研究関連に従事する人を採用枠として確保していることを示しています。

各社の内情までは分かりませんが、採用後は基本的に研究関連部門を中心に配属や異動がなされるようです。

研究職採用のメリット・デメリット

研究職採用のメリットとしては、

研究所が集約されている場合は転居を伴う異動の可能性が低く、ライフプランが立てやすくなるというメリットもあります。

 

しかしデメリットとして、異動の範囲も研究関連に限定される場合、研究関連の仕事が自分に向いてなかったり楽しくなかったときに、社内でのつぶしが効かなくなる可能性があるようです。

 

一方、特に食品企業では「研究職」として枠を設けている企業は非常に少ないです。

たいていの場合、「(理系の)総合職」として一括で採用し、その後一部の社員を研究部門へ配属させています。

 

総合職は「将来の幹部候補であり、それまでは転勤が前提」で採用されています。

配属先も製造、商品開発、品質保証、技術営業、設備管理、情報システムなど多岐にわたり、配属や異動は基本的に会社が決めます。

さまざまな業務に携われるチャンスがあり、自分に合った仕事を見つけられる可能性があります。

自分の意外な長所を見つけられるかもしれません。

 

総合職採用後に、研究関連部門に異動できる?

さて、総合職採用後に研究関連部門を希望して配属されることはできるのでしょうか。

私の答えとしては、

可能性はあるが、運や巡り合わせの要素が大きいとなります。

 

運や巡り合わせというのは、本人がコントロールできない要素が大きく影響するという意味です。

会社の人事異動には、担当者の異動や退職、部署やプロジェクトの新設や廃止などなど、

さまざまな出来事がその都度絡んでいます。

研究員が一度に数人退職したときや、研究プロジェクトが立ち上がるタイミングであれば配属のチャンスは高いかもしれませんが、そうでないときはなかなか難しいかもしれません。

 

希望の職種にたどり着くには運の要素が大きいですが、その運をつかめるのは普段から準備をしている人です。

配属された部署でしっかり結果を出し、そのうえで配置転換希望を出す、(場合によっては、研究部門の人とつながって顔を覚えてもらう)。

準備をしつつタイミングを逃さないようにしましょう。

研究職と総合職それぞれのメリットデメリット

企業で研究の仕事がしたいという観点での、採用枠ごとメリットデメリットをまとめます。

研究職のメリット、デメリット

・研究に近い分野に携われる可能性が高い。

・特に研究所が集約されている企業であれば、転勤の可能性が総合職と比べて圧倒的に低い。

・実際に仕事をしてみて「なんか違うな…」と思った時に、社内でのつぶしが効きにくい。

・研究以外の分野への配置転換を希望しても、なかなか通らない可能性がある。

 

総合職のメリット、デメリット

・採用後の配属は会社が決める。転勤を伴う異動が課されることも多い。

・様々な職種に配置される可能性があり、自分に適した意外な仕事を見つけられる可能性がある。

・研究所へ配属されるかは、「運と巡り合わせ」の要素が強く、なかなか難しいこともある。

 

上記の特徴を踏まえつつ、まずは企業ごとの採用枠や職種を確認してみましょう。

詳細は各企業で異なりますので、同社に就職したOBなどから情報を集めてみてください。

まとめ

・会社ごとに採用の仕方が違うので、採用枠をしっかり確認しよう!

・研究職につきたい場合は、「研究職」と書かれている採用枠の方が、研究関連の仕事に就ける可能性が高い。

・「研究職」「総合職」それぞれに特徴があります。自分が進みたい道やなりたい姿をイメージしたうえで選考にエントリーしましょう。

今後も定期的に就活関連の記事を作成していきます。

 

理系就活をする際は、理系向け情報が集まるサイトを使おう!

この記事を読んでいる中に理系就活を準備している人がいましたら、とてもうれしいです。

ぜひ皆様には納得できる就職活動を過ごしてほしいですし、記事を書くことで少しでもその応援ができればと思います。

 

理系向けの就活情報をうまく使い、自分らしく就職活動を進めてみてください。

また、理系就活では、理系向けの情報を常に仕入れておくことはとても大切です

理系学生の就職活動には、

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研究テーマを増やし、成功確率を高めよう!企業で研究テーマを増やすメリット

企業では基本的に、研究テーマは上から降ってきます。与えられたテーマについて、おおよそいつまでにどのようなことを明らかにするか(物を作る、処方を決める、製造方法を確定させる、など)指示がでます。研究員はこの使命を果たすために日々業務を行っています。

自分の周りには、たくさんの研究テーマを走らせている人もいれば、一つのテーマに絞って取り組んでいる人もいます。いろんな研究を走らせていてすごいなーとも思うし、一つのことを突き詰めることも素晴らしいなとも思っています。一方で、テーマが一つの人はモチベーション維持に苦しんでいる人が多い印象があります。また、テーマが一つの人は成功をつかみ取れる可能性も限定され、結果が出ないことに苦しむリスクも高いのではと感じるようになりました。

今回は、企業において研究テーマが少ないことによるリスクと、そのリスクを避けるための私の工夫をお話しします。

結論:テーマが複数あった方が、モチベーションが維持でき結果に恵まれる可能性が高い

テーマの割り当ては運次第。テーマが一つだとメンタルが苦しい時も

研究は基本失敗の連続です。作業ミス、手法が間違っている、仮説そのものが間違っているなどなど…次につながるポジティブな結果を得られるのは、10回に1回くらいかもしれません。

研究テーマが一つだと、自分の精神状態がそのテーマの成功に大きく依存します。特に研究のように失敗が連続する分野では、余程確たる信念がないと簡単にモチベーションが下がってしまいます。

研究テーマにも難易度や研究員との相性があります。しかし、会社から与えられる際にはそこまで考慮されていないことも多く、どのような研究をさせられるかは運による要素が大きいです。難しすぎる内容であったり自分の得意分野と離れていたりすると、人によってはやる気を維持できず、「やる気もなさそうで成果も出せない人」というレッテルを貼られてしまう可能性もあります。

特に運悪く苦手な分野の研究を割り当てられた人は、メインの仕事を進めつつも、自分の普段のモチベーションを保ち成果を出すための工夫をしないと、精神的につらい状況になってしまいます。

そのような状況を解決する方法として、自分でいくつかのサブテーマを設定して並行して走らせることを意識しています。

複数テーマの方が、モチベーションを保ちやすく結果的に成功にも近づく。

私は研究活動について、「まずは成果を得ることを優先した方がよい」と考えています。「打率よりもヒットの数が重要であり、ヒットを増やせば少しずつ長打の数も増え、成功の数も質も変わってくる」という考え方です。

そのため私は会社で、与えられたメインテーマ以外にも勝手にサブテーマを3個くらい設定し、メインテーマの陰でコソコソ裏調査や闇実験をやっています。サブである以上予算を使いすぎたり目立ちすぎたりしないように気を付けていますが、個人的興味で設定したテーマのため普段のモチベーション維持には効果絶大です。加えて、別のテーマがあるという安心感のおかげで、一つのテーマで失敗しても受ける精神的ダメージを小さくすることもできます。

仮にメインテーマがうまくいかなくて終了しても、サブテーマをメイン化して自分の仕事にできる可能性もあります。サブテーマについていかに会社にとって重要であるかを説明し、すでに出ている結果を一部示すことができれば、次のメインテーマとして走らせることができます。もともと個人的な興味から始まったテーマであれば、普段からモチベーション高く仕事ができるようになり、より質の高い成果につながりやすくなります。結果を出すことが、自分の価値を高める唯一の方法です。

まとめ

どのような研究テーマを割り当てられるかは正直運次第。複数テーマを並行させた方が、モチベーションの維持もしやすく、結果的に成功を得られる可能性がある。

私はそう思って、会社から与えられたメインテーマだけでなく、得意な研究領域の専門性を高められるサブテーマを設定して仕事をしています。




【博士は付加価値】企業研究職が博士号を持つメリットは?

博士を持っていても、企業では何のメリットもないよ!

いやいや、研究職は博士しか採用しない会社も多いよ!

どちらの意見も聞いたことはありませんか?

 

理系学部学生の大半は、学部4年生もしくは修士2年生の段階で新卒として企業へ就職するのが一般的となっています。

特に、修士卒の学生は企業の理科系の採用枠で就職できる可能性が高いようです。

 

修士の学生は博士課程へ進学し研究活動を続けることもできますが、

その割合はあまり多くないようです。

博士卒の学生を採用している企業の数は修士の学生と比べると非常に少なく(もしくは修士と博士で待遇が同じでメリットが少ないため)、

博士に行きたくてもいけない学生もいるようです。

この状況だけみると、企業は博士を必要としていないように見えてしまいます。

 

一方で、一部の企業では、社員(研究員)を大学の博士課程へ進学させるケースがあります。

少なくともこのような企業では博士号を推奨しているように見えますが、

一方で新卒採用では博士卒をあまりとらないことも多いです。

社員が博士号を持っていることは企業にとってプラスなのか、なかなかわかりづらいように感じられます。

 

今回は、

博士号を持っていることが会社員にとって優位性のあるものなのか

そして、「自分自身のためにも博士号は持っておいた方がいい」という私の考えについてお話しします。

 

博士は付加価値、研究者としては持っていた方がいい。

博士号が社内で活かされるかは、正直なところ会社次第

博士号が社内で活かされるかは、

正直なところ、「会社次第です」という答えになります。

会社・研究所・部署ごとに、博士への進学や博士取得者に対する印象や期待が全然違うからです。

 

例えば、社内の研究者育成プランの一つに「博士取得」が含まれている会社もあります。

このような会社では、この仕組みに乗っかって博士課程へ進んだ方もいるはずです。

 

しかしこのケース、「会社と大学で共同研究を結び、会社の研究テーマで博士号を取らせる」という条件付きであることが大半です。

会社側は、「博士号をとらせること」だけを目的にしているのではなく、

「共同研究で会社のためになる結果を得てもらい、ついでに博士号も取ってもらう」というスタンスでいることが多いです。

ただ一方で、このような会社では研究員が出世する(はっきりとは言われていない)条件の一つに博士修了が入っている可能性があります。なかなか難しいですね。

 

一方、社内に博士取得者がいない、新卒採用も学士卒や修士卒までの会社では、

博士というものにあまり価値を置いていない可能性があります。

研究所の偉い人たちも博士号を持っていませんので、社員にそういった資質を求めないんでしょう…。

裏を返すと、自分が博士号をとれば周りから一つ抜きんでることにもなります。

異動してきた研究所のトップが「これからは博士持ちの研究員を増やしたい」と宣言したら、その時点で社内でアドバンテージを得られるかもしれません。

研究者として生きていくなら、博士号を持っていて損はない。

アカデミアの研究者にとって博士号は研究員としての合格証みたいなもので、

これをとることで各ポストへの応募ができます。

企業ではそういったケースは必ずしも多くはありませんが、

博士号は自分の研究者としての資質を分かりやすく示してくれるものであり、特に外部と仕事をする際に役立つことがあります。

 

たとえ企業の研究員だとしても、共同研究などでアカデミアの研究者と一緒に仕事する機会はあるはずです。

その時に、博士を持っていることによって(特に海外の研究者とは)序盤のコミュニケーションが非常に進めやすくなります。仕事をスムーズに進めるための最初の潤滑油になってくれます。

 

そして何より、博士号は「自分は研究員としての合格証を持っている」という自分自身の付加価値化につながります。

博士をとるためのプロセス(自分で研究を立案・実施し、論文を書き査読をクリアして受理させ、博士論文の審査を通過する)を通過したという、

研究者としての一定の能力を示すことになるからです。

特に30代などの若い方であれば、民間企業以外の研究機関も転職対象になるなど、自分の可能性を広げることにつながるはずです。

 

もちろんその人の専門性や成し遂げた仕事の方に注目すべきですが、博士号は名刺にも書けますし分かりやすい形で自分の価値をアピールしてくれるはずです。

まとめ

博士号が会社で活かされるかは会社の雰囲気によりますが、

自分の付加価値化という面でとっておいて損はないと思います。

 

博士号そのものは「足の裏の米粒、とっても食えない」と言う人もいますが、博士号が自分の価値を高めてくれる側面は確実にあります。

企業の研究者でもタイミングを見て博士進学を申請してみてはいかがでしょうか。



 

民間企業と博士号に関する記事はこちら

カテゴリー:研究職と博士号